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2023年4月の記事一覧

  • 一戸建てを遺産相続…やるべきことは?空き家リスクも詳しく解説

    一戸建てを遺産相続…やるべきことは?空き家リスクも詳しく解説

    一戸建てを所有している人が亡くなれば、その物件は遺産として扱われます。現金や預金と比較して、面倒ごとも多いと言われる不動産相続。一戸建てを相続する際にやるべきことや、注意するべき点を解説します。将来的な空き家リスクについても、ぜひ確認してみてください。 一戸建ての相続…具体的な流れとは? 一戸建ての相続…具体的な流れとは? 一戸建てを相続する際の、具体的な流れは以下のとおりです。 1.遺言書が残されているか確認する2.遺産分割協議を行う3.遺産分割協議の内容に応じて、不動産の名義変更をする4.必要に応じて相続税を申告・納付する 一戸建ての相続においても、基本的な流れはその他の相続の場合と変わりません。まずは遺言書が残されているかどうかを確認しましょう。残されていればその内容のとおりに、残されていない場合は相続人同士で遺産分割協議を行います。 協議において、相続人全員の同意が得られれば、相続対象である一戸建ては、いかようにも分配できます。相続人のうち1人のみが受け継ぐことも、売却して得たお金を均等に分けることもできるでしょう。あまりメジャーではありませんが、相続対象の不動産を共有名義とするケースもあります。 一戸建ての相続では、土地や建物の価値によって、相続税が発生する事例も少なくありません。利用できる特例がある場合、しっかりとリサーチした上で納税負担を減らすための工夫を取り入れてみてください。 一戸建て相続に潜むリスクとは? 一戸建ての相続は、親族間トラブルが発生しやすいと言われています。「一戸建てのほかにめぼしい財産がない」という場合、特に注意が必要でしょう。現金や預金とは違って、一戸建ては簡単に分割できません。売却して現金化すれば均等に分けられますが、もともとその家に住んでいた人は住居を失ってしまいます。 遺言書で「もともとこの家に住んでいた相続人に自宅を残す」旨を指定した場合、住まいを失う恐れはありません。一方で、その他の相続人から遺留分請求される可能性が。自宅の価値に応じて、相応の現金を用意する必要があるでしょう。遺留分を支払えなければ、結局のところ、相続財産である一戸建てを手放さなくてはならない可能性もあります。 一戸建て相続にまつわるさまざまなトラブルを避けるためには、事前の根回しが必須です。 ・誰が一戸建てを相続するのか?・相続割合はどのように調整するのか?・どうすればその他の相続人が納得できるのか? これらのポイントについて、よく話し合っておきましょう。生前によく話し合い、その結果を遺言書にまとめておけば、スムーズに相続手続きを進めていけるのではないでしょうか。親族間で揉めるリスクも少なくなります。 一戸建て相続は売却も視野に入れて行動を 少子高齢化が進む今、「親が住んでいた一戸建てを相続したものの、住む人がいない」というケースも少なくありません。誰も住まない一戸建てを相続し、保有し続けるのは簡単ではありません。毎年固定資産税が発生しますし、物件を適切に維持・管理する手間も発生します。賃貸に回して不動産収入を得る場合も、さまざまな準備が必要になるでしょう。 相続しても負担になる可能性が高い一戸建てについては、早めに売却を検討するのもおすすめです。できるだけ早く売却した方が、税金負担は少なくなります。 相続対象である一戸建てを売却する場合、まずは名義変更を行わなければいけません。不動産名義が亡くなった人のままでは、売却手続きができません。以下の2つの方法から名義変更の方法を選び、その後の手続きを進めていきましょう。 ・相続人の共有名義とする・相続人の1人が代表で名義人になる 共有名義とする場合、売却手続きを進めていく上で、名義人全員分の同意が必要です。「相続人全員が同等の責任を負う」という意味では平等ですが、売却活動に関わる人の数が増える分、スピーディーに進めていくのは難しいかもしれません。 手続きの手間を最小限にしたいなら、相続人の一人を代表にして名義変更を済ませてしまいましょう。実際に売却のための手続きをするのは、その代表者となります。売却費用は代表者のもとに入り、そこから各相続人へと分配されます。代表者の負担は重くなりますが、全員の意見が揃うまで待つ必要はありません。 2つ目の方法を選択する場合、売却益を分配する際に「贈与」とみなされないよう注意が必要です。遺産分割協議書には、一戸建ての売却から売却益の分配方法までを記し、「相続」である点をはっきりさせておきましょう。トラブルを避けるため、専門家に相談しつつ手続きを進めていくのもおすすめです。 遺産である一戸建てを空き家として放置するリスクとは? 親の家を相続した場合、「現在は誰も住んでいないが、思い出が詰まった家を処分するのは忍びない…」と感じる方も多いのではないでしょうか。売却を決断できないまま、空き家として放置してしまうケースも少なくありません。しかし一戸建てを空き家として放置した場合、以下のようなリスクが発生します。 ・劣化の進行・近隣への悪影響・税金の負担増 空き家となった一戸建ては、急激に劣化。手入れが不十分になり、家の土台からボロボロになってしまうケースも少なくありません。 建物や庭の管理が不十分になると、建物の倒壊や雑草によって、近隣住民の迷惑になってしまう可能性も。ゴミが溜まったり、犯罪に巻き込まれてしまったりするリスクもあります。 なんとなく手放せないまま放置した一戸建てが「特定空き家」に指定された場合、固定資産税や都市計画税の軽減措置が適用されません。特定空き家とは、倒壊リスクが高く、近隣住民に迷惑をかける恐れがあると判断された空き家のこと。軽減措置が不適用になれば、土地や建物にかかる税金は増加します。課税額は最大で、6倍近くにまで膨らんでしまう可能性があるでしょう。 空き家として長期間放置された物件は、売却するのも簡単ではありません。一戸建てを解体して売却しようと思えば、余計な費用は発生します。また。また「長年空き家が放置されていた土地」として、イメージが低下している恐れもあるでしょう。 一戸建てを遺産相続…やるべき行動をはっきりさせてとるべき行動を 一戸建てを遺産相続…やるべき行動をはっきりさせてとるべき行動を 一戸建てを遺産として相続する・させる方は決して少なくありません。とはいえ、ただなんとなく話を進めていくと、余計なトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。相続人の誰かに相続させる場合も売却を検討する場合も、「自分たち家族はどうしたいのか?」を念頭に置いて行動することが大切です。被相続人にとっても相続人にとっても後悔のない相続にするため、事前準備はしっかりと整えておきましょう。

  • 遺産整理に便利なサービスとは?利用の際の注意点も紹介

    遺産整理に便利なサービスとは?利用の際の注意点も紹介

    さまざまな手間と多くの時間が必要となる相続手続き。きちんとやるべきとわかってはいても、「現実的に余裕がない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。こんなときに頼りにできるのが、遺産整理に関する各種サービスです。遺産整理サービスの内容や利用時の注意点など、ぜひ参考にしてみてください。 遺産整理サービスとは? 遺産整理サービスとは? 遺産整理とは、相続の対象となる財産を明らかにし、必要な手続きを行うことを言います。ひと言で「遺産」と言っても、その内容はさまざまです。現金もあれば不動産もあるでしょう。プラスの資産だけではなく、マイナスの資産が相続財産に含まれる可能性もあります。 相続スタート時点で、どのような財産がどの程度残されているのか、正確に把握できているケースは少ないでしょう。まずは必要な情報を収集し、それぞれの財産について適切な手続きを終えることが重要です。残された遺産が多く、複雑であれば、必要な手間や時間は膨大なものになってしまうでしょう。相続人の負担を軽減する目的で提供されているのが、遺産整理サービスなのです。 遺産整理は、以下のような流れで進められます。 1.遺言書が残されているかどうか確認する2.相続人の範囲を確定する3.相続財産の詳細を調べる4.遺産分割協議で相続の内容を決定する(※遺言書がない場合)5.具体的な相続手続きを行う(各種名義変更や遺産分配など)6.必要に応じて相続税を申告・納付する 遺産整理は、相続人だけで進めることも可能です。自分たちではどうにもならないポイントだけを、それぞれの専門家にサポートしてもらうのも良いでしょう。たとえば、相続の内容を巡って相続人同士で揉めごとに発展した場合、弁護士がサポートしてくれます。不動産の名義変更なら司法書士、相続税申告なら税理士が助けになってくれるはずです。 遺産整理サービスを利用した場合、これらの手続きを一括してお任せできます。相続に必要な手続きを一から丁寧にサポートしてもらえますし、必要に応じて各種士業との連携も可能。遺産整理の専門家が各種手続きを代行してくれるため、相続手続きにかかる時間や手間も軽減できるでしょう。 遺産整理サービスを提供しているのは? 遺産整理サービスは、相続手続き代行サービスとも呼ばれています。具体的には、以下のような企業や事務所がサービス提供を行っています。 ・司法書士事務所・行政書士事務所・弁護士事務所・信託銀行 遺産整理サービスは、提供元によってサービス名が異なります。気になるサービスを見つけたら、具体的に何をどこまで依頼できるのか確認するようにしてください。費用体系についても、契約前にチェックしておくと安心です。 実際に担当者と会って話を進めていくサービスもあれば、ほとんどすべての手続きをウェブ上の手続きと郵送で終えられるサービスもあります。どちらにもメリット・デメリットがありますから、自分に合ったタイプを選んでください。 遺産整理サービスを利用した方が良い人とは? 遺産相続がスタートした段階で、「遺産整理サービスを利用した方が良いのか?」と悩む方も少なくありません。サービスの利用を積極的に検討した方が良いのは、以下の条件に当てはまる方々です。 ・そもそも何からスタートすれば良いのかわからない・できるだけ手間をかけずに手続きを終えたい・相続財産や相続人の関係性が複雑である・相続人同士の関係性が良くない・平日の昼間に動くのが難しい 遺産相続には、さまざまな手続きが関係してきます。自分にとって何がベストなのか、そのために何からスタートすれば良いのかわからないときには、自己流で動くよりもプロの意見に耳を傾けるのがおすすめです。遺産整理全般をサポートしてくれるサービスであれば、「そもそも何を相談すれば良いのかわからない」という状態からでも、適切にサポートしてくれるでしょう。 また相続手続きに必要な書類を収集したり、提出したりするためには、平日の昼間に動かなければならない場面も少なくありません。仕事や介護、子育てなどで時間に余裕がない場合も、ぜひサービスの利用を検討してみてください。面倒な作業をお任せできます。 遺産整理サービスを利用する際の注意点3つ 忙しい方や、手間なく確実に相続手続きを終えたい方に人気の遺産整理サービス。実際に利用を検討する際に、注意したいのは以下の3点です。ぜひ確認してみてください。 ★1.提供元によって得意・不得意がある 遺産整理サービスとは、遺産相続手続きをトータルで代行してくれるサービスのこと。しかし提供されるサービス内容は、どこも同じというわけではありません。提供元によって、得意な分野・不得意な分野は異なるのです。 たとえば、銀行が提供する遺産整理サービスを利用した場合、預金や信託財産に関する手続きはスムーズに対応してもらえるでしょう。一方で、司法書士や行政書士が対応する分野については、「いったん銀行で受け付けた上で、提携先の士業に連絡する」といった対応が一般的。結果が出るまでにやや時間がかかり、オプション費用が発生する可能性もあるでしょう。 遺産整理サービスを利用する際には、何を重視したいのかをぜひ意識してみてください。重視したい分野を得意とする遺産整理サービスを見つけられれば、満足度も高くなります。 ★2.料金体系の確認は必須 遺産整理サービスの料金体系は、提供元によって大きく異なります。すべての手続きをパッケージ化して料金を設定しているところもあれば、一部オプション料金で対応しているところも。自分たちに必要なサービスだけを選び、その分だけ料金が加算されるようなケースもあります。自分が希望するサービスを受けるためには、具体的にどれぐらいの費用がかかるのか、契約前に明らかにしておきましょう。 銀行の中には、一定条件を満たしていれば優遇料金で対応してくれるところもあります。こうしたサービスにもぜひ注目してみてください。 ★3.無料相談で相性を見極めよう 遺産整理サービスを利用する際には、担当者との相性も確認しておくと安心です。亡くなった人の大切な遺産の整理をお任せするわけですから、気持ちよく手続きを終えたいもの。そのためには、円滑なコミュニケーションが必須です。 サービス利用前には、無料相談を活用してみてください。具体的に何をどこまでお願いできるのか確認するとともに、担当者との相性や対応力についても、チェックしておくと安心です。 遺産整理サービスを知り利用を検討してみよう 遺産整理サービスを知り利用を検討してみよう 40代から50代を迎えると、自分自身が相続人の立場になる方も増えてくるでしょう。まだまだ忙しい現役時代。すべてを自分で行うのが難しい場合、遺産整理サービスの利用も検討してみてください。

