Category

相続

  • 妻に残す資産を守りたい!相続対策としてやっておくべきこととは?

    妻に残す資産を守りたい!相続対策としてやっておくべきこととは?

    自身の老後について考えたとき、「自分が亡くなったあと、人生を共に過ごしたパートナーの行く末が不安」と語る方は少なくありません。特に男性の場合、自宅や土地の名義が自分自身になっているケースも多いもの。「自分が亡くなったあと、妻は同じ家に住み続けられるのだろうか…」と不安を感じることもあるでしょう。 妻に残す資産を守るため、生前からできることはあるのでしょうか。配偶者の今後の生活のため、相続対策としてやっておくべき行動を紹介します。 まずは相続の基本について学ぼう! まずは相続の基本について学ぼう! 自分の死後、妻に財産を残すためには、まず相続の基本について学んでおく必要があります。被相続人の財産を受け継ぐのは、相続人です。無条件に相続人になれるのが配偶者であり、その他の相続人については、以下の順位に沿って決定されます。 第1順位 被相続人の子ども第2順位 被相続人の親第3順位 被相続人の兄弟姉妹 妻と子どもがいる人が被相続人になれば、相続人は配偶者である妻と、第1順位である子どもがなります。子どもがすでに亡くなっている場合、その子どもの子ども、つまり孫に相続権が発生します。これを代襲相続と言いますが、第1順位と第2順位について、代数制限はありません。第3順位の兄弟姉妹においても、1世代限りとはいえ代襲相続が認められています。 つまり、法律に則って自身の財産を相続させる場合、自身の甥や姪までが相続人になる可能性があるのです。「妻のもとにできるだけ多くの財産を残したい」と思う方にとっては、想定外の事態と言えるのではないでしょうか。 特に妻との間に子どもを設けていない場合や、子どもがいても相続させたくない場合には、注意が必要です。法律の基本知識を身につけた上で、適切な準備を整えておきましょう。 「妻に全財産を譲る」旨の遺言書だけでは不十分 自身の死後、相続に遺志を反映させるための方法として、有効なのが遺言書です。法的に有効な遺言書を残し、そこに「妻に全財産を譲る」とさえ記載すれば大丈夫!と思っている方も多いのかもしれません。しかし実際には、この対策だけでは不十分です。 なぜなら相続人のうち、直系卑属である子どもと直系尊属である親には遺留分が認められているから。遺留分とは、相続人が受け取れる最低限の遺産の取り分を示したものです。遺留分を侵害する内容であっても、遺言そのものが無効になるわけではありません。一方で、兄弟姉妹以外の法定相続人から遺留分を請求されれば、支払わないわけにはいかないのです。 たとえば、相続する財産のほとんどが「自宅+土地」であった場合、遺留分請求によって、妻が自宅を手放さなければならない可能性も出てきます。妻の生活は、大きく変わってしまうでしょう。 妻に多くの財産を相続させたい旨の遺言書を残す場合、その他の相続人への丁寧な説明が鍵となるでしょう。突然遺言書で「妻のみが財産を相続する」と告げられるよりは、「なぜそうしたいのか?」を含めて、自身の思いをしっかりと説明しておいた方が、受け入れる側の気持ちも変わります。 また相続人が妻と子どもの場合、いったん妻がすべてを相続したとしても、妻が亡くなった段階で、それらの財産は子どものもとへと受け継がれます。こうした事情を丁寧に説明すれば、理解を得られるケースも多いのではないでしょうか。 「終活=遺言」と考える方は多いですが、実際にはそれだけではありません。遺言を残すことも大切ですが、自身が遺産相続についてどのように考えているのか、周囲との意思疎通も重要視してみてください。 ちなみに、夫婦の間に子どもがおらず、自身の両親もすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹に遺留分は認められていません。この場合は、「妻に全財産を残す」と記せば、自身の思いをそのまま反映できるでしょう。 この場合、「法的に有効な遺言書を残せるかどうか?」が非常に重要なポイントになります。専門家のサポートのもとで、公正証書遺言を残しておくのがおすすめです。 贈与税の配偶者控除の活用も検討してみて 妻に残したい資産のうち、特に不動産について不安を抱えているなら、贈与税の配偶者控除を利用するのも良いでしょう。この制度を使えば、夫名義の住まいを、妻に非課税で贈与できます。以下の条件を満たしているかどうか、ぜひチェックしてみてください。 ・妻との婚姻期間が20年以上であること・自宅の価値が2,110万円以下であること 2,110万円という数字は、贈与税の基礎控除110万円に、特別控除2,000万円をプラスしたもの。贈与が完了したら、翌年の3月15日までに贈与税の申告書を提出しましょう。 この制度を使って生前贈与が完了していれば、自分が亡くなっても、自宅は妻の名義です。当然、相続財産には含まれません。その他の相続人との間で争いが起きる恐れもありませんし、妻が住まいを失うリスクもなくなるでしょう。婚姻期間が20年以上であれば、ぜひ検討してみてください。 法律上の妻ではない場合の対処法は? ひと言で「妻に残す資産を守りたい」と言っても、その実態はさまざまです。中でも、「別れた妻に財産を譲りたい」「法律上は夫婦と認められていない、内縁の妻に残す資産を守りたい」という場合、相続はよりいっそう複雑になるでしょう。 この場合、法律上の夫婦ではない妻は、法定相続人とはみなされないので注意が必要です。妻を相続人に指定するためには、その旨を記した遺言書を確実に残しておいてください。 ただし、全財産を妻に残せるかどうかは、その他の相続人によって異なるでしょう。たとえ「全財産を妻(元妻)に譲る」と記載した遺言書を残しても、その他の相続人には遺留分が認められます。請求される可能性は高く、支払わなければ訴訟に発展してしまいます。最初から遺留分に配慮した遺言を残しつつ、なぜ内縁の妻や元妻に財産を残したいのか丁寧に説明し、理解を求めるのがおすすめです。 すべての資産を残すのは難しくても、できる限りの相続対策を実践してみてください。自身の死後の、トラブル予防にも役立つはずです。 妻に残す資産を守りたいなら…しっかりと生前対策を! 妻に残す資産を守りたいなら…しっかりと生前対策を! 老後の生活が見えてきたとき、配偶者の今後の生活についても、きちんと考えておきたいところです。特に不動産の名義がどちらか一方になっている場合、遺産相続トラブルから、住む場所を失ってしまう恐れもあります。生前にしっかりと対策をしておくことで、こうしたリスクを低減できるでしょう。 具体的に何から始めれば良いのか悩んだときには、まず相続の専門家に相談してみるのもおすすめです。妻に残す資産を守るため、今の自分に何ができるのか、より具体的な情報も得られるでしょう。

  • 死亡保険は相続税の課税対象?遺産分割は?覚えておきたい基礎知識

    死亡保険は相続税の課税対象?遺産分割は?覚えておきたい基礎知識

    結婚して子どもが生まれ、家族が増えると気になるのが「死亡保険」についてです。自分に万が一のことがあったときでも、残された家族の生活を守れるように…と、死亡保険の加入を検討する方も少なくありません。 とはいえ、死亡保険に加入する際には、将来の「相続税」や「遺産分割」についても意識したいところです。事前に基礎知識を身につけておけば、余計なトラブルも防げるでしょう。 今回は、死亡保険と相続の関係性について解説します。死亡保険にも相続税はかかるのか、また妻を受取人に指定した保険金を、遺産分割しなければならないのか。これらの疑問を解消しましょう。 死亡保険金は受取人の「固有財産」 死亡保険に加入する場合、契約時に受取人を指定します。被保険者が亡くなったときに、この受取人が死亡保険金を受け取れる仕組みです。 死亡保険金の基礎知識として、まず頭に入れておきたいのは、死亡保険金とは受取人の固有財産であるという事実です。相続財産には含まれず、当然遺産分割の対象にもなりません。事前に指定されていた受取人のみが、死亡保険金のすべてを受け取る仕組みになっています。 一般的に、死亡保険金の受取人には、配偶者や子どもなどが指定されているケースが多いでしょう。死亡保険金の受取人が、法定相続人の一人であるという事例も、決して珍しくはありません。この場合、保険金の受取人でもあり、また法定相続人でもあるその人は、「保険金」と「相続分の遺産」の両方を受け取れるのです。 【例】家族構成:両親と子ども2人(A、B)の4人家族相続財産:不動産や現金など合計2,000万円死亡保険:夫が子どもAを受取人に指定した2,000万円の死亡保険に加入 夫が死亡した場合の法定相続分妻:1,000万円子どもA:500万円子どもB:500万円 死亡保険金子どもA:2,000万円 合計妻:1,000万円子どもA:2,500万円子どもB:500万円 このような計算式になります。 死亡保険金は相続財産に含まれないため、たとえ相続放棄の手続きを行った場合でも、それとは別に死亡保険金の受け取りが可能です。 ただし受取人に指定されていた人がすでに亡くなっている場合、受取人に指定されていた人の相続人が死亡保険金を受け取ります。この場合、死亡保険金を相続人の頭数で割り、それぞれが等分ずつ受け取る仕組みです。 ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に! ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に! 先ほどお伝えしたとおり、死亡保険金は相続財産には含まれません。しかし、「みなし相続財産」として扱われる点にだけは注意しましょう。これは、「相続財産として遺産分割する必要はないが、相続税の課税対象には含まれる」という事実を示しています。死亡保険金は金額が大きくなりやすいため、特に注意が必要です。 とはいえ死亡保険金とは、被保険者が亡くなった後の身近な人たちの生活を支えるためのもの。その目的に配慮して、以下のような非課税枠が用意されています。 【死亡保険非課税枠】500万円×法定相続人の数 先ほどの4人家族の例を挙げるなら、500万円×3人で1,500万円が非課税枠として計算されます。残った500万円は遺産の総額に含まれますが、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や債務控除(被相続人が生前に残した借金や葬儀費用)を適用できます。 また死亡保険金の受取人が「配偶者」であった場合、課税対象となる相続財産が1億6,000万円以下であれば相続税が課せられない、配偶者控除が利用できます。よほど大きな保険に加入していないかぎり、相続税が課せられる可能性は低いと言えるでしょう。 ちなみに、死亡保険金の受取人が法定相続人以外に指定されている場合は、やや注意が必要です。死亡保険非課税枠は、「相続人が死亡保険金を受け取った場合にのみ利用できる」もの。相続税が課せられる可能性も高まるという点は、頭に入れておいてください。 死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは? 死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは? ここまで、死亡保険金と相続税について解説してきました。しかしそもそもの保険加入の仕方によっては、相続税ではなく所得税や贈与税を課せられる可能性も。いったいどういった場合に相続税以外の税が対象となるのか、こちらも知っておきましょう。 死亡保険金やみなし相続財産として扱われるのは、死亡保険の契約者と被保険者が、被相続人であった場合です。たとえば、夫自身が契約者となり、自身を対象とした死亡保険に加入。妻を受取人に指定した場合、妻が受け取る死亡保険金は相続税の対象になるでしょう。 一方で、妻が契約者となり夫を対象とした死亡保険に加入。受取人も妻であった場合、妻が受け取る死亡保険金は所得税の対象になります。「妻が加入した保険金を妻自身が受け取る」と判断されますから、死亡保険金は「妻の所得」となるわけです。 所得税には、相続税のような充実した非課税枠や控除制度は用意されていません。死亡保険金を一括で受け取った場合には「一時所得」と判断されます。受け取った保険金から払い込んだ分の保険料を引き、特別控除額50万円を超えた分に自身の所得を合わせて所得税が計算されます。年金方式で受け取った場合には「雑所得」と判断されるでしょう。こちらの場合、特別控除は利用できません。 死亡保険金の受け取りが贈与とみなされるのは、契約者と被保険者、そして受取人のすべてに別々の人物が指定されている場合です。たとえば、妻が契約者となり、夫が被保険者となる死亡保険を契約。死亡保険金の受取人を子どもに指定した場合、死亡保険金は妻から子への贈与とみなされます。 契約者・被保険者・受取人の指定は、保険加入時に決定するもの。誰をどのように指定するのかによって、将来受け取る死亡保険金の課税金額が大きく変わってくる可能性もあるでしょう。死亡保険金に関する基礎知識をしっかりと身につけ、受取時に余計な問題が発生しないよう注意してください。 死亡保険金に関する理解を深めよう! 死亡保険金は、受取人の固有財産としてみなされ、遺産分割の対象にはなりません。「特定の人にのみ財産を多く残したい」と思う場合、非常に有効な手段と言えるでしょう。 たとえ「全財産を○○に譲る」という内容の遺言を残した場合でも、法定相続人には遺留分の請求が認められています。死亡保険金であれば、遺留分を請求される恐れもありません。また、「法定相続人以外に多くのお金を残してあげたい」という場合にもおすすめの方法です。 とはいえ死亡保険金に関する無理解が、被保険者の死後、親族間の争いの火種になってしまうケースも決して少なくありません。残された家族の生活を助け、また余計な争いを避けるためには、事前にしっかりと基礎知識を身につけておくことが重要です。今回紹介した内容も参考にしながら、保険の加入について検討してみてくださいね。

