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  • 万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    生まれた子供の将来に備え、「できる限りのことをしておきたい」と思う方も多いのではないでしょうか。何事もなく、一緒に日々を過ごしていけるのが理想ですが、万が一のときのことも、考えておくと安心です。自身の想いを届けるための方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 生命保険に加入する 自分に万が一のことがあったときに、心配なのが子供の教育費や生活費です。こうした不安を解消するため生命保険に加入すれば、「どんなことがあっても強く生きていってほしい」というメッセージを伝えてくれるでしょう。子供が幼いうちは、その意味に気付かないかもしれませんが、成長したのち、自分が何を残してもらっているのか理解してくれるはずです。 生命保険には、「受取人を指定して加入できる」というメリットがあります。子供自身を受取人にして保険に加入しておけば、自分亡き後も、より確実に子供に財産を残せるでしょう。生命保険は遺産相続における分割対象に含まれませんから、子供が相続する財産が目減りする恐れもありません。 また生命保険金には、相続税についても非課税枠が用意されています。「500万円×法定相続人の数」までは相続税が課せられません。相続税対策としても有効ですから、ぜひ参考にしてみてください。 学資保険に加入する 学資保険も、子供の将来を想って加入する保険です。早めに加入しておけば、自分に万が一のことがあった場合も、それ以降の保険料の支払いは免除されます。生命保険と同様に、子供の将来の金銭面をサポートしてくれるでしょう。 令和の時代になっても、家庭の金銭面を理由に進学をあきらめざるを得ないケースは少なくありません。もちろん「奨学金を利用して自分自身で進学する」という道もありますが、社会人となった子供自身に、返済負担は重くのしかかってしまうでしょう。学資保険であらかじめ備えておけば、負担軽減につながるはずです。また金銭的な問題を理由に、「やりたい勉強をあきらめる」といったリスクも少なくできます。 学資保険に加入する場合、「何を目的に加入するのか?」をはっきりさせた上で、保険商品を検討しましょう。というのも、近年学資保険の種類も多様化しているから。「子供の将来の進学に備えて」という基本理念には変わりがないものの、保険金を受け取る年齢や条件には、さまざまなバリエーションが用意されています。 もっとも人気なのは「子供の大学進学に備えて、18歳で満期保険金を受け取れる」というタイプです。子供が早生まれの場合、実際の支払いまでに間に合わない可能性がありますが、17歳で保険金を受け取れるように、調整しておくのも良いでしょう。 大学進学だけではなく、中学や高校への進学時にもお祝い金が支払われる保険もあります。ただしこの場合、大学進学時に一括で受け取る場合と比較して、保険金の返戻率が低下してしまう可能性も。メリットとデメリットを比較した上で、必要な保険を選択してみてください。 学資保険に加入できる期間は、各保険会社によって定められています。6~7歳前後を限度とするケースが多いため、加入忘れに注意しましょう。子供がまだ幼い時期には、「受取時期をいつにすれば良いのか、具体的にイメージできない…」と思う方も多いかもしれません。受取時期は、後から変更も可能なので心配は要りません。 ただし「保険会社を変更する」「今加入している保険を解約し、別の保険へと乗り換える」といった場合には、これまで支払った保険金で損をしてしまう可能性も。保険会社や保険タイプについては、後悔しないよう事前にしっかりと検討するのがおすすめです。 手紙を残す 手紙を残す 上記2つは、自分に万が一のことがあったときのため、経済的な備えをするための手段です。とはいえ、子供が健やかに成長するためには、「お金さえあれば良い」というわけではないでしょう。精神的なフォローについても、準備を整えておくのがおすすめです。 もっとも手軽にできるのは、将来の子供に向けて、手紙を残すという方法です。自身の想いを文字にしたため、子供のために残しておきましょう。手紙であれば、伝えたい内容ができた時点で、どんどん増やしていくことが可能。何事もなく子供が大きくなれば、親元を離れての進学、就職・結婚といった人生の節目に、渡してあげると喜ばれます。 「手紙を自分の手元に残しておいても、万が一のときに子供の手に渡らなかったら…」と不安を感じる場合は、以下のようなサービスの利用を検討してみてください。 【タイムカプセル郵便/公益財団法人日本郵趣協会】 大切な人への手紙を、最大10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合の料金は「基本料金500円+(年間保管料150円×年数)」のみ。最大年数である10年後を指定した場合でも、わずか2,000円で利用できます。手紙は定型サイズであれば、写真の同封も可能。現金や貴金属、壊れやすいものには対応していません。 【タイムカプセル郵便みらいぽすと/特定非営利活動法人みらいぽすと】 大切な人への手紙を、原則として最大で10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合、A4サイズで10枚まで、100グラムまでの依頼が可能。データ保証はないものの、USBメモリも同封できます。タイプカプセルコースを選べば、手紙以外に小物やCD、DVDも同封可能。手紙コースの料金は、5年までなら1,500円、10年までなら2,000円です。 ビデオメッセージを残す 文字ではなく、映像で自分の言葉を残せば、より想いの伝わるメッセージとなるでしょう。言葉の内容だけではなく、話し手の表情や雰囲気など、さまざまな情報を伝えられます。どれだけ子供を愛しているか、よりわかりやすく残しておけるでしょう。 ビデオメッセージには、何度も見返すことができ、そのたびに愛する人の姿を見られるというメリットがあります。自分で手軽に動画を残せる時代ではありますが、一つの作品として完成度にこだわるのであれば、プロに依頼するのもおすすめです。 ビデオメッセージを作成する際には、まずテーマを決めて、伝えたい内容についてあらかじめまとめておくと良いでしょう。より自然な雰囲気で撮影したいなら、シチュエーションにもこだわってみてください。 子供に想いを届ける方法はさまざま 子供に想いを届ける方法はさまざま 万が一のときのため、子供に想いを届ける方法はさまざまです。目的に応じて、より良い方法を選んでみてください。もちろん、気持ちを伝える方法は複数あっても大丈夫です。組み合わせて利用すれば、より強いメッセージを発信できるのではないでしょうか。今回紹介した情報も、ぜひ参考にしてみてください。

  • 万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    生まれた子供の将来に備え、「できる限りのことをしておきたい」と思う方も多いのではないでしょうか。何事もなく、一緒に日々を過ごしていけるのが理想ですが、万が一のときのことも、考えておくと安心です。自身の想いを届けるための方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 生命保険に加入する 生命保険に加入する 自分に万が一のことがあったときに、心配なのが子供の教育費や生活費です。こうした不安を解消するため生命保険に加入すれば、「どんなことがあっても強く生きていってほしい」というメッセージを伝えてくれるでしょう。子供が幼いうちは、その意味に気付かないかもしれませんが、成長したのち、自分が何を残してもらっているのか理解してくれるはずです。 生命保険には、「受取人を指定して加入できる」というメリットがあります。子供自身を受取人にして保険に加入しておけば、自分亡き後も、より確実に子供に財産を残せるでしょう。生命保険は遺産相続における分割対象に含まれませんから、子供が相続する財産が目減りする恐れもありません。 また生命保険金には、相続税についても非課税枠が用意されています。「500万円×法定相続人の数」までは相続税が課せられません。相続税対策としても有効ですから、ぜひ参考にしてみてください。 学資保険に加入する 学資保険も、子供の将来を想って加入する保険です。早めに加入しておけば、自分に万が一のことがあった場合も、それ以降の保険料の支払いは免除されます。生命保険と同様に、子供の将来の金銭面をサポートしてくれるでしょう。 令和の時代になっても、家庭の金銭面を理由に進学をあきらめざるを得ないケースは少なくありません。もちろん「奨学金を利用して自分自身で進学する」という道もありますが、社会人となった子供自身に、返済負担は重くのしかかってしまうでしょう。学資保険であらかじめ備えておけば、負担軽減につながるはずです。また金銭的な問題を理由に、「やりたい勉強をあきらめる」といったリスクも少なくできます。 学資保険に加入する場合、「何を目的に加入するのか?」をはっきりさせた上で、保険商品を検討しましょう。というのも、近年学資保険の種類も多様化しているから。「子供の将来の進学に備えて」という基本理念には変わりがないものの、保険金を受け取る年齢や条件には、さまざまなバリエーションが用意されています。 もっとも人気なのは「子供の大学進学に備えて、18歳で満期保険金を受け取れる」というタイプです。子供が早生まれの場合、実際の支払いまでに間に合わない可能性がありますが、17歳で保険金を受け取れるように、調整しておくのも良いでしょう。 大学進学だけではなく、中学や高校への進学時にもお祝い金が支払われる保険もあります。ただしこの場合、大学進学時に一括で受け取る場合と比較して、保険金の返戻率が低下してしまう可能性も。メリットとデメリットを比較した上で、必要な保険を選択してみてください。 学資保険に加入できる期間は、各保険会社によって定められています。6~7歳前後を限度とするケースが多いため、加入忘れに注意しましょう。子供がまだ幼い時期には、「受取時期をいつにすれば良いのか、具体的にイメージできない…」と思う方も多いかもしれません。受取時期は、後から変更も可能なので心配は要りません。 ただし「保険会社を変更する」「今加入している保険を解約し、別の保険へと乗り換える」といった場合には、これまで支払った保険金で損をしてしまう可能性も。保険会社や保険タイプについては、後悔しないよう事前にしっかりと検討するのがおすすめです。 手紙を残す 上記2つは、自分に万が一のことがあったときのため、経済的な備えをするための手段です。とはいえ、子供が健やかに成長するためには、「お金さえあれば良い」というわけではないでしょう。精神的なフォローについても、準備を整えておくのがおすすめです。 もっとも手軽にできるのは、将来の子供に向けて、手紙を残すという方法です。自身の想いを文字にしたため、子供のために残しておきましょう。手紙であれば、伝えたい内容ができた時点で、どんどん増やしていくことが可能。何事もなく子供が大きくなれば、親元を離れての進学、就職・結婚といった人生の節目に、渡してあげると喜ばれます。 「手紙を自分の手元に残しておいても、万が一のときに子供の手に渡らなかったら…」と不安を感じる場合は、以下のようなサービスの利用を検討してみてください。 【タイムカプセル郵便/公益財団法人日本郵趣協会】 大切な人への手紙を、最大10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合の料金は「基本料金500円+(年間保管料150円×年数)」のみ。最大年数である10年後を指定した場合でも、わずか2,000円で利用できます。手紙は定型サイズであれば、写真の同封も可能。現金や貴金属、壊れやすいものには対応していません。 【タイムカプセル郵便みらいぽすと/特定非営利活動法人みらいぽすと】 大切な人への手紙を、原則として最大で10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合、A4サイズで10枚まで、100グラムまでの依頼が可能。データ保証はないものの、USBメモリも同封できます。タイプカプセルコースを選べば、手紙以外に小物やCD、DVDも同封可能。手紙コースの料金は、5年までなら1,500円、10年までなら2,000円です。 ビデオメッセージを残す 文字ではなく、映像で自分の言葉を残せば、より想いの伝わるメッセージとなるでしょう。言葉の内容だけではなく、話し手の表情や雰囲気など、さまざまな情報を伝えられます。どれだけ子供を愛しているか、よりわかりやすく残しておけるでしょう。 ビデオメッセージには、何度も見返すことができ、そのたびに愛する人の姿を見られるというメリットがあります。自分で手軽に動画を残せる時代ではありますが、一つの作品として完成度にこだわるのであれば、プロに依頼するのもおすすめです。 ビデオメッセージを作成する際には、まずテーマを決めて、伝えたい内容についてあらかじめまとめておくと良いでしょう。より自然な雰囲気で撮影したいなら、シチュエーションにもこだわってみてください。 子供に想いを届ける方法はさまざま 子供に想いを届ける方法はさまざま 万が一のときのため、子供に想いを届ける方法はさまざまです。目的に応じて、より良い方法を選んでみてください。もちろん、気持ちを伝える方法は複数あっても大丈夫です。組み合わせて利用すれば、より強いメッセージを発信できるのではないでしょうか。今回紹介した情報も、ぜひ参考にしてみてください。

  • 厚生年金の種類を解説…必要十分な保障のための基礎知識

    厚生年金の種類を解説…必要十分な保障のための基礎知識

    会社勤めをしている人にとって、厚生年金とは、「よくわからないまま加入している年金制度」といったイメージも強いのかもしれません。保険料は給与から天引きされるため、「支払っている」という意識が乏しい点も特徴的だと言えるでしょう。とはいえ将来の保障を考える上で、厚生年金にまつわる基本的な知識はマスト。身につけておいて損はありません。厚生年金の種類や、将来の保障を考える際のポイントなどについて、わかりやすく解説します。 厚生年金制度とは? 厚生年金制度とは? まずは厚生年金制度の概要についておさらいしておきましょう。 日本の公的年金は、基礎年金と厚生年金の2つで構成されています。基礎年金とは、原則として20歳以上のすべての国民に加入が義務付けられているもの。加入期間は60歳まで続きます。 一方で厚生年金に加入できるのは、会社員や公務員として仕事をしている人のみです。厚生年金加入は、法人もしくは5人以上の従業員を雇用している個人事業主に課せられた義務の一つ。保険料は事業主と従業員が半分ずつ支払う仕組みになっています。 基礎年金だけではなく厚生年金にも加入している人は、将来的に受け取る年金額がアップします。基礎年金とは違い、厚生年金の保険料は、毎月の給料やボーナスの金額によって違ってくるもの。受け取る給料の額が大きければその分保険料も高くはなりますが、将来受け取る年金額も増えるでしょう。厚生年金で自分が支払う保険料が多くなるということは、その分会社負担分も増えるということです。長い目で見れば、非常にお得な制度です。 厚生年金の種類 厚生年金と言えば、「老後の生活を支えるための資金」というイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、厚生年金の種類はそれだけではありません。3つの種類を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。 ★老齢厚生年金 「年金」と言われて、最初に思いつくのはやはり老齢年金でしょう。厚生年金で受給できる老齢年金は、「老齢厚生年金」と呼ばれています。基本的には、65歳から受給可能です。仕事から引退したあと、老後の生活を支えるお金と言えるでしょう。 老齢厚生年金は、老齢基礎年金にプラスして支給されますが、受給額は以下のようなポイントに左右されます。 ・現役時代にどれだけ厚生年金に加入していたか?・どれだけの厚生年金保険料を納めてきたか? 基本的に国民全員が加入する国民年金とは違い、厚生年金の加入実績は人それぞれで異なります。自分がどれだけの年金を受け取れるのか気になったら、年金定期便にてチェックするのがおすすめです。 ★障害厚生年金 障害年金は、病気やけがが原因で障害が残ってしまった場合など、一定の条件を満たすことで支給される年金を指します。国民年金から支給される年金を「障害基礎年金」、そして厚生年金から支給されるのが「障害厚生年金」です。 障害厚生年金を受給するための主な条件としては、 ・初診日が厚生年金加入中である・障害等級が1級・2級・3級のいずれかにあたる などが挙げられるでしょう。障害等級が1級もしくは2級の場合、障害基礎年金と障害厚生年金をセットで受給できます。障害等級が3級の場合は、障害厚生年金のみが受給対象となります。 ★遺族厚生年金 遺族年金は、生計を一にする家族の中で主にお金を稼いでいた人が亡くなった場合に、生計を維持されていた家族を対象に支給される年金のこと。こちらも、国民年金から支給される遺族基礎年金と厚生年金から支給される遺族厚生年金の2種類があります。 遺族厚生年金を受給できるのは、亡くなった人の配偶者と子、父母、孫、祖父母のいずれかです。誰が受け取るのか自分たちで決定できるわけではなく、受給者としての順位がもっとも高い人が受給し、それ以外の人に受給権は発生しない仕組みになっています。 このように、厚生年金とは「年をとったときだけに活躍する制度」というわけではありません。障害や死亡など、予期せぬ理由で働けなくなった場合でも、その後の自分や家族の生活を支える柱になってくれるでしょう。いざというときに素早く手続きするためにも、ぜひ年金制度の基礎知識を頭に入れておいてください。 将来の保障を考える上でのポイントとは? 将来の保障を考える上でのポイントとは? 結婚し子どもが生まれると、「自分に万が一のことがあっても、家族の生活を守れるように」という理由で、将来の保障について真剣に考え始める方も多いのではないでしょうか。子どものための学資保険や、万が一のときのための生命保険は、積極的に検討したいところです。 保障が手厚い保険に加入すれば、万が一のときでも安心して生活できるでしょう。しかし一方で、保障が手厚い保険は、「保険料が高い」という特徴があります。特にまだ子どもが小さい時期に、「保険料に多額のお金を費やすのはちょっと…」と思ってしまうのも無理はありません。 こんなとき、ぜひ頭に入れておきたいのが厚生年金の種類についてです。先ほどもお伝えしたとおり、厚生年金は「老後のため」だけのものではありません。一から保険に加入するのではなく、「万が一のときには障害厚生年金や遺族厚生年金を受け取れる」という認識の上で、足りない保障をプラスしていくのがおすすめです。 遺族厚生年金で受け取れる金額は「老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」と定められています。報酬比例部分は平均標準報酬額から計算できますから、具体的な金額も導き出せるでしょう。「一家の大黒柱である自分が亡くなったあとも、家族が生活に困らないように」との目的で生命保険に加入するのであれば、遺族厚生年金分は保障を減らせます。保険料負担も、その分軽くなるでしょう。 将来のための保障で、今の生活が苦しくなっては意味がありません。公的年金制度もしっかりと活用し、金銭面での準備を十分に整えたら、ぜひ今の家族の生活を充実させる工夫も取り入れてみてください。 厚生年金制度をしっかり理解し無駄のない保障を組み立てよう 「もしも将来、万が一の事態になってしまったら…」という不安は、誰もが抱くものです。特に子どもが生まれると、今後の家計の見通しが難しくなります。将来の安心のため、手厚い保障に惹かれる方も多いのではないでしょうか。 とはいえ公的年金制度にも、「万が一の事態が発生した場合に、家族の生活を守るための保障」は組み込まれています。すべてを私的な年金や保険でカバーしようとするのではなく、ぜひ両者を上手に組み合わせて、無駄のない保障設計を意識してみてください。経済的な負担を減らしつつ、将来への安心感も得られるのではないでしょうか。

