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2023年2月の記事一覧

  • 相続に強い税理士の選び方を解説!ポイントを知って失敗を防ごう

    相続に強い税理士の選び方を解説!ポイントを知って失敗を防ごう

    相続税が発生する場合、申告から納税までの手続きをより確実に進めていくため、税理士に依頼するのがおすすめです。とはいえ、依頼先の税理士事務所をどう選ぶべきか、悩む方も多いのではないでしょうか?今回は相続に強い税理士の選び方について解説します。4つのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 1.相続に強い税理士である 1.相続に強い税理士である 相続税の申告や納税のサポートを目的に税理士を探す場合、まず「相続に強い税理士」を探すことが大切です。「税理士」と言っても、得意とする業務内容はさまざまです。相続分野以外を専門とする税理士に依頼しても、十分なサポートを受けられない可能性があるでしょう。相続に特化した税理士事務所であれば、安心してお任せできます。こちらが慣れていなくても、いつまでに何が必要なのかを理解した上で、正しく導いてもらえるはずです。 では、相続に強い税理士は具体的にどう探せばよいのでしょうか?まずはホームページで情報を収集してみてください。税理士事務所の中には、「相続専門」を打ち出しているところも少なくありません。さまざまな相続問題を、安心して相談できるでしょう。 また相続税の申告件数に注目してみるのもおすすめです。申告件数とは、要するに過去の実績を表すもの。その税理士事務所が、どれだけ積極的に相続問題を扱っているか、判断するポイントになるはずです。 ホームページ上で情報を得られない場合は、電話や面談にて、直接聞いてみるのもおすすめです。 ・相続問題にどの程度力を入れているのか?・年間の相続税申告件数はどのくらいなのか?・相続案件とその他の案件で、担当割合はどのくらいなのか? これらの回答からも、それぞれの事務所がどの程度力を入れているのか、明らかにできるでしょう。ぜひさまざまな方面から、情報収集してみてください。 2.報酬額が適正である 相続税の申告を税理士にサポートしてもらう場合、税理士に支払う報酬額も重要なポイントになります。契約前には、提供されるサービスに対して報酬額が妥当であるかどうかも、しっかりと確認してみてください。 相続税関連で税理士に依頼した場合の報酬額の目安は、遺産総額の0.5%~1%程度だと言われています。仮に1億円の財産を相続し、相続税を申告する場合、税理士に支払う報酬額は50万円~100万円を目安として考えれば良いでしょう。提示された金額がこれよりも大幅に高い場合、別の事務所を検討してみるのもおすすめです。 ただし、以下のような条件に当てはまる場合、税理士報酬が相場よりも高くなる可能性があります。 ・相続人の数が多く、関係性が複雑である・相続財産に不動産が多く含まれている・相続税の延納や物納制度の利用を検討している 問題が複雑になれば、担当税理士の負担も重くなります。それに伴って、報酬額も上乗せされる可能性があるでしょう。報酬額のみに注目するのではなく、何にどれだけの費用がかかるのかに注目し、総合的に判断するのがおすすめです。また相続に関連する事情はそれぞれで異なるもの。