  • 不動産相続の基礎知識|相続財産の評価方法を学ぼう

    不動産相続の基礎知識|相続財産の評価方法を学ぼう

    不動産を相続する際に、気になるのが相続税についてです。実際に相続税が発生するかどうかは、相続対象の不動産の評価額によって決定されます。とはいえ、不動産の評価額をどのように決めれば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、不動産相続の基本として、評価方法の種類や特徴を解説します。ぜひ参考にしてみてください。 不動産を評価するための方法とは? 不動産を評価するための方法とは? 土地や建物といった不動産には、金銭的にどの程度の価値があるのかわかりにくいという特徴があります。評価方法も非常に複雑なので、慎重な対応を心掛けましょう。 相続税は、相続する財産の「課税遺産総額」をもとに計算されます。相続する財産が「現金のみ」であれば、話は簡単ですが、実際にはそうした事例ばかりではありません。このため国税庁では、「財産評価基本通達」というルールを提示し、それにのっとって各種相続財産の評価を行うよう求めています。土地や住宅と言った不動産も、例外ではありません。 土地の相続税評価方法は、以下の2つです。 ・路線価方式・倍率方式 どのエリアの土地を相続するのかによって、適用される方式が異なってきます。 一方で家屋の相続税評価は、固定資産税評価額をもとに計算されます。次項目からは、土地と建物、それぞれの相続税評価方法について、より詳しく掘り下げていきましょう。 土地の相続税評価方法は2つ!それぞれの特徴や違い まずは土地の相続税評価方法について見ていきましょう。路線価方式と倍率方式のそれぞれについて、解説していきます。 *路線価方式とは?路線価方式とは、年に1度国が発表する「路線価」をもとに、相続対象となる土地の評価額を算出する方法です。多くの人が居住する、市街地にて採用されています。 路線価方式で相続税評価額を求める際の計算式は、以下のとおりです。 【相続税評価額=路線価×土地の面積(× 補正率)】 路線価は、国税庁が公表している路線価図からチェックできます。そこに相続する土地の面積を掛け合わせて求めましょう。もしも土地に、「形がいびつである」「間口が狭い」といった問題があれば、定められた補正率をさらに掛け合わせてください。 主な補正としては、以下のような内容が挙げられます。 ・不整形地補正(旗竿地や三角形の土地など)・間口狭小補正(普通住宅地区において道路に面している間口が8メートルに満たないなど)・奥行長大補正(間口の長さよりも奥行きの長さが大幅に広い)・がけ地補正(斜面の角度が30度以上の急傾斜地がある) それぞれの補正率は、土地の状態によって細かく定められています。当てはまりそうな点がある場合、国税庁サイトなどで、補正が認められるための条件について確認しておきましょう。 補正率さえ明らかにできれば、計算は決して難しくありません。相続税評価額を求められます。 *倍率方式とは? 一方で倍率方式とは、国税庁が公表している評価倍率という数値を使って求めます。路線価図が公開されているサイトにてチェックできますから、ぜひ確認してみてください。こちらは主に、路線価が設定されていないエリアで用いられる手法です。 相続する土地の評価倍率は、エリアによってさまざまです。サイトでチェックした数値に、固定資産税評価額を掛け合わせて求めます。 【相続税評価額=固定資産税評価額×エリア別の倍率】 たとえば、固定資産税評価額が1,000万円でエリア別の倍率が1.1であった場合、相続税評価額は1,100万円と算出されます。 *土地を貸していた・借りていた場合の計算方法は?被相続人が、生前誰かに土地を貸していて、その土地を相続することになった場合、「貸宅地の評価方法」が適用されます。誰にも貸していなかった土地と比べて、相続税評価額が下がるでしょう。 人に貸していた土地の相続税評価額を求める計算式は、以下のとおりです。 【貸宅地の相続税評価額=土地評価額×(1-借地権割合)】 借地権割合は国税庁のホームページで確認しておきましょう。借地権割合の分だけ、評価額が下がる仕組みです。 住宅の相続税評価額の計算はシンプル 住宅の相続税評価額の計算はシンプル 家屋を相続する場合の相続税評価額は、固定資産税評価額に1.0を掛け合わせて求められます。つまり固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になりますから、非常にシンプルな計算だと言えるでしょう。 一方で、相続する物件が賃貸住宅の場合、計算式はやや複雑になります。 【建物の相続税評価額=建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)】 借地権割合とは、借主側の権利のことで、その割合は一律30%と定められています。賃貸割合とは、全体の床面積のうち、どの程度を人に貸しているのかを示す割合です。200平方メートルのうち、100平方メートルを人に貸していた場合、賃貸割合は50%、つまり0.5で計算されます。 賃貸住宅を相続する場合、被相続人が亡くなった際に入居している人がいたかどうかで、相続税評価額が大きく変わってくる可能性も。複雑でわからないときには、専門家に相談してみてください。 人から借りた土地に建つ住宅を相続する場合はどうなる? 不動産相続にまつわる具体的な状況は、個々で異なるもの。「第三者から借りた土地に建っている建物を相続した」場合には、相続税評価額はどのように計算すれば良いのでしょうか。 まず大前提として知っておきたいのが、「借地権は相続財産に含まれる」という点です。建物が被相続人名義で、土地が第三者名義であった場合、「土地は相続対象ではない」と思う方がほとんどでしょう。もちろん他人名義の土地を相続することはできませんが、その土地を借りて使用する権利(借地権)は相続財産の一種であり、相続税の課税対象になるのです。 借地権の相続税評価額は、以下の計算式で求められます。 【自用地評価額×借地権割合=借地権の相続税評価額】 借りている土地の評価額に、国税庁ホームページで確認できる「借地権割合」を掛け合わせましょう。土地の分の相続税評価額が求められます。 困ったときの相談先は? 不動産の相続税評価額は、計算式の情報と必要な情報さえそろっていれば、自力で計算可能です。相続の話し合いをする上でも、極めて重要な情報の一つですから、ぜひ早めに計算しておきましょう。 とはいえ、土地の形がいびつであったり、何らかの問題を抱えていたりする場合には、専門家への相談によって相続税評価額が変わってくる可能性も。不動産の相続税評価額は、ちょっとしたことで数百万円違ってくる可能性もあるので、十分に注意してください。 不動産の相続税評価額について困ったら、ぜひ相続問題に強い税理士に相談してみてください。このほか、自治体等が設置している相続税の相談窓口を利用するのもおすすめですよ。

  • 遺族厚生年金とは?特徴・受給資格・受け取り方法など…基礎知識を学ぼう!

    遺族厚生年金とは?特徴・受給資格・受け取り方法など…基礎知識を学ぼう!

    会社員や公務員として働いていた家族が亡くなったら、残された遺族は遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。遺族年金の特徴や受給資格、受け取り方法など、基本的な知識を解説します。遺族厚生年金を受給する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは、厚生年金保険に加入していた方が亡くなった際に、その人によって生計を維持されていた家族に支給される年金のことです。厚生年金制度と言えば、「老後の備え」と感じている方も多いのではないでしょうか?しかし実際には、老後を迎える前に亡くなった場合でも、残された家族の生活をサポートしてくれるというメリットがあります。 遺族厚生年金は、遺族基礎年金にプラスして支払われるものです。遺族基礎年金が支給の対象外であっても、遺族厚生年金は支給されるケースは珍しくありません。特に「厚生年金に加入していた夫が亡くなった妻」という立場では、遺族厚生年金を受給できる可能性は高いと言えるでしょう。遺族年金制度について正しく理解し、適切に手続きを進めていきましょう。 遺族厚生年金を受け取れる人とは? 遺族厚生年金を受け取れる人の基本的な条件は、以下のとおりです。 ・死亡した人と同居していた人・死亡した人によって生計を維持されていた人・遺族厚生年金の受給順位がもっとも高い人 まず、遺族厚生年金の受給資格を持つのは、亡くなった人と同居していた人。ただし学業や仕事など、一定の条件で別居していた場合は「同居」と判断され、受給資格を有します。また遺族厚生年金は、条件を満たしたすべての人が受給できるわけではありません。亡くなった人との関係別に受給順位が定められていて、対象者の中でもっとも順位が高い人のみが受け取れる仕組みです。 遺族厚生年金の受給順位は、以下のように定められています。 第一順位 → 配偶者と子(※子を持つ妻・子を持つ夫>子ども>子のいない妻・子のいない夫の順で優先度が高い)第二順位 → 亡くなった人の両親(※亡くなった時点で55歳以上)第三順位 → 亡くなった人の孫第四順位 → 亡くなった人の祖父母(※亡くなった時点で55歳以上) ここで言う「子」や「孫」とは、18歳の年度末を迎えていない、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1・2級を持つことが条件になります。また注意しなければならないのが、「夫」の立場で遺族厚生年金を受給するケースです。 もともとは「夫を亡くした妻」を助ける目的が強かった遺族厚生年金ですが、共働き世帯が増えている今、状況は変化。「妻を亡くした夫」も遺族厚生年金を受給できるよう、ルールが変更されています。ただしこの場合、妻が亡くなった時点での夫の年齢が、「55歳以上」という区切りがあるので注意してください。 「夫を亡くした妻」の場合、特に年齢制限はありません。ただし、夫の死亡時に妻の年齢が30歳未満で子どもがいない場合、5年間のみの支給となります。 また亡くなった人の生前の厚生年金保険加入状況が、一定の条件を満たしていなければ、そもそも遺族厚生年金は支給されません。以下のいずれかの条件を満たしているか、事前にチェックしておきましょう。 ・死亡した人の厚生年金保険料納付済期間が、加入期間の2/3以上である・死亡した日に65歳未満であり、要は死亡月の2ヶ月前までの1年間で保険料を滞納していないこと 1つ目の条件については、保険料の免除期間は「納付済み期間」として扱われます。2つ目の条件については、保険料を納付しなくても良い月は対象外と判断されます。過去に滞納の経験がある方は、事前に確認しておくと安心ですね。 遺族厚生年金の受け取り方法は? 遺族厚生年金は、年金事務所や年金相談センターへの必要書類提出によって申請できます。必要書類は以下のとおりです。 ・年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号・死亡した人の年金手帳・住民票の写し(世帯全員分)・亡くなった人の住民票の除票・死亡診断書・収入確認書類・振込先情報がわかる書類(通帳やキャッシュカードなど)・資格喪失届(※厚生年金保険加入中に亡くなった場合)・年金受給権者死亡届(※厚生年金受給中に亡くなった場合) 遺族厚生年金を申請するためには、まず保険に加入している人、もしくは年金を受け取っている人が亡くなったことを知らせなければいけません。両者の書類は同時に提出できますから、必要書類を集めた上で、年金事務所もしくは年金相談センター窓口を訪れましょう。年金請求書は、各窓口で入手できるほか、ウェブサイトからダウンロードし、印刷することも可能です。 また世帯全員分の住民票の写しや収入確認書類については、マイナンバーの記入によって省略可能です。書類を用意する手間が省けるので、ぜひ活用してみてください。 遺族厚生年金を受け取る際の注意点 遺族厚生年金を受け取る際の注意点 遺族厚生年金の請求や受け取りで注意しなければならないのが、時効についてです。遺族厚生年金を受け取る資格を有していても、請求しなければ支給はされません。またそのまま状況を放置すれば、死亡の翌日から5年経過で「遺族厚生年金を請求する権利」が時効を迎え消滅してしまうのです。 身近な人が亡くなった場合、当分の間はバタバタするでしょう。たとえば、死亡の翌日から3年後に遺族厚生年金受給の手続きを行った場合、過去3年分をさかのぼって請求可能です。一方で死亡の6年後に同じ手続きを行った場合、時効を迎えた分については請求できません。過去5年分までしか支給されないため、注意してください。葬儀や法要など、最初の忙しい時期を乗り越えたら、忘れないうちに手続きするのがおすすめです。 また以下のような状況になった場合は、遺族厚生年金を受け取る権利は失われます。 ・受給者本人が亡くなった場合・受給者が別の人と婚姻した場合 などたとえば夫が亡くなったあと妻が遺族厚生年金を受給し、その妻も亡くなった場合、妻の受給権は失われます。ただし夫と妻の間に子どもがいれば、親の死亡と共に、子ども自身の受給権が復活します。「遺族年金受給権者支給停止事由消滅届」を提出し、適切な手続きをとれば、子ども自身が遺族厚生年金の受け取り手になれるでしょう。 遺族厚生年金についてもしっかりと理解を 厚生年金保険に加入している人とその家族にとって、遺族厚生年金は、大黒柱死亡後の生活の支えになってくれるでしょう。特に子どもがいる場合の支給額は大きく、生活困窮を防いでくれます。時効もあるため、できるだけ早めに手続きしましょう。 遺族厚生年金を受け取るためには、制度の基礎についてしっかりと学んでおく必要があります。まずは現在の加入状況をチェックし、支給要件を満たせているかどうか、確認するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

  • 死亡共済金の受取人は誰になる?トラブル予防のために準備しておきたいこと

    死亡共済金の受取人は誰になる?トラブル予防のために準備しておきたいこと

    万が一のときのために加入する共済。死亡時には、死亡共済金が受け取れる商品も少なくありません。 「実際に共済への加入を検討している」「共済に加入している家族が亡くなった」場合に、知っておきたいのが「死亡共済金の受取人」についてです。いったい誰が受け取ることになるのかを事前に把握しておくと共に、トラブル予防のための対策を実施しましょう。 死亡共済金の受取人とは? 死亡共済金の受取人とは? 共済には、さまざまなタイプの商品があります。たとえば、病気やケガを理由に共済金を受け取る場合、受取人は契約者本人に。ただし死亡共済金の場合は、契約者本人が受け取ることはできません。あらかじめ定められたルールに則って、以下の中からもっとも優先順位が高い人が、受け取る仕組みになっています。 1.加入者の配偶者(婚姻届の提出あり)2.同一世帯に属する加入者の子3.同一世帯に属する加入者の孫4.同一世帯に属する加入者の父母5.同一世帯に属する加入者の祖父母6.同一世帯に属する加入者の兄弟姉妹7.加入者のその他の子8.加入者のその他の孫9.加入者のその他の父母10.加入者のその他の祖父母11.加入者のその他の兄弟姉妹12.加入者の甥姪 つまり、共済に加入していた人に法律上の配偶者がいれば、死亡共済金は自然にその配偶者のもとに支払われます。配偶者がいない、すでに亡くなっている場合には、同居中の子や孫へと、順序が移っていくというわけです。 死亡共済金は残された家族の生活を支えるためのお金であり、受取人優先順位からもわかるとおり、「同一世帯に属しているか否か」が重要視されています。実際には現在同居していなくても、その理由が「修学・療養・勤務」といった事情であれば、「同一世帯に属するもの」として判断されます。また同一順位が複数人いる場合には、平等に分配される仕組みです。 順位を無視して特定の誰かに受け取ってほしい場合は? 自分に万が一のことがあったとき、残された家族の生活を支えるために…という目的から、「受取人の順位が上位ではない人に死亡共済金を受け取ってほしい」と思うケースもあるでしょう。このような場合には、「死亡共済金受取人指定」の制度を活用してください。 死亡共済金受取人指定とは、その名前のとおり、死亡共済金を受け取る人を、あらかじめ加入者が指定しておける制度のこと。もしこの制度で受取人が指定されていれば、上記の順位を無視して、共済金を受け取れます。ただし死亡共済金受取人として指定できる人にも、一定のルールが設けられているケースがほとんどです。 ・契約者の親族・反社会的勢力に属していない人 内縁関係にある人や同性婚のパートナーを共済金の受取人として指定できるかどうかは、共済商品によって事情が異なるため、契約時にしっかりと確認しておきましょう。内縁関係にある場合、「法的な配偶者がいないこと」などを条件に、受取人指定が認められるケースもあります。また同性パートナーについても、一定の事情を伝えた上で、日常生活上密接な関わりがあると認められれば受取人になれる可能性があるでしょう。 どちらの場合も、事前準備が欠かせませんから、まずは組合側へと問い合わせてみてください。後々のトラブルを防ぐためにも、また自身の遺志を反映させるためにも、早めの準備が鍵となります。 死亡共済金の受け取りが相続問題に発展する可能性も? 死亡共済金は、加入者が亡くなったあとの、家族の生活をサポートしてくれるでしょう。しかし残念ながら、この死亡共済金が原因で相続トラブルに発展してしまう恐れもあります。2つの事例を解説します。 ★兄弟間の不公平な相続について 先ほどもお伝えしたとおり、死亡共済金は受取人の指定が可能。たとえば、兄弟姉妹のうち1人だけが死亡共済金の受取人に指定されている場合、その他の兄弟姉妹から、その不公平さに文句が出る可能性があります。 なぜなら、受取人が指定された死亡共済金は、受取人に固有の財産とみなされるから。死亡共済金をすべて1人で受け取った上で、その他の財産についても、その他の兄弟と同じ分だけ受け取れる可能性があるというわけです。あまりに大きすぎる差に、深い亀裂が生じてしまうケースも少なくありません。 死亡共済金の受取で相続トラブルを発生させないためには、受取人を指定する段階で、過度に不公平な状況にならないよう注意する必要があるでしょう。 ★相続放棄と死亡共済金の受け取りについて こちらは反対に、死亡共済金の受取指定をしなかった場合のトラブル事例です。 遺産相続とは、プラスの財産もマイナスの財産も、すべてひっくるめて受け取るか、放棄するのかを選ぶ仕組み。たとえば、父親の財産を母親と子どもで受け継ぐ場合、不動産や預金といったプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も対象になります。プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、相続放棄の手続きをとる必要があるでしょう。 もしも、 ・死亡共済金の受取人が指定されていない・受取人指定欄に、ただ「相続人」とだけ記載されている といった状況の場合、死亡共済金は遺産の一部として扱われます。つまり、1,000万円の死亡共済金が支払われても、負債総額がそれ以上であれば相続するメリットはなくなってしまうというわけです。 先ほども説明したとおり、死亡共済金の受取人が指定されていれば、共済金は受取人に固有の財産とみなされます。遺産とは切り離して考えられますから、負債まみれの財産を相続放棄した場合でも、死亡共済金は受け取れるでしょう。 ただしこの場合も、相続人が複数人いる場合には注意が必要です。「相続人全員で相続放棄の手続きをしたが、実際には共済金で利益だけを得ている人がいる」という事態になってしまいます。こちらもトラブルの可能性について事前に考慮し、専門家への事前相談がおすすめです。 万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵 万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵 万が一のときのための共済金ですが、加入時に「死亡共済金を受け取るときのこと」を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。なんとなく受取人を指定している、もしくは指定しないままにしているという方も多いのではないでしょうか。とはいえその「なんとなく」の決断が、万が一のときのトラブルにつながってしまう恐れもあります。 これから共済への加入を検討するなら、誰を受取人に指定するのか、しっかりと考えておきましょう。またすでに加入している場合は、現在の状況を確認するのがおすすめです。必要に応じて指定・変更しておけば、いざというときのトラブルも予防できるのではないでしょうか。