  • 遺族厚生年金の受取人が知っておくべき「失権・支給停止」に関する基礎知識

    遺族厚生年金の受取人が知っておくべき「失権・支給停止」に関する基礎知識

    一家の大黒柱として働いていた人が亡くなった際に、残された遺族の生活の支えとなるのが遺族厚生年金です。受給するためには一定の条件を満たす必要はあるものの、継続的に支給される年金に対して、「あって良かった」と感じる方は多いでしょう。しかし遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」もあります。いったいどのような条件で失権や支給停止になってしまうのか、受取人として知っておきたい基礎知識を紹介します。 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは、亡くなった人によって生計を維持されていた家族が受け取れる遺族年金です。一般的な年金システムと同様に、遺族年金においても遺族基礎年金と遺族厚生年金の「2階建て」構造が採用されています。 遺族基礎年金の受給要件は非常に厳しく、「一定条件を満たした子ども」がいなければ、たとえ配偶者であっても受給できません。一方で遺族厚生年金の支給対象は、遺族基礎年金よりも広く、より多くの遺族の生活を支えてくれるでしょう。 なお遺族厚生年金は、生前に厚生年金制度に加入し、一定の条件を満たしている人が亡くなった場合にのみ対象になります。たとえば個人事業主やパートタイマーなど、生前に厚生年金制度に加入していなかった人が亡くなっても、遺族厚生年金は支給されません。 遺族厚生年金の「失権」「支給停止」とは? 遺族厚生年金の「失権」「支給停止」とは? 遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」という制度があります。一定の条件に当てはまると、遺族厚生年金を受け取れなくなってしまうので注意してください。 「失権」とは、遺族厚生年金の受給資格を失うことを意味しています。残念ながら受給資格の復権はありませんから、遺族厚生年金の受給は二度とできなくなります。一方で「支給停止」とは、遺族厚生年金の支給が、一時的にストップされること。失権とは違い、状況が変われば支給停止が解かれ、再受給も可能となるでしょう。 どちらも「遺族厚生年金を受け取れない」という状況には変わりありませんが、今後について考えるなら、両者の意味合いは大きく異なります。もしも失権や支給停止の要件に当てはまってしまう場合、今後の対応について慎重に検討してみてください。 遺族厚生年金が失権する理由 では具体的に、どのような事態になると、遺族厚生年金の受給権を失権してしまうのでしょうか。主な事由は以下のとおりです。 ・受給者が死亡したとき・受給者が婚姻したとき・受給者が養子になったとき(※直系血族及び直系姻族以外と)・受給者が離縁し、親族関係が終了したとき・子または孫が18歳の誕生日を迎え、最初の年度末に達したとき(障害等級が1級または2級の場合は20歳)・子どものいない30歳未満の妻が、遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年が経過したとき・子どものいる30歳未満の妻が、30歳に達する前に遺族基礎年金の受給権を失い、それからさらに5年が経過したとき 失権に関するルールは非常に複雑で難しいもの。受給者本人が亡くなったときはわかりやすいですが、別の人と婚姻した際にも、受給権が失権してしまう事実を頭に入れておきましょう。これは法律上の婚姻関係だけではなく、事実婚や内縁関係においても当てはまります。 また、先ほどもお伝えしたとおり、一度失権した受給権が復活することはありません。婚姻によって受給権を失った人が、その後「離婚したから」という理由で再度遺族厚生年金を受給するのは難しいでしょう。 失権に関する条件は、受給者の立場がどういったものかによっても違ってきます。不安な点があれば、年金事務所に直接問い合わせ、相談してみるのがおすすめです。 遺族厚生年金が支給停止になる理由 遺族厚生年金は、一定の条件を満たすと支給停止になってしまいます。こちらについても、具体的な理由についてチェックしておきましょう。 ・労働基準法で定められた遺族補償が行われるとき(死亡日から6年間の支給停止)・受給権を持つ夫、父母または祖父母が60歳未満のとき(60歳に達するまでの間は支給停止)・受給権者の所在が1年以上明らかでないとき など このほかにも、遺族厚生年金の受給者となれるのは、基本的に「1名のみ」です。たとえば、夫が亡くなり、妻が受給権を有している間、子ども自身に対する遺族厚生年金の支給はストップされます。妻が婚姻や死亡により受給権を失権した場合、子どもの支給停止は解除され、年金の支払いがスタートする仕組みです。 また遺族年金には、「大黒柱を失った妻や子どもが路頭に迷わないように」という考えが、まだまだ根強く残っています。このため、夫や父母が受給権者になる場合のルールは、妻がなる場合よりも厳格です。60歳未満で遺族年金を受け取ることはできず、60歳に到達して初めて支給停止が解かれる仕組みになっています。 各種手続きに必要な書類は? 遺族厚生年金の受給権を失権する場合、10日以内に「遺族年金失権届」を提出する必要があります。遺族年金失権届は年金事務所で手に入るほか、インターネット上でも公開されていますから、印刷して記入しましょう。書類に記載するのは、失権の理由や失権日、住所・氏名・生年月日等です。 一方で、支給停止になっていた人が受給権を得て、支給をスタートさせたい場合も手続きが必要です。年金事務所に対して「遺族年金受給権者支給停止事由消滅届」を提出しましょう。これは、「これまで支給停止になっていた事由が消滅したこと」を伝えるための書類です。記載内容は、支給停止事由が消滅した理由や日付など。遺族厚生年金を受けられる人が複数人いる場合は、全員の名前を記載して提出してください。 また「消滅の事由」によっては、各種添付書類を求められます。自分がどの事由に該当し、具体的にどういった書類を添付すれば良いのか悩んだら、年金事務所に問い合わせてみてください。何をいつまでに用意すれば良いのか、丁寧に教えてもらえるでしょう。 失権や支給停止に関わる決断はぜひ慎重に 失権や支給停止に関わる決断はぜひ慎重に 遺族厚生年金は、残された家族の生活を守る柱となってくれるでしょう。とはいえ残念ながら、半永久的に自動で支給されるわけではありません。自身の選択によっては、失権や支給停止になってしまう可能性もあるという事実を、頭に入れておきましょう。 特に婚姻や養子縁組は、失権や支給停止に関連しやすい決断です。現在遺族厚生年金を受け取っている場合、今後の収入の変化にも気を配りつつ、自身にとってより良い選択をしていく必要があるでしょう。具体的な行動を起こす前に専門家に相談すれば、「本来受け取れるはずのお金が受け取れなくなった!」といったリスクも防げるのではないでしょうか。

  • 厚生年金が財産分与の対象になるって本当?離婚時の基礎知識

    厚生年金が財産分与の対象になるって本当?離婚時の基礎知識

    老後の生活を支えてくれる厚生年金。自身の将来を考える上で、非常に重要な年金だからこそ、実際に年金を受け取る前から正しい知識を身につけておくことが大切です。今回は、夫婦が離婚した場合の厚生年金の扱い方について解説します。「離婚したら厚生年金も財産分与の対象になると聞いたけれど…本当なのか?」といった疑問を、すっきり解消していきましょう。 厚生年金そのものは財産分与の対象にならない! 厚生年金そのものは財産分与の対象にならない! 長年連れ添った夫婦が離婚する際に、トラブルの原因になりやすいのが財産分与です。婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産は、離婚するにあたって、夫と妻の間で公平に分配されます。「名義がどちらにあるのか」ではなく、「実質的に二人が協力して築き上げてきた財産かどうか?」が重視されます。 たとえば、サラリーマンの夫と専業主婦の妻という家族構成であった場合、「家や土地は夫名義である」というご家庭も多いのではないでしょうか。しかし婚姻中に得た不動産は、夫のみの努力で購入できたわけではありません。夫の財布の裏には、妻の支えがあったと考えられるでしょう。たとえ夫名義であっても、夫だけが家や不動産を100%手に入れるわけではありません。財産分与では、夫婦が公平に財産を分配できるようになっています。もちろん財産分与の対象は、婚姻中に使用していた家具や家財はもちろん、預貯金や自動車、有価証券に保険解約返戻金と多岐にわたります。お互いの退職金さえも、財産分与の対象になり得るのです。 ここで気になるのが、老後に受け取る厚生年金についてです。サラリーマンの夫と専業主婦の妻という家族構成の場合、当然妻は、厚生年金に加入していません。しかしその加入実績は「夫婦が協力して築き上げた財産」とも捉えられます。妻側が、「だとしたら財産分与の対象になるのでは?」と考えるのは、ある意味で当然のことと言えるのかもしれません。 厚生年金は、現役期間の加入実績をもとに、将来受け取る金額が変動する仕組みです。残念ながら、この「将来受け取れる厚生年金そのもの」が財産分与の対象になるわけではありません。離婚する夫婦で分け合えるのは、「婚姻期間中に納めた年金保険料の納付記録」です。この制度を、年金分割と言います。 婚姻期間中に収めた年金保険料を夫婦間で分割すれば、専業主婦の妻であっても「厚生年金に保険料を納めている」と判断されます。年金分割をしなければ基礎年金のみが支給されるところを、納付保険料に応じた厚生年金を受給できるのです。「夫に支給される厚生年金そのものの2分の1が受け取れる」というわけではありませんが、年金分割を利用すれば、結果として年金を分け合う形を実現できるでしょう。 年金分割の注意点は? 離婚時に年金分割をする場合、以下の3点に注意してください。 ★請求期限は離婚してから2年以内 夫婦が離婚した際の、厚生年金の年金分割請求には、請求期限が設けられています。基本的には、離婚した日の翌日から2年以内です。期限を過ぎると請求できなくなってしまうので、注意してください。 ちなみに年金分割請求は、事実婚状態にあった人でも可能。たとえ事実婚であっても、一方の厚生年金加入歴は、もう一方の協力あってこそのものだと判断できるためです。ただしこの場合、「具体的にいつからいつまでが婚姻期間であったのか?」が不明確になってしまいがちです。事実婚をしている間に「国民年金の第3号被保険者資格」を取得していた場合、その喪失日を「事実婚を解消した日」と証明できます。その翌日から2年以内に請求手続きをしてください。 ★分割制度は2種類 年金分割で問題になりやすいのが、分割割合についてです。どちらにどのくらいの厚生年金記録が割り当てられるのかは、以下の2つの方法によって決定されます。 ・合意分割・3号分割 合意分割とは、当事者間の合意によって分割割合を決定できる制度のこと。一方が希望しても他方が同意しなければ、分割は認められません。この場合、裁判手続きを経て妥当と思われる分割割合が決定されます。分け与えられる側の割合の上限は2分の1です。 3号分割制度は、平成20年4月1日以後の婚姻期間中に、第3号被保険者期間がある方向けの分割制度です。第3号被保険者であった期間に、相手方の厚生年金の保険料納付記録があれば、2分の1ずつ強制的に分割されます。この場合、相手の合意は必要ありません。 離婚による年金分割を検討する場合、自分がどちらに該当するのかしっかりと確認しておきましょう。「自分ではよくわからない…」という場合には、請求期間内に年金事務所等で相談するのがおすすめです。 ★分割の対象になるのは厚生年金のみ 年金にはさまざまな種類がありますが、年金分割できるのは、厚生年金および共済年金のみという決まりがあります。国民年金はもちろん、企業年金や個人年金の保険料納付記録を分け合うことはできません。 また年金分割は、離婚する夫婦間の格差を是正するための制度です。「夫から妻に無条件に年金加入期間を分け与える制度」というわけではないので注意しましょう。たとえば、夫よりも妻の方が厚生年金を多く納めている場合、年金分割によって妻の保険料納付記録が夫の方へと分け与えられます。手続きによって、将来受け取る年金額が少なくなってしまう可能性についても、事前に考慮してみてください。 年金分割の申請方法とは 年金分割の申請方法とは 離婚時に年金分割を希望する場合、自分自身で手続きする必要があります。「何もしなくても離婚と同時に分割される」というわけではないため、注意してください。請求先は厚生労働大臣で、年金事務所を経由して手続きします。 年金分割をするためには、まずは双方の厚生年金加入状況をはっきりさせる必要があります。標準報酬総額や按分割合の範囲など、分割のために必要な情報を開示してもらえるよう、「年金分割のための情報提供請求書」を使って請求しましょう。交付された「年金分割のための情報通知書」をもとに、按分割合を決定し合意します。合意内容は、合意書や公正証書といった正式な書面に残しておきましょう。 その正式な書面と標準報酬改定請求書、年金手帳や戸籍謄本などを年金事務所に提出すれば、年金分割が実行されます。 厚生年金と財産分与について正しい知識を身につけよう 離婚を考える際に、「将来の生活が不安…」と感じる方は少なくありません。将来受け取る厚生年金そのものが財産分与の対象になるわけではありませんが、きちんと手続きすれば年金分割は可能。将来受け取る年金額をアップできる可能性もあります。一方で、手続きしたことによって、自分が将来受け取る年金額が減少してしまう恐れもあります。厚生年金と財産分与、そして年金分割について、正しい知識を身につけた上で、より良い道を選択しましょう。