  • 遺言書の相談先は?税理士を選ぶメリット・デメリット

    遺言書の相談先は?税理士を選ぶメリット・デメリット

    自分の思いに沿った遺言書を正しい形で残したいと思った際に、「自分一人で作業するのは不安がある…」と感じる方は多いのではないでしょうか。遺言書をめぐって余計なトラブルを発生させないためには、作成段階で専門家の意見を聞くのがおすすめです。遺言に関する相談先はさまざまですが、今回はその中でも、税理士を選んだ場合について解説します。税理士の仕事やメリット・デメリットに注目してみてください。 遺言書の作成…税理士の仕事内容は? 遺言書の作成…税理士の仕事内容は? 税理士と言えば、企業や個人の納税に関する手続きをサポートする存在として、認識している方も多いのではないでしょうか。その業務内容から、遺言書作成が結び付かない…と感じるかもしれませんが、「遺言」と「税金」の間には密接な関わりがあります。 遺言書で相続人や相続内容を指定する場合、無視できないのが税金についてです。相続に関連する税金と言えば「相続税」を思い浮かべがちですが、実際には「贈与税」が関連してくる可能性も。税金の負担をできるだけ少なくできる遺言書を残したいと思った際に、サポートしてくれるのが税理士なのです。 税理士に遺言書作成を依頼した場合、具体的には以下のような業務を行ってくれます。 ・財産評価・遺言書案に関する打ち合わせとアドバイス・公証人との間のやりとり・公正証書遺言書作成時の証人立ち会い 遺言書作成時の、さまざまな負担を軽減できるでしょう。難しい内容を考える必要はありませんし、必要な手続きや流れについて悩む恐れもありません。 税理士に依頼する場合のメリットは? 遺言書作成を税理士に依頼する場合のメリットは以下のとおりです。 ・相続税に配慮した相続内容を検討できる・相続税の負担を想定した準備ができる・二次相続についても考慮できる 遺産相続で発生する相続税には、さまざまなルール・特例が存在しています。事前にそれらを知った上で、配慮した内容の遺言書を残せれば、残された相続人の負担は軽減できるでしょう。相続税負担を少なくできれば、手元に残るお金も増えるはずです。相続税の負担がそれほど減らなかった場合でも、だいたいどれぐらいの税金額となるのか試算できれば、事前準備も可能になります。相続税を納税できるような配慮も、遺言書の内容に含められるでしょう。 またもう一点忘れてはいけないのが、二次相続に関するポイントです。一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生するのが、二次相続です。配偶者には、その生活を支える目的で充実した控除や非課税枠が用意されています。二次相続になると、すでに配偶者が亡くなっているため、子どもや親、兄弟姉妹といった相続人がすべての財産を受け継ぐことになるでしょう。配偶者向けの控除や非課税枠は活用できず、また相続人が減ることで、基礎控除額も減ってしまうのです。 一次相続では相続税の負担をゼロにできたとしても、二次相続では相続税の負担が重くなる可能性も。こうした事態を避けるためには、一次相続の段階から、計画的に財産を受け継ぐ必要があるでしょう。 二次相続対策をするためには、各種税金に関する知識が必須です。税理士に相談すれば、一次相続の遺言書作成段階から二次相続を視野に入れた対策を講じられます。 税理士に依頼した場合のデメリットとは? 一方で、税理士に依頼した場場合のデメリットは以下のとおりです。 ・専門家費用が発生する・税理士事務所探しで苦労する 自筆証書遺言を選択し、自分自身で遺言書を記せば、ほとんど費用はかかりません。税理士に依頼してサポートしてもらった場合、専門家費用が発生します。公正証書遺言を選択すれば、公証役場に支払うお金も必要になるでしょう。「手軽に遺言書を残したい」と思う方にとって、大きなデメリットと言えます。 また遺言書作成を専門的に行う税理士事務所は、決して多くはありません。自分の思いを叶えられる遺言書を残すためには、遺言や相続について、適切な知識・経験を有する専門家を探すのが必須。弁護士や司法書士と比較して、「遺言書作成経験が豊富な税理士」を見つけ出すのは非常に難しいでしょう。 税理士事務所ならどこでも良いと考えるのではなく、知識・経験をもとに親身に対応してくれる税理士を探してみてください。 相続税や遺言書作成に強い税理士事務所の探し方 相続税や遺言書作成に強い税理士事務所の探し方 相続税や遺言書作成サポートを得意とする税理士事務所は、決して多くはありません。自分をサポートしてくれる税理士をどう探せばよいのか悩んだ場合、インターネットを活用してみてください。 税理士事務所の中には、事務所のホームページで情報を発信しているところも少なくありません。どのような業務を得意とし、力を入れているのか情報収集してみましょう。相続や遺言に関する業務内容が含まれているかどうか、まずはチェックしてみてください。またたとえ含まれていても、情報を鵜呑みにするのは危険です。ホームページ上に「遺言書作成」や「相続税対策」といった文言があったとしても、実績があるかどうかはわかりません。具体的な事例やアドバイスが掲載されているかで、その事務所が、どの程度力を入れて対応しているのか把握できるでしょう。 また、まずは一度、相談に訪れてみるのもおすすめです。税理士への初回相談では、「何を相談すれば良いのかさえわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。遺言書作成をサポートしてほしい内容を伝え、どのようなメリットが期待できるのか、確認してみてください。具体的な方針を伝えてもらえば、安心してお任せできるのではないでしょうか。担当者との相性も事前に確認できるため、おすすめの方法です。 自分の思いに沿った遺言書を作成するためには、自身の感情や状況を理解した上で、適切にアドバイスしてもらえるかどうかが鍵となります。 ・しっかりとコミュニケーションが取れるか?・自身の思いに寄り添ってくれるか? これらの点にも、ぜひ注目してみましょう。 遺言書作成を依頼するなら税理士も視野に入れてみよう 遺言書を作成する際に、専門家がサポートしてくれれば心強いもの。司法書士や弁護士を依頼先に選ぶ方も多いですが、状況によっては税理士事務所を頼ってみるのもおすすめです。特に相続税が発生すると思われる場合や、負担を軽減したい場合には、税理士が力になってくれるでしょう。 司法書士や弁護士に依頼した場合、適切な形で遺言書を残せたとしても、相続税にまったく配慮できていない可能性も。残された家族の負担を最小限にするためにも、遺言書作成段階から税理士事務所を頼ることも、ぜひ検討してみてください。

  • 遺言書情報証明書とは?取得方法や使い方を解説

    遺言書情報証明書とは?取得方法や使い方を解説

    「将来のために遺言を残したい」と思ったら、まずは遺言書に関連する基礎知識を身につけましょう。今回は遺言書情報証明書について解説します。具体的な内容や、活用方法・取得方法を紹介。後々のトラブルリスクを避けるためにも、ぜひチェックしてみてください。 自筆証書遺言書保管制度とは? 自筆証書遺言書保管制度とは? 遺言書情報証明書は、「自筆証書遺言書保管制度」に関連する証明書です。令和2年7月よりスタートした新しい制度で、自筆証書遺言書に関するトラブルを予防する目的で設立されました。 遺言形式には、以下の3つが存在しています。 ・自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言 この中で、もっとも手軽に残せるのが自筆証書遺言です。いくつかの条件を満たす必要があるものの、自筆証書遺言は「自分だけの力でいつでも好きな場所で作成できる遺言書形式」です。終活ブームの今、指南書をもとに自力で自筆証書遺言を残そうとする方も多いのではないでしょうか。 しかし自筆証書遺言には、自力作成できるからこそのデメリットも。具体的には、以下のようなポイントが挙げられるでしょう。 ・自宅で保管している最中に紛失してしまう・自宅で保管中に内容を改ざんされてしまう・自身が亡くなったあとに、遺言書を発見してもらえない・最初から最後まで専門家の目に触れないことで、法的な要件を満たせていない どれも遺言書の役割を果たさない、非常に重大なトラブルだと言えます。 自筆証書遺言書保管制度は、自力で作成した遺言書を法務局で保管。これらのトラブルを予防できます。自宅ではない場所で保管すれば、改ざん・紛失リスクはありません。遺言内容に不満を持つ親族の手で、勝手に処分されてしまうような恐れもないでしょう。 また保管時には、専門家による外形的なチェックを受けられます。遺言内容に関するアドバイスは受けられないものの、作成した自筆証書遺言書が法的に有効な形で整えられているかどうか、確認してもらえます。自筆証書遺言を残すのであれば、ぜひ積極的に利用したい制度と言えるでしょう。 遺言書情報証明書とは? 遺言書情報証明書とは、自筆証書遺言書保管制度によって保管された遺言書の情報を、証明するための書類です。遺言を残した人が亡くなったあと、相続人がその内容を確認するために請求します。 遺言書情報証明書に記されるのは、以下のような情報です。 ・遺言者の氏名・出生年月日・住所よび本籍・遺言書の作成年月日・保管開始日・遺言書が保管されている保管所の名称・遺言書の保管番号・遺言書の画像情報 遺言書情報証明書には、法務局で保管されている遺言書の内容を画像データとして記載されています。証明書を取得すれば、亡くなった人がどのような内容の遺言を残していたのか確認できるでしょう。 遺言書情報証明書は、各種相続手続きを進めるために使います。遺言書と言えば「原本を持って手続きを進める」と思いがちですが、自筆証書遺言書保管制度を活用した場合は異なります。保管制度を利用した場合、遺言書の原本が相続人の手元に返却されることはありません。よって、その後のすべての手続きを遺言書情報証明書で進めていくのです。その効力は遺言書原本と変わりないため、安心してください。 保管制度を活用した場合、自筆証書遺言書であっても、裁判所による検認手続きは必要ありません。相続スタート後に遺言書情報証明書を取得すれば、そのままスムーズに相続手続きを進めていけます。 遺言書情報証明書の取得方法は? 遺言書情報証明書の取得方法は? 遺言書情報証明書は、取得したい人からの申し出によって交付されます。取得を希望できるのは、以下の条件に当てはまる方々です。 ・相続人・受遺者・遺言執行者・相続人や受遺者の親権者や成年後見等の法定代理人 遺言者情報証明書は、誰にでも自由に公開されるわけではありません。あくまでも、遺言書の内容に関わる人のみに取得が認められています。取得までの具体的な流れは、以下を参考にしてみてください。 1.交付請求場所を選択する2.遺言書情報証明書の交付請求書を作成する3.必要書類を揃える4.交付請求場所にて予約をとり、交付請求を行う5.証明書を受け取る 遺言書情報証明書は、遺言書そのものではなく画像データとして交付されます。このため、実際に遺言書が保管されている保管所以外からでも請求が可能。日本全国どこからでも、自分の都合の良い場所から該当データを取得できます。 交付請求書は、最寄りの法務局窓口のほか、ウェブサイトからのダウンロードも可能です。必要事項を記入し、書類を作成してください。交付請求書とともに必要になるのは、以下のような書類です。 ・遺言者の戸籍謄本(出生から死亡までの連続するもの)・相続人の戸籍謄本(全員分)・相続人の3ヶ月以内に発行された住民票(全員分) このほか、受遺者や遺言執行者が証明書の請求手続きをする場合には、請求する人の住民票が必要です。併せて準備しておきましょう。 遺言書情報証明書の請求手続きは、郵送もしくは直接出向いて行います。遺言書保管所にて手続きする場合、事前予約が必須です。予約がないまま訪れても対応してもらえないため、注意してください。手続きそのものは即日処理されますが、ある程度の時間がかかるもの。できるだけ待ち時間が発生しないよう、事前予約制度が導入されています。予約は専用ホームページもしくは電話、窓口にて行えます。 予約は、請求手続きを行う本人の手で行わなくてはいけません。また予約できる期間は30日先までです。当日予約はできないため、注意してください。 遺言書情報証明書は、相続人それぞれが必要とするケースも多いでしょう。たとえば、共に相続人となっている兄弟姉妹がそれぞれで遺言書情報証明書を必要とする場合、予約はそれぞれでとる必要があります。請求者1人につき1件の予約をするようにしてください。 手続きする際には、請求者の本人確認のため、顔写真付きの官公署から発行された身分証明書が必要です。発行手数料は、証明書1通につき1,400円。こちらも忘れずに準備しておきましょう。 郵送で手続きする場合、必要書類と返信用封筒をセットにして、遺言書保管所に送付すればOKです。発行手数料は収入印紙で納付してください。 遺言書情報証明書を知り将来のために活用を 遺言書情報証明書は、自筆証書遺言書保管制度と深く関わる書類です。その意味や取得方法をあらかじめ知っておくことで、将来の終活や相続手続きにも役立つでしょう。自筆証書遺言書保管制度は、遺言書をより確実に残すために有効な制度です。遺言書に関連する知識を深め、ぜひ活用してみてください。

  • 遺族年金の受取額は子供の年齢に応じて変わる!基礎知識を身につけよう

    遺族年金の受取額は子供の年齢に応じて変わる!基礎知識を身につけよう

    一家の働き手であった家族が亡くなったとき、残された人々の生活は非常に厳しくなってしまうでしょう。子供がいる世帯にとっては、その将来にまで影響を及ぼしかねません。こうした人々を支えるため、用意されているのが遺族年金の制度です。子供の年齢に応じて受取額が変わるため、事前に知識を身につけておきましょう。 遺族年金とは? まずは遺族年金の基本について学んでおきましょう。遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた人が亡くなった際に、その人によって生計を維持されていた家族が受け取れる年金のこと。年金加入者が亡くなった際に、その家族が路頭に迷う恐れがないよう、整備されている制度です。 国民年金に加入していた場合に、対象となる可能性があるのは遺族基礎年金です。厚生年金に加入していた場合は、遺族厚生年金の対象となります。どちらを受給する場合も、指定されている条件を満たしている必要があります。 遺族基礎年金を受け取れるかどうかは、「子供の年齢」によって違ってくるでしょう。子供がいない場合、残念ながら対象外です。一方、遺族厚生年金はより幅広い家族が受給できます。子供の有無や子供の年齢にかかわらず受給できる可能性があるため、ぜひチェックしてみてください。遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の受給資格を満たしている場合、両方の年金を受け取れます。生活を安定させるため、役立てましょう。 遺族年金と子供の年齢に関係性は? 遺族年金と子供の年齢に関係性は? 遺族年金の受給には、子供の年齢が深く関わっています。遺族基礎年金と遺族厚生年金、それぞれの関わり方は以下を参考にしてみてください。 ★遺族基礎年金の場合 遺族基礎年金の受給資格を持つのは、「子供を持つ配偶者」もしくは「子供」のいずれかです。この「子供」には、「18歳になった年度の3月31日までにあたる」という条件があります。一般的には「高校卒業のタイミングまで」と言えるでしょう。 子供が障害年金の障害等級1級または2級に認定されている場合、年齢条件は「20歳」へと変更されます。通常の場合と比較して、2年間長く遺族基礎年金を受給可能です。 遺族基礎年金は、子供が年齢条件を満たさなくなった場合に支給が打ち切られます。このため、受給開始時点で子供が何歳であったのかによって、支給総額が変わってくるでしょう。0歳のときに受給対象になれば、その分受給できる期間が長くなります。これは、遺族基礎年金の目的が「18歳未満の子供の養育を支えるため」である点に関連しています。 ちなみに、令和4年4月からの遺族基礎年金の支給額は以下のとおりです。 【子供を持つ配偶者が受取人になる場合】 777,800円+子共の加算額/年 【子供が受取人になる場合】 777,800円+2人目以降の子の加算額/年 1人目および2人目の子供には、1人あたり年223,800円が加算されます。3人目以降の子供は、1人あたり年74,600円です。子供が受取人になる場合、上の計算式で求められた金額を子供の数で割った額が、1人あたりの受給金額になります。 ★遺族厚生年金の場合 遺族厚生年金は、亡くなった方に生計を維持されていた方の中で、以下の人々に受給資格が認められています。 第1順位 妻第2順位 子供第3順位 55歳以上の夫第4順位 55歳以上の父母第5順位 孫第6順位 55歳以上の祖父母 受給資格が認められる人のうち、もっとも順位の高い人に支給される仕組みです。 妻に次いで高い順位となる子供ですが、ここにも年齢制限があります。具体的には、遺族基礎年金と同じ「18歳になった年度の3月31日までにあたる」人。障害等級1級または2級の状態にある場合、20歳未満まで認められています。この年齢条件を満たさない場合、順位は次へと移ります。ちなみに、第5順位にあたる孫にも、同じ年齢条件が適用されるため、条件を満たすかどうか慎重に判断してみてください。 もっとも高い順位にある妻ですが、年齢条件を満たす子供がおらず、自身が30歳未満の場合は受給期間が5年間と制限されます。こちらも併せてチェックしてみてください。 遺族厚生年金で受給できる金額は、被保険者が生前に支払った保険料によって異なります。平均標準報酬月額と被保険者期間から求められるため、「毎月の給与が多く、年金加入期間が長い人ほど多くの年金を受け取れる」という仕組みです。 子供が年齢条件を満たさなくなった場合の手続き方法は? 子供が年齢条件を満たさなくなった場合の手続き方法は? 遺族基礎年金も遺族厚生年金も、子供の年齢によって支給状況が違ってきます。子供が18歳を迎えたのち、年度が切り替わったタイミングで遺族年金の支給はストップされるでしょう。 通常、遺族年金の受給権を失ったときには「遺族年金失権届」を提出する必要があります。ただし子供の年齢条件によって受給権を失った場合、この手続きは必要ありません。年金事務所や年金センターで特別な手続きをしなくても、自動で支給はストップするので安心してください。 子供が複数人いる場合、年齢条件を満たさなくなった人は自動的に受給対象から外されます。年齢条件を満たす子供分のみで計算され支給される仕組みです。受給対象の子供がすべていなくなった時点で、遺族年金は受給できなくなります。 子供の年齢が18歳未満でも遺族年金を打ち切られる場合とは? 子供の年齢が18歳未満でも、以下の条件に当てはまる場合、遺族年金の受給資格を失います。年金を打ち切られてしまうので注意してください。 ・亡くなった場合・結婚した場合・直系血族または直系姻族以外の方の養子になった場合 受給権を持つ人が亡くなれば、受給資格は失います。その資格を、別の人が受け継ぐことはできません。18歳未満の子供がいることで遺族基礎年金の受給資格を満たしていた配偶者も、子供が亡くなれば年金は受給できなくなってしまいます。 子供自身が結婚した場合や、養子に出た場合も、遺族年金は打ち切られます。結婚すれば一人前と扱われますし、親の遺族年金で生活を支える必要はなくなります。直系血族または直系姻族以外と養子縁組をした場合も、新たに生活の場が整うため、受給資格を失うでしょう。 遺族年金と子供の年齢の関係性を理解して手続きを 幼い子供を残して一家の大黒柱が亡くなれば、「今後の生活をどうするべきか…」と悩む方も多いでしょう。こんなときには、遺族基礎年金や遺族厚生年金が残された家族の生活を支えてくれます。実際に遺族年金を受給できるかどうかは、子供の年齢によって違ってきます。18歳未満かどうかが鍵となりますから、ぜひチェックしてみてください。子供の年齢条件も理解した上で、手続きや事前準備を進めてみてください。