  • 配偶者の立場で知っておくべき相続のポイント…法定相続や税金、注意点を学ぼう

    配偶者の立場で知っておくべき相続のポイント…法定相続や税金、注意点を学ぼう

    配偶者が亡くなったとき、深い悲しみに沈んでしまう方も多いことでしょう。とはいえ、相続手続きは待ってはくれません。愛する配偶者が残してくれた財産と今後の自分の生活を守るためにも、「配偶者の立場での相続」について、基本的な知識を身につけておきましょう。 法定相続のポイントや相続税の配偶者控除、各種注意点について順番に解説するので、ぜひ最後までご覧ください。 配偶者は法律上、無条件で法定相続人に! 相続とは、被相続人から相続人へと、財産が受け継がれることを意味しています。ここで大きな問題になるのが、「ではいったい誰が法定相続人になるのか?」という点。亡くなった人に「法律上の婚姻関係がある配偶者」がいれば、その配偶者は必ず法定相続人になります。 ここで重要なのは、「法律上の婚姻関係がある」という部分です。長年連れ添ったパートナーであっても、事実婚や内縁関係の場合、配偶者としての相続権が無条件で認められるわけではありません。まずはこのあたりを、しっかりと確認しておきましょう。 またもう一点注意しなければならないのが、「配偶者以外の法定相続人」についてです。配偶者以外にも法定相続人がいれば、当然遺産を分け合うことに。配偶者の立場であっても、被相続人の財産をすべて受け継ぐことはできないのです。 配偶者以外の法定相続人は、 ・第1順位 → 被相続人の実の子ども・第2順位 → 被相続人の父母・第3順位 → 被相続人の兄弟姉妹 と定められており、順位に沿って決定されます。亡くなった方に子どもがいれば、配偶者と子どもが法定相続人です。子どもがすでに亡くなっている場合は、その子どもの子や孫へと相続権が受け継がれていきます。 注意しなければならないのは、亡くなった方に子どもがいないケースです。第1順位不在の場合、第2順位の両親、第3順位の兄弟姉妹と法定相続人の範囲は広くなっていきます。 もし第3順位の兄弟姉妹が法定相続人になり、さらにその本人がすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹の子ども、つまり被相続人にとっての甥や姪が財産を受け継ぐ可能性も。配偶者の立場では、こちらも頭に入れた上で、事前にしっかりと対策を取っておくことをおすすめします。 相続税における配偶者控除とは? 相続税における配偶者控除とは? 配偶者は、「亡くなった人と協力して財産を築き上げた人」であるため、他の法定相続人よりも多くの財産を受け取れるように設定されています。とはいえ、受け継ぐ財産が増えれば増えるほど、気になるのが相続税について。こうした不安を解消するために、相続税においては配偶者のみが利用できる控除制度が用意されています。 相続税における配偶者控除は、 ・相続する財産が1億6,000万円までであれば非課税・相続する財産が配偶者の法定相続範囲内であれば非課税 という2つのルールが定められています。遺産分割協議の結果、配偶者の立場で受け取る財産が1億6,000万円までであれば、配偶者の相続分に対して相続税が課せられることはありません。またたとえ1億6,000万円以上であったとしても、以下の法定相続範囲内に収まっていれば、やはり相続税を納める必要はないのです。 ・配偶者と子どもが法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の2分の1・配偶者と被相続人の親が法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の3分の2・配偶者と被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の4分の3 10億円の財産を配偶者と子どもが受け継ぐ場合でも、配偶者の取り分が5億円までであれば、配偶者分の相続税は発生しません。また、もし法定相続人が配偶者のみの場合、遺産のすべてが配偶者の法定相続分となります。たとえ遺産が100億円あり、そのすべてを受け継いだとしても、配偶者に相続税は課せられないのです。 ただし、先ほどの「10億円の財産を配偶者と子どもが受け継ぐ」ケースで、相続税が控除されるのは配偶者のみです。子どもが受け継ぐ分については、基礎控除額を除き、相続税が課せられるため注意してください。 配偶者の相続で知っておくべき3つの注意点 配偶者の立場で財産を相続する際には、以下の3つの点に注意しましょう。 ★1.相続税の申告を忘れない 配偶者の立場で多額の財産を受け継ぐ場合、よほどのケースでなければ、相続税は0円で済む方がほとんどでしょう。ここで注意が必要なのは、「相続税が0円とわかっていても、相続税の申告はしなければならない」という点です。 相続税の配偶者控除は、自動で適用されるわけではありません。「相続の状況を正直に申告した結果、配偶者控除が認められるため0円になる」という仕組みです。申告は、被相続人が居住していた地域を管轄している税務署にて行います。申告書や遺産分割協議書など、必要書類をそろえた上で手続きしましょう。 ★2.手続きの期限を守る 相続税の申告には、「相続の発生を知った日の翌日から10か月以内」という期限が設定されています。この間に遺産分割協議を完了させ、必要書類をそろえた上で手続きする必要があるのです。 配偶者が亡くなってすぐのタイミングで、遺産相続について考えるのは難しいかもしれません。しかし後回しにしていると、手続き期限を過ぎ、配偶者控除を受けられなくなってしまうリスクもあります。残念ながら、遺産分割協議が常にスムーズに進むとは限らないでしょう。早め早めを意識して行動することをおすすめします。 ★3.二次相続のリスクも考慮しよう 配偶者の立場で財産を相続する際に、便利に使える配偶者控除。配偶者の立場としては非常に心強い制度ですが、二次相続のリスクについても、あらかじめ知っておきましょう。 二次相続とは、財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続のこと。一次相続で多額の財産を受け継いだ配偶者が亡くなった場合、またその財産は、次の相続人へと受け継がれていきます。一時相続で「配偶者と子ども」が相続人になった場合、二次相続でも「子ども」が相続人になる可能性は高いでしょう。二次相続では、当然配偶者控除は適用されません。一次相続で配偶者が受け継いだ財産の額が大きければ大きいほど、二次相続における子どもの負担は上昇してしまうでしょう。 二次相続に関するリスクは非常に複雑で、一次相続の段階からしっかりと準備を整える必要があります。相続や税金のプロにサポートしてもらうのがおすすめです。 不安な点は専門家に相談するのがベスト 不安な点は専門家に相談するのがベスト 配偶者の立場で、相続に関する不安を抱えている方は決して少なくありません。できるだけ早く専門家に相談し、アドバイスをもらうのがおすすめです。また「配偶者にすべての財産を残したい」といった希望がある場合、相続が発生する前の段階から準備を進める必要があるでしょう。ぜひ終活の一つとして、将来発生するであろう「相続」にも、目を向けてみてくださいね。

  • 相続した一戸建てに住む場合の注意点とは?基礎知識やトラブル回避方法も

    相続した一戸建てに住む場合の注意点とは?基礎知識やトラブル回避方法も

    両親が亡くなった際に、実家の相続で悩む方は少なくありません。現金や預貯金の相続とは、全く異なる性質を持っている一戸建ての相続。「実家に住むのか、それとも住まずに手放すのか」と、判断を迫られる方も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは、迷った末に「住む」と決断した場合の注意点です。必要書類や具体的な手続き方法といった基礎知識から、一戸建て相続にまつわるトラブル回避法まで詳しく解説していきます。 相続した一戸建てに住むメリットとは? 実家の両親が亡くなった際に、両親が暮らしていた実家の一戸建てを相続するケースは多くあります。「相続した一戸建てに住む」という決断をした場合のメリットは、以下のとおりです。 ・家賃がいらない・住みながら自宅のメンテナンスができる・両親の思い出を手元に残せる 現在の住まいが賃貸住宅なら、毎月家賃が発生します。相続した一戸建てに引っ越せば、家賃を支払う必要はありません。毎月の生活費にも余裕が生まれるでしょう。 また住まずに空き家にした場合と比較して、「家が傷みにくい」というメリットがあります。建物の修繕や庭の管理といった一戸建てに特有のメンテナンスも、暮らしの中で、自力で対処していけるでしょう。「ちょっと見ない間に庭の草木が伸びすぎて、近隣住民から苦情を言われる」なんてリスクも少なくなります。 最後に、相続した家を手元に残し、実際にそこで暮らすようになれば、両親が大切にしてきた家や思い出をそのまま保存できるでしょう。自身が幼い頃の思い出を、よりいっそう身近に感じられるのではないでしょうか。 相続した一戸建てに住む場合の手続きは? ■相続した一戸建てに住む場合の手続きは? ではここからは、一戸建ての相続と、実際にそこに住むまでに流れについて解説します。以下の手順で手続きを進めていきましょう。 ★1.遺言書を確認する 相続手続きを進めていく際に、最初に行うべきなのが遺言書の確認です。遺言書が残されていれば、そこには故人の遺志が記されています。もしそこに実家に関する記述があれば、それは何よりも優先される事項です。遺書は自宅や貸金庫から見つかるケースも多いですが、勝手に開封して確認しないよう注意してください。 遺言書の形式によっても詳細なルールは異なりますが、見つけた遺言書を勝手に開けると罰金を命じられる可能性も。裁判所にて、検認の手続きを取ったのちに、内容を確認するようにしましょう。 ★2.遺産分割協議を行う 遺言書の内容を確認したら、遺産を相続する人たちの間で遺産分割協議を行います。遺言書が残されていない場合は、相続財産を確認した後に、分割協議に移りましょう。 遺産分割協議とは、誰が何を、どの程度相続するのか決定するための話し合いのこと。参加者全員が納得しなければ、協議は終わりません。反対に、たとえ遺言書の内容と異なっていたとしても、相続人全員が納得し、意見が一致しているのであれば、遺言書よりも遺産分割協議の内容を相続に反映させられます。 ★3.所有者移転登記を行う 遺産分割協議を経て、正式に実家を相続すると決まったら、不動産の所有権移転登記を行いましょう。所有者移転登記とは、「実家の所有者が変わりましたよ」と役所に届け出るための手続きです。法務局にて受け付けています。 所有者移転登記をしなかった場合でも、実家で暮らすことは可能です。ただし登記を行っていなければ、「この建物が法的に見ても自分のものである」と主張できません。後々のトラブルを避けるためにも、ぜひ早めに手続きしておいてください。 ★4.引っ越しする 両親が所有していた一戸建てが、名実共に自分のものになったら、引っ越しをしましょう。相続人が自分一人だけの場合は特に心配はありませんが、複数人いる場合は引っ越しのタイミングにも注意してください。早く引っ越した方が家賃の負担は軽減できますが、その他の相続人の感情を逆なでしてしまう可能性があります。 ★必要な書類は? 一戸建ての相続に必要な書類は、以下のとおりです。 ・亡くなった親の戸籍謄本・相続人の戸籍謄本・それぞれの住民票・相続する物件の固定資産税評価証明書 また登記を行う際には一定の費用も発生します。登録免許税や書類の発行代のほか、手続きを専門家に依頼すれば報酬が発生するでしょう。専門家報酬も含める場合、10~15万円程度用意しておくと安心です。 相続した一戸建てに住む場合のトラブルと対処法は? 相続した一戸建てに住む場合、遺産相続とその手続きをめぐり、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。トラブル事例について学ぶと共に、具体的な対処法や予防策を頭に入れておきましょう。 ★その他の相続人の合意を得られない可能性がある 遺産相続で自分以外にも相続人がいる場合、実家を含めた「不動産」が、トラブルの火種になるケースは決して少なくありません。なぜなら、不動産は現金のように、等分には分けられないから。相続人の一人が「実家に住む」と決めた場合、その他の相続人との間のバランスをどう取るのかが問題になります。 実家に住む人がいなければ、売却した上で、その利益を等分に分けるという選択肢もあるでしょう。しかしそのまま住む人がいる場合、それも不可能になってしまいます。 トラブルを避けるためには、遺産分割協議を丁寧に進めていくことが大切です。実家を残したいという気持ちを、真摯に伝えましょう。また、1人が不動産を相続する代わりに、その他の相続人に現金を支払う代償分割についても検討してみてください。 ★家族の合意を得られない可能性がある 「親が残した一戸建てに住む」という決断は、今後のライフスタイルにも深く関わってきます。実家が遠ければ、引っ越しに伴う負担も大きくなるでしょう。子どもがいれば、転校しなければいけません。 また比較的近隣エリアに実家がある場合でも、デメリットは決して少なくありません。古くなった一戸建てには、メンテナンス費用や修繕費用もかさむもの。「やっぱり新築一戸建ての方が…」と思うケースもあるでしょう。 相続した一戸建てに住む場合、現在の家族が抱える負担についてもしっかりと検討し、話し合うことが大切です。合意を得られなければ、「どうすれば不安を解消できるのか」を一緒に考えていきましょう。「親の家を残したい」という強い気持ちがある場合でも、配偶者や子どもがいる場合は、家族の意向も尊重してください。 相続した一戸建てに住む|後悔のない選択を 相続した一戸建てに住む|後悔のない選択を 相続した一戸建てに住めば、家賃の負担はなくなりますし、両親の思い出も手元に残せます。とはいえ、実際の相続ではトラブルが発生してしまう可能性も。どういったトラブルのリスクがあるのかを把握し、丁寧に話を進めていくことが大切です。今回紹介した内容ももとに、ぜひ後悔のない選択をしてくださいね。