  • 「小規模企業共済」とは?受け取り方法やタイミング・注意点など

    「小規模企業共済」とは?受け取り方法やタイミング・注意点など

    小規模企業共済法に基づいて運用される「小規模企業共済」は、自営業者や経営者等にとっての「退職金制度」のようなものとして認知されています。具体的にどういった制度で、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。受け取り方法やおすすめのタイミング、あらかじめ知っておきたい注意点などをわかりやすくまとめます。 小規模企業共済とは?メリット・デメリットを解説 サラリーマンとして会社に勤める人の多くは、勤め先を辞める際に「退職金」を手にします。ある程度まとまった金額の退職金は、その後の生活を支える金銭的な要と言えるでしょう。 しかし退職金とは、誰もが当たり前にもらえるお金ではありません。自営業として仕事をしている人や、自分自身で会社を経営している人、退職金制度を運営するのが難しい小規模企業に勤めている人にとって、退職時にある程度まとまった金額を手にするのは、決して簡単なことではないのです。 こうした人々の退職後の生活を支えるため、用意されているのが小規模企業共済制度です。運営元は国の機関である中小機構。加入者それぞれが掛け金を積み立てていくことで、廃業時や退職時にまとまった金額を受け取れる仕組みになっています。 掛け金の月額は、1,000円から7万円までの範囲内であれば、500円単位で自由に設定可能です。支払った掛け金は、全額所得控除の対象にできる点も、非常に大きなメリットと言えるでしょう。たとえば、毎月最高額の7万円ずつ積み立てた場合、1年間で84万円の所得控除を受けられます。また掛け金は、加入後に自由に増減可能なため、経営状況に沿った運用が可能です。 一方で小規模企業共済にもデメリットはあります。掛け金納付月数が12カ月に満たない場合、共済金等が一部受け取り不可能と判断される可能性も。また加入年数が20年未満の場合、受け取る金額が掛け金の合計額を下回る、いわゆる「元本割れ」の状態になってしまいます。加入状況によっては、かえって損をする可能性もあるという点を、頭に入れておきましょう。 小規模企業共済の受け取り方法とタイミング 小規模企業共済の受け取り方法とタイミング 小規模企業共済では、受け取り方法を自分自身で決定できます。具体的には、 ・一括・分割・一括と分割の併用 の3つの種類から選択することになるでしょう。選択した受け取り方法によって、課税方式が変わってくるので注意してください。 小規模企業共済を一括で受け取る場合、受け取ったお金は「退職所得」として扱われます。退職所得には、勤続年数に応じた退職所得控除額が定められており、勤続年数20年以下であれば「40万円×勤続年数」が控除。一方で、勤続20年以上の場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」が控除される仕組みです。小規模企業共済で受け取った金額から退職所得控除額を引き、さらにそれを2分の1にすると、課税退職所得金額が求められます。ここに所得税率を掛け合わせ、控除額を引いたら、実際の納税額を求められるでしょう。 一方で、小規模企業共済を分割で受け取る場合、受け取るお金は「公的年金等の雑所得」として扱われます。そのほかの公的年金と合わせて各種控除を行い、控除しきれなかった分に対して、課税される仕組みです。一括と分割を併用する場合については、一括受け取り分については「退職所得」として、分割受け取り分については「公的年金等の雑所得」として扱われます。 ちなみに、小規模企業共済に「満期」や「満額」といった概念は存在しません。 ・個人事業を廃止した・経営する株式会社を解散した・小規模企業共済に加入する企業の役員を退職した このようなタイミングで共済を解約し、解約手当金を受け取る制度です。解約タイミングによって、受け取る金額が変わってくる点に注意しましょう。 現在受け取れる共済金(解約手当金)がいくらになるのかは、中小機構の「定型書類の自動発送サービス」にてチェックできます。「042-567-3308」に電話して共済契約者番号を入力し、「共済金等試算表」の書類番号である「998」を指定しましょう。約1週間でシミュレーション結果が自宅に届きます。 小規模企業共済の受け取り方法は? 小規模企業共済の共済金を受け取るためには、以下の手続きが必要となります。個人事業を廃業した場合の手続きの流れを解説します。 ★1.書類を用意する 小規模企業共済の共済金を受け取るためには、必要書類を準備した上で、決められた手続きを取る必要があります。まずは以下の書類を準備しましょう。 ・個人事業の廃業届・印鑑登録証明書・マイナンバー確認書類・共済金等請求書・退職所得申告書・共済契約締結証書 個人事業の廃業届は、税務署に届け出た際の書類のコピーを用意してください。廃業年月日が明確に記載されていること、また税務署の受付印が押されていることが条件となります。印鑑登録証明書は、コピーではなく原本を。3ヶ月以内に発行されたものが必要です。 共済金等請求書や退職所得申告書については、中小機構ホームページよりダウンロード可能です。共済契約締結証書は契約時に発行される書類ですが、紛失した場合は中小機構から発行された、共済契約者番号を確認できる書類で代用可能です。 ★2.必要書類に記入し提出する 必要書類を用意したら、自身の情報を記入していきましょう。記入が求められるのは共済金等請求書と退職所得申告書ですが、どちらもホームページに記入例が公開されています。ぜひ参考にしてみてください。 必要書類が揃ったら、中小機構の窓口へと送付しましょう。共済金等請求書には、事前に受取口座のある金融機関で確認印を押してもらう必要がある点にだけ、注意してください。 ★3.審査と受け取り 中小機構の窓口に書類が到着したら、申請内容に対して審査が行われます。申請内容に不備や問題がないことが確認されれば、指定口座へと共済金が振り込まれます。申請から受け取りまでは、約3週間を見ておきましょう。 受け取り方法までイメージして小規模企業共済の活用を 受け取り方法までイメージして小規模企業共済の活用を 自営業として仕事をしている人や、中小企業を経営している人にとって、小規模企業共済は非常に助かる制度です。ぜひ受け取り方法までしっかりとイメージして、活用を検討してみてください。 ここまで解説してきたとおり、小規模企業共済という制度にはメリットもあればデメリットもあります。自分にとってはどちらの方が大きくなりそうか、事前に確認しておくと良いでしょう。気になる点があれば、まずは中小機構の共済相談室を利用してみるのもおすすめですよ。不安を解消し、自身の老後のために何ができるのか、より具体的に検討できるのではないでしょうか。

  • 学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

    学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

    子どもが生まれたら、検討したいのが学資保険についてです。学資保険の大きな目的は、将来の進学への備え。とはいえ、まだまだ小さなわが子の姿から、保険金受取時を明確にイメージするのは難しいかもしれません。 学資保険でより確実に子どもの将来のために備えるのであれば、受け取り方法について予習した上で、加入を検討することが大切です。受け取りタイミングや注意点など、知っておきたい情報をまとめます。 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険は、子どもの進学時にお金が受け取れるよう、計算して加入するタイプの保険です。受け取ったお金は、子どもの学費や一人暮らし費用に充てるご家庭が多いでしょう。「学資保険」という名称から、「子どものためにしか使えないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、これは誤解です。 学資保険の使い道は自由で、進学費用以外に利用しても大丈夫です。たとえば、「進学費用が無事に賄えたので住宅ローンの繰り上げ返済へ」「子どもに車を買ってやりたい」「事業費用の補填として」など、さまざまな使い道を自由に選択できるのです。 では実際に、学資保険はどのようにして受け取るのでしょうか。 学資保険の被保険者は「子ども」であり、子どもの年齢によって満期時期が設定されています。満期を迎えるころになると、保険会社から知らせが届きます。あとはその知らせに沿って手続きすればOKです。 学資保険で注意したい受け取りタイミング 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険の満期返戻金を受け取るのにベストな時期は、「何を目的にして保険に加入するのか?」によって異なるでしょう。 たとえば、大学入学費用を賄うつもりで加入するのであれば、子どもの年齢が17歳もしくは18歳に達したときに満期返戻金を受け取れるのがベストです。一方で、大学在学中の費用を賄いたいなら20歳前後、大学院進学費用を想定して加入するなら、22歳に設定すると良いでしょう。 子どもが何歳で満期を迎えるのかは、保険商品の種類によって変わってきます。学資保険に加入するタイミングで、将来のビジョンをはっきりさせておく必要があるでしょう。加入する保険を間違えれば、「せっかく学資保険に加入していたのに、必要な時期にお金を受け取れなかった…」という事態にもなりかねません。 学資保険の満期でもっとも多いタイプは、やはり「大学進学時(18歳)」に多額のお金を受け取れる保険でしょう。多くの子どもが大学に進学する中、進学費用の負担は決して少なくありません。たとえ大学進学しなかったとしても、専門学校への入学準備や就職準備、結婚準備など、お金があって困ることはないでしょう。 ただしこちらのタイプを選ぶ場合にも、注意したいポイントがあります。それは、子どもの年齢と支払い時期の関係性です。子どもが18歳になったときに満期返戻金を受け取る場合、それ以前に必要となる進学費用は賄えません。 たとえば子どもの誕生日が3月31日であれば、満期返戻金を受け取れるタイミングもこの日以降に。もっともお金が必要なタイミングに、保険金を使えない計算になってしまいます。特に子どもが早生まれの場合は注意しましょう。満期年齢を17歳に設定し、保険金受取から進学費用支払いまでのスケジュールに余裕を持たせておくのもおすすめです。 学資保険の受け取りに関する注意点2つ 子どもの将来のために備える学資保険。学資保険に加入するタイミングで押さえておきたい注意点は、以下の2つです。こちらもぜひチェックしてみてください。 ★何度もお祝い金が受け取れるタイプはお得? 近年、学資保険のバリエーションは非常に豊富です。中でも人気なのは、子どもの成長の節目で、何度も「お祝い金」を受け取れるタイプでしょう。18歳を満期に設定していても、小学校入学時・中学校入学時・高校入学時など、さまざまなタイミングでお祝い金が支給されるタイプを指します。 何度もお金を受け取れるわけですから、「非常にお得」と感じるかもしれません。しかし、何度も受け取るお祝い金とは、あくまでも自分自身が積み立てている保険金の一部。つまり満期返戻金の一部を「前払い」しているに過ぎないのです。 確かに、子どもの成長の節目にお祝い金を受け取れれば「助かる!」と思う場面もあるでしょう。しかしお祝い金を受け取れば受け取るほど、本来の目的であった「大学進学時に受け取れるお金」は少なくなってしまいます。 また保険会社にとって、何度もお祝い金を支給するにはコストがかかります。このため、満期返戻金を一括で受け取るタイプの学資保険と比較して、「返戻率が低くなりやすい」という特徴があります。本当にお得なのかどうか、しっかりと検討するのがおすすめです。 ★学資保険の満期返戻金にも税金がかかる可能性がある! 学資保険の満期返戻金を受け取る際にも、忘れてはいけないのが税金についてです。具体的にどういった税金が課せられるのかは、学資保険の契約者と受取人の関係性によって違ってくるでしょう。 もっとも多いのは、契約者と受取人が同一であるケースです。「子どもの父親が契約者となり保険金を支払い、子どもの父親が満期返戻金を受け取り、子どもの学費を支払う」という事例ですね。この場合、一括で受け取った学資保険の満期返戻金は「一時所得」と判断され、「所得税」の対象になります。 ただし一時所得には50万円の特別控除が用意されており、年間の一時所得金額がこの範囲に収まっていれば、所得税は課せられません。学資保険の受取額の平均は200~300万円程度と言われていますが、過去に収めた保険金は差し引きできます。50万円以上の、いわゆる「儲け」が出るケースは稀だと言えるでしょう。 ちなみに、学資保険のお金を毎年1回、継続して受け取る場合は「雑所得」と判断されます。やはりこちらも、所得税の対象になるため注意してください。雑所得には、一時所得のような特別控除額が存在しません。お祝い金を受け取れば、その金額に応じて所得税の課税額が増えるという点を頭に入れておきましょう。 また、学資保険の受取人を契約者以外に設定した場合、満期返戻金は贈与税の対象になります。こちらも注意してください。 学資保険に加入するなら将来へのビジョンをはっきりさせよう! 子どもが生まれたら、なんとなく学資保険を…と考える方も多いのではないでしょうか。学資保険は、将来の進学費用を賄うための方法の一つです。後悔なく受け取るためには、加入する段階で、将来へのビジョンをある程度はっきりさせておく必要があるでしょう。 ・どのタイミングでお金を受け取るのか?・いくら受け取れるようにするのか?・誰を契約者と受取人に設定するのか? これらの点を明らかにしておくだけで、失敗リスクも減らせるはずです。子どものための保険だからこそ、ぜひ準備はしっかりと整えておきましょうね。

  • 家族に託す大切な気持ち…ビデオメッセージを活用するメリットとは?

    家族に託す大切な気持ち…ビデオメッセージを活用するメリットとは?

    終活では、「家族に向けたメッセージを残したい」と思う方も多いことでしょう。手紙を残したり、エンディングノートにメッセージをつづったりと、その方法はさまざまです。 「より気持ちの伝わるメッセージを届けたい」と思う方に、近年人気なのがビデオメッセージです。家族に対して、ビデオメッセージを残すメリットや具体的な方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。 終活で「ビデオメッセージを残す」とは? 終活では、大切な家族に向けたメッセージを、何らかの形で残すよう、促すケースも多いものです。ビデオメッセージは、メッセージを残すための形式の一つと言えるでしょう。 文字で書かれたメッセージは、読み手に「情報」を伝えてくれますが、それ以上のものではありません。一方でビデオメッセージの場合、生きている自分の姿や声、仕草など、さまざまなポイントで気持ちを伝えやすくなるでしょう。パソコンやスマートフォンで手軽に動画撮影できるようになった今、「最期の思いを届けるための手段」として、ビデオメッセージを選択する方も増えてきています。 実際に、ビデオメッセージを残そうと思ったときに気になるのが、その扱いについてです。残念ながらビデオメッセージには、法的拘束力は存在しません。遺言書のように、自身の死後の、家族の動きを指定できるわけではないのです。 法的拘束力を持つ遺言は遺言として残し、その内容をより身近に感じてもらうため、ビデオメッセージも併せて活用すると良いでしょう。 ビデオメッセージならではの3つのメリット ビデオメッセージには、その他のメッセージ伝達手段にはないメリットがあります。3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.自分の「声」を届けられる ビデオメッセージならではの特徴と言えば、自分の声をそのままの形で残せるという点です。身近な人が亡くなったあと、恋しい思いに囚われてしまう方は、決して少なくありません。生前の声を聞くことで、元気を取り戻せる方もいます。 耳から入る情報が持つインパクトは非常に大きく、遺族の心を揺さぶるでしょう。また、何度も繰り返し再生できるため、亡くなった人をいつでも身近に感じやすくなります。 ★2.気持ちが伝わりやすくなる 文字ではなく言葉で気持ちを伝えるビデオメッセージは、自身の感情をより一層伝えやすいというメリットがあります。伝える内容が同じであっても、文字で記載された情報を読むのと、声で直接届けるのとでは、印象が異なります。 自分の気持ちを届けたいと思うときには、やはりビデオメッセージの方が、効果が高くなるでしょう。ビデオメッセージが苦手…と感じる方もいるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。事前に用意した原稿を読むだけであっても、気持ちを伝える効果は十分にあるでしょう。 ★3.「自分らしさ」を演出しやすい 遺言とは違い、法的拘束力を持たないビデオメッセージ。デメリットのようにも思えますが、見方を変えればメリットにもなります。法的な必要要件を満たすために、必死になる必要はありません。自分の好きな形で、好きなようにメッセージを残せるでしょう。 たとえば、自分一人でメッセージを残す必要はありませんし、友人や家族と一緒に楽しく撮影するのもおすすめです。自分の趣味を取り入れたり、前からやってみたいと思っていたことに挑戦したりするのも良いでしょう。自分らしい演出で、世界に一つだけのビデオメッセージを作ってみてください。 家族へのビデオメッセージの残し方2つ 残された家族へ、素直な気持ちを届けてくれるビデオメッセージ。具体的には、どのように残せばよいのでしょうか。2つの方法と注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.自分のスマホで撮影する 家族へのビデオメッセージの残し方2つ 低コストで手軽にビデオメッセージを残したいと思う方におすすめなのが、自分自身で動画を撮影する方法です。普段からスマートフォンを愛用している方なら、決して難しい作業ではないでしょう。お気に入りの場所でカメラをセットしたら、あっという間に撮影スタジオが出来上がります。 自分で撮影する場合の注意点は、ビデオメッセージの質は、自身のスキル次第だということ。編集まで難なくこなす人もいれば、ダラダラと話すだけの、まとまりのないメッセージになってしまうケースもあるでしょう。 また自分の手でビデオメッセージを作成する場合、自身の死後、確実に見つけてもらうための仕組み作りが必須です。 ・パソコンやスマホの目立つところに保存しておく・エンディングノートに、家族あてのビデオメッセージのありかを記録しておく・身近な人に、ビデオメッセージの存在を伝えておく せっかくのメッセージが埋もれてしまわないよう、十分に注意してください。 ★2.制作業者に依頼する 制作業者に依頼する 終活ブームの今、さまざまな作業を代行する業者も登場してきています。家族あてのビデオメッセージの制作代行業者もその一つです。コストはかかりますが、自分で作成するよりも高いクオリティで、より確実にメッセージを残せるでしょう。 ビデオメッセージの制作業者に依頼する際の注意点は、以下のとおりです。 ・自分のイメージに沿った制作物を納品してくれること・料金が明瞭であること・業者側と、しっかりコミュニケーションが取れること ひと言で「家族向けビデオメッセージ」と言っても、コンセプトが変われば、動画の雰囲気もがらりと変わります。理想の仕上がりにするためには、業者選びの段階で、しっかりと比較検討する必要があるでしょう。 費用についても、業者によって非常に大きな差があります。4万円~10万円程度で制作できる業者が多いものの、中には30万円以上と高額プランを打ち出しているところもあります。 ビデオメッセージ制作を業者に依頼した場合、「自分が亡くなるまで保管し、その後家族のもとへと届けてくれるサービス」までを展開しているところもあります。それぞれのサービスの内容を理解した上で、利用先を決定するようにしましょう。 家族あてのビデオメッセージも上手に活用を 遺言とはまた違った形で、最期の言葉を家族のもとへと届けてくれるビデオメッセージ。「遺言の内容に信ぴょう性を持たせたい」と思う場合にも、極めて有効な方法と言えるでしょう。ぜひ遺言と併せて活用してみてください。自分にとっても、終活を楽しくすすめていくための拠り所になってくれるのではないでしょうか。 単に文字を伝えるだけではなく、声や表情を通して伝えることで、大切な思いはより一層届きやすくなります。大切な家族だからこそ、形にこだわってみるのも良いでしょう。どういった形でメッセージを残そうか悩んだときには、ぜひビデオメッセージにも注目してみてください。