大まかな内容を伝えたのちに、「自分のケースでは報酬がいくらくらいになるのか?」を確認してみてください。 「税理士報酬は安ければ安い方が良い」と考えがちですが、実際にはそういうわけでもありません。税理士に依頼する以上、きちんとしたサービスを提供されなければ意味がないからです。依頼先を検討する際には、報酬額についてもしっかり確認し、提供されるサービスとのバランスについてもチェックしましょう。 3.二次相続までを含めた提案をしてくれる 3.二次相続までを含めた提案をしてくれる 相続税について検討する際に、忘れてはいけないのが二次相続についてです。二次相続とは、「配偶者が亡くなったあとに財産を受け継いだ人が被相続人となり、遺産相続されること」を指します。相続人に配偶者が含まれる場合、配偶者控除によって相続税の負担が少なくなるでしょう。しかし二次相続では、こうした制度は利用できません。相続税の負担が重くなってしまいがちです。 配偶者との年齢差が小さい場合、一次相続から数年の間に二次相続が発生する可能性も。二次相続での負担を少なくするためには、一次相続の段階から将来を見据え、適切な対策を講じておく必要があるのです。 一次相続の段階で、何をどのように相続すれば二次相続対策になるのかは、個々の状況によって異なります。だからこそ、専門家である税理士がしっかりと導いてくれるかどうかを確認しましょう。最初から二次相続を踏まえて提案してくれる税理士であれば、安心してお任せできます。二次相続に関する話題が出ない場合、相談者の側から聞いてみるのもおすすめです。その対応方法を見極めた上で、信頼できるかどうか判断してみてください。 4.相続人の不安に寄り添ってくれる 相続税の申告は、一生の間にそう何度も経験するものではありません。だからこそ、何をどう進めていくべきか不安を感じる方もいるでしょう。そうした感情に寄り添い、親身に対応してくれる税理士を探すことが大切です。 相続税には「相続発生の翌日から10カ月以内」という申告・納税の期限があります。期限内に手続きを進めるため、依頼人への対応がぞんざいになってしまう税理士もいます。不安を抱えたまま相続手続きだけを進めていっても、その結果に納得するのは難しいでしょう。あとになって「もっと○○しておけば…」と後悔する可能性もあります。 まずは自分たちの話をしっかりと聞いてくれるか、そして要望に添った提案をしてくれるかどうかを確認してみてください。何でも安心して話せる税理士であれば、不安を抱えてもその場で解決できるでしょう。その後の手続きもスムーズに進めていけるはずです。 税理士選びで間違えないことが重要 相続税申告を税理士にサポートしてもらえば、相続人の負担は軽減できるでしょう。相続税や申告手続きに関する知識が十分ではない場合でも、専門家の手でしっかりと導いてもらえます。相続手続きでのうっかりミスは、その後のトラブルにつながってしまいがちです。税理士のもとで手続きを進めていけば、リスクを回避できるでしょう。 また信頼できる税理士がいれば、相続税を節税できる可能性もあります。一次相続だけではなく、二次相続を視野に入れて万全の準備をしておくためにも、ぜひ税理士事務所選びにはこだわってみてください。 依頼先の税理士選びを間違えると、「こんなはずじゃなかったのに…」といった事態になってしまう可能性も。今回紹介した4つのポイントも参考にしつつ、依頼先を検討してみてください。初めての相続税申告でも、安心してお任せできます。