  • 死亡保険の種類とは?遺産相続を見据えた場合の注意点

    死亡保険の種類とは?遺産相続を見据えた場合の注意点

    死亡保険には、さまざまな種類があります。それぞれの違いや特徴を知った上で、自分に合ったタイプを選択しましょう。死亡保険に関する基礎知識と、遺産相続を見据えた場合に、考えておきたい注意点について解説します。ぜひチェックしてみてください。 死亡保険の種類とは? 死亡保険の種類とは? 死亡保険とは、被保険者に万が一のことがあった際に、残された家族や身近な人にお金を残せる保険を指します。被保険者が死亡した場合はもちろん、高度障害を抱えてしまった場合も対象になる保険が多く見られます。つまり、「自分が働けなくなったときでも、残された家族が生活に困らないように」との目的で加入するタイプの保険です。 そんな死亡保険には、大きくわけて4つの種類が存在しています。それぞれの特徴は以下のとおりです。 ★1.定期保険 定期保険は、あらかじめ定められた一定期間内のみ、保障を受けられる死亡保険です。たとえば「10年」で定期型の死亡保険に加入した場合、保障を受けられるのはその期間のみ。その期間を1日でも過ぎれば、死亡保険金を受け取ることはできません。満期を迎えたからといって何らかの返戻金を受け取れるわけでもないため、「期間内に死亡しなかった場合、掛け捨てになる」というのが非常に大きな特徴です。 定期保険の魅力は、手ごろな掛け金で手厚い保障を用意できるという点です。その効果に期限はあるものの、「子どもの在学期間が終わるまで」「自身が定年退職するまで」と、ライフステージに合った保障を用意しやすい点もメリットと言えるでしょう。掛け金の負担が少ないため、その他のタイプと組み合わせて、充実した保障が必要な期間のみ賢く活用するケースも多く見られます。 ★2.終身保険 終身保険は、被保険者が亡くなるまで、保障期間が継続するタイプを指します。人はいつか亡くなるもの。そうした意味では「保険を解約しない限り、いずれ確実に死亡保険金を受け取れる保険」と言えるでしょう。途中で解約すれば、返戻金も受け取れます。 定期保険よりも月々の掛け金負担は重くなりますが、掛け捨てにならない点が非常に大きなメリットと言えるでしょう。自身が死亡したときのための保険ではありますが、老後の生活を送る中で、保険を解約し返戻金を生活資金に充てるケースも目立ちます。「解約してもお金が戻る」という特性上、貯蓄性が高く、使い勝手の良い保険タイプです。「掛け金を支払うなら、無駄にしたくはない」と思う方に向いているでしょう。 ★3.養老保険 養老保険は、定期保険と終身保険の良いところを組み合わせたような保険です。保障期間はあらかじめ定められているものの、その期間を終えたからといって、掛け捨てになるわけではありません。期間内に死亡した場合は死亡保険金が、生存したまま期間を終えた場合は満期保険金を受け取れます。 養老保険なら、「子どもの在学期間中に充実した保障を用意し、自身の老後資金を確保する」といった行動も可能です。将来を見越して、計画的な資金形成ができるでしょう。 ★4.収入保障保険 収入保障保険は、被保険者に万が一のことがあった場合に、その収入を保障できるタイプの保険です。一家の大黒柱が亡くなった際に、月々の収入が減り、困る方は多いでしょう。その足りないお金を、年金形式で少しずつ受け取れるのが収入保障保険です。 収入保障保険は、亡くなるタイミングによって受け取る保険金額が違ってきます。まだ若いうちに被保険者が死亡すれば、残された家族が年金を受け取る期間は長くなります。必然的に、支給される保険金総額も大きくなるでしょう。保険期間が終わりに近づいて亡くなった場合は、受け取れる保険金額はごくわずかに。何事もなく保険期間を終えた場合、掛け捨てとなります。 必要な時期に必要な保障を、手ごろな掛け金で用意できるのが収入保障保険の魅力です。子どもが幼い家庭や、保険にかけるお金をできるだけ少ない方、残された家族の生活を守りたい方におすすめのタイプです。一方で、貯蓄性がない点がデメリットと言えるでしょう。 遺産相続対策に有効な種類とは? 死亡保険への加入は、相続対策にも有効です。なぜなら、死亡保険金には専用の非課税枠が用意されているから。「法定相続人の人数×500万円」までの金額であれば、相続税の負担なしで受け取れます。また受取人を事前に指定できるため、「特定の相続人にできるだけ多くの遺産を相続させたい」といった希望を叶えるためにも利用できます。 相続対策として死亡保険に加入するなら、終身保険を選択しましょう。一定期間が経過すると解約される定期保険や養老保険では、亡くなる時期によって、相続対策にならない可能性があります。確実に保険金を受け取れる終身保険なら、余計なリスクを減らせるでしょう。 終身型の死亡保険には「掛け金が高い」というデメリットがあるものの、相続財産を減らす目的で加入するなら、それほど気にならないはずです。いざというときの保障を用意しつつ、相続対策として活用してみてください。 遺産相続を考える上での注意点とは? 相続対策として死亡保険に加入する場合、注意しなければならないのが契約者と被保険者、受取人の関係性についてです。契約者とは保険契約を結ぶ人、被保険者とは保険契約の対象者のこと、そして受取人とは万が一の際に保険金を受け取る人を指します。誰がどの立場になるのかによって、保険金を受け取った際の税金の扱いが違ってくるのです。 相続対策として保険を活用するなら、契約者と被保険者を同一にして、受取人は相続人から選びましょう。この場合、保険契約によって支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として扱われます。受取人が相続人であれば、前述の非課税枠を利用できます。 たとえば、「夫」を被保険者とする死亡保険の契約者と受取人が「妻」の場合、受け取る保険金は所得税及び住民税の対象になります。同じく「夫」を被保険者とする死亡保険でも、契約者が「妻」、そして受取人が「子ども」の場合、贈与税の対象に。それぞれのパターンで、負担する税金額が大きく異なる可能性があります。 相続対策として死亡保険への加入を検討するなら、どのように契約するのがもっとも有利なのか、事前に専門家に相談してみるのもおすすめです。相続税の専門家である税理士に相談すれば、適切なアドバイスをもらえるのではないでしょうか。 死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう 死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう 相続対策としても有効な死亡保険。実はさまざまな種類があり、相続対策に向いていないタイプも存在しています。それぞれの特徴や加入時の注意点を知った上で、ぜひ適切に活用してみてください。

  • 死亡保険を子供に残す!子供の年齢や注意点とは?

    死亡保険を子供に残す!子供の年齢や注意点とは?

    自分に万が一のことがあったとしても、死亡保険に加入していれば安心です。残された家族に保険金が渡れば、経済的な不安を軽減できるでしょう。死亡保険加入時には、「子供を受取人にしたい」と考える方もいるのではないでしょうか?子供の年齢や知っておきたい注意点などを解説します。 死亡保険の受取人に指定できる人とは? 死亡保険の受取人は、事前に指定しておくのがおすすめです。受取人が指定されていない場合、自らの思いとはまったく別の人が保険金を受け取ってしまう可能性も。トラブルを防ぐためにも、誰を受取人にするべきか慎重に検討しておくべきでしょう。 とはいえ死亡保険の受取人は、「誰でも指定できる」というわけではありません。一般的には、「配偶者と2親等以内の親族」と定められています。2親等以内の親族に含まれるのは、具体的に以下のような人々です。 ・被保険者の子供・被保険者の両親・被保険者の祖父母・被保険者の孫・被保険者の兄弟姉妹 これらの条件に当てはまらない場合でも、保険会社の規定で死亡保険の受取人に指定できる可能性があります。被保険者との関係性を証明するためにどのような書類を用意すれば良いのか、保険会社に問い合わせて準備しましょう。 子供の年齢と受取人指定 子供の年齢と受取人指定 先ほどもお伝えしたとおり、死亡保険の受取人に子供を指定することに、特に問題はありません。すでに配偶者が亡くなっている場合や、離婚で自身が親権を獲得している場合には、子供を受取人に指定するよう検討してみてください。自分が亡くなったあとでも、子供の生活を支えてくれるでしょう。 死亡保険の受取人指定に、年齢制限はありません。たとえ子供が0歳でも、問題なく指定できるでしょう。受取人指定時に、子供の同意も必要ありませんから、親の判断で手続きできます。 ただし、保険金受取時に子供が未成年の場合、親権者や未成年後見人による手続きが必要になります。あくまでも代理での手続きとなり、親権者や後見人には、その事実を証明するための各種書類の提出が求められるでしょう。 未成年後見人による代理手続きを選択する場合、まずは未成年後見人を選定しなければいけません。遺言によって事前に指定しておく方法もありますが、誰を指定するべきか、悩む方も多いでしょう。後見人を指定していなかった場合、家庭裁判所で選任してもらう必要があります。 家庭裁判所では、さまざまな事情を考慮しながら未成年後見人を選任してくれます。自分自身で選定する必要がない一方で、手続きには時間がかかるでしょう。死亡保険金を受け取れるまでに、やや時間がかかる点も頭に入れておいてください。 死亡保険金を子供に残す場合の注意点とは? 死亡保険金を未成年の子供に残す場合、注意しなければならないのが「子供自身がお金を管理するのは難しい」という点です。ある程度まとまった金額が支払われる死亡保険金。子供の将来のためのお金ですが、適切に管理できなければ意味がありません。 未成年の子供が死亡保険金として大金を受け取った場合、実質的な管理者は親権者や未成年後見人となるでしょう。子供が成長し、自分自身で判断できるようになるまで、適切に管理するよう求められます。しかし実際には、実質的な管理者がお金を使い込んでしまうケースもあります。「子供の将来のために」と残したはずの死亡保険金でも、実質的な管理者の手によって、好きに使われてしまうリスクがあるのです。 子供の未成年後見人は立候補も可能で、家庭裁判所によってもっともふさわしいと思われる人が選任されます。家庭裁判所の判断にゆだねられるため、子供自身が指定できるわけではありません。誰が未成年後見人に指定されるのか、また自分の死後、子供のお金を適切に管理してもらえるのか不安な方は、事前に未成年後見人を指定しておきましょう。 子供が受け取る死亡保険金を適切に管理してくれる、信頼できる人を指定してください。 保険金の受取人指定は途中で変更可能 未成年の子供を死亡保険金の受取人に指定することは可能です。しかし、子供が未成年のうちに保険金を受け取ることになれば、さまざまなトラブルが発生してしまう可能性もあるでしょう。こうしたトラブルを避けるため、検討したいのが「受取人の途中変更」についてです。 「万が一のとき、子供のためにお金を残したい」と思っても、未成年の子供が自分で判断しお金を使えるわけではありません。子供が未成年のうちは、自身の親や兄弟姉妹を受取人に指定しておくのもおすすめです。子供が成人を迎えて、自分自身で管理できるようになったら、あらためて受取人を子供の名前に変更しましょう。 親や兄弟姉妹を死亡保険金の受取人に指定する場合、その目的を事前に伝えておきましょう。また、子供が成人を迎えた段階で受取人を変更する旨も、理解してもらうことが大切です。周囲とのコミュニケーションを大切にしつつ、子供を守る体制を築き上げてください。 死亡保険金の受取人は相続対策にもつながる 配偶者がいる場合、成人した子供を生命保険の受取人にすることは、相続対策としても効果的です。配偶者を受取人にした場合、一次相続での税金負担は軽減されるでしょう。一方で、遺産を受け取った配偶者が亡くなって発生する二次相続では、子供の相続税負担が重くなってしまいがちです。 一次相続の段階で、子供が死亡保険金を受け取っていれば、二次相続の対象となる財産はその分少なくなるでしょう。死亡保険金を法定相続人が受け取る場合、非課税枠が用意されています。上手に活用すれば、相続税の負担を軽減できる可能性があります。 子供の年齢が幼いときには、「子供自身の将来のために」という目的で、受取人を子供にする方が多いでしょう。子供の年齢が上がり、自分自身の終活を考える段階になったら、相続税対策としての受取人指定について検討してみてください。子供を指定して財産を残し、家族の負担を軽減しましょう。 死亡保険金の受取人は子供の年齢にも考慮して指定しよう 死亡保険金の受取人は子供の年齢にも考慮して指定しよう 死亡保険に加入する際、誰を受取人に指定するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。受取人に年齢制限はありませんので、子供を指定することも可能。一方で、未成年者が保険金を受け取る際には注意点もあります。子供にお金を残すため、事前準備をしっかりとしておきましょう。未成年後見人の指定や法的に有効な遺言書の準備など、やるべき行動は決して少なくありません。今回紹介した情報も踏まえて、より安心できる体制を整えるため、誰を受取人に指定するべきかあらためて検討してみてください。