  • 子供に残す資産に要注意!万が一のときのための予備知識

    子供に残す資産に要注意!万が一のときのための予備知識

    親として、子供のためにできるだけ多くの資産を残したいと願う方も多いのではないでしょうか。とはいえ、相続に関するルールの中には、複雑でよくわからない点も多いもの。「おそらく大丈夫だろう」という認識で話を進めていくと、将来的に、子供が困る事態にもなりかねないでしょう。 今回は、子供に資産を残す際の注意点について解説します。万が一のときのための予備知識として、ぜひ最後までご覧ください。 子供名義の預金通帳に注意 子供名義の預金通帳に注意 親が子供のために資産を残す方法として、「子供名義の預金通帳を作り、そこにお金を積み立てていく」というものがあります。最初から子供名義にしておけば、遺産相続の際に相続税が加算されることはありません。また、「贈与税の非課税枠に収まる範囲にしておけば、余計なお金を取られる恐れもない」と考える方も多いのではないでしょうか。 確かに、非常に有効で非常に手軽な方法に映りますが、実際には注意するべき点も少なくありません。ただ単純に「親が子供名義の通帳を作ってそこにお金を入れていく」というだけでは、「贈与」とみなされない可能性が高いからです。 贈与としてみなされなければ、通帳の名義だけが子供であっても、実際には親の財産に。相続が発生すれば相続税の対象になりますし、基礎控除分を超える場合、子供自身が税金を納めなくてはいけなくなります。 このケースで最も重要なポイントになるのは、「親から子供への贈与が本当に存在していたのか?」という点です。ただ単純に親がお金を積み立て、子供自身はその存在を把握していないような場合、贈与と認められないのです。この方法で子供のための財産を残したいと考えるなら、ぜひ以下の点に注意してください。 ・お金をあげる、もらうという意識をはっきりさせる・通帳の管理を子供自身にさせる(子供がすでに成人している場合) より確実にトラブルを予防するためには、贈与のたびに「贈与契約書」を作成するのがおすすめです。多少手間はかかりますが、「本当に贈与があった」と証明する手立てになるでしょう。また、贈与税の非課税枠から、あえてほんの少し足が出る程度の贈与を行うのも効果的です。もちろん、非課税枠を超えた分に対しては贈与税が加算されますが、ときおり贈与税を納めておくことで、子供自身の資産であると認められやすくなるでしょう。 「持ち家を残す」のが正解とは限らない 「持ち家を残す」のが正解とは限らない 子供のために資産を残すことを考え始めたとき、「不動産」が頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。家族みんなで暮らした家に思い入れがあるのは当たり前のこと。また持ち家をそのままの形で子供に残せば、「子供自身が住む場所を確保できる」というメリットがあります。 とはいえ、子供のために持ち家を残したことがきっかけで、相続トラブルに発展するようなケースも珍しくありません。なぜなら、相続人が一人だけとは限らないから。「相続人同士で揉めないため、きっちり遺産を分割したい」と思っていても、持ち家があると、途端にそれは難しくなってしまうでしょう。 また不動産の維持・管理にはそれなりの費用がかかるものです。自分たちが長く生活してきたマイホームを子供に相続させようとすれば、子供自身にメンテナンスやリフォームの手間やコストがかかってくるでしょう。「住まいを確保できてうれしい」と思う人もいれば、「自分の住まいは別で確保したいから、正直負担…」というケースも少なくないのが現実です。 持ち家を残すかどうかについては、子供との間で事前にしっかりと話し合っておくことをおすすめします。持ち家を残した方が良いということであれば、どのような形で相続するのがベストなのかまで、あらかじめ確認しておくと安心です。 子供自身が「残されても困る」ということであれば、相続が発生する前に自宅を売却し、現金で相続させるのも一つの方法です。遺産分割協議で揉める可能性は低くなりますし、「相続人同士できっちり等分に分ける」という選択もしやすくなるでしょう。 子供が居住しない住居を財産として相続させた場合、自身の死後、マイホームは空き家になる可能性も。きちんとした手入れや管理が行き届かず、「特定空き家等」に認定されてしまった場合、固定資産税は大幅にアップします。人の手が入らなくなった古い物件を売却するのは、決して簡単ではありません。そうなる前に、自分自身の代で「家じまい」を検討するのもおすすめです。 生命保険の活用も検討しておこう 親が子供に財産を残す際に、「子供たちとの関係性によって、残す財産の額に差をつけたい」と思うこともあるかもしれません。たとえば、2人の子供のうち1人は同居し自分の面倒を見てくれ、もう1人は長く疎遠になっているような場合、「同居して面倒を見てくれる子供の方に、多くの財産を残したい」と思うのは、ある意味で当然だと言えるでしょう。 このような場合、子供たちの相続分に対して、遺言で割合を指定するのがおすすめです。このとき、「なぜ片方の子供にだけ多くの財産を残すのか」という理由まで、しっかりと伝えておくと良いでしょう。相続人の間の不公平感を和らげる効果が期待できます。 また、生命保険を活用するのもおすすめの方法です。遺産を多めに渡したいと思っている相続人を受取人にした、生命保険に加入しましょう。すると、自身が亡くなった際に支給される生命保険金は、事前に指定しておいた受取人のもとに直接わたります。 年齢を重ねると加入できる保険にも制限が出てきますが、死亡保険金には非課税措置も設けられており、相続税対策としても有効です。自身に合ったタイプの保険を探し、できるだけ早い段階から対策を取っておくのも良いでしょう。 注意点を理解して子供に資産を残そう 子供に資産を残す際に、注意するべき3つのポイントをまとめました。相続に関するルールをしっかりと理解した上で準備を進めておけば、相続の手続きそのものをスムーズに進めていける可能性も。子供の負担も軽減できるでしょう。子供のために良かれと思ってしたことでも、実際には「大きな負担になってしまった…」というケースは決して少なくありません。そして、相続する側の負担が増えれば増えるほど、相続トラブルに発展するリスクも高まってしまいます。 子供のためを思って財産を残すのであれば、相手の気持ちに寄り添って、必要な準備を丁寧に整えておくことが大切です。それも大切な終活の一つ。いつそのときが訪れても良いように、少しずつ準備を進めていきましょう。今回紹介した3つのポイントもぜひ参考にしながら、子供に財産を残すことについて、今一度検討してみてください。

  • 身近な人が亡くなったとき、やるべき作業は多々あります。その中でも、忘れてはいけないのが死亡保険金の受け取り手続きです。今後の生活への不安を取り除くためにも、できるだけ早く手続きしましょう。 今回は、そんな死亡保険金の受け取り方法について、詳しく解説します。頭に入れておくべきルールや注意点についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

    死亡保険金の受け取り方法は?覚えておきたいルールと注意点

    身近な人が亡くなったとき、やるべき作業は多々あります。その中でも、忘れてはいけないのが死亡保険金の受け取り手続きです。今後の生活への不安を取り除くためにも、できるだけ早く手続きしましょう。 今回は、そんな死亡保険金の受け取り方法について、詳しく解説します。頭に入れておくべきルールや注意点についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。 死亡保険金を受け取るまでの流れ 家族に万が一のことがあった場合、死亡保険金は、その後の生活を支えるための資金になるでしょう。亡くなった方の思いを未来へとつなげるためにも、速やかに手続きしてください。具体的な手順の流れは以下のとおりです。 1.保険の契約者または保険金の受取人から保険会社へと連絡する2.保険会社から必要書類を受け取る3.手続きに必要な書類を集める4.案内にしたがって請求手続きを行う5.死亡保険金を受け取る 死亡保険金の受け取り方法で、まず頭に入れておかなければならないのが、「自分の方から保険会社へと連絡する必要がある」という点です。保険会社の方から連絡が来るわけではないので、契約している保険会社の連絡先を調べ、電話や文書で、保険金の受け取り事由が発生した旨を伝えてください。連絡先は、保険証券や関係書類に記されています。 保険会社への連絡は、保険の契約者もしくは受取人に指定されている人が行います。契約者と被保険者が同一の場合、契約者はすでに死亡しているため、自身で手続きができません。手続きできるのは受取人のみという点に注意しましょう。 請求手続きそのものは、保険会社から送付される案内にしたがって進めていけば大丈夫です。必要書類さえ集めてしまえば、迷うことはありません。 ★死亡保険金の受け取りに必要な書類は? 死亡保険金の請求時には、以下のような書類の提出を求められます。 ・被保険者の住民票(死亡記載のあるもの)・死亡診断書(もしくは死体検案書)・保険証券・受取人の本人確認書・死亡保険金請求書 など このほかにも、受取人の戸籍抄本や印鑑証明の提出を求められるケースもあります。詳しくは、保険会社からの案内をチェックしましょう。 死亡保険金の受け取り方法で忘れてはいけない注意点 死亡保険金の受け取り方法で忘れてはいけない注意点 死亡保険金の受け取り方法について、いくつか注意点があります。2点を紹介するので、ぜひ知っておいてください。 ★受取人に請求手続きができない場合、代理での請求が可能 先ほども説明したとおり、契約者と被保険者が同一の場合、死亡保険金の手続きを取れるのは原則として「受取人のみ」です。ただし受取人の状況によっては、自身で手続きを進めていくことが困難なケースもあるでしょう。 このような場合、受取人の親族が代理で保険会社に連絡し、受取人本人の手続きが難しいことを伝えてください。保険会社が調査の上で、代理で請求手続きを行う人を指名します。その後の手続きは、指名された人が代理で進められるようになります。 受取人が認知症等で意思能力がない場合、親族のサポートが必須になるでしょう。とはいえ、そもそも保険の存在を知らなければ、サポートのしようがありません。普段から、いざというときの場合の対処法を、親族間で話し合っておくことが大切です。 ★死亡保険金は3年で時効 被保険者が死亡した際にもらえる死亡保険金ですが、その請求手続きには時効があります。被保険者が亡くなった翌日から3年経過すると、死亡保険金の請求ができなくなります。 死亡保険金の請求に時効が設定されているのは、時間が経過すればするほど、保険会社による調査が難しくなるためです。死亡保険金支払い時には、契約者もしくは受取人から提出された書類をもとに、保険会社が調査を行います。本当に支払事由に該当しているか、なにか問題が発生していないかどうか、確かめるためです。 支払事由の発生から長い時間が経過し、保険金の支払いに問題がないかどうか調査が難しくなれば、保険の公平性に欠ける事態に陥りかねません。だからこそ「3年」という期限を設け、どのような案件に対しても、しっかりとした調査が行える環境を維持しているというわけです。 ただし、すでに3年以上が経過し時効を迎えている場合でも、保険会社の判断で死亡保険金が支払われるケースもあります。 ・被保険者が保険に加入している事実を、3年以上経過した後に知った・被保険者が失踪中に死亡したため、請求権が発生していることを知らなかった・自殺と勘違いしていたため、保険金を請求できることを知らなかった これらのケースに当てはまる場合は、一度保険会社に相談してみましょう。必要な書類が揃い、調査に問題ないと判断されれば、3年以上経過していても死亡保険金を受け取れる可能性があります。 死亡保険の受け取り方法についてよくある質問 死亡保険の受け取り方法についてよくある質問 死亡保険の受け取り方法の基本を知っていても、いざ自分が手続きをするとなると、迷ってしまう場面もあるでしょう。よくある質問と回答をまとめるので、参考にしてみてください。 ★保険証券が見つからない場合、保険金は下りない? 保険証券は、保険の詳細を示す重要な書類です。とはいえ、たとえ紛失していても、保険金請求に問題が生じることはないので安心してください。保険会社に連絡し、指示を仰ぎましょう。 ただし保険証券がないと、手続きに必要な情報確認に手間取ってしまう可能性も。そのほかに保険に関するヒントがあれば、まとめておくと安心です。 ★亡くなった家族が保険に入っていたかどうか、定かではない場合は? 死亡保険は請求しなければ受け取れませんが、「そもそも家族が保険に入っていたのかどうかわからない」というケースもあるかと思います。この場合、まずは死亡保険に関する調査からスタートする必要があるでしょう。 ・通帳などに保険料の引き落としがあるか?・身の回りに、保険契約に関する書類が残されていないか?・家族の誰かが、過去になにか話を聞いていないか? こうしたところから、保険に関するヒントを探っていきましょう。関わりがあったと思われる保険会社の名前がわかれば、会社に連絡し、より詳細な調査を依頼できます。 ・亡くなった家族の氏名・生年月日・住所・電話番号・連絡した人の本人確認 個人情報保護の観点から、これらの情報を提出し、所定の手続きをとる必要があります。本当に保険に加入していたのか、請求できる権利が発生しているのかどうか、調べられるでしょう。 死亡保険金の受け取り方と税金について 死亡保険金は、受け取り方によって課税される税金の種類が違ってきます。契約者と被保険者が同一の場合、課税されるのは相続税です。契約者と受取人が同じ場合は所得税、契約者と被保険者、そして受取人がすべて異なる場合は贈与税の対象となります。 相続税の対象であれば、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。その分、手元に残せるお金も多くなるでしょう。 死亡保険金の受け取りが決まったら、契約者と被保険者、そして受取人との関係性を早めに確認しておくことが大切です。今後の申告にも関わってくるポイントですから、忘れないでください。 死亡保険の受け取り方法を知って速やかな手続きを 大切な家族に万が一のことがあったとき、必要になるのが死亡保険の受け取り手続きです。受け取り方法の流れや注意点を知って、速やかに進めていきましょう。残された家族の生活を支える、柱になってくれるはずです。 わからないことや不安な点がある場合、保険会社に問い合わせてみれば大丈夫です。まずは保険金の受け取り事由が発生したという事実を伝え、その後の指示を仰ぎましょう。