  • 遺産相続と財産分与の違いは?離婚する際の相続財産の扱い方

    遺産相続と財産分与の違いは?離婚する際の相続財産の扱い方

    遺産相続について考え始めた際に、気になるのが「財産分与」との違いについてです。どちらも大切な「財産」に関わる行動ですから、適切な知識を身につけておきましょう。 今回は、知っているようで知らない遺産相続と財産分与の違いについて、離婚と遺産相続の関係性などを詳しく解説します。気になる情報をチェックしてみてください。 遺産相続と財産分与の違いとは? 遺産相続と財産分与は、似ている言葉のように思われがちですが、実際の意味は全く異なります。どちらも「財産を分け合う」という意味では共通しているのですが、言葉が使われるシーンは大きく異なっているのです。 遺産相続とは、身近な人(被相続人)が亡くなった際に、相続権を持つ人々(相続人)が財産を受け継ぐことを言います。相続人の数は、状況によって異なるもの。「配偶者と子ども(たち)」というスタイルがもっとも一般的ではあるものの、生前の家族の形によっては、被相続人の両親や、甥や姪が相続人になる可能性もあるでしょう。遺産分割協議などを経て、どのように財産を分割するのか決定されます。 一方で、財産分与とは夫婦が離婚する場面で使われる言葉です。婚姻期間には、夫婦が協力してさまざまな財産を築き上げるでしょう。いざ離婚するとなれば、これまで「共有財産」として扱ってきたものを、夫と妻それぞれで分け合わなければいけません。この「離婚する夫婦間の財産の分割」のことを、財産分与と言います。もちろん、両親や甥や姪が関わってくることはありません。 遺産相続には「遺産」という言葉が入っているため、「人が亡くなったときに行うもの」というイメージが強いのではないでしょうか。一方で財産分与に「離婚」をイメージさせる言葉は入っていないため、その意味を直観的に把握するのは困難です。 つい「父親が亡くなったので財産分与したい」といった表現をしてしまいがちですが、意味が全く通じなくなってしまうという点を、頭に入れておきましょう。 遺産相続で受け取った財産は財産分与の対象になる? 遺産相続で受け取った財産は財産分与の対象になる? 遺産相続と財産分与、それぞれの意味を正しく理解したところで、気になるのが両者の関係性についてです。遺産相続で財産を受け取ったあとに離婚が決まれば、その財産も財産分与しなければならないのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 結論からお伝えすると、遺産相続で受け取った財産は基本的に財産分与の対象にはなりません。遺産相続が婚姻中に行われた場合でも、「夫婦が共同して築き上げた財産である」とは認められないからです。 そもそも、婚姻中の夫婦の財産には、 ・共有財産 ・特有財産 の2種類があります。 共有財産とは、「夫婦の協力のもとで築き上げた財産である」と認められるもののこと。たとえば、婚姻中に購入した家具や不動産、夫婦が協力して貯めた貯蓄などが当てはまります。 不動産や貯蓄などは、形式上どちらか一方の名義になっているケースも多いですが、そのままどちらか一方の財産になってしまうわけではありません。退職金についても、すでに支払われている場合や近々支払われる予定のものは、共有財産として扱われます。 一方で特有財産とは、夫婦それぞれが所有する個人的な財産を指します。結婚前にそれぞれが個人で貯めたお金は、この特有財産と判断され、財産分与の対象外と判断されるでしょう。別居後に作った財産も、特有財産に含まれます。 遺産相続で受け取るお金も、夫、もしくは妻が個人で所有する財産と考えられます。実際に離婚となって財産分与する場合でも、「遺産を含めた特有財産を除いた上で、共有財産分を夫婦で分け合う」というスタイルになるでしょう。 遺産相続と財産分与の例外的措置とは? ここまでお伝えしてきたとおり、遺産相続で得た財産は、財産分与の対象にはなりません。しかし中には、例外的なケースもあります。 遺産相続からある程度の時間が経過したあとに離婚する場合、配偶者との協力のもとで、受け継いだ遺産が形を変えていることもあるかと思います。受け継いだ財産そのものは特有財産でも、夫婦が協力して価値が増えたり、維持されていたりした場合には、財産分与の対象と判断されるケースがあるのです。 この場合に気になるのは、「いったいどのくらいが財産分与の対象になるのか?」という点でしょう。そもそも財産分与の対象になるのか、どの程度分与されるのかに、明確なルールは存在していません。配偶者の貢献度がどの程度あったのかを軸に、臨機応変に判断されます。 遺産相続後の財産分与で心配な点がある場合は、できるだけ早めに専門家に相談するのがおすすめです。財産分与の問題点やリスクを把握した上で、今後どう行動していくべきか、指針を示してもらえるでしょう。 離婚後の遺産相続はどうなる?問題が複雑化しやすい理由は? 離婚後の遺産相続はどうなる?問題が複雑化しやすい理由は? 先ほどは、遺産相続後に離婚するパターンを解説しました。では反対に、離婚してから遺産相続が発生する場合、どのような注意点があるのでしょうか。 離婚してからの遺産相続で問題が発生しやすいのは、「子どもがいる夫婦が離婚し、その後元夫婦のどちらかが亡くなる」というパターンです。この場合、元配偶者に相続権はありませんが、子どもは相続権を持つため法定相続人の一人に数えられます。 たとえば、亡くなった人が離婚後に別の家庭を築いていた場合、現在の配偶者と子どもも、当然法定相続人になります。現在の家族にとっては、「前の家族の子どもに遺産を分け与えることで、自分たちの取り分が少なくなる」という仕組みですから、揉め事に発展しやすいのも当然だと言えるでしょう。 とはいえ、法定相続人であっても、必ず遺産を受け取れるわけではありません。元配偶者が遺言書を残していて、「自身の財産の全てを新しい妻と子どもに譲る」といった内容が確認された場合、そちらの方が優先されます。元配偶者の子どもは遺留分を請求し、受け取る流れになるでしょう。 離婚後の遺産相続であっても、新しい家庭さえなければ、そこまで大きく話がこじれてしまうようなケースは珍しいかもしれません。一方で、すでに新たな家庭を築いている場合、現配偶者と元配偶者、そしてそれぞれの子どもたちが円満な関係を築けているとは限らないでしょう。むしろ、「まったく関係がない」「どちらかというと険悪」といったケースの方が多いはずです。遺産相続で揉め事が起こらないよう、しっかりと準備を整えておく必要があるでしょう。 遺産相続と財産分与、それぞれの意味を知って適切な行動を 遺産相続と財産分与は、まったく異なるシーンで使われる言葉です。どちらも大切な「財産」に関わる行動ですから、それぞれの意味を知って、その都度適切な対応を心掛けましょう。 遺産相続と財産分与が重なると、さまざまな問題へと発展してしまうケースもあります。ときには専門家の手も借りつつ、問題を事前に回避できるよう意識してみてくださいね。

  • 相続手続き代行サービスとは?利用の流れ・注意点・選び方まで

    相続手続き代行サービスとは?利用の流れ・注意点・選び方まで

    身近な人が亡くなった際に、発生するのが「相続」に関する手続きです。精神的な負担も大きい時期ですが、相続関連の各種手続きも避けては通れません。少しでも負担を減らしたい…と思う場合には、相続手続き代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか? 相続手続き代行サービスとはどういったものなのか、利用の流れや注意点も含め、詳しく解説していきます。複数社で悩んだ場合の選び方のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 相続手続き代行サービスとは? 相続手続き代行サービスとは? 相続に関する手続きは多岐にわたります。相続する財産の種類や相続人の人数によっては、手続きにかかる手間や時間の負担が重くなるでしょう。ただでさえ気落ちしているときに、素人の立場ですべてを完璧にこなすのは難しいものです。 こんなとき、 ・相続手続きに必要な情報の提供・各種手続きの代行・各種アドバイス などを担ってくれるのが、相続手続き代行サービスです。相続手続きのガイドのような存在と捉えれば良いでしょう。具体的には、以下のような手続きを代行してくれるケースが多いようです。 ・相続人の調査・相続財産の調査・遺産分割協議書の作成・遺産の名義変更・相続税の申告 相続手続き代行サービスを利用すれば、相続に関する手続きで迷うことはなくなるでしょう。また、肉体的・時間的な負担も軽減できます。 仕事で平日に動くのが難しい方や、相続人の調査が難しい方、遠方に住んでいるなど、相続人とのコミュニケーションが難しい方には、特におすすめのサービスです。一定の費用はかかりますが、相続手続きを滞りなくすすめられるというメリットがあります。 ★利用の流れ 相続手続き代行サービスを利用する際の流れは、以下のとおりです。 1.依頼先の決定2.詳細打ち合わせ3.代行サービスが各種書類の収集(依頼人とのやりとり発生)4.各種手続き実行の代行5.業務の完了 ひと言で「相続手続きの代行」と言っても、どのような業務が発生するのかは、個々の相続の状況によって異なるもの。詳細打ち合わせで、代行してもらえる作業について、しっかりと確認しておきましょう。 また、手続き代行を依頼した場合でも、「すべての作業を100%お任せできる」というわけではありません。相続人本人による記入や記名、捺印を求められる場面も多いですから、代行サービス側との打ち合わせの上で、各種手続きを進めていきましょう。 相続手続き代行サービスの選び方は? 相続手続き代行サービスの提供もとは、主に士業事務所です。 ・弁護士・行政書士・税理士・司法書士 相続にまつわるさまざまな資格を有する人が、自身の業務範囲内でできる代行サービスを提供しています。 相続手続き代行サービスを利用する上で覚えておきたいのは、「依頼先によって提供されるサービスの内容は異なる」という点です。たとえば、相続した不動産の名義変更を代行できるのは司法書士のみ。一方で、相続に関して争いごとが発生した場合に、代理人として遺産分割の交渉や調停に当たれるのは弁護士のみです。このように、自身が希望するサポート内容を明らかにした上で、依頼先を決定する必要があります。 相続人の調査や金融機関における相続手続きは、多くの事務所で代行を受け付けています。その他に、特別にサポートしてほしい点があれば、そちらをもとにして依頼先を決定すると良いでしょう。 ・相続財産に不動産が含まれている → 司法書士・相続で揉め、揉め事やトラブルが発生する可能性が高い → 弁護士・相続税に関する業務を代行してほしい → 税理士 どこに依頼すれば良いのか悩んだときには、契約前の相談の段階で、何をしてもらえるのかはっきりさせておくのがおすすめです。 相続手続き代行サービスを選ぶ際の注意点3つ 相続手続きは、そう頻繁に発生するものではありません。相続手続き代行サービスについても、「興味はあるものの選び方がわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?代行業者を選ぶ際のポイントを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.何を依頼できるのか明らかにする 先ほどもお伝えしたとおり、相続手続き代行サービスで何を代行してもらえるのかは、サービス提供もとによって大きく異なります。何をどこまで依頼できるのかは、早めに確認しておきましょう。 相続手続き代行サービス業者の中には、相続にまつわるさまざまな手続きを一括で依頼できる、パッケージプランを提供しているところもあります。この場合も、パッケージプランに何が含まれるのか、事前に確認してください。 パッケージプランに含まれていない内容を依頼したい場合、個別プランでの対応になる可能性も。トラブルを防ぐためにも、しっかりとチェックしておきましょう。 ★2.料金をはっきりさせる ひと言で相続手続き代行サービスと言っても、発生する料金は業者によってさまざまです。見積もりに不明瞭な点がないかどうか、丁寧に確認してみてください。 たとえば、見積もりに「パッケージプラン一式 ○○万円」としか記載がない場合、何をいくらで代行してくれるのか、まったくわからないことに。代行手続きの内容によっては、後から高額な追加料金が発生する可能性もあるでしょう。 見積もりが不明瞭な場合、詳細情報までしっかりと確認しておくことが重要です。詳細情報の説明を求めても応じてもらえない場合、別の業者を探してみてください。 ★3.対応力やコミュニケーション力にも注目する 相続手続きを代行してもらう場合でも、依頼人がすべての業務を放棄できるわけではありません。依頼先の専門家と、二人三脚で手続きを進める必要があるからこそ、対応力やコミュニケーション能力も重要なポイントになります。 相続手続きを不満なく進めていくためには、依頼先業者と確かな信頼関係を築けることが重要です。 ・相談時の対応に不快な点はないか?・しっかりとコミュニケーションを取ってくれる業者か?・自身の不安に寄り添ってもらえるか?・わからない点に対して、丁寧に説明してもらえるか? これらの点についても、しっかりとチェックしてみてください。実際に相続手続き代行サービスを利用した方の口コミ評価を参考にしてみるのもおすすめですよ。 相続手続き代行サービスは賢く活用して負担を軽減 相続手続き代行サービスは賢く活用して負担を軽減 相続手続きの負担を軽減するためには、相続手続き代行サービスを利用するのがおすすめです。ただし、どのようなサービスを代行してもらえるのかは、依頼先によって異なります。自身が求める業者を探し、納得の上で依頼することが重要です。 相続手続き代行サービスを利用すれば、 ・相続人同士の仲が悪い・相続人が多く、やりとりが大変・身体的、精神的な問題から自分で動けない このような問題も解決できるでしょう。自分に合ったサポート先を見つけてみてください。

  • 子供がいない夫婦の相続トラブル…配偶者を守るための事前準備とは?

    子供がいない夫婦の相続トラブル…配偶者を守るための事前準備とは?

    子供がいない夫婦の場合、将来の相続トラブルをイメージするのは難しいかもしれません。「残された方がすべて受け継ぐだけ」と思っている方も多いのではないでしょうか? しかし実際には、子供がいない夫婦にとっても、相続トラブルは他人事ではありません。その理由と、トラブルを予防するためのポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。 子供がいない夫婦にも相続トラブルが発生する理由 子供がいない夫婦にも相続トラブルが発生する理由、それは「相続順位」にあります。人が亡くなったとき、相続人になれるのは配偶者と血族相続人です。配偶者が必ず相続人になるのに対して、血族相続人は、相続順位に沿って、誰が財産を受け継ぐのかが決定されます。 血族相続人の中でも、もっとも相続順位が高いのは、被相続人の「子供」です。もしもすでに子供が亡くなっている場合、その子供、つまり被相続人にとっての「孫」が、被相続人の配偶者と共に財産を受け継ぎます。被相続人の配偶者と子供(もしくは孫)が財産を受け継ぐという、非常にシンプルな形の相続になるでしょう。 一方で、子供がいない夫婦の場合、配偶者と共に財産を受け継ぐ血族相続人は、誰になるのでしょうか?被相続人からみて「子供」の次に順位が高いのは、「親」や「祖父母」です。親や祖父母がすでに亡くなっている場合、被相続人の兄弟姉妹が血族相続人になります。 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子供が代襲相続人になります。つまり、被相続人にとっての「甥」や「姪」が、配偶者と共に自身の財産を相続する可能性もあるということです。 たとえば夫が亡くなったときに、妻の立場で、共に築き上げた財産を受け継ぐのは当たり前だと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、夫の兄弟姉妹やその子供に相続権が発生する可能性もあるのです。 相続人の数が増えれば増えるほど、妻の立場で受け取れる財産は少なくなってしまいます。これこそが、子供がいない夫婦においても、相続トラブルが発生する理由です。 特に注意が必要な2つのケース 子供がいない夫婦の相続において、特にトラブルが発生しやすいのは、以下の2つのケースです。自身に当てはまるものがないか、事前に確認しておきましょう。 ★血族相続人との関係が悪い・薄い 子供がいない夫婦が直面しやすい相続トラブルの一つが、血族相続人との話し合いの遅延です。夫婦の子供が血族相続人にならない場合、亡くなった夫や妻の親や兄弟姉妹、その子供たちが血族相続人になります。もともと関係が悪い、あまり付き合いがないといった場合、相続に関する話がまとまらないリスクがあるでしょう。 たとえば夫が亡くなったとき、妻は義両親や義兄弟姉妹などと、たった一人で相続に関する話し合いを進めなくてはいけません。配偶者の立場であっても、相続に関する話し合いを、自身の要望に添って進めていけるとは限らないのです。 また、「そもそも配偶者の兄弟姉妹(もしくはその子供)と連絡を取ったことがない」というケースもあるでしょう。相続人の調査や確定も簡単ではなく、時間ばかりが過ぎてしまう可能性もあります。 ★相続する財産に「不動産」が含まれている 相続財産に家や土地が含まれている場合も、トラブルになりやすいため注意してください。なぜなら不動産は、現金と違ってきっちり分けられないから。揉め事の原因になるケースも多くみられます。 たとえば、夫名義のマイホームで妻と一緒に暮らしていた場合で考えてみましょう。夫が亡くなれば、マイホームは相続財産の一部になります。遺産分割協議の内容によっては、妻は慣れ親しんだ家を処分しなければならない可能性もあるのです。 マイホームを売却して現金化し、配偶者と血族相続人で分け合うのがもっともシンプルな方法ですが、妻は住む家を失うことになるでしょう。 マイホームの価値を計算し、血族相続人が受け取るべき分の財産を、妻が現金で支払う方法もありますが、妻の負担は重くなります。不動産の価値が高ければ、「現金を用意できず、結局マイホームを手放さざるを得なかった…」という事態も起こり得るでしょう。 配偶者の生活を守るためにも、事前にしっかりと対策をしておくことが大切です。 配偶者にすべての財産を残すためにはどうすればいい? 子供がいない夫婦の場合、「子供がいないからこそ、自身の死後の生活に、不安を残したくない」と感じる方も多いでしょう。できるだけ多くの財産を配偶者に残すため、具体的にはどのような対策を採れば良いのでしょうか? 3つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★遺言書を残す ★遺言書を残す 配偶者にできるだけ多くの財産を残したい場合に、ぜひ活用したいのが遺言書です。正式な手続きを踏んで、法的に有効な遺言書を残しておけば、自身の意志に沿った方法で、財産を相続させられるでしょう。 たとえば、「配偶者に全財産を相続させる」という遺言を残しておけば、その内容に沿って相続が行われます。血族相続人から遺留分を請求される可能性もありますが、普通に相続させるよりも、多くの財産を配偶者に渡せます。 また遺留分を請求する権利を持つのは、被相続人の父母や祖父母のみ。遺留分の請求権を持たない兄弟姉妹(もしくはその子供)が血族相続人になった場合、配偶者がすべての財産を相続できます。 遺言書を作成する場合、以下の2点に注意しましょう。 ・ありとあらゆる事態を想定して内容を決定すること ・専門家のサポートを受けること せっかく遺言書を作成していても、それが有効と認められなければ意味がありません。遺言に強い専門家に、依頼してみてください。 ★生前贈与を検討する ★生前贈与を検討する 相続対象になる遺産とは、亡くなった人が保有していた財産のこと。亡くなる前に、配偶者に対して贈与しておけば、相続財産には含まれません。当然、血族相続人との間でトラブルになる恐れもなくなるでしょう。 こちらは特に「マイホームを配偶者に残したい」という場合に有効な対策です。結婚してから20年以上が経過していれば、贈与税の配偶者控除の適用が可能に。夫婦間で居住用の不動産を贈与する場合、最高2,000万円までの贈与税控除を受けられます。 ★生命保険に入る 万が一のときのための生命保険も、子供がいない夫婦の相続対策に有効な方法です。 受取人を配偶者にしておけば、配偶者が受け取る保険金は、「遺産」として扱われることはありません。 つまり、配偶者のために一定の現金を確保しつつ、その他の相続財産を血族相続人と分け合うスタイルになります。 有効な対策を組み合わせるのもおすすめ 子供がいない夫婦にも、相続トラブルは発生します。むしろ子供がいない分、血族相続人に関して、トラブルを抱え込む可能性も高いという点を頭に入れておきましょう。 今回は、相続対策として3つの方法を紹介しましたが、複数を組み合わせるのもおすすめです。自身の財産を把握し、配偶者との間で話し合いを進めていくところからスタートしてみてくださいね。

  • 妻に残す資産を守りたい!相続対策としてやっておくべきこととは?