  • 生命保険の受取人がいない!相続の注意点やトラブル回避方法を解説

    生命保険の受取人がいない!相続の注意点やトラブル回避方法を解説

    いざというときのために加入する生命保険。受取人に指定された人は、被保険者が亡くなった際に保険金を受け取れます。相続対策としても人気の生命保険ですが、さまざまな事情から「受取人がいない」という事態になってしまうケースもあるでしょう。このような場合の対処法や注意点を解説します。 生命保険は受取人を指定しなくても加入できる 生命保険に加入する際には、受取人を指定するケースが一般的です。受取人に指定できるのは、以下のような立場の親族です。 ・配偶者・子ども・両親・祖父母・孫・兄弟姉妹 このほかにも、内縁関係にあると認められるパートナーや同性パートナーでも、受取人に指定できる可能性があります。具体的な加入条件については、保険会社に問い合わせてみましょう。 とはいえ、生命保険の受取人は「絶対に指定しなければならない」というわけではありません。トラブル予防のために受取人を指定しておくケースが多いものの、受取人を指定しないまま生命保険に加入する方もいます。 この場合、保険会社の規約によって、誰が保険金を受け取るのか決定されます。一般的には、法定相続人に対して保険金を支払うケースが多いようです。 受取人が死亡している場合はどうなる? 生命保険の受取人がいないパターンとして、もう一つ考えられるのが「被保険者よりも受取人の方が先に亡くなってしまった場合」です。受取人が死亡した場合、契約者や被保険者は、事前に受取人の変更手続きをする必要があります。「受取人に指定していたのを忘れていた」「バタバタしていてそんな余裕がなかった」といった事情で変更しないまま放置すると、いざ生命保険金が支払われる際に、「受取人がいない」といった事態に陥ってしまうでしょう。 この場合、保険金を受け取るのは、「受取人の法定相続人」です。生命保険金を受け取る権利は、あくまでも「受取人」のもので、受取人がすでに死亡していた場合でもその権利は相続人へと受け継がれていきます。これは保険法で定められたルールです。法定相続人は、「全員」が対象になります。 たとえば、夫を被保険者とする生命保険で妻が受取人に指定していた場合を考えてみましょう。夫より先に妻が亡くなり、そのまま受取人変更手続きを取らなかった場合、夫の生命保険金を受け取るのは、妻の法定相続人です。夫婦の間に子どもがいれば、子ども全員が受取人に。自分と血縁関係がなくても、妻の子どもであれば生命保険金を受け取る権利を有するのです。 夫婦の間に子どもがいなかった場合、さらに話は複雑になります。子どもの次に法定相続人になるのは、妻の両親です。両親もすでに亡くなっている場合、妻の兄弟姉妹が夫の生命保険金の受取人です。 被保険者である夫の立場としては、「妻が亡くなっているのであれば、自分の親や兄弟姉妹にお金を残したい」と考えるケースもあるでしょう。このような場合でも、自身の希望を叶えるのは難しくなってしまいます。仮に夫の親族が生命保険金を受け取る権利を主張したとしても、認められません。 ただし、受取人が先に死亡している場合の受取人規定には、例外もあります。「保険金は受取人の法定相続人へ」というルールは、保険法で定められたもの。任意規定であるため、生命保険契約によっては別のルールが適用されている可能性も。実際に誰が受取人になるのか、保険会社に確認しつつ手続きを進めていくのがおすすめです。 法定相続人がいない場合の生命保険金は? 法定相続人がいない場合の生命保険金は? 続いては、「被保険者が亡くなった際に、すでに受取人が死亡していて法定相続人もいない」というケースについて考えてみましょう。子どもがいない高齢者で、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合などが当てはまります。この場合、生命保険金は誰が受け取るのでしょうか。 生命保険金はその他の財産とあわせて、裁判所から選定された相続財産管理人が管理します。すべての財産を整理した上で、国庫に帰属。つまり「個人のお金ではなく、国のお金として扱われる」ということになります。 トラブルを避けるための方法は? 生命保険において、受取人に関するトラブルは決して少なくありません。回避するためには、どういったポイントに注意すれば良いのでしょうか。3つの項目を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.生命保険加入時に「約款」を確認する 生命保険金の受取人が誰になるのかは、「約款」を見ればわかります。受取人がいない場合の規定についても、あらかじめ確認しておきましょう。 被保険者よりも受取人の方が先に亡くなっている場合、保険法の規定が適用されるのかどうかは、保険によって異なります。事前に確認した上で契約を結べば、「いざというときに、自分の思いとは異なるところにお金が渡ってしまった…」といった事態も防げるのではないでしょうか。 分厚い約款をすべて確認するのは大変…と思いがちですが、目次に沿って目当ての情報を見つけられます。最近ではウェブ上で約款の内容を確認できる保険会社も増えていますから、しっかりと確認し内容を把握した上で、契約を結ぶようにしてください。 ★2.生命保険加入時に「受取人」について真剣に考える 生命保険は、相続を考える上でもメリットがあります。受取人を事前に指定しておけば、確実にお金を残してあげられるでしょう。相続税の計算においても、非課税枠が用意されています。 こうしたメリットを最大限に活用するためには、保険契約時から受取人についてしっかりと考えておく必要があります。 ・誰を受取人にするのか?・受取人が先に死亡してしまった場合に誰が受け取るのか? これらの点について、考えた上で保険契約を結ぶのがおすすめです。 さまざまな事情から、「保険契約時に受取人を指定できない」というケースもあるでしょう。この場合でも、どういったデメリットが考えられるのか把握しておくだけでも、トラブルが発生する可能性を低くできます。 ★3.受取人が死亡した際に変更手続きを忘れない 生命保険契約を結んだあとは、受取人に関する情報を、適宜確認するのがおすすめです。身近な人が亡くなった際には、その人を受取人に指定している保険契約がないかどうか、確認してみてください。必要に応じて、変更手続きをしておきましょう。 受取人が死亡したとき以外でも、状況が変わるケースはあるでしょう。そのほかの相続財産とともに、定期的にチェックするのがおすすめです。 生命保険の受取人について知識を身につけて対応を 生命保険の受取人について知識を身につけて対応を 少子高齢化の今、さまざまな事情から「生命保険の受取人がいない!」といったトラブルに巻き込まれる方も少なくありません。事前に受取人を指定し、定期的にチェックするだけで、トラブルを回避できる可能性が高まるでしょう。保険契約について不安がある方、またこれから契約する上で受取人を誰にするのか悩んでいる方は、ファイナンシャルプランナーや相続の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

  • 預貯金の相続はどう行うべき?手続きや分割の注意点を知ろう

    預貯金の相続はどう行うべき?手続きや分割の注意点を知ろう

    遺産相続で、比較的わかりやすいと言われているのが預貯金の相続です。とはいえ、いざ相続がスタートすると、何をどう手続きすれば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、預貯金の相続をどのように行えば良いのか、わかりやすく解説します。注意点を踏まえて、滞りなく相続手続きを進めていきましょう。 預貯金の相続とは? 預貯金の相続とは、亡くなった人が保有していた預貯金を、相続人が受け取るための手続きです。預貯金は被相続人が残した遺産の一部として扱われます。手元にあるのが「現金」であればそのままシンプルに分割すれば良いのですが、「預貯金」の場合、口座を保有する金融機関に対して、必要な届出をしたうえで手続きを進めていく必要があるのです。 預貯金の相続について、「本人が亡くなったとはいえ家族なのだから、ATMから引き出してそのまま分割すれば良い」と考える方も多いのではないでしょうか?しかし実際には、金融機関側が本人死亡の事実を把握した段階で、該当口座は凍結されます。ATMでの引き出し手続きはもちろん、窓口に赴いての手続きも不可能になるでしょう。 金融機関側が、相続人に対して事前に凍結のタイミングを通知することはありません。預貯金の相続に関して、「そのまま分けようと思っていたのに、気付いたときにはお金が引き出せなくなっていた!」と困るケースも多く見られます。 本人が亡くなったあとに口座が凍結されるのは、遺産トラブルを防ぐためです。たとえ家族であっても、勝手に遺産を使いこめないように、このような処置が行われます。 【預貯金相続】手続きの流れとは? 【預貯金相続】手続きの流れとは? 預貯金の相続手続きは、以下のように進めてください。 1.遺産分割協議で誰がどのように遺産を相続するのか決定する2.遺産分割協議書を作成する3.金融機関に連絡して、必要書類を受け取る4.提出書類を収集する5.金融機関に提出し、口座の凍結が解除される6.各相続人もしくは相続人代表の口座に入金される 亡くなった人が残した預貯金が「遺産」として扱われる以上、その分配方法が決まるまで、お金は動かせなくなります。相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議を行い、相続方法を決定しましょう。協議結果をまとめた遺産分割協議書は、金融機関に提出するべき書類の一つです。 ただし、亡くなった人が法的に有効な遺言書を残していた場合や、法定相続分に沿って分配する場合には、遺産分割協議書を提出する必要はありません。遺言書がある場合には代わりに提出してください。 預貯金相続のために提出を求められる書類には、以下のようなものがあります。 ・該当口座の通帳とキャッシュカード・所定の手続き用紙・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)・遺言書もしくは遺産分割協議書・相続人の戸籍謄本(全員分)・相続人の印鑑証明書(全員分)・身分証明書(手続きする人) 該当する口座によっては、通帳が発行されていないケースもあります。金融口座名や該当する口座の種類を確かめたうえで、通帳やキャッシュカードを集めましょう。見当たらない場合、金融機関に問い合わせてみてください。 預貯金を相続するためには、基本的に相続人全員分の戸籍謄本や印鑑証明書が必要になります。相続人が多い場合や遠方に住んでいる人がいる場合、できるだけ速やかかつ計画的に手続きを進めていきましょう。 預貯金相続で知っておきたい注意点 土地や家を相続する場合と比較して、預貯金の相続は簡単だと言われています。金額がはっきりしている分、相続人同士でトラブルになる可能性も低いでしょう。とはいえ、相続手続きである以上、油断は禁物です。4つの注意点を解説するので、ぜひ頭に入れておいてください。 ★1.相続完了までには時間がかかる 被相続人が亡くなってから相続手続きが完了するまでには、一定の時間がかかります。遺産として一定額の預貯金が残されていても、実際に手元に届くまでにはある程度時間が必要であるという事実を、知っておきましょう。 人が亡くなったあとには、さまざまな手続きを行うことに。金銭面でのやりとりが生じるケースも少なくありません。葬儀代や病院代、各種清算料金など、決して安くはない金額を請求される場面もあるはずです。亡くなった人の口座のお金を当てにしていると、「必要な場面で引き出せなかった!」といったトラブルにもつながりかねません。 必要なお金がわかっている場合には、口座が凍結される前に引き出しておくのも一つの方法です。この場合、誰がどのような目的でいくら引き出したのか、明確にしておきましょう。受け取った領収書は、確実に保管しておいてください。 すでに口座が凍結されているものの、すぐにお金が必要になった場合は、相続預金の仮払い制度を利用しましょう。遺産分割協議を終える前でも、一定の金額までであれば引き出しに応じてもらえます。 ★2.口座が凍結されると入出金のすべてが不可能になる 口座を保有している人が亡くなり、口座が凍結された場合、該当する口座への入出金はすべてストップ。お金を引き出せないのはもちろん、入金もできません。また、該当口座から引き落としされていたお金も、支払われなくなってしまいます。 該当する口座から電気やガス、水道、携帯電話の料金が引き落とされていた場合、料金未納になってしまいます。トラブルにならないよう、できるだけ早く必要な手続きを済ませてください。 ★3.相続手続きを忘れると休眠口座扱いになる 預貯金の相続手続きを行わなかった場合、被相続人名義の口座は、そのまま放置されることに。取引がないまま一定期間経過すると、休眠口座として扱われる可能性があります。金融機関から連絡しても応答がない場合や、そもそも連絡が不可能な場合、口座に残ったお金は民間公益活動のために使われることに。相続人の手元に入らなくなってしまいます。 預金口座を多数持っていた場合、手続きミスが生じる可能性も高くなるでしょう。ひとつひとつ、確実に手続きを進めていくことが大切です。 ★4.手続きには手間がかかる 預貯金の相続手続きには、時間も手間もかかります。必要書類を揃え、金融機関に提出するためには、平日昼間に動く必要があるでしょう。用意した書類に不備があれば、手続きを進められなくなってしまいます。 金融機関の窓口が混雑していれば、長い待ち時間が発生するでしょう。手続きするために、事前予約が必要な金融機関もあります。こうした手間を面倒に思う場合や、不可能な場合には、司法書士や弁護士といった専門家にサポートしてもらうのがおすすめです。 預貯金の相続をスムーズに進めよう 預貯金の相続をスムーズに進めよう 預貯金の相続には、さまざまな注意点があります。本人が死亡したあと、どのような事態が発生するのか、またどういった手続きが必要になるのか、事前に把握しておくと安心です。相続手続きをスムーズに進めていくためのヒントとして、今回紹介した内容を参考にしてみてください。

  • 終活を初めるタイミングとは?やるべきこと・相談先・方法をわかりやすく解説

    終活を初めるタイミングとは?やるべきこと・相談先・方法をわかりやすく解説

    子どもにも手がかからなくなってくる40代から50代。あらためて、自身の「将来」について考え始める方も多いのではないでしょうか?より充実した老後を過ごすため、検討したいのが「終活」についてです。終活を初めるタイミングや、実際に何をやるべきなのか、相談先や具体的な方法について解説します。終活が気になり始めたタイミングで、ぜひ参考にしてみてください。 終活を初めるのに最適な時期とは? 終活を初めるのに最適な時期とは? 終活をスタートするタイミングに悩む方は、決して少なくありません。まだ若い時期に、自身の老後を具体的にイメージするのは難しいでしょう。かといって、スタートする時期が遅くなれば、具体的な行動が間に合わなくなってしまう恐れがあります。 これらの点を考慮すると、終活を始めるのにおすすめの時期は、65歳前後です。仕事が一段落し、落ち着いたタイミングを狙ってみてください。退職後は時間に余裕も生まれるでしょう。あらためて、自身の将来について検討してみてはいかがでしょうか。 もう少し早く終活をスタートしたいと思う方には、自身のライフステージに合わせて検討するのがおすすめです。ある程度子どもが育ったあとには、自分自身の老後や配偶者との将来をあらためて検討する方も多いのではないでしょうか。このような年代も、終活をスタートするのにぴったりだと言えます。 早い段階でスタートする終活は、「自身の死後を考える」というよりも、むしろ「自分と配偶者の老後をより快適にする」目的で行われるケースが目立ちます。新たなライフステージをより充実させるためにも、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。 終活でやるべきこととは? 終活について考え始めた際に、「具体的に何をすれば良いのか?」と悩む方は少なくありません。こんなときには、ぜひエンディングノートを活用してみてください。 エンディングノートとは、終活に特化した専用ノートのこと。終活で考えておきたい点、準備しておきたい点がまとめられているため、悩むことなく終活を進めていけます。「まず何を考えれば良いのか?」を明らかにしてくれるため、終活の指針としても役立つでしょう。 エンディングノートには、以下のような情報を記載します。 ・自分について・これまでの人生の略歴や特に心に残っている思い出・自分の好きなものや人・過去にもっとも辛かったことや後悔していること・家族との思い出・終末期医療に対する希望・自身の葬儀に対する希望・遺産の内容や金額・遺書の有無・相続に関する希望・自分が亡くなった際に連絡してほしい人の情報・そのほか、自身が残したい言葉 など エンディングノートには、「○○を書かなければならない」という明確な決まりはありません。自分の思う通りに書けば大丈夫です。 特に終活をスタートして間もない時期には、考えがまとまらないこともあるでしょう。エンディングノートに思うまま書き連ねるうちに、「自分自身の本当の望みと向き合えるようになった」と感じる方も少なくありません。ぜひ活用してみてください。 エンディングノートをまとめてみると、これから先、具体的にどのような手続きをとるべきなのか明確になります。 過去の思い出を振り返ってみれば、自分自身が何を大切にしてきたのかわかるでしょう。後悔している思い出も、自身の考えを知るヒントになります。これから先の人生をどう生きていけば幸せを感じられるのか、把握できるのではないでしょうか。 医療や葬儀について具体的な希望がある場合、それをかなえられる環境を、できるだけ整えておくのがおすすめです。家族に思いを伝えておくのも良いですし、具体的な情報収集をスタートするのも良いでしょう。 終活で重視されるポイントの一つが「遺産」ですが、こちらもエンディングノートをきっかけに、準備を進めていくのがおすすめです。相続人や財産に関する調査は、遺産相続に欠かせないもの。しかし財産を残した本人がいないなか、相続人が調査を進めるのは簡単ではありません。まずは自分自身で情報を洗い出してみましょう。はっきりしないものがあれば、自身の責任のもとで整理しておくのもおすすめです。処分に困りそうなものや、相続時にトラブルになりそうな財産は、自分自身で片付けてみてはいかがでしょうか。 遺産相続は法定相続分に従って分けられるのが一般的ですが、それとは異なる分配方法を希望するケースもあるでしょう。この場合、法的に有効な遺言書を残しておくのが効果的です。どのような手段で、どういった内容の遺言書を残すのか、ぜひ考えてみてください。 このように、終活で行うべき内容の幅は非常に広く、また必要な内容はそれぞれで大きく異なっています。自分の希望をかなえるため、どういった終活をすれば良いのか悩んだら、まずはエンディングノートからスタートしてみてください。書店で購入するのも良いですし、インターネット上の情報サイトからダウンロードして使うのもおすすめです。 終活で迷ったときの相談先は? 終活で迷ったときの相談先は? 終活を始める段階、またはエンディングノートをある程度書き進めた段階で、「第三者の意見を聞きたい」と思う機会もあるでしょう。このような場合には、以下の相談先を頼ってみてください。専門家目線で、アドバイスをしてくれるでしょう。 【市町村役場】 多くの市町村役場では、定期的に終活に関する相談会を開催しています。相談員として専門家を置いているところもあり、無料相談でありながら具体的なアドバイスをもらえるでしょう。エンディングノートの作成方法や配布を行っている自治体もあります。どのような内容の相談会が実施されているのか、まずはお住まいの自治体ホームページ・広報をチェックしてみてください。 【民間の終活サポート企業】 終活ブームの今、終活サポートを専門にした民間企業も増えてきています。そうした企業のセミナーや相談会も、困ったときの相談先として活用できるでしょう。セミナーは内容特化型で開催されるケースも多いもの。「老後の資産」や「葬式とお墓」など、気になるテーマに参加してみてはいかがでしょうか。有資格者による相談窓口を設置している企業も多く、あらゆる悩みに対応してもらえます。 【各種企業や専門家】 終活において、自分が何に悩んでいるのかが明らかな場合、最初からそれ専門の窓口を頼るのがおすすめです。葬儀について悩んでいるなら、葬儀会社に相談しましょう。遺言書なら司法書士や弁護士事務所がおすすめです。老後の資産形成については、銀行が相談に乗ってくれます。スピーディーに対応してもらえるでしょう。 終活は自分のタイミングで始めよう 終活をスタートする時期に、明確な決まりはありません。子育てが一段落し、今後の自分の生き方について見直したいと思ったら、終活を視野に入れて動き出してみてはいかがでしょうか。自分のこれまでを振り返り、これから何をしたいのか考えるきっかけになるでしょう。