  • 万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    生まれた子供の将来に備え、「できる限りのことをしておきたい」と思う方も多いのではないでしょうか。何事もなく、一緒に日々を過ごしていけるのが理想ですが、万が一のときのことも、考えておくと安心です。自身の想いを届けるための方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 生命保険に加入する 自分に万が一のことがあったときに、心配なのが子供の教育費や生活費です。こうした不安を解消するため生命保険に加入すれば、「どんなことがあっても強く生きていってほしい」というメッセージを伝えてくれるでしょう。子供が幼いうちは、その意味に気付かないかもしれませんが、成長したのち、自分が何を残してもらっているのか理解してくれるはずです。 生命保険には、「受取人を指定して加入できる」というメリットがあります。子供自身を受取人にして保険に加入しておけば、自分亡き後も、より確実に子供に財産を残せるでしょう。生命保険は遺産相続における分割対象に含まれませんから、子供が相続する財産が目減りする恐れもありません。 また生命保険金には、相続税についても非課税枠が用意されています。「500万円×法定相続人の数」までは相続税が課せられません。相続税対策としても有効ですから、ぜひ参考にしてみてください。 学資保険に加入する 学資保険も、子供の将来を想って加入する保険です。早めに加入しておけば、自分に万が一のことがあった場合も、それ以降の保険料の支払いは免除されます。生命保険と同様に、子供の将来の金銭面をサポートしてくれるでしょう。 令和の時代になっても、家庭の金銭面を理由に進学をあきらめざるを得ないケースは少なくありません。もちろん「奨学金を利用して自分自身で進学する」という道もありますが、社会人となった子供自身に、返済負担は重くのしかかってしまうでしょう。学資保険であらかじめ備えておけば、負担軽減につながるはずです。また金銭的な問題を理由に、「やりたい勉強をあきらめる」といったリスクも少なくできます。 学資保険に加入する場合、「何を目的に加入するのか?」をはっきりさせた上で、保険商品を検討しましょう。というのも、近年学資保険の種類も多様化しているから。「子供の将来の進学に備えて」という基本理念には変わりがないものの、保険金を受け取る年齢や条件には、さまざまなバリエーションが用意されています。 もっとも人気なのは「子供の大学進学に備えて、18歳で満期保険金を受け取れる」というタイプです。子供が早生まれの場合、実際の支払いまでに間に合わない可能性がありますが、17歳で保険金を受け取れるように、調整しておくのも良いでしょう。 大学進学だけではなく、中学や高校への進学時にもお祝い金が支払われる保険もあります。ただしこの場合、大学進学時に一括で受け取る場合と比較して、保険金の返戻率が低下してしまう可能性も。メリットとデメリットを比較した上で、必要な保険を選択してみてください。 学資保険に加入できる期間は、各保険会社によって定められています。6~7歳前後を限度とするケースが多いため、加入忘れに注意しましょう。子供がまだ幼い時期には、「受取時期をいつにすれば良いのか、具体的にイメージできない…」と思う方も多いかもしれません。受取時期は、後から変更も可能なので心配は要りません。 ただし「保険会社を変更する」「今加入している保険を解約し、別の保険へと乗り換える」といった場合には、これまで支払った保険金で損をしてしまう可能性も。保険会社や保険タイプについては、後悔しないよう事前にしっかりと検討するのがおすすめです。 手紙を残す 手紙を残す 上記2つは、自分に万が一のことがあったときのため、経済的な備えをするための手段です。とはいえ、子供が健やかに成長するためには、「お金さえあれば良い」というわけではないでしょう。精神的なフォローについても、準備を整えておくのがおすすめです。 もっとも手軽にできるのは、将来の子供に向けて、手紙を残すという方法です。自身の想いを文字にしたため、子供のために残しておきましょう。手紙であれば、伝えたい内容ができた時点で、どんどん増やしていくことが可能。何事もなく子供が大きくなれば、親元を離れての進学、就職・結婚といった人生の節目に、渡してあげると喜ばれます。 「手紙を自分の手元に残しておいても、万が一のときに子供の手に渡らなかったら…」と不安を感じる場合は、以下のようなサービスの利用を検討してみてください。 【タイムカプセル郵便/公益財団法人日本郵趣協会】 大切な人への手紙を、最大10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合の料金は「基本料金500円+(年間保管料150円×年数)」のみ。最大年数である10年後を指定した場合でも、わずか2,000円で利用できます。手紙は定型サイズであれば、写真の同封も可能。現金や貴金属、壊れやすいものには対応していません。 【タイムカプセル郵便みらいぽすと/特定非営利活動法人みらいぽすと】 大切な人への手紙を、原則として最大で10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合、A4サイズで10枚まで、100グラムまでの依頼が可能。データ保証はないものの、USBメモリも同封できます。タイプカプセルコースを選べば、手紙以外に小物やCD、DVDも同封可能。手紙コースの料金は、5年までなら1,500円、10年までなら2,000円です。 ビデオメッセージを残す 文字ではなく、映像で自分の言葉を残せば、より想いの伝わるメッセージとなるでしょう。言葉の内容だけではなく、話し手の表情や雰囲気など、さまざまな情報を伝えられます。どれだけ子供を愛しているか、よりわかりやすく残しておけるでしょう。 ビデオメッセージには、何度も見返すことができ、そのたびに愛する人の姿を見られるというメリットがあります。自分で手軽に動画を残せる時代ではありますが、一つの作品として完成度にこだわるのであれば、プロに依頼するのもおすすめです。 ビデオメッセージを作成する際には、まずテーマを決めて、伝えたい内容についてあらかじめまとめておくと良いでしょう。より自然な雰囲気で撮影したいなら、シチュエーションにもこだわってみてください。 子供に想いを届ける方法はさまざま 子供に想いを届ける方法はさまざま 万が一のときのため、子供に想いを届ける方法はさまざまです。目的に応じて、より良い方法を選んでみてください。もちろん、気持ちを伝える方法は複数あっても大丈夫です。組み合わせて利用すれば、より強いメッセージを発信できるのではないでしょうか。今回紹介した情報も、ぜひ参考にしてみてください。

  • 万が一のときのために…子供に想いを届ける方法を紹介

    生まれた子供の将来に備え、「できる限りのことをしておきたい」と思う方も多いのではないでしょうか。何事もなく、一緒に日々を過ごしていけるのが理想ですが、万が一のときのことも、考えておくと安心です。自身の想いを届けるための方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 生命保険に加入する 生命保険に加入する 自分に万が一のことがあったときに、心配なのが子供の教育費や生活費です。こうした不安を解消するため生命保険に加入すれば、「どんなことがあっても強く生きていってほしい」というメッセージを伝えてくれるでしょう。子供が幼いうちは、その意味に気付かないかもしれませんが、成長したのち、自分が何を残してもらっているのか理解してくれるはずです。 生命保険には、「受取人を指定して加入できる」というメリットがあります。子供自身を受取人にして保険に加入しておけば、自分亡き後も、より確実に子供に財産を残せるでしょう。生命保険は遺産相続における分割対象に含まれませんから、子供が相続する財産が目減りする恐れもありません。 また生命保険金には、相続税についても非課税枠が用意されています。「500万円×法定相続人の数」までは相続税が課せられません。相続税対策としても有効ですから、ぜひ参考にしてみてください。 学資保険に加入する 学資保険も、子供の将来を想って加入する保険です。早めに加入しておけば、自分に万が一のことがあった場合も、それ以降の保険料の支払いは免除されます。生命保険と同様に、子供の将来の金銭面をサポートしてくれるでしょう。 令和の時代になっても、家庭の金銭面を理由に進学をあきらめざるを得ないケースは少なくありません。もちろん「奨学金を利用して自分自身で進学する」という道もありますが、社会人となった子供自身に、返済負担は重くのしかかってしまうでしょう。学資保険であらかじめ備えておけば、負担軽減につながるはずです。また金銭的な問題を理由に、「やりたい勉強をあきらめる」といったリスクも少なくできます。 学資保険に加入する場合、「何を目的に加入するのか?」をはっきりさせた上で、保険商品を検討しましょう。というのも、近年学資保険の種類も多様化しているから。「子供の将来の進学に備えて」という基本理念には変わりがないものの、保険金を受け取る年齢や条件には、さまざまなバリエーションが用意されています。 もっとも人気なのは「子供の大学進学に備えて、18歳で満期保険金を受け取れる」というタイプです。子供が早生まれの場合、実際の支払いまでに間に合わない可能性がありますが、17歳で保険金を受け取れるように、調整しておくのも良いでしょう。 大学進学だけではなく、中学や高校への進学時にもお祝い金が支払われる保険もあります。ただしこの場合、大学進学時に一括で受け取る場合と比較して、保険金の返戻率が低下してしまう可能性も。メリットとデメリットを比較した上で、必要な保険を選択してみてください。 学資保険に加入できる期間は、各保険会社によって定められています。6~7歳前後を限度とするケースが多いため、加入忘れに注意しましょう。子供がまだ幼い時期には、「受取時期をいつにすれば良いのか、具体的にイメージできない…」と思う方も多いかもしれません。受取時期は、後から変更も可能なので心配は要りません。 ただし「保険会社を変更する」「今加入している保険を解約し、別の保険へと乗り換える」といった場合には、これまで支払った保険金で損をしてしまう可能性も。保険会社や保険タイプについては、後悔しないよう事前にしっかりと検討するのがおすすめです。 手紙を残す 上記2つは、自分に万が一のことがあったときのため、経済的な備えをするための手段です。とはいえ、子供が健やかに成長するためには、「お金さえあれば良い」というわけではないでしょう。精神的なフォローについても、準備を整えておくのがおすすめです。 もっとも手軽にできるのは、将来の子供に向けて、手紙を残すという方法です。自身の想いを文字にしたため、子供のために残しておきましょう。手紙であれば、伝えたい内容ができた時点で、どんどん増やしていくことが可能。何事もなく子供が大きくなれば、親元を離れての進学、就職・結婚といった人生の節目に、渡してあげると喜ばれます。 「手紙を自分の手元に残しておいても、万が一のときに子供の手に渡らなかったら…」と不安を感じる場合は、以下のようなサービスの利用を検討してみてください。 【タイムカプセル郵便/公益財団法人日本郵趣協会】 大切な人への手紙を、最大10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合の料金は「基本料金500円+(年間保管料150円×年数)」のみ。最大年数である10年後を指定した場合でも、わずか2,000円で利用できます。手紙は定型サイズであれば、写真の同封も可能。現金や貴金属、壊れやすいものには対応していません。 【タイムカプセル郵便みらいぽすと/特定非営利活動法人みらいぽすと】 大切な人への手紙を、原則として最大で10年後まで、指定した日に届けてくれるサービスです。手紙の場合、A4サイズで10枚まで、100グラムまでの依頼が可能。データ保証はないものの、USBメモリも同封できます。タイプカプセルコースを選べば、手紙以外に小物やCD、DVDも同封可能。手紙コースの料金は、5年までなら1,500円、10年までなら2,000円です。 ビデオメッセージを残す 文字ではなく、映像で自分の言葉を残せば、より想いの伝わるメッセージとなるでしょう。言葉の内容だけではなく、話し手の表情や雰囲気など、さまざまな情報を伝えられます。どれだけ子供を愛しているか、よりわかりやすく残しておけるでしょう。 ビデオメッセージには、何度も見返すことができ、そのたびに愛する人の姿を見られるというメリットがあります。自分で手軽に動画を残せる時代ではありますが、一つの作品として完成度にこだわるのであれば、プロに依頼するのもおすすめです。 ビデオメッセージを作成する際には、まずテーマを決めて、伝えたい内容についてあらかじめまとめておくと良いでしょう。より自然な雰囲気で撮影したいなら、シチュエーションにもこだわってみてください。 子供に想いを届ける方法はさまざま 子供に想いを届ける方法はさまざま 万が一のときのため、子供に想いを届ける方法はさまざまです。目的に応じて、より良い方法を選んでみてください。もちろん、気持ちを伝える方法は複数あっても大丈夫です。組み合わせて利用すれば、より強いメッセージを発信できるのではないでしょうか。今回紹介した情報も、ぜひ参考にしてみてください。

  • 厚生年金の種類を解説…必要十分な保障のための基礎知識

    会社勤めをしている人にとって、厚生年金とは、「よくわからないまま加入している年金制度」といったイメージも強いのかもしれません。保険料は給与から天引きされるため、「支払っている」という意識が乏しい点も特徴的だと言えるでしょう。とはいえ将来の保障を考える上で、厚生年金にまつわる基本的な知識はマスト。身につけておいて損はありません。厚生年金の種類や、将来の保障を考える際のポイントなどについて、わかりやすく解説します。 厚生年金制度とは? 厚生年金制度とは? まずは厚生年金制度の概要についておさらいしておきましょう。 日本の公的年金は、基礎年金と厚生年金の2つで構成されています。基礎年金とは、原則として20歳以上のすべての国民に加入が義務付けられているもの。加入期間は60歳まで続きます。 一方で厚生年金に加入できるのは、会社員や公務員として仕事をしている人のみです。厚生年金加入は、法人もしくは5人以上の従業員を雇用している個人事業主に課せられた義務の一つ。保険料は事業主と従業員が半分ずつ支払う仕組みになっています。 基礎年金だけではなく厚生年金にも加入している人は、将来的に受け取る年金額がアップします。基礎年金とは違い、厚生年金の保険料は、毎月の給料やボーナスの金額によって違ってくるもの。受け取る給料の額が大きければその分保険料も高くはなりますが、将来受け取る年金額も増えるでしょう。厚生年金で自分が支払う保険料が多くなるということは、その分会社負担分も増えるということです。長い目で見れば、非常にお得な制度です。 厚生年金の種類 厚生年金と言えば、「老後の生活を支えるための資金」というイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、厚生年金の種類はそれだけではありません。3つの種類を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。 ★老齢厚生年金 「年金」と言われて、最初に思いつくのはやはり老齢年金でしょう。厚生年金で受給できる老齢年金は、「老齢厚生年金」と呼ばれています。基本的には、65歳から受給可能です。仕事から引退したあと、老後の生活を支えるお金と言えるでしょう。 老齢厚生年金は、老齢基礎年金にプラスして支給されますが、受給額は以下のようなポイントに左右されます。 ・現役時代にどれだけ厚生年金に加入していたか?・どれだけの厚生年金保険料を納めてきたか? 基本的に国民全員が加入する国民年金とは違い、厚生年金の加入実績は人それぞれで異なります。自分がどれだけの年金を受け取れるのか気になったら、年金定期便にてチェックするのがおすすめです。 ★障害厚生年金 障害年金は、病気やけがが原因で障害が残ってしまった場合など、一定の条件を満たすことで支給される年金を指します。国民年金から支給される年金を「障害基礎年金」、そして厚生年金から支給されるのが「障害厚生年金」です。 障害厚生年金を受給するための主な条件としては、 ・初診日が厚生年金加入中である・障害等級が1級・2級・3級のいずれかにあたる などが挙げられるでしょう。障害等級が1級もしくは2級の場合、障害基礎年金と障害厚生年金をセットで受給できます。障害等級が3級の場合は、障害厚生年金のみが受給対象となります。 ★遺族厚生年金 遺族年金は、生計を一にする家族の中で主にお金を稼いでいた人が亡くなった場合に、生計を維持されていた家族を対象に支給される年金のこと。こちらも、国民年金から支給される遺族基礎年金と厚生年金から支給される遺族厚生年金の2種類があります。 遺族厚生年金を受給できるのは、亡くなった人の配偶者と子、父母、孫、祖父母のいずれかです。誰が受け取るのか自分たちで決定できるわけではなく、受給者としての順位がもっとも高い人が受給し、それ以外の人に受給権は発生しない仕組みになっています。 このように、厚生年金とは「年をとったときだけに活躍する制度」というわけではありません。障害や死亡など、予期せぬ理由で働けなくなった場合でも、その後の自分や家族の生活を支える柱になってくれるでしょう。いざというときに素早く手続きするためにも、ぜひ年金制度の基礎知識を頭に入れておいてください。 将来の保障を考える上でのポイントとは? 将来の保障を考える上でのポイントとは? 結婚し子どもが生まれると、「自分に万が一のことがあっても、家族の生活を守れるように」という理由で、将来の保障について真剣に考え始める方も多いのではないでしょうか。子どものための学資保険や、万が一のときのための生命保険は、積極的に検討したいところです。 保障が手厚い保険に加入すれば、万が一のときでも安心して生活できるでしょう。しかし一方で、保障が手厚い保険は、「保険料が高い」という特徴があります。特にまだ子どもが小さい時期に、「保険料に多額のお金を費やすのはちょっと…」と思ってしまうのも無理はありません。 こんなとき、ぜひ頭に入れておきたいのが厚生年金の種類についてです。先ほどもお伝えしたとおり、厚生年金は「老後のため」だけのものではありません。一から保険に加入するのではなく、「万が一のときには障害厚生年金や遺族厚生年金を受け取れる」という認識の上で、足りない保障をプラスしていくのがおすすめです。 遺族厚生年金で受け取れる金額は「老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」と定められています。報酬比例部分は平均標準報酬額から計算できますから、具体的な金額も導き出せるでしょう。「一家の大黒柱である自分が亡くなったあとも、家族が生活に困らないように」との目的で生命保険に加入するのであれば、遺族厚生年金分は保障を減らせます。保険料負担も、その分軽くなるでしょう。 将来のための保障で、今の生活が苦しくなっては意味がありません。公的年金制度もしっかりと活用し、金銭面での準備を十分に整えたら、ぜひ今の家族の生活を充実させる工夫も取り入れてみてください。 厚生年金制度をしっかり理解し無駄のない保障を組み立てよう 「もしも将来、万が一の事態になってしまったら…」という不安は、誰もが抱くものです。特に子どもが生まれると、今後の家計の見通しが難しくなります。将来の安心のため、手厚い保障に惹かれる方も多いのではないでしょうか。 とはいえ公的年金制度にも、「万が一の事態が発生した場合に、家族の生活を守るための保障」は組み込まれています。すべてを私的な年金や保険でカバーしようとするのではなく、ぜひ両者を上手に組み合わせて、無駄のない保障設計を意識してみてください。経済的な負担を減らしつつ、将来への安心感も得られるのではないでしょうか。