    自身の老後について考えたとき、「自分が亡くなったあと、人生を共に過ごしたパートナーの行く末が不安」と語る方は少なくありません。特に男性の場合、自宅や土地の名義が自分自身になっているケースも多いもの。「自分が亡くなったあと、妻は同じ家に住み続けられるのだろうか…」と不安を感じることもあるでしょう。 妻に残す資産を守るため、生前からできることはあるのでしょうか。配偶者の今後の生活のため、相続対策としてやっておくべき行動を紹介します。 まずは相続の基本について学ぼう! まずは相続の基本について学ぼう! 自分の死後、妻に財産を残すためには、まず相続の基本について学んでおく必要があります。被相続人の財産を受け継ぐのは、相続人です。無条件に相続人になれるのが配偶者であり、その他の相続人については、以下の順位に沿って決定されます。 第1順位 被相続人の子ども第2順位 被相続人の親第3順位 被相続人の兄弟姉妹 妻と子どもがいる人が被相続人になれば、相続人は配偶者である妻と、第1順位である子どもがなります。子どもがすでに亡くなっている場合、その子どもの子ども、つまり孫に相続権が発生します。これを代襲相続と言いますが、第1順位と第2順位について、代数制限はありません。第3順位の兄弟姉妹においても、1世代限りとはいえ代襲相続が認められています。 つまり、法律に則って自身の財産を相続させる場合、自身の甥や姪までが相続人になる可能性があるのです。「妻のもとにできるだけ多くの財産を残したい」と思う方にとっては、想定外の事態と言えるのではないでしょうか。 特に妻との間に子どもを設けていない場合や、子どもがいても相続させたくない場合には、注意が必要です。法律の基本知識を身につけた上で、適切な準備を整えておきましょう。 「妻に全財産を譲る」旨の遺言書だけでは不十分 自身の死後、相続に遺志を反映させるための方法として、有効なのが遺言書です。法的に有効な遺言書を残し、そこに「妻に全財産を譲る」とさえ記載すれば大丈夫!と思っている方も多いのかもしれません。しかし実際には、この対策だけでは不十分です。 なぜなら相続人のうち、直系卑属である子どもと直系尊属である親には遺留分が認められているから。遺留分とは、相続人が受け取れる最低限の遺産の取り分を示したものです。遺留分を侵害する内容であっても、遺言そのものが無効になるわけではありません。一方で、兄弟姉妹以外の法定相続人から遺留分を請求されれば、支払わないわけにはいかないのです。 たとえば、相続する財産のほとんどが「自宅+土地」であった場合、遺留分請求によって、妻が自宅を手放さなければならない可能性も出てきます。妻の生活は、大きく変わってしまうでしょう。 妻に多くの財産を相続させたい旨の遺言書を残す場合、その他の相続人への丁寧な説明が鍵となるでしょう。突然遺言書で「妻のみが財産を相続する」と告げられるよりは、「なぜそうしたいのか?」を含めて、自身の思いをしっかりと説明しておいた方が、受け入れる側の気持ちも変わります。 また相続人が妻と子どもの場合、いったん妻がすべてを相続したとしても、妻が亡くなった段階で、それらの財産は子どものもとへと受け継がれます。こうした事情を丁寧に説明すれば、理解を得られるケースも多いのではないでしょうか。 「終活=遺言」と考える方は多いですが、実際にはそれだけではありません。遺言を残すことも大切ですが、自身が遺産相続についてどのように考えているのか、周囲との意思疎通も重要視してみてください。 ちなみに、夫婦の間に子どもがおらず、自身の両親もすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹に遺留分は認められていません。この場合は、「妻に全財産を残す」と記せば、自身の思いをそのまま反映できるでしょう。 この場合、「法的に有効な遺言書を残せるかどうか?」が非常に重要なポイントになります。専門家のサポートのもとで、公正証書遺言を残しておくのがおすすめです。 贈与税の配偶者控除の活用も検討してみて 妻に残したい資産のうち、特に不動産について不安を抱えているなら、贈与税の配偶者控除を利用するのも良いでしょう。この制度を使えば、夫名義の住まいを、妻に非課税で贈与できます。以下の条件を満たしているかどうか、ぜひチェックしてみてください。 ・妻との婚姻期間が20年以上であること・自宅の価値が2,110万円以下であること 2,110万円という数字は、贈与税の基礎控除110万円に、特別控除2,000万円をプラスしたもの。贈与が完了したら、翌年の3月15日までに贈与税の申告書を提出しましょう。 この制度を使って生前贈与が完了していれば、自分が亡くなっても、自宅は妻の名義です。当然、相続財産には含まれません。その他の相続人との間で争いが起きる恐れもありませんし、妻が住まいを失うリスクもなくなるでしょう。婚姻期間が20年以上であれば、ぜひ検討してみてください。 法律上の妻ではない場合の対処法は? ひと言で「妻に残す資産を守りたい」と言っても、その実態はさまざまです。中でも、「別れた妻に財産を譲りたい」「法律上は夫婦と認められていない、内縁の妻に残す資産を守りたい」という場合、相続はよりいっそう複雑になるでしょう。 この場合、法律上の夫婦ではない妻は、法定相続人とはみなされないので注意が必要です。妻を相続人に指定するためには、その旨を記した遺言書を確実に残しておいてください。 ただし、全財産を妻に残せるかどうかは、その他の相続人によって異なるでしょう。たとえ「全財産を妻(元妻)に譲る」と記載した遺言書を残しても、その他の相続人には遺留分が認められます。請求される可能性は高く、支払わなければ訴訟に発展してしまいます。最初から遺留分に配慮した遺言を残しつつ、なぜ内縁の妻や元妻に財産を残したいのか丁寧に説明し、理解を求めるのがおすすめです。 すべての資産を残すのは難しくても、できる限りの相続対策を実践してみてください。自身の死後の、トラブル予防にも役立つはずです。 妻に残す資産を守りたいなら…しっかりと生前対策を! 妻に残す資産を守りたいなら…しっかりと生前対策を! 老後の生活が見えてきたとき、配偶者の今後の生活についても、きちんと考えておきたいところです。特に不動産の名義がどちらか一方になっている場合、遺産相続トラブルから、住む場所を失ってしまう恐れもあります。生前にしっかりと対策をしておくことで、こうしたリスクを低減できるでしょう。 具体的に何から始めれば良いのか悩んだときには、まず相続の専門家に相談してみるのもおすすめです。妻に残す資産を守るため、今の自分に何ができるのか、より具体的な情報も得られるでしょう。

  • 死亡保険は相続税の課税対象?遺産分割は?覚えておきたい基礎知識

    結婚して子どもが生まれ、家族が増えると気になるのが「死亡保険」についてです。自分に万が一のことがあったときでも、残された家族の生活を守れるように…と、死亡保険の加入を検討する方も少なくありません。 とはいえ、死亡保険に加入する際には、将来の「相続税」や「遺産分割」についても意識したいところです。事前に基礎知識を身につけておけば、余計なトラブルも防げるでしょう。 今回は、死亡保険と相続の関係性について解説します。死亡保険にも相続税はかかるのか、また妻を受取人に指定した保険金を、遺産分割しなければならないのか。これらの疑問を解消しましょう。 死亡保険金は受取人の「固有財産」 死亡保険に加入する場合、契約時に受取人を指定します。被保険者が亡くなったときに、この受取人が死亡保険金を受け取れる仕組みです。 死亡保険金の基礎知識として、まず頭に入れておきたいのは、死亡保険金とは受取人の固有財産であるという事実です。相続財産には含まれず、当然遺産分割の対象にもなりません。事前に指定されていた受取人のみが、死亡保険金のすべてを受け取る仕組みになっています。 一般的に、死亡保険金の受取人には、配偶者や子どもなどが指定されているケースが多いでしょう。死亡保険金の受取人が、法定相続人の一人であるという事例も、決して珍しくはありません。この場合、保険金の受取人でもあり、また法定相続人でもあるその人は、「保険金」と「相続分の遺産」の両方を受け取れるのです。 【例】家族構成:両親と子ども2人(A、B)の4人家族相続財産:不動産や現金など合計2,000万円死亡保険:夫が子どもAを受取人に指定した2,000万円の死亡保険に加入 夫が死亡した場合の法定相続分妻:1,000万円子どもA:500万円子どもB:500万円 死亡保険金子どもA:2,000万円 合計妻:1,000万円子どもA:2,500万円子どもB:500万円 このような計算式になります。 死亡保険金は相続財産に含まれないため、たとえ相続放棄の手続きを行った場合でも、それとは別に死亡保険金の受け取りが可能です。 ただし受取人に指定されていた人がすでに亡くなっている場合、受取人に指定されていた人の相続人が死亡保険金を受け取ります。この場合、死亡保険金を相続人の頭数で割り、それぞれが等分ずつ受け取る仕組みです。 ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に! ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に! 先ほどお伝えしたとおり、死亡保険金は相続財産には含まれません。しかし、「みなし相続財産」として扱われる点にだけは注意しましょう。これは、「相続財産として遺産分割する必要はないが、相続税の課税対象には含まれる」という事実を示しています。死亡保険金は金額が大きくなりやすいため、特に注意が必要です。 とはいえ死亡保険金とは、被保険者が亡くなった後の身近な人たちの生活を支えるためのもの。その目的に配慮して、以下のような非課税枠が用意されています。 【死亡保険非課税枠】500万円×法定相続人の数 先ほどの4人家族の例を挙げるなら、500万円×3人で1,500万円が非課税枠として計算されます。残った500万円は遺産の総額に含まれますが、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や債務控除(被相続人が生前に残した借金や葬儀費用)を適用できます。 また死亡保険金の受取人が「配偶者」であった場合、課税対象となる相続財産が1億6,000万円以下であれば相続税が課せられない、配偶者控除が利用できます。よほど大きな保険に加入していないかぎり、相続税が課せられる可能性は低いと言えるでしょう。 ちなみに、死亡保険金の受取人が法定相続人以外に指定されている場合は、やや注意が必要です。死亡保険非課税枠は、「相続人が死亡保険金を受け取った場合にのみ利用できる」もの。相続税が課せられる可能性も高まるという点は、頭に入れておいてください。 死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは? 死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは? ここまで、死亡保険金と相続税について解説してきました。しかしそもそもの保険加入の仕方によっては、相続税ではなく所得税や贈与税を課せられる可能性も。いったいどういった場合に相続税以外の税が対象となるのか、こちらも知っておきましょう。 死亡保険金やみなし相続財産として扱われるのは、死亡保険の契約者と被保険者が、被相続人であった場合です。たとえば、夫自身が契約者となり、自身を対象とした死亡保険に加入。妻を受取人に指定した場合、妻が受け取る死亡保険金は相続税の対象になるでしょう。 一方で、妻が契約者となり夫を対象とした死亡保険に加入。受取人も妻であった場合、妻が受け取る死亡保険金は所得税の対象になります。「妻が加入した保険金を妻自身が受け取る」と判断されますから、死亡保険金は「妻の所得」となるわけです。 所得税には、相続税のような充実した非課税枠や控除制度は用意されていません。死亡保険金を一括で受け取った場合には「一時所得」と判断されます。受け取った保険金から払い込んだ分の保険料を引き、特別控除額50万円を超えた分に自身の所得を合わせて所得税が計算されます。年金方式で受け取った場合には「雑所得」と判断されるでしょう。こちらの場合、特別控除は利用できません。 死亡保険金の受け取りが贈与とみなされるのは、契約者と被保険者、そして受取人のすべてに別々の人物が指定されている場合です。たとえば、妻が契約者となり、夫が被保険者となる死亡保険を契約。死亡保険金の受取人を子どもに指定した場合、死亡保険金は妻から子への贈与とみなされます。 契約者・被保険者・受取人の指定は、保険加入時に決定するもの。誰をどのように指定するのかによって、将来受け取る死亡保険金の課税金額が大きく変わってくる可能性もあるでしょう。死亡保険金に関する基礎知識をしっかりと身につけ、受取時に余計な問題が発生しないよう注意してください。 死亡保険金に関する理解を深めよう! 死亡保険金は、受取人の固有財産としてみなされ、遺産分割の対象にはなりません。「特定の人にのみ財産を多く残したい」と思う場合、非常に有効な手段と言えるでしょう。 たとえ「全財産を○○に譲る」という内容の遺言を残した場合でも、法定相続人には遺留分の請求が認められています。死亡保険金であれば、遺留分を請求される恐れもありません。また、「法定相続人以外に多くのお金を残してあげたい」という場合にもおすすめの方法です。 とはいえ死亡保険金に関する無理解が、被保険者の死後、親族間の争いの火種になってしまうケースも決して少なくありません。残された家族の生活を助け、また余計な争いを避けるためには、事前にしっかりと基礎知識を身につけておくことが重要です。今回紹介した内容も参考にしながら、保険の加入について検討してみてくださいね。