  • 「親の会社を相続する」とは?手続きの基本と注意点を学ぼう

    「親の会社を相続する」とは?手続きの基本と注意点を学ぼう

    経営者である親が亡くなった際に、発生するのが「会社の相続」です。個人の相続よりも複雑になる可能性もあるため、慎重に準備を進めていく必要があるでしょう。「会社を相続する」という言葉の意味や手続きの基本、覚えておくべき注意点まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 「会社を相続する」とは? 「会社を相続する」とは? まずは、「会社を相続する」という言葉の意味を知ることからスタートしましょう。経営者が亡くなれば、その財産は遺産として、基本的に被相続人に引き継がれます。その中で「会社」がどう扱われるのかは、事業形態が「法人」であったのか、それとも「個人」であったのかで違ってくるでしょう。 被相続人が個人事業の形態で事業活動を行っていた場合、事業用の財産はすべて「被相続人個人のもの」として扱われます。遺言書で誰にどのような財産を残すのか指定されていない場合、事業用財産とその他の財産をすべて含めて、相続人同士で遺産分割することになるでしょう。 一方で被相続人が法人として事業活動を行っていた場合、事業用の財産は個人からは切り離されます。会社法人が所有するものとして扱われるため、「相続人だから」という理由で、その地位や財産を受け継ぐことはできません。個人事業の場合の相続とは、その性質が大きく異なるという点を、しっかりと理解しておきましょう。 ただし被相続人が保有していた自社株については、個人資産として扱われます。一定割合以上の自社株を相続し、経営権を握ることは可能です。被相続人の死亡によって会社の経営を揺るがせないためにも、自社株の相続や相続手続きについて、事前に知識を身につけておいてください。 法人の場合の相続手続きとは? 親が経営する法人を、相続する場合の手続きは以下のとおりです。 1.被相続人から自社株を相続する2.相続した株式の名義変更を行う3.株主総会を開き、役員としての地位を認めさせる 先ほどもお伝えしたとおり、法人として事業活動を行っていた会社の場合、親が亡くなったからといって、相続人が自動的に会社を受け継げるわけではありません。まずは親が残した自社株を相続し、それをもとに経営者としての地位を確立します。相続によって取得する自社株の割合が、株式の過半数を占めれば経営権を握れます。株式の3分の2を超えれば、定款や事業目的の変更、合併などの重要な決定も下せるようになるでしょう。 株式の名義を相続人に変更すれば、株主としての権利を行使できるように。株主総会の開催も、役員としての地位の確立も可能になります。経営者死亡により、経営の基盤を揺るがせないためには、ここまでの手続きを円滑に進めていくことが大切です。手続きにかかる時間が長くなればなるほど、会社としては不安定に。取引先企業や投資家たちから寄せられる目線も、厳しくなってしまいます。 無事に経営者の変更を終えたあとは、各種変更手続きを行っていきましょう。金融機関や社会保険関連のほか、取引先への通知も忘れないでください。 会社を相続させる際の注意点3つ 会社を相続させる際の注意点3つ 経営者である親が亡くなったあと、相続問題を発端として、トラブルが発生するケースは少なくありません。経営面でダメージを受け、事業活動そのものが滞ってしまう恐れもあるでしょう。3つの注意点とそれぞれの対処法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★自社株の分散による経営権の引き継ぎ失敗 法人の相続において、もっとも注意しなければならないのが自社株の分散です。先ほどもお伝えしたとおり、会社の経営権を握るためには、一定割合以上の自社株を保有する必要があります。被相続人が過半数の自社株を保有していても、相続によってそれらが分散されれば意味がありません。 被相続人が保有する自社株は、個人資産として遺産分割の対象になります。法定相続分に則って分割される場合、複数の相続人が一定割合ずつ、自社株を含めた遺産を相続するでしょう。この場合、「株式の分散によって、相続人のうち誰も経営権を握れない」といった事態に陥りかねません。その他の株主との関係性が良くない場合、誰が経営を握るのかで揉めて、会社経営に支障をきたす恐れがあります。 このような事態を避けるために有効なのが、以下のような対策です。 ・遺言書で株式の相続割合を明確に示し、後継者を指名しておく・生前から少しずつ事業承継を進めていく・家族信託によって、生前から株式を管理させる 次代を誰に任せられるのか、経営者として思うところもあるでしょう。遺言書や生前贈与、家族信託といった仕組みをうまく使えば、そうした思いを形にできます。専門家に相談しつつ、自分に合った方法を選択するのがおすすめです。 ★相続の偏りから発生する親族間トラブル 経営権掌握のため、相続人の1人に集中的に財産を相続させた場合、不公平な遺産分割による親族間トラブルが発生する可能性があります。こちらについても、あらかじめ対策を練っておきましょう。 相続人の一部には、遺留分が認められています。自社株を1人に集中的に相続させる形にしても、遺留分に配慮できていれば、揉め事に発展するリスクは回避可能に。自社株以外の財産をどう割り振るのかについても、あらかじめ遺言書で指定しておくのがおすすめです。 ★負債の相続による負担の増加 中小規模の会社では、経営者個人が連帯保証人となり、事業のための融資を受けているケースもあります。この場合、相続によって負債も引き継がれてしまう点も、頭に入れておきましょう。後継者を守るための仕組みとして、「経営者保証ガイドライン」も整備されています。必要な知識を身につけた上で、手続きを進めていく必要があります。 会社の相続は生前からの準備が重要 経営者が亡くなった際に、会社の相続が問題になるケースは少なくありません。とはいえ、生前からしっかりと準備を進めていけば、問題なく乗り越えられるはずです。 相続する会社が個人事業として営まれていたのであれば、相続に関して問題が発生する可能性は低くなります。親族間での話し合いによって、誰が経営を続けるのか、その財産をどうするのかを決定しましょう。一方で、法人の場合は注意が必要です。遺言書の作成はもちろん、さまざまな方面から準備を進めておかなければ、最悪の場合、「会社の経営権を失い暗礁に乗り上げる」といった未来も予測されます。 会社の相続について検討する場合、まずは基本的な知識を身につけるところからスタートしましょう。今できることは何か、専門家の意見を聞いてみるのもおすすめです。できることからスタートしましょう。