  • 遺族厚生年金の受取人が知っておくべき「失権・支給停止」に関する基礎知識

    一家の大黒柱として働いていた人が亡くなった際に、残された遺族の生活の支えとなるのが遺族厚生年金です。受給するためには一定の条件を満たす必要はあるものの、継続的に支給される年金に対して、「あって良かった」と感じる方は多いでしょう。しかし遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」もあります。いったいどのような条件で失権や支給停止になってしまうのか、受取人として知っておきたい基礎知識を紹介します。 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは、亡くなった人によって生計を維持されていた家族が受け取れる遺族年金です。一般的な年金システムと同様に、遺族年金においても遺族基礎年金と遺族厚生年金の「2階建て」構造が採用されています。 遺族基礎年金の受給要件は非常に厳しく、「一定条件を満たした子ども」がいなければ、たとえ配偶者であっても受給できません。一方で遺族厚生年金の支給対象は、遺族基礎年金よりも広く、より多くの遺族の生活を支えてくれるでしょう。 なお遺族厚生年金は、生前に厚生年金制度に加入し、一定の条件を満たしている人が亡くなった場合にのみ対象になります。たとえば個人事業主やパートタイマーなど、生前に厚生年金制度に加入していなかった人が亡くなっても、遺族厚生年金は支給されません。 遺族厚生年金の「失権」「支給停止」とは? 遺族厚生年金の「失権」「支給停止」とは? 遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」という制度があります。一定の条件に当てはまると、遺族厚生年金を受け取れなくなってしまうので注意してください。 「失権」とは、遺族厚生年金の受給資格を失うことを意味しています。残念ながら受給資格の復権はありませんから、遺族厚生年金の受給は二度とできなくなります。一方で「支給停止」とは、遺族厚生年金の支給が、一時的にストップされること。失権とは違い、状況が変われば支給停止が解かれ、再受給も可能となるでしょう。 どちらも「遺族厚生年金を受け取れない」という状況には変わりありませんが、今後について考えるなら、両者の意味合いは大きく異なります。もしも失権や支給停止の要件に当てはまってしまう場合、今後の対応について慎重に検討してみてください。 遺族厚生年金が失権する理由 では具体的に、どのような事態になると、遺族厚生年金の受給権を失権してしまうのでしょうか。主な事由は以下のとおりです。 ・受給者が死亡したとき・受給者が婚姻したとき・受給者が養子になったとき(※直系血族及び直系姻族以外と)・受給者が離縁し、親族関係が終了したとき・子または孫が18歳の誕生日を迎え、最初の年度末に達したとき(障害等級が1級または2級の場合は20歳)・子どものいない30歳未満の妻が、遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年が経過したとき・子どものいる30歳未満の妻が、30歳に達する前に遺族基礎年金の受給権を失い、それからさらに5年が経過したとき 失権に関するルールは非常に複雑で難しいもの。受給者本人が亡くなったときはわかりやすいですが、別の人と婚姻した際にも、受給権が失権してしまう事実を頭に入れておきましょう。これは法律上の婚姻関係だけではなく、事実婚や内縁関係においても当てはまります。 また、先ほどもお伝えしたとおり、一度失権した受給権が復活することはありません。婚姻によって受給権を失った人が、その後「離婚したから」という理由で再度遺族厚生年金を受給するのは難しいでしょう。 失権に関する条件は、受給者の立場がどういったものかによっても違ってきます。不安な点があれば、年金事務所に直接問い合わせ、相談してみるのがおすすめです。 遺族厚生年金が支給停止になる理由 遺族厚生年金は、一定の条件を満たすと支給停止になってしまいます。こちらについても、具体的な理由についてチェックしておきましょう。 ・労働基準法で定められた遺族補償が行われるとき(死亡日から6年間の支給停止)・受給権を持つ夫、父母または祖父母が60歳未満のとき(60歳に達するまでの間は支給停止)・受給権者の所在が1年以上明らかでないとき など このほかにも、遺族厚生年金の受給者となれるのは、基本的に「1名のみ」です。たとえば、夫が亡くなり、妻が受給権を有している間、子ども自身に対する遺族厚生年金の支給はストップされます。妻が婚姻や死亡により受給権を失権した場合、子どもの支給停止は解除され、年金の支払いがスタートする仕組みです。 また遺族年金には、「大黒柱を失った妻や子どもが路頭に迷わないように」という考えが、まだまだ根強く残っています。このため、夫や父母が受給権者になる場合のルールは、妻がなる場合よりも厳格です。60歳未満で遺族年金を受け取ることはできず、60歳に到達して初めて支給停止が解かれる仕組みになっています。 各種手続きに必要な書類は? 遺族厚生年金の受給権を失権する場合、10日以内に「遺族年金失権届」を提出する必要があります。遺族年金失権届は年金事務所で手に入るほか、インターネット上でも公開されていますから、印刷して記入しましょう。書類に記載するのは、失権の理由や失権日、住所・氏名・生年月日等です。 一方で、支給停止になっていた人が受給権を得て、支給をスタートさせたい場合も手続きが必要です。年金事務所に対して「遺族年金受給権者支給停止事由消滅届」を提出しましょう。これは、「これまで支給停止になっていた事由が消滅したこと」を伝えるための書類です。記載内容は、支給停止事由が消滅した理由や日付など。遺族厚生年金を受けられる人が複数人いる場合は、全員の名前を記載して提出してください。 また「消滅の事由」によっては、各種添付書類を求められます。自分がどの事由に該当し、具体的にどういった書類を添付すれば良いのか悩んだら、年金事務所に問い合わせてみてください。何をいつまでに用意すれば良いのか、丁寧に教えてもらえるでしょう。 失権や支給停止に関わる決断はぜひ慎重に 失権や支給停止に関わる決断はぜひ慎重に 遺族厚生年金は、残された家族の生活を守る柱となってくれるでしょう。とはいえ残念ながら、半永久的に自動で支給されるわけではありません。自身の選択によっては、失権や支給停止になってしまう可能性もあるという事実を、頭に入れておきましょう。 特に婚姻や養子縁組は、失権や支給停止に関連しやすい決断です。現在遺族厚生年金を受け取っている場合、今後の収入の変化にも気を配りつつ、自身にとってより良い選択をしていく必要があるでしょう。具体的な行動を起こす前に専門家に相談すれば、「本来受け取れるはずのお金が受け取れなくなった!」といったリスクも防げるのではないでしょうか。

  • 厚生年金が財産分与の対象になるって本当?離婚時の基礎知識

    老後の生活を支えてくれる厚生年金。自身の将来を考える上で、非常に重要な年金だからこそ、実際に年金を受け取る前から正しい知識を身につけておくことが大切です。今回は、夫婦が離婚した場合の厚生年金の扱い方について解説します。「離婚したら厚生年金も財産分与の対象になると聞いたけれど…本当なのか?」といった疑問を、すっきり解消していきましょう。 厚生年金そのものは財産分与の対象にならない! 厚生年金そのものは財産分与の対象にならない! 長年連れ添った夫婦が離婚する際に、トラブルの原因になりやすいのが財産分与です。婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産は、離婚するにあたって、夫と妻の間で公平に分配されます。「名義がどちらにあるのか」ではなく、「実質的に二人が協力して築き上げてきた財産かどうか?」が重視されます。 たとえば、サラリーマンの夫と専業主婦の妻という家族構成であった場合、「家や土地は夫名義である」というご家庭も多いのではないでしょうか。しかし婚姻中に得た不動産は、夫のみの努力で購入できたわけではありません。夫の財布の裏には、妻の支えがあったと考えられるでしょう。たとえ夫名義であっても、夫だけが家や不動産を100%手に入れるわけではありません。財産分与では、夫婦が公平に財産を分配できるようになっています。もちろん財産分与の対象は、婚姻中に使用していた家具や家財はもちろん、預貯金や自動車、有価証券に保険解約返戻金と多岐にわたります。お互いの退職金さえも、財産分与の対象になり得るのです。 ここで気になるのが、老後に受け取る厚生年金についてです。サラリーマンの夫と専業主婦の妻という家族構成の場合、当然妻は、厚生年金に加入していません。しかしその加入実績は「夫婦が協力して築き上げた財産」とも捉えられます。妻側が、「だとしたら財産分与の対象になるのでは?」と考えるのは、ある意味で当然のことと言えるのかもしれません。 厚生年金は、現役期間の加入実績をもとに、将来受け取る金額が変動する仕組みです。残念ながら、この「将来受け取れる厚生年金そのもの」が財産分与の対象になるわけではありません。離婚する夫婦で分け合えるのは、「婚姻期間中に納めた年金保険料の納付記録」です。この制度を、年金分割と言います。 婚姻期間中に収めた年金保険料を夫婦間で分割すれば、専業主婦の妻であっても「厚生年金に保険料を納めている」と判断されます。年金分割をしなければ基礎年金のみが支給されるところを、納付保険料に応じた厚生年金を受給できるのです。「夫に支給される厚生年金そのものの2分の1が受け取れる」というわけではありませんが、年金分割を利用すれば、結果として年金を分け合う形を実現できるでしょう。 年金分割の注意点は? 離婚時に年金分割をする場合、以下の3点に注意してください。 ★請求期限は離婚してから2年以内 夫婦が離婚した際の、厚生年金の年金分割請求には、請求期限が設けられています。基本的には、離婚した日の翌日から2年以内です。期限を過ぎると請求できなくなってしまうので、注意してください。 ちなみに年金分割請求は、事実婚状態にあった人でも可能。たとえ事実婚であっても、一方の厚生年金加入歴は、もう一方の協力あってこそのものだと判断できるためです。ただしこの場合、「具体的にいつからいつまでが婚姻期間であったのか?」が不明確になってしまいがちです。事実婚をしている間に「国民年金の第3号被保険者資格」を取得していた場合、その喪失日を「事実婚を解消した日」と証明できます。その翌日から2年以内に請求手続きをしてください。 ★分割制度は2種類 年金分割で問題になりやすいのが、分割割合についてです。どちらにどのくらいの厚生年金記録が割り当てられるのかは、以下の2つの方法によって決定されます。 ・合意分割・3号分割 合意分割とは、当事者間の合意によって分割割合を決定できる制度のこと。一方が希望しても他方が同意しなければ、分割は認められません。この場合、裁判手続きを経て妥当と思われる分割割合が決定されます。分け与えられる側の割合の上限は2分の1です。 3号分割制度は、平成20年4月1日以後の婚姻期間中に、第3号被保険者期間がある方向けの分割制度です。第3号被保険者であった期間に、相手方の厚生年金の保険料納付記録があれば、2分の1ずつ強制的に分割されます。この場合、相手の合意は必要ありません。 離婚による年金分割を検討する場合、自分がどちらに該当するのかしっかりと確認しておきましょう。「自分ではよくわからない…」という場合には、請求期間内に年金事務所等で相談するのがおすすめです。 ★分割の対象になるのは厚生年金のみ 年金にはさまざまな種類がありますが、年金分割できるのは、厚生年金および共済年金のみという決まりがあります。国民年金はもちろん、企業年金や個人年金の保険料納付記録を分け合うことはできません。 また年金分割は、離婚する夫婦間の格差を是正するための制度です。「夫から妻に無条件に年金加入期間を分け与える制度」というわけではないので注意しましょう。たとえば、夫よりも妻の方が厚生年金を多く納めている場合、年金分割によって妻の保険料納付記録が夫の方へと分け与えられます。手続きによって、将来受け取る年金額が少なくなってしまう可能性についても、事前に考慮してみてください。 年金分割の申請方法とは 年金分割の申請方法とは 離婚時に年金分割を希望する場合、自分自身で手続きする必要があります。「何もしなくても離婚と同時に分割される」というわけではないため、注意してください。請求先は厚生労働大臣で、年金事務所を経由して手続きします。 年金分割をするためには、まずは双方の厚生年金加入状況をはっきりさせる必要があります。標準報酬総額や按分割合の範囲など、分割のために必要な情報を開示してもらえるよう、「年金分割のための情報提供請求書」を使って請求しましょう。交付された「年金分割のための情報通知書」をもとに、按分割合を決定し合意します。合意内容は、合意書や公正証書といった正式な書面に残しておきましょう。 その正式な書面と標準報酬改定請求書、年金手帳や戸籍謄本などを年金事務所に提出すれば、年金分割が実行されます。 厚生年金と財産分与について正しい知識を身につけよう 離婚を考える際に、「将来の生活が不安…」と感じる方は少なくありません。将来受け取る厚生年金そのものが財産分与の対象になるわけではありませんが、きちんと手続きすれば年金分割は可能。将来受け取る年金額をアップできる可能性もあります。一方で、手続きしたことによって、自分が将来受け取る年金額が減少してしまう恐れもあります。厚生年金と財産分与、そして年金分割について、正しい知識を身につけた上で、より良い道を選択しましょう。