  • 一戸建てを遺産相続…やるべきことは?空き家リスクも詳しく解説

    一戸建てを所有している人が亡くなれば、その物件は遺産として扱われます。現金や預金と比較して、面倒ごとも多いと言われる不動産相続。一戸建てを相続する際にやるべきことや、注意するべき点を解説します。将来的な空き家リスクについても、ぜひ確認してみてください。 一戸建ての相続…具体的な流れとは? 一戸建ての相続…具体的な流れとは? 一戸建てを相続する際の、具体的な流れは以下のとおりです。 1.遺言書が残されているか確認する2.遺産分割協議を行う3.遺産分割協議の内容に応じて、不動産の名義変更をする4.必要に応じて相続税を申告・納付する 一戸建ての相続においても、基本的な流れはその他の相続の場合と変わりません。まずは遺言書が残されているかどうかを確認しましょう。残されていればその内容のとおりに、残されていない場合は相続人同士で遺産分割協議を行います。 協議において、相続人全員の同意が得られれば、相続対象である一戸建ては、いかようにも分配できます。相続人のうち1人のみが受け継ぐことも、売却して得たお金を均等に分けることもできるでしょう。あまりメジャーではありませんが、相続対象の不動産を共有名義とするケースもあります。 一戸建ての相続では、土地や建物の価値によって、相続税が発生する事例も少なくありません。利用できる特例がある場合、しっかりとリサーチした上で納税負担を減らすための工夫を取り入れてみてください。 一戸建て相続に潜むリスクとは? 一戸建ての相続は、親族間トラブルが発生しやすいと言われています。「一戸建てのほかにめぼしい財産がない」という場合、特に注意が必要でしょう。現金や預金とは違って、一戸建ては簡単に分割できません。売却して現金化すれば均等に分けられますが、もともとその家に住んでいた人は住居を失ってしまいます。 遺言書で「もともとこの家に住んでいた相続人に自宅を残す」旨を指定した場合、住まいを失う恐れはありません。一方で、その他の相続人から遺留分請求される可能性が。自宅の価値に応じて、相応の現金を用意する必要があるでしょう。遺留分を支払えなければ、結局のところ、相続財産である一戸建てを手放さなくてはならない可能性もあります。 一戸建て相続にまつわるさまざまなトラブルを避けるためには、事前の根回しが必須です。 ・誰が一戸建てを相続するのか?・相続割合はどのように調整するのか?・どうすればその他の相続人が納得できるのか? これらのポイントについて、よく話し合っておきましょう。生前によく話し合い、その結果を遺言書にまとめておけば、スムーズに相続手続きを進めていけるのではないでしょうか。親族間で揉めるリスクも少なくなります。 一戸建て相続は売却も視野に入れて行動を 少子高齢化が進む今、「親が住んでいた一戸建てを相続したものの、住む人がいない」というケースも少なくありません。誰も住まない一戸建てを相続し、保有し続けるのは簡単ではありません。毎年固定資産税が発生しますし、物件を適切に維持・管理する手間も発生します。賃貸に回して不動産収入を得る場合も、さまざまな準備が必要になるでしょう。 相続しても負担になる可能性が高い一戸建てについては、早めに売却を検討するのもおすすめです。できるだけ早く売却した方が、税金負担は少なくなります。 相続対象である一戸建てを売却する場合、まずは名義変更を行わなければいけません。不動産名義が亡くなった人のままでは、売却手続きができません。以下の2つの方法から名義変更の方法を選び、その後の手続きを進めていきましょう。 ・相続人の共有名義とする・相続人の1人が代表で名義人になる 共有名義とする場合、売却手続きを進めていく上で、名義人全員分の同意が必要です。「相続人全員が同等の責任を負う」という意味では平等ですが、売却活動に関わる人の数が増える分、スピーディーに進めていくのは難しいかもしれません。 手続きの手間を最小限にしたいなら、相続人の一人を代表にして名義変更を済ませてしまいましょう。実際に売却のための手続きをするのは、その代表者となります。売却費用は代表者のもとに入り、そこから各相続人へと分配されます。代表者の負担は重くなりますが、全員の意見が揃うまで待つ必要はありません。 2つ目の方法を選択する場合、売却益を分配する際に「贈与」とみなされないよう注意が必要です。遺産分割協議書には、一戸建ての売却から売却益の分配方法までを記し、「相続」である点をはっきりさせておきましょう。トラブルを避けるため、専門家に相談しつつ手続きを進めていくのもおすすめです。 遺産である一戸建てを空き家として放置するリスクとは? 親の家を相続した場合、「現在は誰も住んでいないが、思い出が詰まった家を処分するのは忍びない…」と感じる方も多いのではないでしょうか。売却を決断できないまま、空き家として放置してしまうケースも少なくありません。しかし一戸建てを空き家として放置した場合、以下のようなリスクが発生します。 ・劣化の進行・近隣への悪影響・税金の負担増 空き家となった一戸建ては、急激に劣化。手入れが不十分になり、家の土台からボロボロになってしまうケースも少なくありません。 建物や庭の管理が不十分になると、建物の倒壊や雑草によって、近隣住民の迷惑になってしまう可能性も。ゴミが溜まったり、犯罪に巻き込まれてしまったりするリスクもあります。 なんとなく手放せないまま放置した一戸建てが「特定空き家」に指定された場合、固定資産税や都市計画税の軽減措置が適用されません。特定空き家とは、倒壊リスクが高く、近隣住民に迷惑をかける恐れがあると判断された空き家のこと。軽減措置が不適用になれば、土地や建物にかかる税金は増加します。課税額は最大で、6倍近くにまで膨らんでしまう可能性があるでしょう。 空き家として長期間放置された物件は、売却するのも簡単ではありません。一戸建てを解体して売却しようと思えば、余計な費用は発生します。また。また「長年空き家が放置されていた土地」として、イメージが低下している恐れもあるでしょう。 一戸建てを遺産相続…やるべき行動をはっきりさせてとるべき行動を 一戸建てを遺産相続…やるべき行動をはっきりさせてとるべき行動を 一戸建てを遺産として相続する・させる方は決して少なくありません。とはいえ、ただなんとなく話を進めていくと、余計なトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。相続人の誰かに相続させる場合も売却を検討する場合も、「自分たち家族はどうしたいのか?」を念頭に置いて行動することが大切です。被相続人にとっても相続人にとっても後悔のない相続にするため、事前準備はしっかりと整えておきましょう。

  • 遺産整理に便利なサービスとは?利用の際の注意点も紹介

    さまざまな手間と多くの時間が必要となる相続手続き。きちんとやるべきとわかってはいても、「現実的に余裕がない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。こんなときに頼りにできるのが、遺産整理に関する各種サービスです。遺産整理サービスの内容や利用時の注意点など、ぜひ参考にしてみてください。 遺産整理サービスとは? 遺産整理サービスとは? 遺産整理とは、相続の対象となる財産を明らかにし、必要な手続きを行うことを言います。ひと言で「遺産」と言っても、その内容はさまざまです。現金もあれば不動産もあるでしょう。プラスの資産だけではなく、マイナスの資産が相続財産に含まれる可能性もあります。 相続スタート時点で、どのような財産がどの程度残されているのか、正確に把握できているケースは少ないでしょう。まずは必要な情報を収集し、それぞれの財産について適切な手続きを終えることが重要です。残された遺産が多く、複雑であれば、必要な手間や時間は膨大なものになってしまうでしょう。相続人の負担を軽減する目的で提供されているのが、遺産整理サービスなのです。 遺産整理は、以下のような流れで進められます。 1.遺言書が残されているかどうか確認する2.相続人の範囲を確定する3.相続財産の詳細を調べる4.遺産分割協議で相続の内容を決定する(※遺言書がない場合)5.具体的な相続手続きを行う(各種名義変更や遺産分配など)6.必要に応じて相続税を申告・納付する 遺産整理は、相続人だけで進めることも可能です。自分たちではどうにもならないポイントだけを、それぞれの専門家にサポートしてもらうのも良いでしょう。たとえば、相続の内容を巡って相続人同士で揉めごとに発展した場合、弁護士がサポートしてくれます。不動産の名義変更なら司法書士、相続税申告なら税理士が助けになってくれるはずです。 遺産整理サービスを利用した場合、これらの手続きを一括してお任せできます。相続に必要な手続きを一から丁寧にサポートしてもらえますし、必要に応じて各種士業との連携も可能。遺産整理の専門家が各種手続きを代行してくれるため、相続手続きにかかる時間や手間も軽減できるでしょう。 遺産整理サービスを提供しているのは? 遺産整理サービスは、相続手続き代行サービスとも呼ばれています。具体的には、以下のような企業や事務所がサービス提供を行っています。 ・司法書士事務所・行政書士事務所・弁護士事務所・信託銀行 遺産整理サービスは、提供元によってサービス名が異なります。気になるサービスを見つけたら、具体的に何をどこまで依頼できるのか確認するようにしてください。費用体系についても、契約前にチェックしておくと安心です。 実際に担当者と会って話を進めていくサービスもあれば、ほとんどすべての手続きをウェブ上の手続きと郵送で終えられるサービスもあります。どちらにもメリット・デメリットがありますから、自分に合ったタイプを選んでください。 遺産整理サービスを利用した方が良い人とは? 遺産相続がスタートした段階で、「遺産整理サービスを利用した方が良いのか?」と悩む方も少なくありません。サービスの利用を積極的に検討した方が良いのは、以下の条件に当てはまる方々です。 ・そもそも何からスタートすれば良いのかわからない・できるだけ手間をかけずに手続きを終えたい・相続財産や相続人の関係性が複雑である・相続人同士の関係性が良くない・平日の昼間に動くのが難しい 遺産相続には、さまざまな手続きが関係してきます。自分にとって何がベストなのか、そのために何からスタートすれば良いのかわからないときには、自己流で動くよりもプロの意見に耳を傾けるのがおすすめです。遺産整理全般をサポートしてくれるサービスであれば、「そもそも何を相談すれば良いのかわからない」という状態からでも、適切にサポートしてくれるでしょう。 また相続手続きに必要な書類を収集したり、提出したりするためには、平日の昼間に動かなければならない場面も少なくありません。仕事や介護、子育てなどで時間に余裕がない場合も、ぜひサービスの利用を検討してみてください。面倒な作業をお任せできます。 遺産整理サービスを利用する際の注意点3つ 忙しい方や、手間なく確実に相続手続きを終えたい方に人気の遺産整理サービス。実際に利用を検討する際に、注意したいのは以下の3点です。ぜひ確認してみてください。 ★1.提供元によって得意・不得意がある 遺産整理サービスとは、遺産相続手続きをトータルで代行してくれるサービスのこと。しかし提供されるサービス内容は、どこも同じというわけではありません。提供元によって、得意な分野・不得意な分野は異なるのです。 たとえば、銀行が提供する遺産整理サービスを利用した場合、預金や信託財産に関する手続きはスムーズに対応してもらえるでしょう。一方で、司法書士や行政書士が対応する分野については、「いったん銀行で受け付けた上で、提携先の士業に連絡する」といった対応が一般的。結果が出るまでにやや時間がかかり、オプション費用が発生する可能性もあるでしょう。 遺産整理サービスを利用する際には、何を重視したいのかをぜひ意識してみてください。重視したい分野を得意とする遺産整理サービスを見つけられれば、満足度も高くなります。 ★2.料金体系の確認は必須 遺産整理サービスの料金体系は、提供元によって大きく異なります。すべての手続きをパッケージ化して料金を設定しているところもあれば、一部オプション料金で対応しているところも。自分たちに必要なサービスだけを選び、その分だけ料金が加算されるようなケースもあります。自分が希望するサービスを受けるためには、具体的にどれぐらいの費用がかかるのか、契約前に明らかにしておきましょう。 銀行の中には、一定条件を満たしていれば優遇料金で対応してくれるところもあります。こうしたサービスにもぜひ注目してみてください。 ★3.無料相談で相性を見極めよう 遺産整理サービスを利用する際には、担当者との相性も確認しておくと安心です。亡くなった人の大切な遺産の整理をお任せするわけですから、気持ちよく手続きを終えたいもの。そのためには、円滑なコミュニケーションが必須です。 サービス利用前には、無料相談を活用してみてください。具体的に何をどこまでお願いできるのか確認するとともに、担当者との相性や対応力についても、チェックしておくと安心です。 遺産整理サービスを知り利用を検討してみよう 遺産整理サービスを知り利用を検討してみよう 40代から50代を迎えると、自分自身が相続人の立場になる方も増えてくるでしょう。まだまだ忙しい現役時代。すべてを自分で行うのが難しい場合、遺産整理サービスの利用も検討してみてください。