  • 不動産相続の基礎知識|相続財産の評価方法を学ぼう

    不動産を相続する際に、気になるのが相続税についてです。実際に相続税が発生するかどうかは、相続対象の不動産の評価額によって決定されます。とはいえ、不動産の評価額をどのように決めれば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、不動産相続の基本として、評価方法の種類や特徴を解説します。ぜひ参考にしてみてください。 不動産を評価するための方法とは? 不動産を評価するための方法とは? 土地や建物といった不動産には、金銭的にどの程度の価値があるのかわかりにくいという特徴があります。評価方法も非常に複雑なので、慎重な対応を心掛けましょう。 相続税は、相続する財産の「課税遺産総額」をもとに計算されます。相続する財産が「現金のみ」であれば、話は簡単ですが、実際にはそうした事例ばかりではありません。このため国税庁では、「財産評価基本通達」というルールを提示し、それにのっとって各種相続財産の評価を行うよう求めています。土地や住宅と言った不動産も、例外ではありません。 土地の相続税評価方法は、以下の2つです。 ・路線価方式・倍率方式 どのエリアの土地を相続するのかによって、適用される方式が異なってきます。 一方で家屋の相続税評価は、固定資産税評価額をもとに計算されます。次項目からは、土地と建物、それぞれの相続税評価方法について、より詳しく掘り下げていきましょう。 土地の相続税評価方法は2つ!それぞれの特徴や違い まずは土地の相続税評価方法について見ていきましょう。路線価方式と倍率方式のそれぞれについて、解説していきます。 *路線価方式とは?路線価方式とは、年に1度国が発表する「路線価」をもとに、相続対象となる土地の評価額を算出する方法です。多くの人が居住する、市街地にて採用されています。 路線価方式で相続税評価額を求める際の計算式は、以下のとおりです。 【相続税評価額=路線価×土地の面積(× 補正率)】 路線価は、国税庁が公表している路線価図からチェックできます。そこに相続する土地の面積を掛け合わせて求めましょう。もしも土地に、「形がいびつである」「間口が狭い」といった問題があれば、定められた補正率をさらに掛け合わせてください。 主な補正としては、以下のような内容が挙げられます。 ・不整形地補正(旗竿地や三角形の土地など)・間口狭小補正(普通住宅地区において道路に面している間口が8メートルに満たないなど)・奥行長大補正(間口の長さよりも奥行きの長さが大幅に広い)・がけ地補正(斜面の角度が30度以上の急傾斜地がある) それぞれの補正率は、土地の状態によって細かく定められています。当てはまりそうな点がある場合、国税庁サイトなどで、補正が認められるための条件について確認しておきましょう。 補正率さえ明らかにできれば、計算は決して難しくありません。相続税評価額を求められます。 *倍率方式とは? 一方で倍率方式とは、国税庁が公表している評価倍率という数値を使って求めます。路線価図が公開されているサイトにてチェックできますから、ぜひ確認してみてください。こちらは主に、路線価が設定されていないエリアで用いられる手法です。 相続する土地の評価倍率は、エリアによってさまざまです。サイトでチェックした数値に、固定資産税評価額を掛け合わせて求めます。 【相続税評価額=固定資産税評価額×エリア別の倍率】 たとえば、固定資産税評価額が1,000万円でエリア別の倍率が1.1であった場合、相続税評価額は1,100万円と算出されます。 *土地を貸していた・借りていた場合の計算方法は?被相続人が、生前誰かに土地を貸していて、その土地を相続することになった場合、「貸宅地の評価方法」が適用されます。誰にも貸していなかった土地と比べて、相続税評価額が下がるでしょう。 人に貸していた土地の相続税評価額を求める計算式は、以下のとおりです。 【貸宅地の相続税評価額=土地評価額×(1-借地権割合)】 借地権割合は国税庁のホームページで確認しておきましょう。借地権割合の分だけ、評価額が下がる仕組みです。 住宅の相続税評価額の計算はシンプル 住宅の相続税評価額の計算はシンプル 家屋を相続する場合の相続税評価額は、固定資産税評価額に1.0を掛け合わせて求められます。つまり固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になりますから、非常にシンプルな計算だと言えるでしょう。 一方で、相続する物件が賃貸住宅の場合、計算式はやや複雑になります。 【建物の相続税評価額=建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)】 借地権割合とは、借主側の権利のことで、その割合は一律30%と定められています。賃貸割合とは、全体の床面積のうち、どの程度を人に貸しているのかを示す割合です。200平方メートルのうち、100平方メートルを人に貸していた場合、賃貸割合は50%、つまり0.5で計算されます。 賃貸住宅を相続する場合、被相続人が亡くなった際に入居している人がいたかどうかで、相続税評価額が大きく変わってくる可能性も。複雑でわからないときには、専門家に相談してみてください。 人から借りた土地に建つ住宅を相続する場合はどうなる? 不動産相続にまつわる具体的な状況は、個々で異なるもの。「第三者から借りた土地に建っている建物を相続した」場合には、相続税評価額はどのように計算すれば良いのでしょうか。 まず大前提として知っておきたいのが、「借地権は相続財産に含まれる」という点です。建物が被相続人名義で、土地が第三者名義であった場合、「土地は相続対象ではない」と思う方がほとんどでしょう。もちろん他人名義の土地を相続することはできませんが、その土地を借りて使用する権利(借地権)は相続財産の一種であり、相続税の課税対象になるのです。 借地権の相続税評価額は、以下の計算式で求められます。 【自用地評価額×借地権割合=借地権の相続税評価額】 借りている土地の評価額に、国税庁ホームページで確認できる「借地権割合」を掛け合わせましょう。土地の分の相続税評価額が求められます。 困ったときの相談先は? 不動産の相続税評価額は、計算式の情報と必要な情報さえそろっていれば、自力で計算可能です。相続の話し合いをする上でも、極めて重要な情報の一つですから、ぜひ早めに計算しておきましょう。 とはいえ、土地の形がいびつであったり、何らかの問題を抱えていたりする場合には、専門家への相談によって相続税評価額が変わってくる可能性も。不動産の相続税評価額は、ちょっとしたことで数百万円違ってくる可能性もあるので、十分に注意してください。 不動産の相続税評価額について困ったら、ぜひ相続問題に強い税理士に相談してみてください。このほか、自治体等が設置している相続税の相談窓口を利用するのもおすすめですよ。

  • 遺族厚生年金とは?特徴・受給資格・受け取り方法など…基礎知識を学ぼう!

    会社員や公務員として働いていた家族が亡くなったら、残された遺族は遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。遺族年金の特徴や受給資格、受け取り方法など、基本的な知識を解説します。遺族厚生年金を受給する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは? 遺族厚生年金とは、厚生年金保険に加入していた方が亡くなった際に、その人によって生計を維持されていた家族に支給される年金のことです。厚生年金制度と言えば、「老後の備え」と感じている方も多いのではないでしょうか?しかし実際には、老後を迎える前に亡くなった場合でも、残された家族の生活をサポートしてくれるというメリットがあります。 遺族厚生年金は、遺族基礎年金にプラスして支払われるものです。遺族基礎年金が支給の対象外であっても、遺族厚生年金は支給されるケースは珍しくありません。特に「厚生年金に加入していた夫が亡くなった妻」という立場では、遺族厚生年金を受給できる可能性は高いと言えるでしょう。遺族年金制度について正しく理解し、適切に手続きを進めていきましょう。 遺族厚生年金を受け取れる人とは? 遺族厚生年金を受け取れる人の基本的な条件は、以下のとおりです。 ・死亡した人と同居していた人・死亡した人によって生計を維持されていた人・遺族厚生年金の受給順位がもっとも高い人 まず、遺族厚生年金の受給資格を持つのは、亡くなった人と同居していた人。ただし学業や仕事など、一定の条件で別居していた場合は「同居」と判断され、受給資格を有します。また遺族厚生年金は、条件を満たしたすべての人が受給できるわけではありません。亡くなった人との関係別に受給順位が定められていて、対象者の中でもっとも順位が高い人のみが受け取れる仕組みです。 遺族厚生年金の受給順位は、以下のように定められています。 第一順位 → 配偶者と子(※子を持つ妻・子を持つ夫>子ども>子のいない妻・子のいない夫の順で優先度が高い)第二順位 → 亡くなった人の両親(※亡くなった時点で55歳以上)第三順位 → 亡くなった人の孫第四順位 → 亡くなった人の祖父母(※亡くなった時点で55歳以上) ここで言う「子」や「孫」とは、18歳の年度末を迎えていない、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1・2級を持つことが条件になります。また注意しなければならないのが、「夫」の立場で遺族厚生年金を受給するケースです。 もともとは「夫を亡くした妻」を助ける目的が強かった遺族厚生年金ですが、共働き世帯が増えている今、状況は変化。「妻を亡くした夫」も遺族厚生年金を受給できるよう、ルールが変更されています。ただしこの場合、妻が亡くなった時点での夫の年齢が、「55歳以上」という区切りがあるので注意してください。 「夫を亡くした妻」の場合、特に年齢制限はありません。ただし、夫の死亡時に妻の年齢が30歳未満で子どもがいない場合、5年間のみの支給となります。 また亡くなった人の生前の厚生年金保険加入状況が、一定の条件を満たしていなければ、そもそも遺族厚生年金は支給されません。以下のいずれかの条件を満たしているか、事前にチェックしておきましょう。 ・死亡した人の厚生年金保険料納付済期間が、加入期間の2/3以上である・死亡した日に65歳未満であり、要は死亡月の2ヶ月前までの1年間で保険料を滞納していないこと 1つ目の条件については、保険料の免除期間は「納付済み期間」として扱われます。2つ目の条件については、保険料を納付しなくても良い月は対象外と判断されます。過去に滞納の経験がある方は、事前に確認しておくと安心ですね。 遺族厚生年金の受け取り方法は? 遺族厚生年金は、年金事務所や年金相談センターへの必要書類提出によって申請できます。必要書類は以下のとおりです。 ・年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号・死亡した人の年金手帳・住民票の写し(世帯全員分)・亡くなった人の住民票の除票・死亡診断書・収入確認書類・振込先情報がわかる書類(通帳やキャッシュカードなど)・資格喪失届(※厚生年金保険加入中に亡くなった場合)・年金受給権者死亡届(※厚生年金受給中に亡くなった場合) 遺族厚生年金を申請するためには、まず保険に加入している人、もしくは年金を受け取っている人が亡くなったことを知らせなければいけません。両者の書類は同時に提出できますから、必要書類を集めた上で、年金事務所もしくは年金相談センター窓口を訪れましょう。年金請求書は、各窓口で入手できるほか、ウェブサイトからダウンロードし、印刷することも可能です。 また世帯全員分の住民票の写しや収入確認書類については、マイナンバーの記入によって省略可能です。書類を用意する手間が省けるので、ぜひ活用してみてください。 遺族厚生年金を受け取る際の注意点 遺族厚生年金を受け取る際の注意点 遺族厚生年金の請求や受け取りで注意しなければならないのが、時効についてです。遺族厚生年金を受け取る資格を有していても、請求しなければ支給はされません。またそのまま状況を放置すれば、死亡の翌日から5年経過で「遺族厚生年金を請求する権利」が時効を迎え消滅してしまうのです。 身近な人が亡くなった場合、当分の間はバタバタするでしょう。たとえば、死亡の翌日から3年後に遺族厚生年金受給の手続きを行った場合、過去3年分をさかのぼって請求可能です。一方で死亡の6年後に同じ手続きを行った場合、時効を迎えた分については請求できません。過去5年分までしか支給されないため、注意してください。葬儀や法要など、最初の忙しい時期を乗り越えたら、忘れないうちに手続きするのがおすすめです。 また以下のような状況になった場合は、遺族厚生年金を受け取る権利は失われます。 ・受給者本人が亡くなった場合・受給者が別の人と婚姻した場合 などたとえば夫が亡くなったあと妻が遺族厚生年金を受給し、その妻も亡くなった場合、妻の受給権は失われます。ただし夫と妻の間に子どもがいれば、親の死亡と共に、子ども自身の受給権が復活します。「遺族年金受給権者支給停止事由消滅届」を提出し、適切な手続きをとれば、子ども自身が遺族厚生年金の受け取り手になれるでしょう。 遺族厚生年金についてもしっかりと理解を 厚生年金保険に加入している人とその家族にとって、遺族厚生年金は、大黒柱死亡後の生活の支えになってくれるでしょう。特に子どもがいる場合の支給額は大きく、生活困窮を防いでくれます。時効もあるため、できるだけ早めに手続きしましょう。 遺族厚生年金を受け取るためには、制度の基礎についてしっかりと学んでおく必要があります。まずは現在の加入状況をチェックし、支給要件を満たせているかどうか、確認するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

  • 死亡共済金の受取人は誰になる?トラブル予防のために準備しておきたいこと

    万が一のときのために加入する共済。死亡時には、死亡共済金が受け取れる商品も少なくありません。 「実際に共済への加入を検討している」「共済に加入している家族が亡くなった」場合に、知っておきたいのが「死亡共済金の受取人」についてです。いったい誰が受け取ることになるのかを事前に把握しておくと共に、トラブル予防のための対策を実施しましょう。 死亡共済金の受取人とは? 死亡共済金の受取人とは? 共済には、さまざまなタイプの商品があります。たとえば、病気やケガを理由に共済金を受け取る場合、受取人は契約者本人に。ただし死亡共済金の場合は、契約者本人が受け取ることはできません。あらかじめ定められたルールに則って、以下の中からもっとも優先順位が高い人が、受け取る仕組みになっています。 1.加入者の配偶者(婚姻届の提出あり)2.同一世帯に属する加入者の子3.同一世帯に属する加入者の孫4.同一世帯に属する加入者の父母5.同一世帯に属する加入者の祖父母6.同一世帯に属する加入者の兄弟姉妹7.加入者のその他の子8.加入者のその他の孫9.加入者のその他の父母10.加入者のその他の祖父母11.加入者のその他の兄弟姉妹12.加入者の甥姪 つまり、共済に加入していた人に法律上の配偶者がいれば、死亡共済金は自然にその配偶者のもとに支払われます。配偶者がいない、すでに亡くなっている場合には、同居中の子や孫へと、順序が移っていくというわけです。 死亡共済金は残された家族の生活を支えるためのお金であり、受取人優先順位からもわかるとおり、「同一世帯に属しているか否か」が重要視されています。実際には現在同居していなくても、その理由が「修学・療養・勤務」といった事情であれば、「同一世帯に属するもの」として判断されます。また同一順位が複数人いる場合には、平等に分配される仕組みです。 順位を無視して特定の誰かに受け取ってほしい場合は? 自分に万が一のことがあったとき、残された家族の生活を支えるために…という目的から、「受取人の順位が上位ではない人に死亡共済金を受け取ってほしい」と思うケースもあるでしょう。このような場合には、「死亡共済金受取人指定」の制度を活用してください。 死亡共済金受取人指定とは、その名前のとおり、死亡共済金を受け取る人を、あらかじめ加入者が指定しておける制度のこと。もしこの制度で受取人が指定されていれば、上記の順位を無視して、共済金を受け取れます。ただし死亡共済金受取人として指定できる人にも、一定のルールが設けられているケースがほとんどです。 ・契約者の親族・反社会的勢力に属していない人 内縁関係にある人や同性婚のパートナーを共済金の受取人として指定できるかどうかは、共済商品によって事情が異なるため、契約時にしっかりと確認しておきましょう。内縁関係にある場合、「法的な配偶者がいないこと」などを条件に、受取人指定が認められるケースもあります。また同性パートナーについても、一定の事情を伝えた上で、日常生活上密接な関わりがあると認められれば受取人になれる可能性があるでしょう。 どちらの場合も、事前準備が欠かせませんから、まずは組合側へと問い合わせてみてください。後々のトラブルを防ぐためにも、また自身の遺志を反映させるためにも、早めの準備が鍵となります。 死亡共済金の受け取りが相続問題に発展する可能性も? 死亡共済金は、加入者が亡くなったあとの、家族の生活をサポートしてくれるでしょう。しかし残念ながら、この死亡共済金が原因で相続トラブルに発展してしまう恐れもあります。2つの事例を解説します。 ★兄弟間の不公平な相続について 先ほどもお伝えしたとおり、死亡共済金は受取人の指定が可能。たとえば、兄弟姉妹のうち1人だけが死亡共済金の受取人に指定されている場合、その他の兄弟姉妹から、その不公平さに文句が出る可能性があります。 なぜなら、受取人が指定された死亡共済金は、受取人に固有の財産とみなされるから。死亡共済金をすべて1人で受け取った上で、その他の財産についても、その他の兄弟と同じ分だけ受け取れる可能性があるというわけです。あまりに大きすぎる差に、深い亀裂が生じてしまうケースも少なくありません。 死亡共済金の受取で相続トラブルを発生させないためには、受取人を指定する段階で、過度に不公平な状況にならないよう注意する必要があるでしょう。 ★相続放棄と死亡共済金の受け取りについて こちらは反対に、死亡共済金の受取指定をしなかった場合のトラブル事例です。 遺産相続とは、プラスの財産もマイナスの財産も、すべてひっくるめて受け取るか、放棄するのかを選ぶ仕組み。たとえば、父親の財産を母親と子どもで受け継ぐ場合、不動産や預金といったプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も対象になります。プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、相続放棄の手続きをとる必要があるでしょう。 もしも、 ・死亡共済金の受取人が指定されていない・受取人指定欄に、ただ「相続人」とだけ記載されている といった状況の場合、死亡共済金は遺産の一部として扱われます。つまり、1,000万円の死亡共済金が支払われても、負債総額がそれ以上であれば相続するメリットはなくなってしまうというわけです。 先ほども説明したとおり、死亡共済金の受取人が指定されていれば、共済金は受取人に固有の財産とみなされます。遺産とは切り離して考えられますから、負債まみれの財産を相続放棄した場合でも、死亡共済金は受け取れるでしょう。 ただしこの場合も、相続人が複数人いる場合には注意が必要です。「相続人全員で相続放棄の手続きをしたが、実際には共済金で利益だけを得ている人がいる」という事態になってしまいます。こちらもトラブルの可能性について事前に考慮し、専門家への事前相談がおすすめです。 万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵 万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵 万が一のときのための共済金ですが、加入時に「死亡共済金を受け取るときのこと」を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。なんとなく受取人を指定している、もしくは指定しないままにしているという方も多いのではないでしょうか。とはいえその「なんとなく」の決断が、万が一のときのトラブルにつながってしまう恐れもあります。 これから共済への加入を検討するなら、誰を受取人に指定するのか、しっかりと考えておきましょう。またすでに加入している場合は、現在の状況を確認するのがおすすめです。必要に応じて指定・変更しておけば、いざというときのトラブルも予防できるのではないでしょうか。