  • 「小規模企業共済」とは?受け取り方法やタイミング・注意点など

    小規模企業共済法に基づいて運用される「小規模企業共済」は、自営業者や経営者等にとっての「退職金制度」のようなものとして認知されています。具体的にどういった制度で、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。受け取り方法やおすすめのタイミング、あらかじめ知っておきたい注意点などをわかりやすくまとめます。 小規模企業共済とは?メリット・デメリットを解説 サラリーマンとして会社に勤める人の多くは、勤め先を辞める際に「退職金」を手にします。ある程度まとまった金額の退職金は、その後の生活を支える金銭的な要と言えるでしょう。 しかし退職金とは、誰もが当たり前にもらえるお金ではありません。自営業として仕事をしている人や、自分自身で会社を経営している人、退職金制度を運営するのが難しい小規模企業に勤めている人にとって、退職時にある程度まとまった金額を手にするのは、決して簡単なことではないのです。 こうした人々の退職後の生活を支えるため、用意されているのが小規模企業共済制度です。運営元は国の機関である中小機構。加入者それぞれが掛け金を積み立てていくことで、廃業時や退職時にまとまった金額を受け取れる仕組みになっています。 掛け金の月額は、1,000円から7万円までの範囲内であれば、500円単位で自由に設定可能です。支払った掛け金は、全額所得控除の対象にできる点も、非常に大きなメリットと言えるでしょう。たとえば、毎月最高額の7万円ずつ積み立てた場合、1年間で84万円の所得控除を受けられます。また掛け金は、加入後に自由に増減可能なため、経営状況に沿った運用が可能です。 一方で小規模企業共済にもデメリットはあります。掛け金納付月数が12カ月に満たない場合、共済金等が一部受け取り不可能と判断される可能性も。また加入年数が20年未満の場合、受け取る金額が掛け金の合計額を下回る、いわゆる「元本割れ」の状態になってしまいます。加入状況によっては、かえって損をする可能性もあるという点を、頭に入れておきましょう。 小規模企業共済の受け取り方法とタイミング 小規模企業共済の受け取り方法とタイミング 小規模企業共済では、受け取り方法を自分自身で決定できます。具体的には、 ・一括・分割・一括と分割の併用 の3つの種類から選択することになるでしょう。選択した受け取り方法によって、課税方式が変わってくるので注意してください。 小規模企業共済を一括で受け取る場合、受け取ったお金は「退職所得」として扱われます。退職所得には、勤続年数に応じた退職所得控除額が定められており、勤続年数20年以下であれば「40万円×勤続年数」が控除。一方で、勤続20年以上の場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」が控除される仕組みです。小規模企業共済で受け取った金額から退職所得控除額を引き、さらにそれを2分の1にすると、課税退職所得金額が求められます。ここに所得税率を掛け合わせ、控除額を引いたら、実際の納税額を求められるでしょう。 一方で、小規模企業共済を分割で受け取る場合、受け取るお金は「公的年金等の雑所得」として扱われます。そのほかの公的年金と合わせて各種控除を行い、控除しきれなかった分に対して、課税される仕組みです。一括と分割を併用する場合については、一括受け取り分については「退職所得」として、分割受け取り分については「公的年金等の雑所得」として扱われます。 ちなみに、小規模企業共済に「満期」や「満額」といった概念は存在しません。 ・個人事業を廃止した・経営する株式会社を解散した・小規模企業共済に加入する企業の役員を退職した このようなタイミングで共済を解約し、解約手当金を受け取る制度です。解約タイミングによって、受け取る金額が変わってくる点に注意しましょう。 現在受け取れる共済金(解約手当金)がいくらになるのかは、中小機構の「定型書類の自動発送サービス」にてチェックできます。「042-567-3308」に電話して共済契約者番号を入力し、「共済金等試算表」の書類番号である「998」を指定しましょう。約1週間でシミュレーション結果が自宅に届きます。 小規模企業共済の受け取り方法は? 小規模企業共済の共済金を受け取るためには、以下の手続きが必要となります。個人事業を廃業した場合の手続きの流れを解説します。 ★1.書類を用意する 小規模企業共済の共済金を受け取るためには、必要書類を準備した上で、決められた手続きを取る必要があります。まずは以下の書類を準備しましょう。 ・個人事業の廃業届・印鑑登録証明書・マイナンバー確認書類・共済金等請求書・退職所得申告書・共済契約締結証書 個人事業の廃業届は、税務署に届け出た際の書類のコピーを用意してください。廃業年月日が明確に記載されていること、また税務署の受付印が押されていることが条件となります。印鑑登録証明書は、コピーではなく原本を。3ヶ月以内に発行されたものが必要です。 共済金等請求書や退職所得申告書については、中小機構ホームページよりダウンロード可能です。共済契約締結証書は契約時に発行される書類ですが、紛失した場合は中小機構から発行された、共済契約者番号を確認できる書類で代用可能です。 ★2.必要書類に記入し提出する 必要書類を用意したら、自身の情報を記入していきましょう。記入が求められるのは共済金等請求書と退職所得申告書ですが、どちらもホームページに記入例が公開されています。ぜひ参考にしてみてください。 必要書類が揃ったら、中小機構の窓口へと送付しましょう。共済金等請求書には、事前に受取口座のある金融機関で確認印を押してもらう必要がある点にだけ、注意してください。 ★3.審査と受け取り 中小機構の窓口に書類が到着したら、申請内容に対して審査が行われます。申請内容に不備や問題がないことが確認されれば、指定口座へと共済金が振り込まれます。申請から受け取りまでは、約3週間を見ておきましょう。 受け取り方法までイメージして小規模企業共済の活用を 受け取り方法までイメージして小規模企業共済の活用を 自営業として仕事をしている人や、中小企業を経営している人にとって、小規模企業共済は非常に助かる制度です。ぜひ受け取り方法までしっかりとイメージして、活用を検討してみてください。 ここまで解説してきたとおり、小規模企業共済という制度にはメリットもあればデメリットもあります。自分にとってはどちらの方が大きくなりそうか、事前に確認しておくと良いでしょう。気になる点があれば、まずは中小機構の共済相談室を利用してみるのもおすすめですよ。不安を解消し、自身の老後のために何ができるのか、より具体的に検討できるのではないでしょうか。

  • 学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

    子どもが生まれたら、検討したいのが学資保険についてです。学資保険の大きな目的は、将来の進学への備え。とはいえ、まだまだ小さなわが子の姿から、保険金受取時を明確にイメージするのは難しいかもしれません。 学資保険でより確実に子どもの将来のために備えるのであれば、受け取り方法について予習した上で、加入を検討することが大切です。受け取りタイミングや注意点など、知っておきたい情報をまとめます。 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険は、子どもの進学時にお金が受け取れるよう、計算して加入するタイプの保険です。受け取ったお金は、子どもの学費や一人暮らし費用に充てるご家庭が多いでしょう。「学資保険」という名称から、「子どものためにしか使えないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、これは誤解です。 学資保険の使い道は自由で、進学費用以外に利用しても大丈夫です。たとえば、「進学費用が無事に賄えたので住宅ローンの繰り上げ返済へ」「子どもに車を買ってやりたい」「事業費用の補填として」など、さまざまな使い道を自由に選択できるのです。 では実際に、学資保険はどのようにして受け取るのでしょうか。 学資保険の被保険者は「子ども」であり、子どもの年齢によって満期時期が設定されています。満期を迎えるころになると、保険会社から知らせが届きます。あとはその知らせに沿って手続きすればOKです。 学資保険で注意したい受け取りタイミング 学資保険とは?どうやって受け取る? 学資保険の満期返戻金を受け取るのにベストな時期は、「何を目的にして保険に加入するのか?」によって異なるでしょう。 たとえば、大学入学費用を賄うつもりで加入するのであれば、子どもの年齢が17歳もしくは18歳に達したときに満期返戻金を受け取れるのがベストです。一方で、大学在学中の費用を賄いたいなら20歳前後、大学院進学費用を想定して加入するなら、22歳に設定すると良いでしょう。 子どもが何歳で満期を迎えるのかは、保険商品の種類によって変わってきます。学資保険に加入するタイミングで、将来のビジョンをはっきりさせておく必要があるでしょう。加入する保険を間違えれば、「せっかく学資保険に加入していたのに、必要な時期にお金を受け取れなかった…」という事態にもなりかねません。 学資保険の満期でもっとも多いタイプは、やはり「大学進学時(18歳)」に多額のお金を受け取れる保険でしょう。多くの子どもが大学に進学する中、進学費用の負担は決して少なくありません。たとえ大学進学しなかったとしても、専門学校への入学準備や就職準備、結婚準備など、お金があって困ることはないでしょう。 ただしこちらのタイプを選ぶ場合にも、注意したいポイントがあります。それは、子どもの年齢と支払い時期の関係性です。子どもが18歳になったときに満期返戻金を受け取る場合、それ以前に必要となる進学費用は賄えません。 たとえば子どもの誕生日が3月31日であれば、満期返戻金を受け取れるタイミングもこの日以降に。もっともお金が必要なタイミングに、保険金を使えない計算になってしまいます。特に子どもが早生まれの場合は注意しましょう。満期年齢を17歳に設定し、保険金受取から進学費用支払いまでのスケジュールに余裕を持たせておくのもおすすめです。 学資保険の受け取りに関する注意点2つ 子どもの将来のために備える学資保険。学資保険に加入するタイミングで押さえておきたい注意点は、以下の2つです。こちらもぜひチェックしてみてください。 ★何度もお祝い金が受け取れるタイプはお得? 近年、学資保険のバリエーションは非常に豊富です。中でも人気なのは、子どもの成長の節目で、何度も「お祝い金」を受け取れるタイプでしょう。18歳を満期に設定していても、小学校入学時・中学校入学時・高校入学時など、さまざまなタイミングでお祝い金が支給されるタイプを指します。 何度もお金を受け取れるわけですから、「非常にお得」と感じるかもしれません。しかし、何度も受け取るお祝い金とは、あくまでも自分自身が積み立てている保険金の一部。つまり満期返戻金の一部を「前払い」しているに過ぎないのです。 確かに、子どもの成長の節目にお祝い金を受け取れれば「助かる!」と思う場面もあるでしょう。しかしお祝い金を受け取れば受け取るほど、本来の目的であった「大学進学時に受け取れるお金」は少なくなってしまいます。 また保険会社にとって、何度もお祝い金を支給するにはコストがかかります。このため、満期返戻金を一括で受け取るタイプの学資保険と比較して、「返戻率が低くなりやすい」という特徴があります。本当にお得なのかどうか、しっかりと検討するのがおすすめです。 ★学資保険の満期返戻金にも税金がかかる可能性がある! 学資保険の満期返戻金を受け取る際にも、忘れてはいけないのが税金についてです。具体的にどういった税金が課せられるのかは、学資保険の契約者と受取人の関係性によって違ってくるでしょう。 もっとも多いのは、契約者と受取人が同一であるケースです。「子どもの父親が契約者となり保険金を支払い、子どもの父親が満期返戻金を受け取り、子どもの学費を支払う」という事例ですね。この場合、一括で受け取った学資保険の満期返戻金は「一時所得」と判断され、「所得税」の対象になります。 ただし一時所得には50万円の特別控除が用意されており、年間の一時所得金額がこの範囲に収まっていれば、所得税は課せられません。学資保険の受取額の平均は200~300万円程度と言われていますが、過去に収めた保険金は差し引きできます。50万円以上の、いわゆる「儲け」が出るケースは稀だと言えるでしょう。 ちなみに、学資保険のお金を毎年1回、継続して受け取る場合は「雑所得」と判断されます。やはりこちらも、所得税の対象になるため注意してください。雑所得には、一時所得のような特別控除額が存在しません。お祝い金を受け取れば、その金額に応じて所得税の課税額が増えるという点を頭に入れておきましょう。 また、学資保険の受取人を契約者以外に設定した場合、満期返戻金は贈与税の対象になります。こちらも注意してください。 学資保険に加入するなら将来へのビジョンをはっきりさせよう! 子どもが生まれたら、なんとなく学資保険を…と考える方も多いのではないでしょうか。学資保険は、将来の進学費用を賄うための方法の一つです。後悔なく受け取るためには、加入する段階で、将来へのビジョンをある程度はっきりさせておく必要があるでしょう。 ・どのタイミングでお金を受け取るのか?・いくら受け取れるようにするのか?・誰を契約者と受取人に設定するのか? これらの点を明らかにしておくだけで、失敗リスクも減らせるはずです。子どものための保険だからこそ、ぜひ準備はしっかりと整えておきましょうね。

  • 家族に託す大切な気持ち…ビデオメッセージを活用するメリットとは?

    終活では、「家族に向けたメッセージを残したい」と思う方も多いことでしょう。手紙を残したり、エンディングノートにメッセージをつづったりと、その方法はさまざまです。 「より気持ちの伝わるメッセージを届けたい」と思う方に、近年人気なのがビデオメッセージです。家族に対して、ビデオメッセージを残すメリットや具体的な方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。 終活で「ビデオメッセージを残す」とは? 終活では、大切な家族に向けたメッセージを、何らかの形で残すよう、促すケースも多いものです。ビデオメッセージは、メッセージを残すための形式の一つと言えるでしょう。 文字で書かれたメッセージは、読み手に「情報」を伝えてくれますが、それ以上のものではありません。一方でビデオメッセージの場合、生きている自分の姿や声、仕草など、さまざまなポイントで気持ちを伝えやすくなるでしょう。パソコンやスマートフォンで手軽に動画撮影できるようになった今、「最期の思いを届けるための手段」として、ビデオメッセージを選択する方も増えてきています。 実際に、ビデオメッセージを残そうと思ったときに気になるのが、その扱いについてです。残念ながらビデオメッセージには、法的拘束力は存在しません。遺言書のように、自身の死後の、家族の動きを指定できるわけではないのです。 法的拘束力を持つ遺言は遺言として残し、その内容をより身近に感じてもらうため、ビデオメッセージも併せて活用すると良いでしょう。 ビデオメッセージならではの3つのメリット ビデオメッセージには、その他のメッセージ伝達手段にはないメリットがあります。3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.自分の「声」を届けられる ビデオメッセージならではの特徴と言えば、自分の声をそのままの形で残せるという点です。身近な人が亡くなったあと、恋しい思いに囚われてしまう方は、決して少なくありません。生前の声を聞くことで、元気を取り戻せる方もいます。 耳から入る情報が持つインパクトは非常に大きく、遺族の心を揺さぶるでしょう。また、何度も繰り返し再生できるため、亡くなった人をいつでも身近に感じやすくなります。 ★2.気持ちが伝わりやすくなる 文字ではなく言葉で気持ちを伝えるビデオメッセージは、自身の感情をより一層伝えやすいというメリットがあります。伝える内容が同じであっても、文字で記載された情報を読むのと、声で直接届けるのとでは、印象が異なります。 自分の気持ちを届けたいと思うときには、やはりビデオメッセージの方が、効果が高くなるでしょう。ビデオメッセージが苦手…と感じる方もいるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。事前に用意した原稿を読むだけであっても、気持ちを伝える効果は十分にあるでしょう。 ★3.「自分らしさ」を演出しやすい 遺言とは違い、法的拘束力を持たないビデオメッセージ。デメリットのようにも思えますが、見方を変えればメリットにもなります。法的な必要要件を満たすために、必死になる必要はありません。自分の好きな形で、好きなようにメッセージを残せるでしょう。 たとえば、自分一人でメッセージを残す必要はありませんし、友人や家族と一緒に楽しく撮影するのもおすすめです。自分の趣味を取り入れたり、前からやってみたいと思っていたことに挑戦したりするのも良いでしょう。自分らしい演出で、世界に一つだけのビデオメッセージを作ってみてください。 家族へのビデオメッセージの残し方2つ 残された家族へ、素直な気持ちを届けてくれるビデオメッセージ。具体的には、どのように残せばよいのでしょうか。2つの方法と注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.自分のスマホで撮影する 家族へのビデオメッセージの残し方2つ 低コストで手軽にビデオメッセージを残したいと思う方におすすめなのが、自分自身で動画を撮影する方法です。普段からスマートフォンを愛用している方なら、決して難しい作業ではないでしょう。お気に入りの場所でカメラをセットしたら、あっという間に撮影スタジオが出来上がります。 自分で撮影する場合の注意点は、ビデオメッセージの質は、自身のスキル次第だということ。編集まで難なくこなす人もいれば、ダラダラと話すだけの、まとまりのないメッセージになってしまうケースもあるでしょう。 また自分の手でビデオメッセージを作成する場合、自身の死後、確実に見つけてもらうための仕組み作りが必須です。 ・パソコンやスマホの目立つところに保存しておく・エンディングノートに、家族あてのビデオメッセージのありかを記録しておく・身近な人に、ビデオメッセージの存在を伝えておく せっかくのメッセージが埋もれてしまわないよう、十分に注意してください。 ★2.制作業者に依頼する 制作業者に依頼する 終活ブームの今、さまざまな作業を代行する業者も登場してきています。家族あてのビデオメッセージの制作代行業者もその一つです。コストはかかりますが、自分で作成するよりも高いクオリティで、より確実にメッセージを残せるでしょう。 ビデオメッセージの制作業者に依頼する際の注意点は、以下のとおりです。 ・自分のイメージに沿った制作物を納品してくれること・料金が明瞭であること・業者側と、しっかりコミュニケーションが取れること ひと言で「家族向けビデオメッセージ」と言っても、コンセプトが変われば、動画の雰囲気もがらりと変わります。理想の仕上がりにするためには、業者選びの段階で、しっかりと比較検討する必要があるでしょう。 費用についても、業者によって非常に大きな差があります。4万円~10万円程度で制作できる業者が多いものの、中には30万円以上と高額プランを打ち出しているところもあります。 ビデオメッセージ制作を業者に依頼した場合、「自分が亡くなるまで保管し、その後家族のもとへと届けてくれるサービス」までを展開しているところもあります。それぞれのサービスの内容を理解した上で、利用先を決定するようにしましょう。 家族あてのビデオメッセージも上手に活用を 遺言とはまた違った形で、最期の言葉を家族のもとへと届けてくれるビデオメッセージ。「遺言の内容に信ぴょう性を持たせたい」と思う場合にも、極めて有効な方法と言えるでしょう。ぜひ遺言と併せて活用してみてください。自分にとっても、終活を楽しくすすめていくための拠り所になってくれるのではないでしょうか。 単に文字を伝えるだけではなく、声や表情を通して伝えることで、大切な思いはより一層届きやすくなります。大切な家族だからこそ、形にこだわってみるのも良いでしょう。どういった形でメッセージを残そうか悩んだときには、ぜひビデオメッセージにも注目してみてください。