  • 遺言書の相談先は?税理士を選ぶメリット・デメリット

    自分の思いに沿った遺言書を正しい形で残したいと思った際に、「自分一人で作業するのは不安がある…」と感じる方は多いのではないでしょうか。遺言書をめぐって余計なトラブルを発生させないためには、作成段階で専門家の意見を聞くのがおすすめです。遺言に関する相談先はさまざまですが、今回はその中でも、税理士を選んだ場合について解説します。税理士の仕事やメリット・デメリットに注目してみてください。 遺言書の作成…税理士の仕事内容は? 遺言書の作成…税理士の仕事内容は? 税理士と言えば、企業や個人の納税に関する手続きをサポートする存在として、認識している方も多いのではないでしょうか。その業務内容から、遺言書作成が結び付かない…と感じるかもしれませんが、「遺言」と「税金」の間には密接な関わりがあります。 遺言書で相続人や相続内容を指定する場合、無視できないのが税金についてです。相続に関連する税金と言えば「相続税」を思い浮かべがちですが、実際には「贈与税」が関連してくる可能性も。税金の負担をできるだけ少なくできる遺言書を残したいと思った際に、サポートしてくれるのが税理士なのです。 税理士に遺言書作成を依頼した場合、具体的には以下のような業務を行ってくれます。 ・財産評価・遺言書案に関する打ち合わせとアドバイス・公証人との間のやりとり・公正証書遺言書作成時の証人立ち会い 遺言書作成時の、さまざまな負担を軽減できるでしょう。難しい内容を考える必要はありませんし、必要な手続きや流れについて悩む恐れもありません。 税理士に依頼する場合のメリットは? 遺言書作成を税理士に依頼する場合のメリットは以下のとおりです。 ・相続税に配慮した相続内容を検討できる・相続税の負担を想定した準備ができる・二次相続についても考慮できる 遺産相続で発生する相続税には、さまざまなルール・特例が存在しています。事前にそれらを知った上で、配慮した内容の遺言書を残せれば、残された相続人の負担は軽減できるでしょう。相続税負担を少なくできれば、手元に残るお金も増えるはずです。相続税の負担がそれほど減らなかった場合でも、だいたいどれぐらいの税金額となるのか試算できれば、事前準備も可能になります。相続税を納税できるような配慮も、遺言書の内容に含められるでしょう。 またもう一点忘れてはいけないのが、二次相続に関するポイントです。一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなった際に発生するのが、二次相続です。配偶者には、その生活を支える目的で充実した控除や非課税枠が用意されています。二次相続になると、すでに配偶者が亡くなっているため、子どもや親、兄弟姉妹といった相続人がすべての財産を受け継ぐことになるでしょう。配偶者向けの控除や非課税枠は活用できず、また相続人が減ることで、基礎控除額も減ってしまうのです。 一次相続では相続税の負担をゼロにできたとしても、二次相続では相続税の負担が重くなる可能性も。こうした事態を避けるためには、一次相続の段階から、計画的に財産を受け継ぐ必要があるでしょう。 二次相続対策をするためには、各種税金に関する知識が必須です。税理士に相談すれば、一次相続の遺言書作成段階から二次相続を視野に入れた対策を講じられます。 税理士に依頼した場合のデメリットとは? 一方で、税理士に依頼した場場合のデメリットは以下のとおりです。 ・専門家費用が発生する・税理士事務所探しで苦労する 自筆証書遺言を選択し、自分自身で遺言書を記せば、ほとんど費用はかかりません。税理士に依頼してサポートしてもらった場合、専門家費用が発生します。公正証書遺言を選択すれば、公証役場に支払うお金も必要になるでしょう。「手軽に遺言書を残したい」と思う方にとって、大きなデメリットと言えます。 また遺言書作成を専門的に行う税理士事務所は、決して多くはありません。自分の思いを叶えられる遺言書を残すためには、遺言や相続について、適切な知識・経験を有する専門家を探すのが必須。弁護士や司法書士と比較して、「遺言書作成経験が豊富な税理士」を見つけ出すのは非常に難しいでしょう。 税理士事務所ならどこでも良いと考えるのではなく、知識・経験をもとに親身に対応してくれる税理士を探してみてください。 相続税や遺言書作成に強い税理士事務所の探し方 相続税や遺言書作成に強い税理士事務所の探し方 相続税や遺言書作成サポートを得意とする税理士事務所は、決して多くはありません。自分をサポートしてくれる税理士をどう探せばよいのか悩んだ場合、インターネットを活用してみてください。 税理士事務所の中には、事務所のホームページで情報を発信しているところも少なくありません。どのような業務を得意とし、力を入れているのか情報収集してみましょう。相続や遺言に関する業務内容が含まれているかどうか、まずはチェックしてみてください。またたとえ含まれていても、情報を鵜呑みにするのは危険です。ホームページ上に「遺言書作成」や「相続税対策」といった文言があったとしても、実績があるかどうかはわかりません。具体的な事例やアドバイスが掲載されているかで、その事務所が、どの程度力を入れて対応しているのか把握できるでしょう。 また、まずは一度、相談に訪れてみるのもおすすめです。税理士への初回相談では、「何を相談すれば良いのかさえわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。遺言書作成をサポートしてほしい内容を伝え、どのようなメリットが期待できるのか、確認してみてください。具体的な方針を伝えてもらえば、安心してお任せできるのではないでしょうか。担当者との相性も事前に確認できるため、おすすめの方法です。 自分の思いに沿った遺言書を作成するためには、自身の感情や状況を理解した上で、適切にアドバイスしてもらえるかどうかが鍵となります。 ・しっかりとコミュニケーションが取れるか?・自身の思いに寄り添ってくれるか? これらの点にも、ぜひ注目してみましょう。 遺言書作成を依頼するなら税理士も視野に入れてみよう 遺言書を作成する際に、専門家がサポートしてくれれば心強いもの。司法書士や弁護士を依頼先に選ぶ方も多いですが、状況によっては税理士事務所を頼ってみるのもおすすめです。特に相続税が発生すると思われる場合や、負担を軽減したい場合には、税理士が力になってくれるでしょう。 司法書士や弁護士に依頼した場合、適切な形で遺言書を残せたとしても、相続税にまったく配慮できていない可能性も。残された家族の負担を最小限にするためにも、遺言書作成段階から税理士事務所を頼ることも、ぜひ検討してみてください。

  • 遺言書情報証明書とは?取得方法や使い方を解説

    「将来のために遺言を残したい」と思ったら、まずは遺言書に関連する基礎知識を身につけましょう。今回は遺言書情報証明書について解説します。具体的な内容や、活用方法・取得方法を紹介。後々のトラブルリスクを避けるためにも、ぜひチェックしてみてください。 自筆証書遺言書保管制度とは? 自筆証書遺言書保管制度とは? 遺言書情報証明書は、「自筆証書遺言書保管制度」に関連する証明書です。令和2年7月よりスタートした新しい制度で、自筆証書遺言書に関するトラブルを予防する目的で設立されました。 遺言形式には、以下の3つが存在しています。 ・自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言 この中で、もっとも手軽に残せるのが自筆証書遺言です。いくつかの条件を満たす必要があるものの、自筆証書遺言は「自分だけの力でいつでも好きな場所で作成できる遺言書形式」です。終活ブームの今、指南書をもとに自力で自筆証書遺言を残そうとする方も多いのではないでしょうか。 しかし自筆証書遺言には、自力作成できるからこそのデメリットも。具体的には、以下のようなポイントが挙げられるでしょう。 ・自宅で保管している最中に紛失してしまう・自宅で保管中に内容を改ざんされてしまう・自身が亡くなったあとに、遺言書を発見してもらえない・最初から最後まで専門家の目に触れないことで、法的な要件を満たせていない どれも遺言書の役割を果たさない、非常に重大なトラブルだと言えます。 自筆証書遺言書保管制度は、自力で作成した遺言書を法務局で保管。これらのトラブルを予防できます。自宅ではない場所で保管すれば、改ざん・紛失リスクはありません。遺言内容に不満を持つ親族の手で、勝手に処分されてしまうような恐れもないでしょう。 また保管時には、専門家による外形的なチェックを受けられます。遺言内容に関するアドバイスは受けられないものの、作成した自筆証書遺言書が法的に有効な形で整えられているかどうか、確認してもらえます。自筆証書遺言を残すのであれば、ぜひ積極的に利用したい制度と言えるでしょう。 遺言書情報証明書とは? 遺言書情報証明書とは、自筆証書遺言書保管制度によって保管された遺言書の情報を、証明するための書類です。遺言を残した人が亡くなったあと、相続人がその内容を確認するために請求します。 遺言書情報証明書に記されるのは、以下のような情報です。 ・遺言者の氏名・出生年月日・住所よび本籍・遺言書の作成年月日・保管開始日・遺言書が保管されている保管所の名称・遺言書の保管番号・遺言書の画像情報 遺言書情報証明書には、法務局で保管されている遺言書の内容を画像データとして記載されています。証明書を取得すれば、亡くなった人がどのような内容の遺言を残していたのか確認できるでしょう。 遺言書情報証明書は、各種相続手続きを進めるために使います。遺言書と言えば「原本を持って手続きを進める」と思いがちですが、自筆証書遺言書保管制度を活用した場合は異なります。保管制度を利用した場合、遺言書の原本が相続人の手元に返却されることはありません。よって、その後のすべての手続きを遺言書情報証明書で進めていくのです。その効力は遺言書原本と変わりないため、安心してください。 保管制度を活用した場合、自筆証書遺言書であっても、裁判所による検認手続きは必要ありません。相続スタート後に遺言書情報証明書を取得すれば、そのままスムーズに相続手続きを進めていけます。 遺言書情報証明書の取得方法は? 遺言書情報証明書の取得方法は? 遺言書情報証明書は、取得したい人からの申し出によって交付されます。取得を希望できるのは、以下の条件に当てはまる方々です。 ・相続人・受遺者・遺言執行者・相続人や受遺者の親権者や成年後見等の法定代理人 遺言者情報証明書は、誰にでも自由に公開されるわけではありません。あくまでも、遺言書の内容に関わる人のみに取得が認められています。取得までの具体的な流れは、以下を参考にしてみてください。 1.交付請求場所を選択する2.遺言書情報証明書の交付請求書を作成する3.必要書類を揃える4.交付請求場所にて予約をとり、交付請求を行う5.証明書を受け取る 遺言書情報証明書は、遺言書そのものではなく画像データとして交付されます。このため、実際に遺言書が保管されている保管所以外からでも請求が可能。日本全国どこからでも、自分の都合の良い場所から該当データを取得できます。 交付請求書は、最寄りの法務局窓口のほか、ウェブサイトからのダウンロードも可能です。必要事項を記入し、書類を作成してください。交付請求書とともに必要になるのは、以下のような書類です。 ・遺言者の戸籍謄本(出生から死亡までの連続するもの)・相続人の戸籍謄本(全員分)・相続人の3ヶ月以内に発行された住民票(全員分) このほか、受遺者や遺言執行者が証明書の請求手続きをする場合には、請求する人の住民票が必要です。併せて準備しておきましょう。 遺言書情報証明書の請求手続きは、郵送もしくは直接出向いて行います。遺言書保管所にて手続きする場合、事前予約が必須です。予約がないまま訪れても対応してもらえないため、注意してください。手続きそのものは即日処理されますが、ある程度の時間がかかるもの。できるだけ待ち時間が発生しないよう、事前予約制度が導入されています。予約は専用ホームページもしくは電話、窓口にて行えます。 予約は、請求手続きを行う本人の手で行わなくてはいけません。また予約できる期間は30日先までです。当日予約はできないため、注意してください。 遺言書情報証明書は、相続人それぞれが必要とするケースも多いでしょう。たとえば、共に相続人となっている兄弟姉妹がそれぞれで遺言書情報証明書を必要とする場合、予約はそれぞれでとる必要があります。請求者1人につき1件の予約をするようにしてください。 手続きする際には、請求者の本人確認のため、顔写真付きの官公署から発行された身分証明書が必要です。発行手数料は、証明書1通につき1,400円。こちらも忘れずに準備しておきましょう。 郵送で手続きする場合、必要書類と返信用封筒をセットにして、遺言書保管所に送付すればOKです。発行手数料は収入印紙で納付してください。 遺言書情報証明書を知り将来のために活用を 遺言書情報証明書は、自筆証書遺言書保管制度と深く関わる書類です。その意味や取得方法をあらかじめ知っておくことで、将来の終活や相続手続きにも役立つでしょう。自筆証書遺言書保管制度は、遺言書をより確実に残すために有効な制度です。遺言書に関連する知識を深め、ぜひ活用してみてください。

  • 遺族年金の受取額は子供の年齢に応じて変わる!基礎知識を身につけよう

    一家の働き手であった家族が亡くなったとき、残された人々の生活は非常に厳しくなってしまうでしょう。子供がいる世帯にとっては、その将来にまで影響を及ぼしかねません。こうした人々を支えるため、用意されているのが遺族年金の制度です。子供の年齢に応じて受取額が変わるため、事前に知識を身につけておきましょう。 遺族年金とは? まずは遺族年金の基本について学んでおきましょう。遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた人が亡くなった際に、その人によって生計を維持されていた家族が受け取れる年金のこと。年金加入者が亡くなった際に、その家族が路頭に迷う恐れがないよう、整備されている制度です。 国民年金に加入していた場合に、対象となる可能性があるのは遺族基礎年金です。厚生年金に加入していた場合は、遺族厚生年金の対象となります。どちらを受給する場合も、指定されている条件を満たしている必要があります。 遺族基礎年金を受け取れるかどうかは、「子供の年齢」によって違ってくるでしょう。子供がいない場合、残念ながら対象外です。一方、遺族厚生年金はより幅広い家族が受給できます。子供の有無や子供の年齢にかかわらず受給できる可能性があるため、ぜひチェックしてみてください。遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の受給資格を満たしている場合、両方の年金を受け取れます。生活を安定させるため、役立てましょう。 遺族年金と子供の年齢に関係性は? 遺族年金と子供の年齢に関係性は? 遺族年金の受給には、子供の年齢が深く関わっています。遺族基礎年金と遺族厚生年金、それぞれの関わり方は以下を参考にしてみてください。 ★遺族基礎年金の場合 遺族基礎年金の受給資格を持つのは、「子供を持つ配偶者」もしくは「子供」のいずれかです。この「子供」には、「18歳になった年度の3月31日までにあたる」という条件があります。一般的には「高校卒業のタイミングまで」と言えるでしょう。 子供が障害年金の障害等級1級または2級に認定されている場合、年齢条件は「20歳」へと変更されます。通常の場合と比較して、2年間長く遺族基礎年金を受給可能です。 遺族基礎年金は、子供が年齢条件を満たさなくなった場合に支給が打ち切られます。このため、受給開始時点で子供が何歳であったのかによって、支給総額が変わってくるでしょう。0歳のときに受給対象になれば、その分受給できる期間が長くなります。これは、遺族基礎年金の目的が「18歳未満の子供の養育を支えるため」である点に関連しています。 ちなみに、令和4年4月からの遺族基礎年金の支給額は以下のとおりです。 【子供を持つ配偶者が受取人になる場合】 777,800円+子共の加算額/年 【子供が受取人になる場合】 777,800円+2人目以降の子の加算額/年 1人目および2人目の子供には、1人あたり年223,800円が加算されます。3人目以降の子供は、1人あたり年74,600円です。子供が受取人になる場合、上の計算式で求められた金額を子供の数で割った額が、1人あたりの受給金額になります。 ★遺族厚生年金の場合 遺族厚生年金は、亡くなった方に生計を維持されていた方の中で、以下の人々に受給資格が認められています。 第1順位 妻第2順位 子供第3順位 55歳以上の夫第4順位 55歳以上の父母第5順位 孫第6順位 55歳以上の祖父母 受給資格が認められる人のうち、もっとも順位の高い人に支給される仕組みです。 妻に次いで高い順位となる子供ですが、ここにも年齢制限があります。具体的には、遺族基礎年金と同じ「18歳になった年度の3月31日までにあたる」人。障害等級1級または2級の状態にある場合、20歳未満まで認められています。この年齢条件を満たさない場合、順位は次へと移ります。ちなみに、第5順位にあたる孫にも、同じ年齢条件が適用されるため、条件を満たすかどうか慎重に判断してみてください。 もっとも高い順位にある妻ですが、年齢条件を満たす子供がおらず、自身が30歳未満の場合は受給期間が5年間と制限されます。こちらも併せてチェックしてみてください。 遺族厚生年金で受給できる金額は、被保険者が生前に支払った保険料によって異なります。平均標準報酬月額と被保険者期間から求められるため、「毎月の給与が多く、年金加入期間が長い人ほど多くの年金を受け取れる」という仕組みです。 子供が年齢条件を満たさなくなった場合の手続き方法は? 子供が年齢条件を満たさなくなった場合の手続き方法は? 遺族基礎年金も遺族厚生年金も、子供の年齢によって支給状況が違ってきます。子供が18歳を迎えたのち、年度が切り替わったタイミングで遺族年金の支給はストップされるでしょう。 通常、遺族年金の受給権を失ったときには「遺族年金失権届」を提出する必要があります。ただし子供の年齢条件によって受給権を失った場合、この手続きは必要ありません。年金事務所や年金センターで特別な手続きをしなくても、自動で支給はストップするので安心してください。 子供が複数人いる場合、年齢条件を満たさなくなった人は自動的に受給対象から外されます。年齢条件を満たす子供分のみで計算され支給される仕組みです。受給対象の子供がすべていなくなった時点で、遺族年金は受給できなくなります。 子供の年齢が18歳未満でも遺族年金を打ち切られる場合とは? 子供の年齢が18歳未満でも、以下の条件に当てはまる場合、遺族年金の受給資格を失います。年金を打ち切られてしまうので注意してください。 ・亡くなった場合・結婚した場合・直系血族または直系姻族以外の方の養子になった場合 受給権を持つ人が亡くなれば、受給資格は失います。その資格を、別の人が受け継ぐことはできません。18歳未満の子供がいることで遺族基礎年金の受給資格を満たしていた配偶者も、子供が亡くなれば年金は受給できなくなってしまいます。 子供自身が結婚した場合や、養子に出た場合も、遺族年金は打ち切られます。結婚すれば一人前と扱われますし、親の遺族年金で生活を支える必要はなくなります。直系血族または直系姻族以外と養子縁組をした場合も、新たに生活の場が整うため、受給資格を失うでしょう。 遺族年金と子供の年齢の関係性を理解して手続きを 幼い子供を残して一家の大黒柱が亡くなれば、「今後の生活をどうするべきか…」と悩む方も多いでしょう。こんなときには、遺族基礎年金や遺族厚生年金が残された家族の生活を支えてくれます。実際に遺族年金を受給できるかどうかは、子供の年齢によって違ってきます。18歳未満かどうかが鍵となりますから、ぜひチェックしてみてください。子供の年齢条件も理解した上で、手続きや事前準備を進めてみてください。