  • 配偶者の立場で知っておくべき相続のポイント…法定相続や税金、注意点を学ぼう

    配偶者が亡くなったとき、深い悲しみに沈んでしまう方も多いことでしょう。とはいえ、相続手続きは待ってはくれません。愛する配偶者が残してくれた財産と今後の自分の生活を守るためにも、「配偶者の立場での相続」について、基本的な知識を身につけておきましょう。 法定相続のポイントや相続税の配偶者控除、各種注意点について順番に解説するので、ぜひ最後までご覧ください。 配偶者は法律上、無条件で法定相続人に! 相続とは、被相続人から相続人へと、財産が受け継がれることを意味しています。ここで大きな問題になるのが、「ではいったい誰が法定相続人になるのか?」という点。亡くなった人に「法律上の婚姻関係がある配偶者」がいれば、その配偶者は必ず法定相続人になります。 ここで重要なのは、「法律上の婚姻関係がある」という部分です。長年連れ添ったパートナーであっても、事実婚や内縁関係の場合、配偶者としての相続権が無条件で認められるわけではありません。まずはこのあたりを、しっかりと確認しておきましょう。 またもう一点注意しなければならないのが、「配偶者以外の法定相続人」についてです。配偶者以外にも法定相続人がいれば、当然遺産を分け合うことに。配偶者の立場であっても、被相続人の財産をすべて受け継ぐことはできないのです。 配偶者以外の法定相続人は、 ・第1順位 → 被相続人の実の子ども・第2順位 → 被相続人の父母・第3順位 → 被相続人の兄弟姉妹 と定められており、順位に沿って決定されます。亡くなった方に子どもがいれば、配偶者と子どもが法定相続人です。子どもがすでに亡くなっている場合は、その子どもの子や孫へと相続権が受け継がれていきます。 注意しなければならないのは、亡くなった方に子どもがいないケースです。第1順位不在の場合、第2順位の両親、第3順位の兄弟姉妹と法定相続人の範囲は広くなっていきます。 もし第3順位の兄弟姉妹が法定相続人になり、さらにその本人がすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹の子ども、つまり被相続人にとっての甥や姪が財産を受け継ぐ可能性も。配偶者の立場では、こちらも頭に入れた上で、事前にしっかりと対策を取っておくことをおすすめします。 相続税における配偶者控除とは? 相続税における配偶者控除とは? 配偶者は、「亡くなった人と協力して財産を築き上げた人」であるため、他の法定相続人よりも多くの財産を受け取れるように設定されています。とはいえ、受け継ぐ財産が増えれば増えるほど、気になるのが相続税について。こうした不安を解消するために、相続税においては配偶者のみが利用できる控除制度が用意されています。 相続税における配偶者控除は、 ・相続する財産が1億6,000万円までであれば非課税・相続する財産が配偶者の法定相続範囲内であれば非課税 という2つのルールが定められています。遺産分割協議の結果、配偶者の立場で受け取る財産が1億6,000万円までであれば、配偶者の相続分に対して相続税が課せられることはありません。またたとえ1億6,000万円以上であったとしても、以下の法定相続範囲内に収まっていれば、やはり相続税を納める必要はないのです。 ・配偶者と子どもが法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の2分の1・配偶者と被相続人の親が法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の3分の2・配偶者と被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になる場合 → 配偶者の法定相続分は遺産の4分の3 10億円の財産を配偶者と子どもが受け継ぐ場合でも、配偶者の取り分が5億円までであれば、配偶者分の相続税は発生しません。また、もし法定相続人が配偶者のみの場合、遺産のすべてが配偶者の法定相続分となります。たとえ遺産が100億円あり、そのすべてを受け継いだとしても、配偶者に相続税は課せられないのです。 ただし、先ほどの「10億円の財産を配偶者と子どもが受け継ぐ」ケースで、相続税が控除されるのは配偶者のみです。子どもが受け継ぐ分については、基礎控除額を除き、相続税が課せられるため注意してください。 配偶者の相続で知っておくべき3つの注意点 配偶者の立場で財産を相続する際には、以下の3つの点に注意しましょう。 ★1.相続税の申告を忘れない 配偶者の立場で多額の財産を受け継ぐ場合、よほどのケースでなければ、相続税は0円で済む方がほとんどでしょう。ここで注意が必要なのは、「相続税が0円とわかっていても、相続税の申告はしなければならない」という点です。 相続税の配偶者控除は、自動で適用されるわけではありません。「相続の状況を正直に申告した結果、配偶者控除が認められるため0円になる」という仕組みです。申告は、被相続人が居住していた地域を管轄している税務署にて行います。申告書や遺産分割協議書など、必要書類をそろえた上で手続きしましょう。 ★2.手続きの期限を守る 相続税の申告には、「相続の発生を知った日の翌日から10か月以内」という期限が設定されています。この間に遺産分割協議を完了させ、必要書類をそろえた上で手続きする必要があるのです。 配偶者が亡くなってすぐのタイミングで、遺産相続について考えるのは難しいかもしれません。しかし後回しにしていると、手続き期限を過ぎ、配偶者控除を受けられなくなってしまうリスクもあります。残念ながら、遺産分割協議が常にスムーズに進むとは限らないでしょう。早め早めを意識して行動することをおすすめします。 ★3.二次相続のリスクも考慮しよう 配偶者の立場で財産を相続する際に、便利に使える配偶者控除。配偶者の立場としては非常に心強い制度ですが、二次相続のリスクについても、あらかじめ知っておきましょう。 二次相続とは、財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生する相続のこと。一次相続で多額の財産を受け継いだ配偶者が亡くなった場合、またその財産は、次の相続人へと受け継がれていきます。一時相続で「配偶者と子ども」が相続人になった場合、二次相続でも「子ども」が相続人になる可能性は高いでしょう。二次相続では、当然配偶者控除は適用されません。一次相続で配偶者が受け継いだ財産の額が大きければ大きいほど、二次相続における子どもの負担は上昇してしまうでしょう。 二次相続に関するリスクは非常に複雑で、一次相続の段階からしっかりと準備を整える必要があります。相続や税金のプロにサポートしてもらうのがおすすめです。 不安な点は専門家に相談するのがベスト 不安な点は専門家に相談するのがベスト 配偶者の立場で、相続に関する不安を抱えている方は決して少なくありません。できるだけ早く専門家に相談し、アドバイスをもらうのがおすすめです。また「配偶者にすべての財産を残したい」といった希望がある場合、相続が発生する前の段階から準備を進める必要があるでしょう。ぜひ終活の一つとして、将来発生するであろう「相続」にも、目を向けてみてくださいね。

  • 相続した一戸建てに住む場合の注意点とは?基礎知識やトラブル回避方法も

    両親が亡くなった際に、実家の相続で悩む方は少なくありません。現金や預貯金の相続とは、全く異なる性質を持っている一戸建ての相続。「実家に住むのか、それとも住まずに手放すのか」と、判断を迫られる方も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは、迷った末に「住む」と決断した場合の注意点です。必要書類や具体的な手続き方法といった基礎知識から、一戸建て相続にまつわるトラブル回避法まで詳しく解説していきます。 相続した一戸建てに住むメリットとは? 実家の両親が亡くなった際に、両親が暮らしていた実家の一戸建てを相続するケースは多くあります。「相続した一戸建てに住む」という決断をした場合のメリットは、以下のとおりです。 ・家賃がいらない・住みながら自宅のメンテナンスができる・両親の思い出を手元に残せる 現在の住まいが賃貸住宅なら、毎月家賃が発生します。相続した一戸建てに引っ越せば、家賃を支払う必要はありません。毎月の生活費にも余裕が生まれるでしょう。 また住まずに空き家にした場合と比較して、「家が傷みにくい」というメリットがあります。建物の修繕や庭の管理といった一戸建てに特有のメンテナンスも、暮らしの中で、自力で対処していけるでしょう。「ちょっと見ない間に庭の草木が伸びすぎて、近隣住民から苦情を言われる」なんてリスクも少なくなります。 最後に、相続した家を手元に残し、実際にそこで暮らすようになれば、両親が大切にしてきた家や思い出をそのまま保存できるでしょう。自身が幼い頃の思い出を、よりいっそう身近に感じられるのではないでしょうか。 相続した一戸建てに住む場合の手続きは? ■相続した一戸建てに住む場合の手続きは? ではここからは、一戸建ての相続と、実際にそこに住むまでに流れについて解説します。以下の手順で手続きを進めていきましょう。 ★1.遺言書を確認する 相続手続きを進めていく際に、最初に行うべきなのが遺言書の確認です。遺言書が残されていれば、そこには故人の遺志が記されています。もしそこに実家に関する記述があれば、それは何よりも優先される事項です。遺書は自宅や貸金庫から見つかるケースも多いですが、勝手に開封して確認しないよう注意してください。 遺言書の形式によっても詳細なルールは異なりますが、見つけた遺言書を勝手に開けると罰金を命じられる可能性も。裁判所にて、検認の手続きを取ったのちに、内容を確認するようにしましょう。 ★2.遺産分割協議を行う 遺言書の内容を確認したら、遺産を相続する人たちの間で遺産分割協議を行います。遺言書が残されていない場合は、相続財産を確認した後に、分割協議に移りましょう。 遺産分割協議とは、誰が何を、どの程度相続するのか決定するための話し合いのこと。参加者全員が納得しなければ、協議は終わりません。反対に、たとえ遺言書の内容と異なっていたとしても、相続人全員が納得し、意見が一致しているのであれば、遺言書よりも遺産分割協議の内容を相続に反映させられます。 ★3.所有者移転登記を行う 遺産分割協議を経て、正式に実家を相続すると決まったら、不動産の所有権移転登記を行いましょう。所有者移転登記とは、「実家の所有者が変わりましたよ」と役所に届け出るための手続きです。法務局にて受け付けています。 所有者移転登記をしなかった場合でも、実家で暮らすことは可能です。ただし登記を行っていなければ、「この建物が法的に見ても自分のものである」と主張できません。後々のトラブルを避けるためにも、ぜひ早めに手続きしておいてください。 ★4.引っ越しする 両親が所有していた一戸建てが、名実共に自分のものになったら、引っ越しをしましょう。相続人が自分一人だけの場合は特に心配はありませんが、複数人いる場合は引っ越しのタイミングにも注意してください。早く引っ越した方が家賃の負担は軽減できますが、その他の相続人の感情を逆なでしてしまう可能性があります。 ★必要な書類は? 一戸建ての相続に必要な書類は、以下のとおりです。 ・亡くなった親の戸籍謄本・相続人の戸籍謄本・それぞれの住民票・相続する物件の固定資産税評価証明書 また登記を行う際には一定の費用も発生します。登録免許税や書類の発行代のほか、手続きを専門家に依頼すれば報酬が発生するでしょう。専門家報酬も含める場合、10~15万円程度用意しておくと安心です。 相続した一戸建てに住む場合のトラブルと対処法は? 相続した一戸建てに住む場合、遺産相続とその手続きをめぐり、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。トラブル事例について学ぶと共に、具体的な対処法や予防策を頭に入れておきましょう。 ★その他の相続人の合意を得られない可能性がある 遺産相続で自分以外にも相続人がいる場合、実家を含めた「不動産」が、トラブルの火種になるケースは決して少なくありません。なぜなら、不動産は現金のように、等分には分けられないから。相続人の一人が「実家に住む」と決めた場合、その他の相続人との間のバランスをどう取るのかが問題になります。 実家に住む人がいなければ、売却した上で、その利益を等分に分けるという選択肢もあるでしょう。しかしそのまま住む人がいる場合、それも不可能になってしまいます。 トラブルを避けるためには、遺産分割協議を丁寧に進めていくことが大切です。実家を残したいという気持ちを、真摯に伝えましょう。また、1人が不動産を相続する代わりに、その他の相続人に現金を支払う代償分割についても検討してみてください。 ★家族の合意を得られない可能性がある 「親が残した一戸建てに住む」という決断は、今後のライフスタイルにも深く関わってきます。実家が遠ければ、引っ越しに伴う負担も大きくなるでしょう。子どもがいれば、転校しなければいけません。 また比較的近隣エリアに実家がある場合でも、デメリットは決して少なくありません。古くなった一戸建てには、メンテナンス費用や修繕費用もかさむもの。「やっぱり新築一戸建ての方が…」と思うケースもあるでしょう。 相続した一戸建てに住む場合、現在の家族が抱える負担についてもしっかりと検討し、話し合うことが大切です。合意を得られなければ、「どうすれば不安を解消できるのか」を一緒に考えていきましょう。「親の家を残したい」という強い気持ちがある場合でも、配偶者や子どもがいる場合は、家族の意向も尊重してください。 相続した一戸建てに住む|後悔のない選択を 相続した一戸建てに住む|後悔のない選択を 相続した一戸建てに住めば、家賃の負担はなくなりますし、両親の思い出も手元に残せます。とはいえ、実際の相続ではトラブルが発生してしまう可能性も。どういったトラブルのリスクがあるのかを把握し、丁寧に話を進めていくことが大切です。今回紹介した内容ももとに、ぜひ後悔のない選択をしてくださいね。

  • 遺産相続と財産分与の違いは?離婚する際の相続財産の扱い方

    遺産相続について考え始めた際に、気になるのが「財産分与」との違いについてです。どちらも大切な「財産」に関わる行動ですから、適切な知識を身につけておきましょう。 今回は、知っているようで知らない遺産相続と財産分与の違いについて、離婚と遺産相続の関係性などを詳しく解説します。気になる情報をチェックしてみてください。 遺産相続と財産分与の違いとは? 遺産相続と財産分与は、似ている言葉のように思われがちですが、実際の意味は全く異なります。どちらも「財産を分け合う」という意味では共通しているのですが、言葉が使われるシーンは大きく異なっているのです。 遺産相続とは、身近な人(被相続人)が亡くなった際に、相続権を持つ人々(相続人)が財産を受け継ぐことを言います。相続人の数は、状況によって異なるもの。「配偶者と子ども(たち)」というスタイルがもっとも一般的ではあるものの、生前の家族の形によっては、被相続人の両親や、甥や姪が相続人になる可能性もあるでしょう。遺産分割協議などを経て、どのように財産を分割するのか決定されます。 一方で、財産分与とは夫婦が離婚する場面で使われる言葉です。婚姻期間には、夫婦が協力してさまざまな財産を築き上げるでしょう。いざ離婚するとなれば、これまで「共有財産」として扱ってきたものを、夫と妻それぞれで分け合わなければいけません。この「離婚する夫婦間の財産の分割」のことを、財産分与と言います。もちろん、両親や甥や姪が関わってくることはありません。 遺産相続には「遺産」という言葉が入っているため、「人が亡くなったときに行うもの」というイメージが強いのではないでしょうか。一方で財産分与に「離婚」をイメージさせる言葉は入っていないため、その意味を直観的に把握するのは困難です。 つい「父親が亡くなったので財産分与したい」といった表現をしてしまいがちですが、意味が全く通じなくなってしまうという点を、頭に入れておきましょう。 遺産相続で受け取った財産は財産分与の対象になる? 遺産相続で受け取った財産は財産分与の対象になる? 遺産相続と財産分与、それぞれの意味を正しく理解したところで、気になるのが両者の関係性についてです。遺産相続で財産を受け取ったあとに離婚が決まれば、その財産も財産分与しなければならないのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 結論からお伝えすると、遺産相続で受け取った財産は基本的に財産分与の対象にはなりません。遺産相続が婚姻中に行われた場合でも、「夫婦が共同して築き上げた財産である」とは認められないからです。 そもそも、婚姻中の夫婦の財産には、 ・共有財産 ・特有財産 の2種類があります。 共有財産とは、「夫婦の協力のもとで築き上げた財産である」と認められるもののこと。たとえば、婚姻中に購入した家具や不動産、夫婦が協力して貯めた貯蓄などが当てはまります。 不動産や貯蓄などは、形式上どちらか一方の名義になっているケースも多いですが、そのままどちらか一方の財産になってしまうわけではありません。退職金についても、すでに支払われている場合や近々支払われる予定のものは、共有財産として扱われます。 一方で特有財産とは、夫婦それぞれが所有する個人的な財産を指します。結婚前にそれぞれが個人で貯めたお金は、この特有財産と判断され、財産分与の対象外と判断されるでしょう。別居後に作った財産も、特有財産に含まれます。 遺産相続で受け取るお金も、夫、もしくは妻が個人で所有する財産と考えられます。実際に離婚となって財産分与する場合でも、「遺産を含めた特有財産を除いた上で、共有財産分を夫婦で分け合う」というスタイルになるでしょう。 遺産相続と財産分与の例外的措置とは? ここまでお伝えしてきたとおり、遺産相続で得た財産は、財産分与の対象にはなりません。しかし中には、例外的なケースもあります。 遺産相続からある程度の時間が経過したあとに離婚する場合、配偶者との協力のもとで、受け継いだ遺産が形を変えていることもあるかと思います。受け継いだ財産そのものは特有財産でも、夫婦が協力して価値が増えたり、維持されていたりした場合には、財産分与の対象と判断されるケースがあるのです。 この場合に気になるのは、「いったいどのくらいが財産分与の対象になるのか?」という点でしょう。そもそも財産分与の対象になるのか、どの程度分与されるのかに、明確なルールは存在していません。配偶者の貢献度がどの程度あったのかを軸に、臨機応変に判断されます。 遺産相続後の財産分与で心配な点がある場合は、できるだけ早めに専門家に相談するのがおすすめです。財産分与の問題点やリスクを把握した上で、今後どう行動していくべきか、指針を示してもらえるでしょう。 離婚後の遺産相続はどうなる?問題が複雑化しやすい理由は? 離婚後の遺産相続はどうなる?問題が複雑化しやすい理由は? 先ほどは、遺産相続後に離婚するパターンを解説しました。では反対に、離婚してから遺産相続が発生する場合、どのような注意点があるのでしょうか。 離婚してからの遺産相続で問題が発生しやすいのは、「子どもがいる夫婦が離婚し、その後元夫婦のどちらかが亡くなる」というパターンです。この場合、元配偶者に相続権はありませんが、子どもは相続権を持つため法定相続人の一人に数えられます。 たとえば、亡くなった人が離婚後に別の家庭を築いていた場合、現在の配偶者と子どもも、当然法定相続人になります。現在の家族にとっては、「前の家族の子どもに遺産を分け与えることで、自分たちの取り分が少なくなる」という仕組みですから、揉め事に発展しやすいのも当然だと言えるでしょう。 とはいえ、法定相続人であっても、必ず遺産を受け取れるわけではありません。元配偶者が遺言書を残していて、「自身の財産の全てを新しい妻と子どもに譲る」といった内容が確認された場合、そちらの方が優先されます。元配偶者の子どもは遺留分を請求し、受け取る流れになるでしょう。 離婚後の遺産相続であっても、新しい家庭さえなければ、そこまで大きく話がこじれてしまうようなケースは珍しいかもしれません。一方で、すでに新たな家庭を築いている場合、現配偶者と元配偶者、そしてそれぞれの子どもたちが円満な関係を築けているとは限らないでしょう。むしろ、「まったく関係がない」「どちらかというと険悪」といったケースの方が多いはずです。遺産相続で揉め事が起こらないよう、しっかりと準備を整えておく必要があるでしょう。 遺産相続と財産分与、それぞれの意味を知って適切な行動を 遺産相続と財産分与は、まったく異なるシーンで使われる言葉です。どちらも大切な「財産」に関わる行動ですから、それぞれの意味を知って、その都度適切な対応を心掛けましょう。 遺産相続と財産分与が重なると、さまざまな問題へと発展してしまうケースもあります。ときには専門家の手も借りつつ、問題を事前に回避できるよう意識してみてくださいね。