  • 子供に残す資産に要注意!万が一のときのための予備知識

    親として、子供のためにできるだけ多くの資産を残したいと願う方も多いのではないでしょうか。とはいえ、相続に関するルールの中には、複雑でよくわからない点も多いもの。「おそらく大丈夫だろう」という認識で話を進めていくと、将来的に、子供が困る事態にもなりかねないでしょう。 今回は、子供に資産を残す際の注意点について解説します。万が一のときのための予備知識として、ぜひ最後までご覧ください。 子供名義の預金通帳に注意 子供名義の預金通帳に注意 親が子供のために資産を残す方法として、「子供名義の預金通帳を作り、そこにお金を積み立てていく」というものがあります。最初から子供名義にしておけば、遺産相続の際に相続税が加算されることはありません。また、「贈与税の非課税枠に収まる範囲にしておけば、余計なお金を取られる恐れもない」と考える方も多いのではないでしょうか。 確かに、非常に有効で非常に手軽な方法に映りますが、実際には注意するべき点も少なくありません。ただ単純に「親が子供名義の通帳を作ってそこにお金を入れていく」というだけでは、「贈与」とみなされない可能性が高いからです。 贈与としてみなされなければ、通帳の名義だけが子供であっても、実際には親の財産に。相続が発生すれば相続税の対象になりますし、基礎控除分を超える場合、子供自身が税金を納めなくてはいけなくなります。 このケースで最も重要なポイントになるのは、「親から子供への贈与が本当に存在していたのか?」という点です。ただ単純に親がお金を積み立て、子供自身はその存在を把握していないような場合、贈与と認められないのです。この方法で子供のための財産を残したいと考えるなら、ぜひ以下の点に注意してください。 ・お金をあげる、もらうという意識をはっきりさせる・通帳の管理を子供自身にさせる(子供がすでに成人している場合) より確実にトラブルを予防するためには、贈与のたびに「贈与契約書」を作成するのがおすすめです。多少手間はかかりますが、「本当に贈与があった」と証明する手立てになるでしょう。また、贈与税の非課税枠から、あえてほんの少し足が出る程度の贈与を行うのも効果的です。もちろん、非課税枠を超えた分に対しては贈与税が加算されますが、ときおり贈与税を納めておくことで、子供自身の資産であると認められやすくなるでしょう。 「持ち家を残す」のが正解とは限らない 「持ち家を残す」のが正解とは限らない 子供のために資産を残すことを考え始めたとき、「不動産」が頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。家族みんなで暮らした家に思い入れがあるのは当たり前のこと。また持ち家をそのままの形で子供に残せば、「子供自身が住む場所を確保できる」というメリットがあります。 とはいえ、子供のために持ち家を残したことがきっかけで、相続トラブルに発展するようなケースも珍しくありません。なぜなら、相続人が一人だけとは限らないから。「相続人同士で揉めないため、きっちり遺産を分割したい」と思っていても、持ち家があると、途端にそれは難しくなってしまうでしょう。 また不動産の維持・管理にはそれなりの費用がかかるものです。自分たちが長く生活してきたマイホームを子供に相続させようとすれば、子供自身にメンテナンスやリフォームの手間やコストがかかってくるでしょう。「住まいを確保できてうれしい」と思う人もいれば、「自分の住まいは別で確保したいから、正直負担…」というケースも少なくないのが現実です。 持ち家を残すかどうかについては、子供との間で事前にしっかりと話し合っておくことをおすすめします。持ち家を残した方が良いということであれば、どのような形で相続するのがベストなのかまで、あらかじめ確認しておくと安心です。 子供自身が「残されても困る」ということであれば、相続が発生する前に自宅を売却し、現金で相続させるのも一つの方法です。遺産分割協議で揉める可能性は低くなりますし、「相続人同士できっちり等分に分ける」という選択もしやすくなるでしょう。 子供が居住しない住居を財産として相続させた場合、自身の死後、マイホームは空き家になる可能性も。きちんとした手入れや管理が行き届かず、「特定空き家等」に認定されてしまった場合、固定資産税は大幅にアップします。人の手が入らなくなった古い物件を売却するのは、決して簡単ではありません。そうなる前に、自分自身の代で「家じまい」を検討するのもおすすめです。 生命保険の活用も検討しておこう 親が子供に財産を残す際に、「子供たちとの関係性によって、残す財産の額に差をつけたい」と思うこともあるかもしれません。たとえば、2人の子供のうち1人は同居し自分の面倒を見てくれ、もう1人は長く疎遠になっているような場合、「同居して面倒を見てくれる子供の方に、多くの財産を残したい」と思うのは、ある意味で当然だと言えるでしょう。 このような場合、子供たちの相続分に対して、遺言で割合を指定するのがおすすめです。このとき、「なぜ片方の子供にだけ多くの財産を残すのか」という理由まで、しっかりと伝えておくと良いでしょう。相続人の間の不公平感を和らげる効果が期待できます。 また、生命保険を活用するのもおすすめの方法です。遺産を多めに渡したいと思っている相続人を受取人にした、生命保険に加入しましょう。すると、自身が亡くなった際に支給される生命保険金は、事前に指定しておいた受取人のもとに直接わたります。 年齢を重ねると加入できる保険にも制限が出てきますが、死亡保険金には非課税措置も設けられており、相続税対策としても有効です。自身に合ったタイプの保険を探し、できるだけ早い段階から対策を取っておくのも良いでしょう。 注意点を理解して子供に資産を残そう 子供に資産を残す際に、注意するべき3つのポイントをまとめました。相続に関するルールをしっかりと理解した上で準備を進めておけば、相続の手続きそのものをスムーズに進めていける可能性も。子供の負担も軽減できるでしょう。子供のために良かれと思ってしたことでも、実際には「大きな負担になってしまった…」というケースは決して少なくありません。そして、相続する側の負担が増えれば増えるほど、相続トラブルに発展するリスクも高まってしまいます。 子供のためを思って財産を残すのであれば、相手の気持ちに寄り添って、必要な準備を丁寧に整えておくことが大切です。それも大切な終活の一つ。いつそのときが訪れても良いように、少しずつ準備を進めていきましょう。今回紹介した3つのポイントもぜひ参考にしながら、子供に財産を残すことについて、今一度検討してみてください。

  • 死亡保険金の受け取り方法は?覚えておきたいルールと注意点

    身近な人が亡くなったとき、やるべき作業は多々あります。その中でも、忘れてはいけないのが死亡保険金の受け取り手続きです。今後の生活への不安を取り除くためにも、できるだけ早く手続きしましょう。 今回は、そんな死亡保険金の受け取り方法について、詳しく解説します。頭に入れておくべきルールや注意点についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。 死亡保険金を受け取るまでの流れ 家族に万が一のことがあった場合、死亡保険金は、その後の生活を支えるための資金になるでしょう。亡くなった方の思いを未来へとつなげるためにも、速やかに手続きしてください。具体的な手順の流れは以下のとおりです。 1.保険の契約者または保険金の受取人から保険会社へと連絡する2.保険会社から必要書類を受け取る3.手続きに必要な書類を集める4.案内にしたがって請求手続きを行う5.死亡保険金を受け取る 死亡保険金の受け取り方法で、まず頭に入れておかなければならないのが、「自分の方から保険会社へと連絡する必要がある」という点です。保険会社の方から連絡が来るわけではないので、契約している保険会社の連絡先を調べ、電話や文書で、保険金の受け取り事由が発生した旨を伝えてください。連絡先は、保険証券や関係書類に記されています。 保険会社への連絡は、保険の契約者もしくは受取人に指定されている人が行います。契約者と被保険者が同一の場合、契約者はすでに死亡しているため、自身で手続きができません。手続きできるのは受取人のみという点に注意しましょう。 請求手続きそのものは、保険会社から送付される案内にしたがって進めていけば大丈夫です。必要書類さえ集めてしまえば、迷うことはありません。 ★死亡保険金の受け取りに必要な書類は? 死亡保険金の請求時には、以下のような書類の提出を求められます。 ・被保険者の住民票(死亡記載のあるもの)・死亡診断書(もしくは死体検案書)・保険証券・受取人の本人確認書・死亡保険金請求書 など このほかにも、受取人の戸籍抄本や印鑑証明の提出を求められるケースもあります。詳しくは、保険会社からの案内をチェックしましょう。 死亡保険金の受け取り方法で忘れてはいけない注意点 死亡保険金の受け取り方法で忘れてはいけない注意点 死亡保険金の受け取り方法について、いくつか注意点があります。2点を紹介するので、ぜひ知っておいてください。 ★受取人に請求手続きができない場合、代理での請求が可能 先ほども説明したとおり、契約者と被保険者が同一の場合、死亡保険金の手続きを取れるのは原則として「受取人のみ」です。ただし受取人の状況によっては、自身で手続きを進めていくことが困難なケースもあるでしょう。 このような場合、受取人の親族が代理で保険会社に連絡し、受取人本人の手続きが難しいことを伝えてください。保険会社が調査の上で、代理で請求手続きを行う人を指名します。その後の手続きは、指名された人が代理で進められるようになります。 受取人が認知症等で意思能力がない場合、親族のサポートが必須になるでしょう。とはいえ、そもそも保険の存在を知らなければ、サポートのしようがありません。普段から、いざというときの場合の対処法を、親族間で話し合っておくことが大切です。 ★死亡保険金は3年で時効 被保険者が死亡した際にもらえる死亡保険金ですが、その請求手続きには時効があります。被保険者が亡くなった翌日から3年経過すると、死亡保険金の請求ができなくなります。 死亡保険金の請求に時効が設定されているのは、時間が経過すればするほど、保険会社による調査が難しくなるためです。死亡保険金支払い時には、契約者もしくは受取人から提出された書類をもとに、保険会社が調査を行います。本当に支払事由に該当しているか、なにか問題が発生していないかどうか、確かめるためです。 支払事由の発生から長い時間が経過し、保険金の支払いに問題がないかどうか調査が難しくなれば、保険の公平性に欠ける事態に陥りかねません。だからこそ「3年」という期限を設け、どのような案件に対しても、しっかりとした調査が行える環境を維持しているというわけです。 ただし、すでに3年以上が経過し時効を迎えている場合でも、保険会社の判断で死亡保険金が支払われるケースもあります。 ・被保険者が保険に加入している事実を、3年以上経過した後に知った・被保険者が失踪中に死亡したため、請求権が発生していることを知らなかった・自殺と勘違いしていたため、保険金を請求できることを知らなかった これらのケースに当てはまる場合は、一度保険会社に相談してみましょう。必要な書類が揃い、調査に問題ないと判断されれば、3年以上経過していても死亡保険金を受け取れる可能性があります。 死亡保険の受け取り方法についてよくある質問 死亡保険の受け取り方法についてよくある質問 死亡保険の受け取り方法の基本を知っていても、いざ自分が手続きをするとなると、迷ってしまう場面もあるでしょう。よくある質問と回答をまとめるので、参考にしてみてください。 ★保険証券が見つからない場合、保険金は下りない? 保険証券は、保険の詳細を示す重要な書類です。とはいえ、たとえ紛失していても、保険金請求に問題が生じることはないので安心してください。保険会社に連絡し、指示を仰ぎましょう。 ただし保険証券がないと、手続きに必要な情報確認に手間取ってしまう可能性も。そのほかに保険に関するヒントがあれば、まとめておくと安心です。 ★亡くなった家族が保険に入っていたかどうか、定かではない場合は? 死亡保険は請求しなければ受け取れませんが、「そもそも家族が保険に入っていたのかどうかわからない」というケースもあるかと思います。この場合、まずは死亡保険に関する調査からスタートする必要があるでしょう。 ・通帳などに保険料の引き落としがあるか?・身の回りに、保険契約に関する書類が残されていないか?・家族の誰かが、過去になにか話を聞いていないか? こうしたところから、保険に関するヒントを探っていきましょう。関わりがあったと思われる保険会社の名前がわかれば、会社に連絡し、より詳細な調査を依頼できます。 ・亡くなった家族の氏名・生年月日・住所・電話番号・連絡した人の本人確認 個人情報保護の観点から、これらの情報を提出し、所定の手続きをとる必要があります。本当に保険に加入していたのか、請求できる権利が発生しているのかどうか、調べられるでしょう。 死亡保険金の受け取り方と税金について 死亡保険金は、受け取り方によって課税される税金の種類が違ってきます。契約者と被保険者が同一の場合、課税されるのは相続税です。契約者と受取人が同じ場合は所得税、契約者と被保険者、そして受取人がすべて異なる場合は贈与税の対象となります。 相続税の対象であれば、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。その分、手元に残せるお金も多くなるでしょう。 死亡保険金の受け取りが決まったら、契約者と被保険者、そして受取人との関係性を早めに確認しておくことが大切です。今後の申告にも関わってくるポイントですから、忘れないでください。 死亡保険の受け取り方法を知って速やかな手続きを 大切な家族に万が一のことがあったとき、必要になるのが死亡保険の受け取り手続きです。受け取り方法の流れや注意点を知って、速やかに進めていきましょう。残された家族の生活を支える、柱になってくれるはずです。 わからないことや不安な点がある場合、保険会社に問い合わせてみれば大丈夫です。まずは保険金の受け取り事由が発生したという事実を伝え、その後の指示を仰ぎましょう。

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