  • 死亡保険の種類とは?遺産相続を見据えた場合の注意点

    死亡保険には、さまざまな種類があります。それぞれの違いや特徴を知った上で、自分に合ったタイプを選択しましょう。死亡保険に関する基礎知識と、遺産相続を見据えた場合に、考えておきたい注意点について解説します。ぜひチェックしてみてください。 死亡保険の種類とは? 死亡保険の種類とは? 死亡保険とは、被保険者に万が一のことがあった際に、残された家族や身近な人にお金を残せる保険を指します。被保険者が死亡した場合はもちろん、高度障害を抱えてしまった場合も対象になる保険が多く見られます。つまり、「自分が働けなくなったときでも、残された家族が生活に困らないように」との目的で加入するタイプの保険です。 そんな死亡保険には、大きくわけて4つの種類が存在しています。それぞれの特徴は以下のとおりです。 ★1.定期保険 定期保険は、あらかじめ定められた一定期間内のみ、保障を受けられる死亡保険です。たとえば「10年」で定期型の死亡保険に加入した場合、保障を受けられるのはその期間のみ。その期間を1日でも過ぎれば、死亡保険金を受け取ることはできません。満期を迎えたからといって何らかの返戻金を受け取れるわけでもないため、「期間内に死亡しなかった場合、掛け捨てになる」というのが非常に大きな特徴です。 定期保険の魅力は、手ごろな掛け金で手厚い保障を用意できるという点です。その効果に期限はあるものの、「子どもの在学期間が終わるまで」「自身が定年退職するまで」と、ライフステージに合った保障を用意しやすい点もメリットと言えるでしょう。掛け金の負担が少ないため、その他のタイプと組み合わせて、充実した保障が必要な期間のみ賢く活用するケースも多く見られます。 ★2.終身保険 終身保険は、被保険者が亡くなるまで、保障期間が継続するタイプを指します。人はいつか亡くなるもの。そうした意味では「保険を解約しない限り、いずれ確実に死亡保険金を受け取れる保険」と言えるでしょう。途中で解約すれば、返戻金も受け取れます。 定期保険よりも月々の掛け金負担は重くなりますが、掛け捨てにならない点が非常に大きなメリットと言えるでしょう。自身が死亡したときのための保険ではありますが、老後の生活を送る中で、保険を解約し返戻金を生活資金に充てるケースも目立ちます。「解約してもお金が戻る」という特性上、貯蓄性が高く、使い勝手の良い保険タイプです。「掛け金を支払うなら、無駄にしたくはない」と思う方に向いているでしょう。 ★3.養老保険 養老保険は、定期保険と終身保険の良いところを組み合わせたような保険です。保障期間はあらかじめ定められているものの、その期間を終えたからといって、掛け捨てになるわけではありません。期間内に死亡した場合は死亡保険金が、生存したまま期間を終えた場合は満期保険金を受け取れます。 養老保険なら、「子どもの在学期間中に充実した保障を用意し、自身の老後資金を確保する」といった行動も可能です。将来を見越して、計画的な資金形成ができるでしょう。 ★4.収入保障保険 収入保障保険は、被保険者に万が一のことがあった場合に、その収入を保障できるタイプの保険です。一家の大黒柱が亡くなった際に、月々の収入が減り、困る方は多いでしょう。その足りないお金を、年金形式で少しずつ受け取れるのが収入保障保険です。 収入保障保険は、亡くなるタイミングによって受け取る保険金額が違ってきます。まだ若いうちに被保険者が死亡すれば、残された家族が年金を受け取る期間は長くなります。必然的に、支給される保険金総額も大きくなるでしょう。保険期間が終わりに近づいて亡くなった場合は、受け取れる保険金額はごくわずかに。何事もなく保険期間を終えた場合、掛け捨てとなります。 必要な時期に必要な保障を、手ごろな掛け金で用意できるのが収入保障保険の魅力です。子どもが幼い家庭や、保険にかけるお金をできるだけ少ない方、残された家族の生活を守りたい方におすすめのタイプです。一方で、貯蓄性がない点がデメリットと言えるでしょう。 遺産相続対策に有効な種類とは? 死亡保険への加入は、相続対策にも有効です。なぜなら、死亡保険金には専用の非課税枠が用意されているから。「法定相続人の人数×500万円」までの金額であれば、相続税の負担なしで受け取れます。また受取人を事前に指定できるため、「特定の相続人にできるだけ多くの遺産を相続させたい」といった希望を叶えるためにも利用できます。 相続対策として死亡保険に加入するなら、終身保険を選択しましょう。一定期間が経過すると解約される定期保険や養老保険では、亡くなる時期によって、相続対策にならない可能性があります。確実に保険金を受け取れる終身保険なら、余計なリスクを減らせるでしょう。 終身型の死亡保険には「掛け金が高い」というデメリットがあるものの、相続財産を減らす目的で加入するなら、それほど気にならないはずです。いざというときの保障を用意しつつ、相続対策として活用してみてください。 遺産相続を考える上での注意点とは? 相続対策として死亡保険に加入する場合、注意しなければならないのが契約者と被保険者、受取人の関係性についてです。契約者とは保険契約を結ぶ人、被保険者とは保険契約の対象者のこと、そして受取人とは万が一の際に保険金を受け取る人を指します。誰がどの立場になるのかによって、保険金を受け取った際の税金の扱いが違ってくるのです。 相続対策として保険を活用するなら、契約者と被保険者を同一にして、受取人は相続人から選びましょう。この場合、保険契約によって支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として扱われます。受取人が相続人であれば、前述の非課税枠を利用できます。 たとえば、「夫」を被保険者とする死亡保険の契約者と受取人が「妻」の場合、受け取る保険金は所得税及び住民税の対象になります。同じく「夫」を被保険者とする死亡保険でも、契約者が「妻」、そして受取人が「子ども」の場合、贈与税の対象に。それぞれのパターンで、負担する税金額が大きく異なる可能性があります。 相続対策として死亡保険への加入を検討するなら、どのように契約するのがもっとも有利なのか、事前に専門家に相談してみるのもおすすめです。相続税の専門家である税理士に相談すれば、適切なアドバイスをもらえるのではないでしょうか。 死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう 死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう 相続対策としても有効な死亡保険。実はさまざまな種類があり、相続対策に向いていないタイプも存在しています。それぞれの特徴や加入時の注意点を知った上で、ぜひ適切に活用してみてください。

  • 死亡保険を子供に残す!子供の年齢や注意点とは?

    自分に万が一のことがあったとしても、死亡保険に加入していれば安心です。残された家族に保険金が渡れば、経済的な不安を軽減できるでしょう。死亡保険加入時には、「子供を受取人にしたい」と考える方もいるのではないでしょうか?子供の年齢や知っておきたい注意点などを解説します。 死亡保険の受取人に指定できる人とは? 死亡保険の受取人は、事前に指定しておくのがおすすめです。受取人が指定されていない場合、自らの思いとはまったく別の人が保険金を受け取ってしまう可能性も。トラブルを防ぐためにも、誰を受取人にするべきか慎重に検討しておくべきでしょう。 とはいえ死亡保険の受取人は、「誰でも指定できる」というわけではありません。一般的には、「配偶者と2親等以内の親族」と定められています。2親等以内の親族に含まれるのは、具体的に以下のような人々です。 ・被保険者の子供・被保険者の両親・被保険者の祖父母・被保険者の孫・被保険者の兄弟姉妹 これらの条件に当てはまらない場合でも、保険会社の規定で死亡保険の受取人に指定できる可能性があります。被保険者との関係性を証明するためにどのような書類を用意すれば良いのか、保険会社に問い合わせて準備しましょう。 子供の年齢と受取人指定 子供の年齢と受取人指定 先ほどもお伝えしたとおり、死亡保険の受取人に子供を指定することに、特に問題はありません。すでに配偶者が亡くなっている場合や、離婚で自身が親権を獲得している場合には、子供を受取人に指定するよう検討してみてください。自分が亡くなったあとでも、子供の生活を支えてくれるでしょう。 死亡保険の受取人指定に、年齢制限はありません。たとえ子供が0歳でも、問題なく指定できるでしょう。受取人指定時に、子供の同意も必要ありませんから、親の判断で手続きできます。 ただし、保険金受取時に子供が未成年の場合、親権者や未成年後見人による手続きが必要になります。あくまでも代理での手続きとなり、親権者や後見人には、その事実を証明するための各種書類の提出が求められるでしょう。 未成年後見人による代理手続きを選択する場合、まずは未成年後見人を選定しなければいけません。遺言によって事前に指定しておく方法もありますが、誰を指定するべきか、悩む方も多いでしょう。後見人を指定していなかった場合、家庭裁判所で選任してもらう必要があります。 家庭裁判所では、さまざまな事情を考慮しながら未成年後見人を選任してくれます。自分自身で選定する必要がない一方で、手続きには時間がかかるでしょう。死亡保険金を受け取れるまでに、やや時間がかかる点も頭に入れておいてください。 死亡保険金を子供に残す場合の注意点とは? 死亡保険金を未成年の子供に残す場合、注意しなければならないのが「子供自身がお金を管理するのは難しい」という点です。ある程度まとまった金額が支払われる死亡保険金。子供の将来のためのお金ですが、適切に管理できなければ意味がありません。 未成年の子供が死亡保険金として大金を受け取った場合、実質的な管理者は親権者や未成年後見人となるでしょう。子供が成長し、自分自身で判断できるようになるまで、適切に管理するよう求められます。しかし実際には、実質的な管理者がお金を使い込んでしまうケースもあります。「子供の将来のために」と残したはずの死亡保険金でも、実質的な管理者の手によって、好きに使われてしまうリスクがあるのです。 子供の未成年後見人は立候補も可能で、家庭裁判所によってもっともふさわしいと思われる人が選任されます。家庭裁判所の判断にゆだねられるため、子供自身が指定できるわけではありません。誰が未成年後見人に指定されるのか、また自分の死後、子供のお金を適切に管理してもらえるのか不安な方は、事前に未成年後見人を指定しておきましょう。 子供が受け取る死亡保険金を適切に管理してくれる、信頼できる人を指定してください。 保険金の受取人指定は途中で変更可能 未成年の子供を死亡保険金の受取人に指定することは可能です。しかし、子供が未成年のうちに保険金を受け取ることになれば、さまざまなトラブルが発生してしまう可能性もあるでしょう。こうしたトラブルを避けるため、検討したいのが「受取人の途中変更」についてです。 「万が一のとき、子供のためにお金を残したい」と思っても、未成年の子供が自分で判断しお金を使えるわけではありません。子供が未成年のうちは、自身の親や兄弟姉妹を受取人に指定しておくのもおすすめです。子供が成人を迎えて、自分自身で管理できるようになったら、あらためて受取人を子供の名前に変更しましょう。 親や兄弟姉妹を死亡保険金の受取人に指定する場合、その目的を事前に伝えておきましょう。また、子供が成人を迎えた段階で受取人を変更する旨も、理解してもらうことが大切です。周囲とのコミュニケーションを大切にしつつ、子供を守る体制を築き上げてください。 死亡保険金の受取人は相続対策にもつながる 配偶者がいる場合、成人した子供を生命保険の受取人にすることは、相続対策としても効果的です。配偶者を受取人にした場合、一次相続での税金負担は軽減されるでしょう。一方で、遺産を受け取った配偶者が亡くなって発生する二次相続では、子供の相続税負担が重くなってしまいがちです。 一次相続の段階で、子供が死亡保険金を受け取っていれば、二次相続の対象となる財産はその分少なくなるでしょう。死亡保険金を法定相続人が受け取る場合、非課税枠が用意されています。上手に活用すれば、相続税の負担を軽減できる可能性があります。 子供の年齢が幼いときには、「子供自身の将来のために」という目的で、受取人を子供にする方が多いでしょう。子供の年齢が上がり、自分自身の終活を考える段階になったら、相続税対策としての受取人指定について検討してみてください。子供を指定して財産を残し、家族の負担を軽減しましょう。 死亡保険金の受取人は子供の年齢にも考慮して指定しよう 死亡保険金の受取人は子供の年齢にも考慮して指定しよう 死亡保険に加入する際、誰を受取人に指定するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。受取人に年齢制限はありませんので、子供を指定することも可能。一方で、未成年者が保険金を受け取る際には注意点もあります。子供にお金を残すため、事前準備をしっかりとしておきましょう。未成年後見人の指定や法的に有効な遺言書の準備など、やるべき行動は決して少なくありません。今回紹介した情報も踏まえて、より安心できる体制を整えるため、誰を受取人に指定するべきかあらためて検討してみてください。