  • 相続手続き代行サービスとは?利用の流れ・注意点・選び方まで

    身近な人が亡くなった際に、発生するのが「相続」に関する手続きです。精神的な負担も大きい時期ですが、相続関連の各種手続きも避けては通れません。少しでも負担を減らしたい…と思う場合には、相続手続き代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか? 相続手続き代行サービスとはどういったものなのか、利用の流れや注意点も含め、詳しく解説していきます。複数社で悩んだ場合の選び方のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 相続手続き代行サービスとは? 相続手続き代行サービスとは? 相続に関する手続きは多岐にわたります。相続する財産の種類や相続人の人数によっては、手続きにかかる手間や時間の負担が重くなるでしょう。ただでさえ気落ちしているときに、素人の立場ですべてを完璧にこなすのは難しいものです。 こんなとき、 ・相続手続きに必要な情報の提供・各種手続きの代行・各種アドバイス などを担ってくれるのが、相続手続き代行サービスです。相続手続きのガイドのような存在と捉えれば良いでしょう。具体的には、以下のような手続きを代行してくれるケースが多いようです。 ・相続人の調査・相続財産の調査・遺産分割協議書の作成・遺産の名義変更・相続税の申告 相続手続き代行サービスを利用すれば、相続に関する手続きで迷うことはなくなるでしょう。また、肉体的・時間的な負担も軽減できます。 仕事で平日に動くのが難しい方や、相続人の調査が難しい方、遠方に住んでいるなど、相続人とのコミュニケーションが難しい方には、特におすすめのサービスです。一定の費用はかかりますが、相続手続きを滞りなくすすめられるというメリットがあります。 ★利用の流れ 相続手続き代行サービスを利用する際の流れは、以下のとおりです。 1.依頼先の決定2.詳細打ち合わせ3.代行サービスが各種書類の収集(依頼人とのやりとり発生)4.各種手続き実行の代行5.業務の完了 ひと言で「相続手続きの代行」と言っても、どのような業務が発生するのかは、個々の相続の状況によって異なるもの。詳細打ち合わせで、代行してもらえる作業について、しっかりと確認しておきましょう。 また、手続き代行を依頼した場合でも、「すべての作業を100%お任せできる」というわけではありません。相続人本人による記入や記名、捺印を求められる場面も多いですから、代行サービス側との打ち合わせの上で、各種手続きを進めていきましょう。 相続手続き代行サービスの選び方は? 相続手続き代行サービスの提供もとは、主に士業事務所です。 ・弁護士・行政書士・税理士・司法書士 相続にまつわるさまざまな資格を有する人が、自身の業務範囲内でできる代行サービスを提供しています。 相続手続き代行サービスを利用する上で覚えておきたいのは、「依頼先によって提供されるサービスの内容は異なる」という点です。たとえば、相続した不動産の名義変更を代行できるのは司法書士のみ。一方で、相続に関して争いごとが発生した場合に、代理人として遺産分割の交渉や調停に当たれるのは弁護士のみです。このように、自身が希望するサポート内容を明らかにした上で、依頼先を決定する必要があります。 相続人の調査や金融機関における相続手続きは、多くの事務所で代行を受け付けています。その他に、特別にサポートしてほしい点があれば、そちらをもとにして依頼先を決定すると良いでしょう。 ・相続財産に不動産が含まれている → 司法書士・相続で揉め、揉め事やトラブルが発生する可能性が高い → 弁護士・相続税に関する業務を代行してほしい → 税理士 どこに依頼すれば良いのか悩んだときには、契約前の相談の段階で、何をしてもらえるのかはっきりさせておくのがおすすめです。 相続手続き代行サービスを選ぶ際の注意点3つ 相続手続きは、そう頻繁に発生するものではありません。相続手続き代行サービスについても、「興味はあるものの選び方がわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?代行業者を選ぶ際のポイントを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.何を依頼できるのか明らかにする 先ほどもお伝えしたとおり、相続手続き代行サービスで何を代行してもらえるのかは、サービス提供もとによって大きく異なります。何をどこまで依頼できるのかは、早めに確認しておきましょう。 相続手続き代行サービス業者の中には、相続にまつわるさまざまな手続きを一括で依頼できる、パッケージプランを提供しているところもあります。この場合も、パッケージプランに何が含まれるのか、事前に確認してください。 パッケージプランに含まれていない内容を依頼したい場合、個別プランでの対応になる可能性も。トラブルを防ぐためにも、しっかりとチェックしておきましょう。 ★2.料金をはっきりさせる ひと言で相続手続き代行サービスと言っても、発生する料金は業者によってさまざまです。見積もりに不明瞭な点がないかどうか、丁寧に確認してみてください。 たとえば、見積もりに「パッケージプラン一式 ○○万円」としか記載がない場合、何をいくらで代行してくれるのか、まったくわからないことに。代行手続きの内容によっては、後から高額な追加料金が発生する可能性もあるでしょう。 見積もりが不明瞭な場合、詳細情報までしっかりと確認しておくことが重要です。詳細情報の説明を求めても応じてもらえない場合、別の業者を探してみてください。 ★3.対応力やコミュニケーション力にも注目する 相続手続きを代行してもらう場合でも、依頼人がすべての業務を放棄できるわけではありません。依頼先の専門家と、二人三脚で手続きを進める必要があるからこそ、対応力やコミュニケーション能力も重要なポイントになります。 相続手続きを不満なく進めていくためには、依頼先業者と確かな信頼関係を築けることが重要です。 ・相談時の対応に不快な点はないか?・しっかりとコミュニケーションを取ってくれる業者か?・自身の不安に寄り添ってもらえるか?・わからない点に対して、丁寧に説明してもらえるか? これらの点についても、しっかりとチェックしてみてください。実際に相続手続き代行サービスを利用した方の口コミ評価を参考にしてみるのもおすすめですよ。 相続手続き代行サービスは賢く活用して負担を軽減 相続手続き代行サービスは賢く活用して負担を軽減 相続手続きの負担を軽減するためには、相続手続き代行サービスを利用するのがおすすめです。ただし、どのようなサービスを代行してもらえるのかは、依頼先によって異なります。自身が求める業者を探し、納得の上で依頼することが重要です。 相続手続き代行サービスを利用すれば、 ・相続人同士の仲が悪い・相続人が多く、やりとりが大変・身体的、精神的な問題から自分で動けない このような問題も解決できるでしょう。自分に合ったサポート先を見つけてみてください。

  • 子供がいない夫婦の相続トラブル…配偶者を守るための事前準備とは?

    子供がいない夫婦の場合、将来の相続トラブルをイメージするのは難しいかもしれません。「残された方がすべて受け継ぐだけ」と思っている方も多いのではないでしょうか? しかし実際には、子供がいない夫婦にとっても、相続トラブルは他人事ではありません。その理由と、トラブルを予防するためのポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。 子供がいない夫婦にも相続トラブルが発生する理由 子供がいない夫婦にも相続トラブルが発生する理由、それは「相続順位」にあります。人が亡くなったとき、相続人になれるのは配偶者と血族相続人です。配偶者が必ず相続人になるのに対して、血族相続人は、相続順位に沿って、誰が財産を受け継ぐのかが決定されます。 血族相続人の中でも、もっとも相続順位が高いのは、被相続人の「子供」です。もしもすでに子供が亡くなっている場合、その子供、つまり被相続人にとっての「孫」が、被相続人の配偶者と共に財産を受け継ぎます。被相続人の配偶者と子供(もしくは孫)が財産を受け継ぐという、非常にシンプルな形の相続になるでしょう。 一方で、子供がいない夫婦の場合、配偶者と共に財産を受け継ぐ血族相続人は、誰になるのでしょうか?被相続人からみて「子供」の次に順位が高いのは、「親」や「祖父母」です。親や祖父母がすでに亡くなっている場合、被相続人の兄弟姉妹が血族相続人になります。 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子供が代襲相続人になります。つまり、被相続人にとっての「甥」や「姪」が、配偶者と共に自身の財産を相続する可能性もあるということです。 たとえば夫が亡くなったときに、妻の立場で、共に築き上げた財産を受け継ぐのは当たり前だと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、夫の兄弟姉妹やその子供に相続権が発生する可能性もあるのです。 相続人の数が増えれば増えるほど、妻の立場で受け取れる財産は少なくなってしまいます。これこそが、子供がいない夫婦においても、相続トラブルが発生する理由です。 特に注意が必要な2つのケース 子供がいない夫婦の相続において、特にトラブルが発生しやすいのは、以下の2つのケースです。自身に当てはまるものがないか、事前に確認しておきましょう。 ★血族相続人との関係が悪い・薄い 子供がいない夫婦が直面しやすい相続トラブルの一つが、血族相続人との話し合いの遅延です。夫婦の子供が血族相続人にならない場合、亡くなった夫や妻の親や兄弟姉妹、その子供たちが血族相続人になります。もともと関係が悪い、あまり付き合いがないといった場合、相続に関する話がまとまらないリスクがあるでしょう。 たとえば夫が亡くなったとき、妻は義両親や義兄弟姉妹などと、たった一人で相続に関する話し合いを進めなくてはいけません。配偶者の立場であっても、相続に関する話し合いを、自身の要望に添って進めていけるとは限らないのです。 また、「そもそも配偶者の兄弟姉妹(もしくはその子供)と連絡を取ったことがない」というケースもあるでしょう。相続人の調査や確定も簡単ではなく、時間ばかりが過ぎてしまう可能性もあります。 ★相続する財産に「不動産」が含まれている 相続財産に家や土地が含まれている場合も、トラブルになりやすいため注意してください。なぜなら不動産は、現金と違ってきっちり分けられないから。揉め事の原因になるケースも多くみられます。 たとえば、夫名義のマイホームで妻と一緒に暮らしていた場合で考えてみましょう。夫が亡くなれば、マイホームは相続財産の一部になります。遺産分割協議の内容によっては、妻は慣れ親しんだ家を処分しなければならない可能性もあるのです。 マイホームを売却して現金化し、配偶者と血族相続人で分け合うのがもっともシンプルな方法ですが、妻は住む家を失うことになるでしょう。 マイホームの価値を計算し、血族相続人が受け取るべき分の財産を、妻が現金で支払う方法もありますが、妻の負担は重くなります。不動産の価値が高ければ、「現金を用意できず、結局マイホームを手放さざるを得なかった…」という事態も起こり得るでしょう。 配偶者の生活を守るためにも、事前にしっかりと対策をしておくことが大切です。 配偶者にすべての財産を残すためにはどうすればいい? 子供がいない夫婦の場合、「子供がいないからこそ、自身の死後の生活に、不安を残したくない」と感じる方も多いでしょう。できるだけ多くの財産を配偶者に残すため、具体的にはどのような対策を採れば良いのでしょうか? 3つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★遺言書を残す ★遺言書を残す 配偶者にできるだけ多くの財産を残したい場合に、ぜひ活用したいのが遺言書です。正式な手続きを踏んで、法的に有効な遺言書を残しておけば、自身の意志に沿った方法で、財産を相続させられるでしょう。 たとえば、「配偶者に全財産を相続させる」という遺言を残しておけば、その内容に沿って相続が行われます。血族相続人から遺留分を請求される可能性もありますが、普通に相続させるよりも、多くの財産を配偶者に渡せます。 また遺留分を請求する権利を持つのは、被相続人の父母や祖父母のみ。遺留分の請求権を持たない兄弟姉妹(もしくはその子供)が血族相続人になった場合、配偶者がすべての財産を相続できます。 遺言書を作成する場合、以下の2点に注意しましょう。 ・ありとあらゆる事態を想定して内容を決定すること ・専門家のサポートを受けること せっかく遺言書を作成していても、それが有効と認められなければ意味がありません。遺言に強い専門家に、依頼してみてください。 ★生前贈与を検討する ★生前贈与を検討する 相続対象になる遺産とは、亡くなった人が保有していた財産のこと。亡くなる前に、配偶者に対して贈与しておけば、相続財産には含まれません。当然、血族相続人との間でトラブルになる恐れもなくなるでしょう。 こちらは特に「マイホームを配偶者に残したい」という場合に有効な対策です。結婚してから20年以上が経過していれば、贈与税の配偶者控除の適用が可能に。夫婦間で居住用の不動産を贈与する場合、最高2,000万円までの贈与税控除を受けられます。 ★生命保険に入る 万が一のときのための生命保険も、子供がいない夫婦の相続対策に有効な方法です。 受取人を配偶者にしておけば、配偶者が受け取る保険金は、「遺産」として扱われることはありません。 つまり、配偶者のために一定の現金を確保しつつ、その他の相続財産を血族相続人と分け合うスタイルになります。 有効な対策を組み合わせるのもおすすめ 子供がいない夫婦にも、相続トラブルは発生します。むしろ子供がいない分、血族相続人に関して、トラブルを抱え込む可能性も高いという点を頭に入れておきましょう。 今回は、相続対策として3つの方法を紹介しましたが、複数を組み合わせるのもおすすめです。自身の財産を把握し、配偶者との間で話し合いを進めていくところからスタートしてみてくださいね。

コトダマのバナー