  • 相続に強い税理士の選び方を解説!ポイントを知って失敗を防ごう

    相続税が発生する場合、申告から納税までの手続きをより確実に進めていくため、税理士に依頼するのがおすすめです。とはいえ、依頼先の税理士事務所をどう選ぶべきか、悩む方も多いのではないでしょうか?今回は相続に強い税理士の選び方について解説します。4つのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 1.相続に強い税理士である 1.相続に強い税理士である 相続税の申告や納税のサポートを目的に税理士を探す場合、まず「相続に強い税理士」を探すことが大切です。「税理士」と言っても、得意とする業務内容はさまざまです。相続分野以外を専門とする税理士に依頼しても、十分なサポートを受けられない可能性があるでしょう。相続に特化した税理士事務所であれば、安心してお任せできます。こちらが慣れていなくても、いつまでに何が必要なのかを理解した上で、正しく導いてもらえるはずです。 では、相続に強い税理士は具体的にどう探せばよいのでしょうか?まずはホームページで情報を収集してみてください。税理士事務所の中には、「相続専門」を打ち出しているところも少なくありません。さまざまな相続問題を、安心して相談できるでしょう。 また相続税の申告件数に注目してみるのもおすすめです。申告件数とは、要するに過去の実績を表すもの。その税理士事務所が、どれだけ積極的に相続問題を扱っているか、判断するポイントになるはずです。 ホームページ上で情報を得られない場合は、電話や面談にて、直接聞いてみるのもおすすめです。 ・相続問題にどの程度力を入れているのか?・年間の相続税申告件数はどのくらいなのか?・相続案件とその他の案件で、担当割合はどのくらいなのか? これらの回答からも、それぞれの事務所がどの程度力を入れているのか、明らかにできるでしょう。ぜひさまざまな方面から、情報収集してみてください。 2.報酬額が適正である 相続税の申告を税理士にサポートしてもらう場合、税理士に支払う報酬額も重要なポイントになります。契約前には、提供されるサービスに対して報酬額が妥当であるかどうかも、しっかりと確認してみてください。 相続税関連で税理士に依頼した場合の報酬額の目安は、遺産総額の0.5%~1%程度だと言われています。仮に1億円の財産を相続し、相続税を申告する場合、税理士に支払う報酬額は50万円~100万円を目安として考えれば良いでしょう。提示された金額がこれよりも大幅に高い場合、別の事務所を検討してみるのもおすすめです。 ただし、以下のような条件に当てはまる場合、税理士報酬が相場よりも高くなる可能性があります。 ・相続人の数が多く、関係性が複雑である・相続財産に不動産が多く含まれている・相続税の延納や物納制度の利用を検討している 問題が複雑になれば、担当税理士の負担も重くなります。それに伴って、報酬額も上乗せされる可能性があるでしょう。報酬額のみに注目するのではなく、何にどれだけの費用がかかるのかに注目し、総合的に判断するのがおすすめです。また相続に関連する事情はそれぞれで異なるもの。大まかな内容を伝えたのちに、「自分のケースでは報酬がいくらくらいになるのか?」を確認してみてください。 