遺産相続を弁護士に依頼!報酬は誰が払う?お金に困った場合の対処法も

投稿 更新
Category:
相続

contents section

遺産相続を弁護士に依頼!報酬は誰が払う?お金に困った場合の対処法も
シェアボタン
この記事は約10分で読めます。

遺産相続をスムーズに進めていくため、弁護士への依頼を検討する方も多いのではないでしょうか。弁護士に依頼すれば、法律に関する専門知識をもとに、さまざまな手続きをしっかりとサポートしてもらえるでしょう。しかしその一方で「弁護士費用が不安…」と感じがちです。
遺産相続を弁護士に依頼した場合、報酬は誰が支払うものなのでしょうか?お金がない場合の対処法も解説します。

遺産相続を弁護士に依頼!具体的に対応してもらえる業務とは?

遺産相続を弁護士に依頼!具体的に対応してもらえる業務とは?
遺産相続を弁護士に依頼!具体的に対応してもらえる業務とは?

「遺産相続を弁護士に依頼」と聞いても、具体的に何をどうお願いできるのかよくわからない…と感じる方は多いものです。まずは遺産相続において、弁護士に何を依頼できるのか確認しておきましょう。

・遺言書の作成サポート
・遺言執行
・遺産相続に関するトラブルの解決サポート(代理交渉など)
・相続放棄
・遺留分侵害額請求

たとえば、自分自身が遺言書を残したいと思う場合、弁護士に依頼することで、遺言書の内容決定から具体的な遺言書作成まで、すべてをサポートしてもらえます。遺言書が法的に無効と判断されるリスクもありませんし、遺言書に記した内容に誤解が生じる恐れもないでしょう。相続財産や相続人に関する調査もお任せできるため、自身の手間は最小限に、より確実な遺言書を残せるはずです。

自身が相続人の立場であれば、親族間トラブルの解決や、各種手続きを依頼できます。遺産相続において、誰が何をどう受け継ぐのかなかなか決まらず、揉めごとに発展してしまうケースも少なくありません。弁護士に依頼すれば、法的知識をもとに、遺産分割をスムーズに行えるようサポートしてくれるでしょう。自分自身の代理人として、親族と交渉してもらうことももちろん可能です。

相続放棄や遺留分侵害額請求についても、弁護士に依頼すれば不安なく進めていけます。「初めてで何もわからない…」という場合でも、弁護士に相続を依頼すれば、確実に手続きを済ませられるでしょう。

弁護士報酬の目安と支払う人は?

相続問題を弁護士に依頼する場合に、気になるのが「弁護士報酬はいくらになるのか?」という点です。具体的な報酬金額は、依頼先事務所や依頼内容によっても違ってきます。まずは、弁護士費用の内訳についてチェックしてみましょう。弁護士に支払うお金は、以下のとおりです。

・相談料(弁護士への相談時に発生する費用)
・着手金(弁護士に正式に依頼した段階で支払う費用)
・報奨金(依頼内容が完了し、成功した際に支払う費用)
・手数料(事務手続きを行う場合に支払う費用)
・日当(弁護士が遠方まで出張した際に支払う費用)
・実費(役場に支払う手数料や収入印紙代、切手代など。交通費や宿泊費が含まれるケースも)

相談料・着手金・報奨金、それぞれの費用目安は以下のとおりです。

・相談料 → 30分5,000円程度
・着手金 → 20万円~30万円
・報奨金 → 依頼人が受けた経済的利益の4~16%

相談料については、「初回無料相談」をうたう弁護士事務所も少なくありません。また報奨金については、「弁護士に依頼することで発生した経済的利益」から支払えば良いので、あらかじめ用意しておく必要はないでしょう。

また、ひと言で「相続」と言っても、依頼内容はさまざまです。弁護士に何を依頼するのかによっても、発生する費用は大きく違ってくるはずです。たとえば遺言書作成を依頼した場合の費用相場は10~20万円、遺言執行の場合は30~100万円程度です。相続放棄を依頼する場合、1人あたり5万~11万円が相場となるでしょう。

「実際に誰がその費用を支払うのか?」という点についてですが、基本的には依頼人本人が支払います。というのも、弁護士とは依頼人のために働くものだから。たとえば、遺産分割をめぐって親族間でトラブルが発生した場合でも、弁護士がいれば依頼人の利益のために動いてくれます。多少コストはかかっても、それ以上のメリットを期待できるケースも多いはずです。

一方で、遺言執行を弁護士に依頼する場合、誰か特定の相続人の味方となって働くわけではありません。この場合は遺産から弁護士報酬を支払い、残った分を分配対象にするのが一般的です。

弁護士費用が払えない場合の対処法3つ

相続を弁護士に依頼するメリットは多いものの、報酬金額は決して低額ではありません。「自分の力だけではどうにもならず、弁護士のサポートが必要だがお金がない…」といった場合には、どうすれば良いのでしょうか。対処法を3つ紹介します。

★1.無料相談で相談してみる

弁護士費用の支払いに不安を感じている場合、まずは弁護士事務所の無料相談に出かけてみましょう。初回に限り、無料で相談に応じてくれる事務所は決して少なくありません。そこで、なぜ弁護士が必要なのかを説明するとともに、報酬支払いについて不安を抱えている旨を相談してみましょう。