「税理士報酬は安ければ安い方が良い」と考えがちですが、実際にはそういうわけでもありません。税理士に依頼する以上、きちんとしたサービスを提供されなければ意味がないからです。依頼先を検討する際には、報酬額についてもしっかり確認し、提供されるサービスとのバランスについてもチェックしましょう。 3.二次相続までを含めた提案をしてくれる 3.二次相続までを含めた提案をしてくれる 相続税について検討する際に、忘れてはいけないのが二次相続についてです。二次相続とは、「配偶者が亡くなったあとに財産を受け継いだ人が被相続人となり、遺産相続されること」を指します。相続人に配偶者が含まれる場合、配偶者控除によって相続税の負担が少なくなるでしょう。しかし二次相続では、こうした制度は利用できません。相続税の負担が重くなってしまいがちです。 配偶者との年齢差が小さい場合、一次相続から数年の間に二次相続が発生する可能性も。二次相続での負担を少なくするためには、一次相続の段階から将来を見据え、適切な対策を講じておく必要があるのです。 一次相続の段階で、何をどのように相続すれば二次相続対策になるのかは、個々の状況によって異なります。だからこそ、専門家である税理士がしっかりと導いてくれるかどうかを確認しましょう。最初から二次相続を踏まえて提案してくれる税理士であれば、安心してお任せできます。二次相続に関する話題が出ない場合、相談者の側から聞いてみるのもおすすめです。その対応方法を見極めた上で、信頼できるかどうか判断してみてください。 4.相続人の不安に寄り添ってくれる 相続税の申告は、一生の間にそう何度も経験するものではありません。だからこそ、何をどう進めていくべきか不安を感じる方もいるでしょう。そうした感情に寄り添い、親身に対応してくれる税理士を探すことが大切です。 相続税には「相続発生の翌日から10カ月以内」という申告・納税の期限があります。期限内に手続きを進めるため、依頼人への対応がぞんざいになってしまう税理士もいます。不安を抱えたまま相続手続きだけを進めていっても、その結果に納得するのは難しいでしょう。あとになって「もっと○○しておけば…」と後悔する可能性もあります。 まずは自分たちの話をしっかりと聞いてくれるか、そして要望に添った提案をしてくれるかどうかを確認してみてください。何でも安心して話せる税理士であれば、不安を抱えてもその場で解決できるでしょう。その後の手続きもスムーズに進めていけるはずです。 税理士選びで間違えないことが重要 相続税申告を税理士にサポートしてもらえば、相続人の負担は軽減できるでしょう。相続税や申告手続きに関する知識が十分ではない場合でも、専門家の手でしっかりと導いてもらえます。相続手続きでのうっかりミスは、その後のトラブルにつながってしまいがちです。税理士のもとで手続きを進めていけば、リスクを回避できるでしょう。 また信頼できる税理士がいれば、相続税を節税できる可能性もあります。一次相続だけではなく、二次相続を視野に入れて万全の準備をしておくためにも、ぜひ税理士事務所選びにはこだわってみてください。 依頼先の税理士選びを間違えると、「こんなはずじゃなかったのに…」といった事態になってしまう可能性も。今回紹介した4つのポイントも参考にしつつ、依頼先を検討してみてください。初めての相続税申告でも、安心してお任せできます。

  • 「親の会社を相続する」とは?手続きの基本と注意点を学ぼう

    経営者である親が亡くなった際に、発生するのが「会社の相続」です。個人の相続よりも複雑になる可能性もあるため、慎重に準備を進めていく必要があるでしょう。「会社を相続する」という言葉の意味や手続きの基本、覚えておくべき注意点まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 「会社を相続する」とは? 「会社を相続する」とは? まずは、「会社を相続する」という言葉の意味を知ることからスタートしましょう。経営者が亡くなれば、その財産は遺産として、基本的に被相続人に引き継がれます。その中で「会社」がどう扱われるのかは、事業形態が「法人」であったのか、それとも「個人」であったのかで違ってくるでしょう。 被相続人が個人事業の形態で事業活動を行っていた場合、事業用の財産はすべて「被相続人個人のもの」として扱われます。遺言書で誰にどのような財産を残すのか指定されていない場合、事業用財産とその他の財産をすべて含めて、相続人同士で遺産分割することになるでしょう。 一方で被相続人が法人として事業活動を行っていた場合、事業用の財産は個人からは切り離されます。会社法人が所有するものとして扱われるため、「相続人だから」という理由で、その地位や財産を受け継ぐことはできません。個人事業の場合の相続とは、その性質が大きく異なるという点を、しっかりと理解しておきましょう。 ただし被相続人が保有していた自社株については、個人資産として扱われます。一定割合以上の自社株を相続し、経営権を握ることは可能です。被相続人の死亡によって会社の経営を揺るがせないためにも、自社株の相続や相続手続きについて、事前に知識を身につけておいてください。 法人の場合の相続手続きとは? 親が経営する法人を、相続する場合の手続きは以下のとおりです。 1.被相続人から自社株を相続する2.相続した株式の名義変更を行う3.株主総会を開き、役員としての地位を認めさせる 先ほどもお伝えしたとおり、法人として事業活動を行っていた会社の場合、親が亡くなったからといって、相続人が自動的に会社を受け継げるわけではありません。まずは親が残した自社株を相続し、それをもとに経営者としての地位を確立します。相続によって取得する自社株の割合が、株式の過半数を占めれば経営権を握れます。株式の3分の2を超えれば、定款や事業目的の変更、合併などの重要な決定も下せるようになるでしょう。 株式の名義を相続人に変更すれば、株主としての権利を行使できるように。株主総会の開催も、役員としての地位の確立も可能になります。経営者死亡により、経営の基盤を揺るがせないためには、ここまでの手続きを円滑に進めていくことが大切です。手続きにかかる時間が長くなればなるほど、会社としては不安定に。取引先企業や投資家たちから寄せられる目線も、厳しくなってしまいます。 無事に経営者の変更を終えたあとは、各種変更手続きを行っていきましょう。金融機関や社会保険関連のほか、取引先への通知も忘れないでください。 会社を相続させる際の注意点3つ 会社を相続させる際の注意点3つ 経営者である親が亡くなったあと、相続問題を発端として、トラブルが発生するケースは少なくありません。経営面でダメージを受け、事業活動そのものが滞ってしまう恐れもあるでしょう。3つの注意点とそれぞれの対処法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★自社株の分散による経営権の引き継ぎ失敗 法人の相続において、もっとも注意しなければならないのが自社株の分散です。先ほどもお伝えしたとおり、会社の経営権を握るためには、一定割合以上の自社株を保有する必要があります。被相続人が過半数の自社株を保有していても、相続によってそれらが分散されれば意味がありません。 被相続人が保有する自社株は、個人資産として遺産分割の対象になります。法定相続分に則って分割される場合、複数の相続人が一定割合ずつ、自社株を含めた遺産を相続するでしょう。この場合、「株式の分散によって、相続人のうち誰も経営権を握れない」といった事態に陥りかねません。その他の株主との関係性が良くない場合、誰が経営を握るのかで揉めて、会社経営に支障をきたす恐れがあります。 このような事態を避けるために有効なのが、以下のような対策です。 ・遺言書で株式の相続割合を明確に示し、後継者を指名しておく・生前から少しずつ事業承継を進めていく・家族信託によって、生前から株式を管理させる 次代を誰に任せられるのか、経営者として思うところもあるでしょう。遺言書や生前贈与、家族信託といった仕組みをうまく使えば、そうした思いを形にできます。専門家に相談しつつ、自分に合った方法を選択するのがおすすめです。 ★相続の偏りから発生する親族間トラブル 経営権掌握のため、相続人の1人に集中的に財産を相続させた場合、不公平な遺産分割による親族間トラブルが発生する可能性があります。こちらについても、あらかじめ対策を練っておきましょう。 相続人の一部には、遺留分が認められています。自社株を1人に集中的に相続させる形にしても、遺留分に配慮できていれば、揉め事に発展するリスクは回避可能に。自社株以外の財産をどう割り振るのかについても、あらかじめ遺言書で指定しておくのがおすすめです。 ★負債の相続による負担の増加 中小規模の会社では、経営者個人が連帯保証人となり、事業のための融資を受けているケースもあります。この場合、相続によって負債も引き継がれてしまう点も、頭に入れておきましょう。後継者を守るための仕組みとして、「経営者保証ガイドライン」も整備されています。必要な知識を身につけた上で、手続きを進めていく必要があります。 会社の相続は生前からの準備が重要 経営者が亡くなった際に、会社の相続が問題になるケースは少なくありません。とはいえ、生前からしっかりと準備を進めていけば、問題なく乗り越えられるはずです。 相続する会社が個人事業として営まれていたのであれば、相続に関して問題が発生する可能性は低くなります。親族間での話し合いによって、誰が経営を続けるのか、その財産をどうするのかを決定しましょう。一方で、法人の場合は注意が必要です。遺言書の作成はもちろん、さまざまな方面から準備を進めておかなければ、最悪の場合、「会社の経営権を失い暗礁に乗り上げる」といった未来も予測されます。 会社の相続について検討する場合、まずは基本的な知識を身につけるところからスタートしましょう。今できることは何か、専門家の意見を聞いてみるのもおすすめです。できることからスタートしましょう。

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