自身が抱えている問題について、専門知識を有する弁護士に相談すれば、弁護士に依頼しなくても解決できる方法をアドバイスしてもらえるかもしれません。この場合、弁護士費用を支払う必要はなくなります。相談の結果、「やはり弁護士の介入が必要」と判断される場合には、ぜひ後払いや分割払いについても相談してみてください。

今はお金がなくても、弁護士の介入によって経済的利益が発生する可能性が高いのであれば、最終的な支払いに問題は生じないでしょう。柔軟に対応してくれる弁護士事務所を探してみるのがおすすめです。

★2.法テラスを利用する


もう一つおすすめなのが、法テラスの民事法律扶助制度を利用する方法です。収入や資産に関する基準をクリアしていて、また「勝訴の見込みがないとは言えない」という条件を満たす必要はあるものの、無料法律相談や弁護士費用の立て替えといった制度を利用できます。

法テラスの無料法律相談を使えば、1つの問題につき3回まで無料で相談可能です。また弁護士費用についても、「いったん法テラスが支払いを行い、その後法テラスに対して分割で支払いをする」という形式を選択できます。

民事法律扶助を利用できるかどうかの条件は、非常に複雑です。法テラスのサイトに掲載された情報や電話相談も活用し、自身が対象に入るかどうか確認してみてください。

遺産相続を弁護士に依頼してスムーズに進めよう

遺産相続を弁護士に依頼してスムーズに進めよう
遺産相続を弁護士に依頼してスムーズに進めよう

遺産相続を弁護士に依頼するメリットは多々あります。スムーズに手続きを進めていけますし、早い段階から専門家に入ってもらうことで、親族間トラブルを予防する効果も期待できるでしょう。報酬面で不安がある場合には、弁護士事務所に相談してみたり、法テラスの民事法律扶助を使ったりするのがおすすめです。金銭面での不安を解消し、より良い相続を目指してみてください。

Category:
相続
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • 50歳以上のための賢い税金対策:安心して暮らすための3つのポイント

    50歳以上のための賢い税金対策:安心して

    50歳以上の方々にとって、将来への安心な生活を送るために税金対策は重要なテーマとなります。節税や適切な申告によって、税金に困ることなく豊かな人生を送ることができます。本記事では、50歳以上の方々に向けた賢い税金対策のポイントを解説し、安心して暮らすためのアドバイスを提供します。 1: 知っておきたい節税の基本 将来の安心な生活を送るために、節税の基本を押さえましょう。 1.1

  • 相続手続き代行サービスとは?利用の流れ・注意点・選び方まで

    相続手続き代行サービスとは?利用の流れ・

    身近な人が亡くなった際に、発生するのが「相続」に関する手続きです。精神的な負担も大きい時期ですが、相続関連の各種手続きも避けては通れません。少しでも負担を減らしたい…と思う場合には、相続手続き代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか? 相続手続き代行サービスとはどういったものなのか、利用の流れや注意点も含め、詳しく解説していきます。複数社で悩んだ場合の選び方のコツも紹介するので、

  • 遺産として残された預貯金は引き出せない?対処法と手続きの流れ

    遺産として残された預貯金は引き出せない?

    身近な人が亡くなった際に、トラブルになりやすいのが「被相続人名義の預貯金の引き出し」についてです。預貯金や遺産として扱われるため、取り扱いには注意しましょう。「遺産として残された預貯金は引き出せない」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。対処法や必要な手続きについて詳しく解説します。 預貯金が引き出せなくなるのは口座が凍結されるから 亡くなった人の口座からお金が引き出

  • 終活パートナーに「弁護士」はあり?活用場面やメリット・デメリットを解説

    終活パートナーに「弁護士」はあり?活用場

    終活を進めていく上で、「自分一人で全部を決めるのは不安…」「誰か専門家にサポートしてほしい」と思う方も多いでしょう。こんなときには、弁護士の手を借りることを検討してみてください。 終活パートナーに弁護士を選ぶメリットや活用したい場面、依頼前に知っておくべき注意点等を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 終活パートナーに弁護士はあり!活用場面は? 人生の終わりと自身の老後につ

  • 相続対策―60歳以上の方への生前の準備ガイド

    相続対策―60歳以上の方への生前の準備ガ

    60歳以上の方々にとって、相続対策は大切な一歩です。この記事では、生前の準備に焦点を当て、円滑な相続のためのポイントをご紹介します。相続に関する知識の習得や具体的な対策のスケジュールについて解説し、安心と準備を整えるお手伝いをいたします。 相続対策の意義 1.1 相続対策の重要性 相続対策がなぜ重要なのか、その意義について詳しく解説します。遺族への負担軽減や遺産の有効活用など、

  • 「親の会社を相続する」とは?手続きの基本と注意点を学ぼう

    「親の会社を相続する」とは?手続きの基本

    経営者である親が亡くなった際に、発生するのが「会社の相続」です。個人の相続よりも複雑になる可能性もあるため、慎重に準備を進めていく必要があるでしょう。「会社を相続する」という言葉の意味や手続きの基本、覚えておくべき注意点まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 「会社を相続する」とは? 「会社を相続する」とは? まずは、「会社を相続する」という言葉の意味を知ることか

コトダマのバナー