  • 生命保険の受取人がいない!相続の注意点やトラブル回避方法を解説

    いざというときのために加入する生命保険。受取人に指定された人は、被保険者が亡くなった際に保険金を受け取れます。相続対策としても人気の生命保険ですが、さまざまな事情から「受取人がいない」という事態になってしまうケースもあるでしょう。このような場合の対処法や注意点を解説します。 生命保険は受取人を指定しなくても加入できる 生命保険に加入する際には、受取人を指定するケースが一般的です。受取人に指定できるのは、以下のような立場の親族です。 ・配偶者・子ども・両親・祖父母・孫・兄弟姉妹 このほかにも、内縁関係にあると認められるパートナーや同性パートナーでも、受取人に指定できる可能性があります。具体的な加入条件については、保険会社に問い合わせてみましょう。 とはいえ、生命保険の受取人は「絶対に指定しなければならない」というわけではありません。トラブル予防のために受取人を指定しておくケースが多いものの、受取人を指定しないまま生命保険に加入する方もいます。 この場合、保険会社の規約によって、誰が保険金を受け取るのか決定されます。一般的には、法定相続人に対して保険金を支払うケースが多いようです。 受取人が死亡している場合はどうなる? 生命保険の受取人がいないパターンとして、もう一つ考えられるのが「被保険者よりも受取人の方が先に亡くなってしまった場合」です。受取人が死亡した場合、契約者や被保険者は、事前に受取人の変更手続きをする必要があります。「受取人に指定していたのを忘れていた」「バタバタしていてそんな余裕がなかった」といった事情で変更しないまま放置すると、いざ生命保険金が支払われる際に、「受取人がいない」といった事態に陥ってしまうでしょう。 この場合、保険金を受け取るのは、「受取人の法定相続人」です。生命保険金を受け取る権利は、あくまでも「受取人」のもので、受取人がすでに死亡していた場合でもその権利は相続人へと受け継がれていきます。これは保険法で定められたルールです。法定相続人は、「全員」が対象になります。 たとえば、夫を被保険者とする生命保険で妻が受取人に指定していた場合を考えてみましょう。夫より先に妻が亡くなり、そのまま受取人変更手続きを取らなかった場合、夫の生命保険金を受け取るのは、妻の法定相続人です。夫婦の間に子どもがいれば、子ども全員が受取人に。自分と血縁関係がなくても、妻の子どもであれば生命保険金を受け取る権利を有するのです。 夫婦の間に子どもがいなかった場合、さらに話は複雑になります。子どもの次に法定相続人になるのは、妻の両親です。両親もすでに亡くなっている場合、妻の兄弟姉妹が夫の生命保険金の受取人です。 被保険者である夫の立場としては、「妻が亡くなっているのであれば、自分の親や兄弟姉妹にお金を残したい」と考えるケースもあるでしょう。このような場合でも、自身の希望を叶えるのは難しくなってしまいます。仮に夫の親族が生命保険金を受け取る権利を主張したとしても、認められません。 ただし、受取人が先に死亡している場合の受取人規定には、例外もあります。「保険金は受取人の法定相続人へ」というルールは、保険法で定められたもの。任意規定であるため、生命保険契約によっては別のルールが適用されている可能性も。実際に誰が受取人になるのか、保険会社に確認しつつ手続きを進めていくのがおすすめです。 法定相続人がいない場合の生命保険金は? 法定相続人がいない場合の生命保険金は? 続いては、「被保険者が亡くなった際に、すでに受取人が死亡していて法定相続人もいない」というケースについて考えてみましょう。子どもがいない高齢者で、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合などが当てはまります。この場合、生命保険金は誰が受け取るのでしょうか。 生命保険金はその他の財産とあわせて、裁判所から選定された相続財産管理人が管理します。すべての財産を整理した上で、国庫に帰属。つまり「個人のお金ではなく、国のお金として扱われる」ということになります。 トラブルを避けるための方法は? 生命保険において、受取人に関するトラブルは決して少なくありません。回避するためには、どういったポイントに注意すれば良いのでしょうか。3つの項目を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ★1.生命保険加入時に「約款」を確認する 生命保険金の受取人が誰になるのかは、「約款」を見ればわかります。受取人がいない場合の規定についても、あらかじめ確認しておきましょう。 被保険者よりも受取人の方が先に亡くなっている場合、保険法の規定が適用されるのかどうかは、保険によって異なります。事前に確認した上で契約を結べば、「いざというときに、自分の思いとは異なるところにお金が渡ってしまった…」といった事態も防げるのではないでしょうか。 分厚い約款をすべて確認するのは大変…と思いがちですが、目次に沿って目当ての情報を見つけられます。最近ではウェブ上で約款の内容を確認できる保険会社も増えていますから、しっかりと確認し内容を把握した上で、契約を結ぶようにしてください。 ★2.生命保険加入時に「受取人」について真剣に考える 生命保険は、相続を考える上でもメリットがあります。受取人を事前に指定しておけば、確実にお金を残してあげられるでしょう。相続税の計算においても、非課税枠が用意されています。 こうしたメリットを最大限に活用するためには、保険契約時から受取人についてしっかりと考えておく必要があります。 ・誰を受取人にするのか?・受取人が先に死亡してしまった場合に誰が受け取るのか? これらの点について、考えた上で保険契約を結ぶのがおすすめです。 さまざまな事情から、「保険契約時に受取人を指定できない」というケースもあるでしょう。この場合でも、どういったデメリットが考えられるのか把握しておくだけでも、トラブルが発生する可能性を低くできます。 ★3.受取人が死亡した際に変更手続きを忘れない 生命保険契約を結んだあとは、受取人に関する情報を、適宜確認するのがおすすめです。身近な人が亡くなった際には、その人を受取人に指定している保険契約がないかどうか、確認してみてください。必要に応じて、変更手続きをしておきましょう。 受取人が死亡したとき以外でも、状況が変わるケースはあるでしょう。そのほかの相続財産とともに、定期的にチェックするのがおすすめです。 生命保険の受取人について知識を身につけて対応を 生命保険の受取人について知識を身につけて対応を 少子高齢化の今、さまざまな事情から「生命保険の受取人がいない!」といったトラブルに巻き込まれる方も少なくありません。事前に受取人を指定し、定期的にチェックするだけで、トラブルを回避できる可能性が高まるでしょう。保険契約について不安がある方、またこれから契約する上で受取人を誰にするのか悩んでいる方は、ファイナンシャルプランナーや相続の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

  • 預貯金の相続はどう行うべき?手続きや分割の注意点を知ろう

    遺産相続で、比較的わかりやすいと言われているのが預貯金の相続です。とはいえ、いざ相続がスタートすると、何をどう手続きすれば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、預貯金の相続をどのように行えば良いのか、わかりやすく解説します。注意点を踏まえて、滞りなく相続手続きを進めていきましょう。 預貯金の相続とは? 預貯金の相続とは、亡くなった人が保有していた預貯金を、相続人が受け取るための手続きです。預貯金は被相続人が残した遺産の一部として扱われます。手元にあるのが「現金」であればそのままシンプルに分割すれば良いのですが、「預貯金」の場合、口座を保有する金融機関に対して、必要な届出をしたうえで手続きを進めていく必要があるのです。 預貯金の相続について、「本人が亡くなったとはいえ家族なのだから、ATMから引き出してそのまま分割すれば良い」と考える方も多いのではないでしょうか?しかし実際には、金融機関側が本人死亡の事実を把握した段階で、該当口座は凍結されます。ATMでの引き出し手続きはもちろん、窓口に赴いての手続きも不可能になるでしょう。 金融機関側が、相続人に対して事前に凍結のタイミングを通知することはありません。預貯金の相続に関して、「そのまま分けようと思っていたのに、気付いたときにはお金が引き出せなくなっていた!」と困るケースも多く見られます。 本人が亡くなったあとに口座が凍結されるのは、遺産トラブルを防ぐためです。たとえ家族であっても、勝手に遺産を使いこめないように、このような処置が行われます。 【預貯金相続】手続きの流れとは? 【預貯金相続】手続きの流れとは? 預貯金の相続手続きは、以下のように進めてください。 1.遺産分割協議で誰がどのように遺産を相続するのか決定する2.遺産分割協議書を作成する3.金融機関に連絡して、必要書類を受け取る4.提出書類を収集する5.金融機関に提出し、口座の凍結が解除される6.各相続人もしくは相続人代表の口座に入金される 亡くなった人が残した預貯金が「遺産」として扱われる以上、その分配方法が決まるまで、お金は動かせなくなります。相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議を行い、相続方法を決定しましょう。協議結果をまとめた遺産分割協議書は、金融機関に提出するべき書類の一つです。 ただし、亡くなった人が法的に有効な遺言書を残していた場合や、法定相続分に沿って分配する場合には、遺産分割協議書を提出する必要はありません。遺言書がある場合には代わりに提出してください。 預貯金相続のために提出を求められる書類には、以下のようなものがあります。 ・該当口座の通帳とキャッシュカード・所定の手続き用紙・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)・遺言書もしくは遺産分割協議書・相続人の戸籍謄本(全員分)・相続人の印鑑証明書(全員分)・身分証明書(手続きする人) 該当する口座によっては、通帳が発行されていないケースもあります。金融口座名や該当する口座の種類を確かめたうえで、通帳やキャッシュカードを集めましょう。見当たらない場合、金融機関に問い合わせてみてください。 預貯金を相続するためには、基本的に相続人全員分の戸籍謄本や印鑑証明書が必要になります。相続人が多い場合や遠方に住んでいる人がいる場合、できるだけ速やかかつ計画的に手続きを進めていきましょう。 預貯金相続で知っておきたい注意点 土地や家を相続する場合と比較して、預貯金の相続は簡単だと言われています。金額がはっきりしている分、相続人同士でトラブルになる可能性も低いでしょう。とはいえ、相続手続きである以上、油断は禁物です。4つの注意点を解説するので、ぜひ頭に入れておいてください。 ★1.相続完了までには時間がかかる 被相続人が亡くなってから相続手続きが完了するまでには、一定の時間がかかります。遺産として一定額の預貯金が残されていても、実際に手元に届くまでにはある程度時間が必要であるという事実を、知っておきましょう。 人が亡くなったあとには、さまざまな手続きを行うことに。金銭面でのやりとりが生じるケースも少なくありません。葬儀代や病院代、各種清算料金など、決して安くはない金額を請求される場面もあるはずです。亡くなった人の口座のお金を当てにしていると、「必要な場面で引き出せなかった!」といったトラブルにもつながりかねません。 必要なお金がわかっている場合には、口座が凍結される前に引き出しておくのも一つの方法です。この場合、誰がどのような目的でいくら引き出したのか、明確にしておきましょう。受け取った領収書は、確実に保管しておいてください。 すでに口座が凍結されているものの、すぐにお金が必要になった場合は、相続預金の仮払い制度を利用しましょう。遺産分割協議を終える前でも、一定の金額までであれば引き出しに応じてもらえます。 ★2.口座が凍結されると入出金のすべてが不可能になる 口座を保有している人が亡くなり、口座が凍結された場合、該当する口座への入出金はすべてストップ。お金を引き出せないのはもちろん、入金もできません。また、該当口座から引き落としされていたお金も、支払われなくなってしまいます。 該当する口座から電気やガス、水道、携帯電話の料金が引き落とされていた場合、料金未納になってしまいます。トラブルにならないよう、できるだけ早く必要な手続きを済ませてください。 ★3.相続手続きを忘れると休眠口座扱いになる 預貯金の相続手続きを行わなかった場合、被相続人名義の口座は、そのまま放置されることに。取引がないまま一定期間経過すると、休眠口座として扱われる可能性があります。金融機関から連絡しても応答がない場合や、そもそも連絡が不可能な場合、口座に残ったお金は民間公益活動のために使われることに。相続人の手元に入らなくなってしまいます。 預金口座を多数持っていた場合、手続きミスが生じる可能性も高くなるでしょう。ひとつひとつ、確実に手続きを進めていくことが大切です。 ★4.手続きには手間がかかる 預貯金の相続手続きには、時間も手間もかかります。必要書類を揃え、金融機関に提出するためには、平日昼間に動く必要があるでしょう。用意した書類に不備があれば、手続きを進められなくなってしまいます。 金融機関の窓口が混雑していれば、長い待ち時間が発生するでしょう。手続きするために、事前予約が必要な金融機関もあります。こうした手間を面倒に思う場合や、不可能な場合には、司法書士や弁護士といった専門家にサポートしてもらうのがおすすめです。 預貯金の相続をスムーズに進めよう 預貯金の相続をスムーズに進めよう 預貯金の相続には、さまざまな注意点があります。本人が死亡したあと、どのような事態が発生するのか、またどういった手続きが必要になるのか、事前に把握しておくと安心です。相続手続きをスムーズに進めていくためのヒントとして、今回紹介した内容を参考にしてみてください。

  • 終活を初めるタイミングとは?やるべきこと・相談先・方法をわかりやすく解説

    子どもにも手がかからなくなってくる40代から50代。あらためて、自身の「将来」について考え始める方も多いのではないでしょうか?より充実した老後を過ごすため、検討したいのが「終活」についてです。終活を初めるタイミングや、実際に何をやるべきなのか、相談先や具体的な方法について解説します。終活が気になり始めたタイミングで、ぜひ参考にしてみてください。 終活を初めるのに最適な時期とは? 終活を初めるのに最適な時期とは? 終活をスタートするタイミングに悩む方は、決して少なくありません。まだ若い時期に、自身の老後を具体的にイメージするのは難しいでしょう。かといって、スタートする時期が遅くなれば、具体的な行動が間に合わなくなってしまう恐れがあります。 これらの点を考慮すると、終活を始めるのにおすすめの時期は、65歳前後です。仕事が一段落し、落ち着いたタイミングを狙ってみてください。退職後は時間に余裕も生まれるでしょう。あらためて、自身の将来について検討してみてはいかがでしょうか。 もう少し早く終活をスタートしたいと思う方には、自身のライフステージに合わせて検討するのがおすすめです。ある程度子どもが育ったあとには、自分自身の老後や配偶者との将来をあらためて検討する方も多いのではないでしょうか。このような年代も、終活をスタートするのにぴったりだと言えます。 早い段階でスタートする終活は、「自身の死後を考える」というよりも、むしろ「自分と配偶者の老後をより快適にする」目的で行われるケースが目立ちます。新たなライフステージをより充実させるためにも、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。 終活でやるべきこととは? 終活について考え始めた際に、「具体的に何をすれば良いのか?」と悩む方は少なくありません。こんなときには、ぜひエンディングノートを活用してみてください。 エンディングノートとは、終活に特化した専用ノートのこと。終活で考えておきたい点、準備しておきたい点がまとめられているため、悩むことなく終活を進めていけます。「まず何を考えれば良いのか?」を明らかにしてくれるため、終活の指針としても役立つでしょう。 エンディングノートには、以下のような情報を記載します。 ・自分について・これまでの人生の略歴や特に心に残っている思い出・自分の好きなものや人・過去にもっとも辛かったことや後悔していること・家族との思い出・終末期医療に対する希望・自身の葬儀に対する希望・遺産の内容や金額・遺書の有無・相続に関する希望・自分が亡くなった際に連絡してほしい人の情報・そのほか、自身が残したい言葉 など エンディングノートには、「○○を書かなければならない」という明確な決まりはありません。自分の思う通りに書けば大丈夫です。 特に終活をスタートして間もない時期には、考えがまとまらないこともあるでしょう。エンディングノートに思うまま書き連ねるうちに、「自分自身の本当の望みと向き合えるようになった」と感じる方も少なくありません。ぜひ活用してみてください。 エンディングノートをまとめてみると、これから先、具体的にどのような手続きをとるべきなのか明確になります。 過去の思い出を振り返ってみれば、自分自身が何を大切にしてきたのかわかるでしょう。後悔している思い出も、自身の考えを知るヒントになります。これから先の人生をどう生きていけば幸せを感じられるのか、把握できるのではないでしょうか。 医療や葬儀について具体的な希望がある場合、それをかなえられる環境を、できるだけ整えておくのがおすすめです。家族に思いを伝えておくのも良いですし、具体的な情報収集をスタートするのも良いでしょう。 終活で重視されるポイントの一つが「遺産」ですが、こちらもエンディングノートをきっかけに、準備を進めていくのがおすすめです。相続人や財産に関する調査は、遺産相続に欠かせないもの。しかし財産を残した本人がいないなか、相続人が調査を進めるのは簡単ではありません。まずは自分自身で情報を洗い出してみましょう。はっきりしないものがあれば、自身の責任のもとで整理しておくのもおすすめです。処分に困りそうなものや、相続時にトラブルになりそうな財産は、自分自身で片付けてみてはいかがでしょうか。 遺産相続は法定相続分に従って分けられるのが一般的ですが、それとは異なる分配方法を希望するケースもあるでしょう。この場合、法的に有効な遺言書を残しておくのが効果的です。どのような手段で、どういった内容の遺言書を残すのか、ぜひ考えてみてください。 このように、終活で行うべき内容の幅は非常に広く、また必要な内容はそれぞれで大きく異なっています。自分の希望をかなえるため、どういった終活をすれば良いのか悩んだら、まずはエンディングノートからスタートしてみてください。書店で購入するのも良いですし、インターネット上の情報サイトからダウンロードして使うのもおすすめです。 終活で迷ったときの相談先は? 終活で迷ったときの相談先は? 終活を始める段階、またはエンディングノートをある程度書き進めた段階で、「第三者の意見を聞きたい」と思う機会もあるでしょう。このような場合には、以下の相談先を頼ってみてください。専門家目線で、アドバイスをしてくれるでしょう。 【市町村役場】 多くの市町村役場では、定期的に終活に関する相談会を開催しています。相談員として専門家を置いているところもあり、無料相談でありながら具体的なアドバイスをもらえるでしょう。エンディングノートの作成方法や配布を行っている自治体もあります。どのような内容の相談会が実施されているのか、まずはお住まいの自治体ホームページ・広報をチェックしてみてください。 【民間の終活サポート企業】 終活ブームの今、終活サポートを専門にした民間企業も増えてきています。そうした企業のセミナーや相談会も、困ったときの相談先として活用できるでしょう。セミナーは内容特化型で開催されるケースも多いもの。「老後の資産」や「葬式とお墓」など、気になるテーマに参加してみてはいかがでしょうか。有資格者による相談窓口を設置している企業も多く、あらゆる悩みに対応してもらえます。 【各種企業や専門家】 終活において、自分が何に悩んでいるのかが明らかな場合、最初からそれ専門の窓口を頼るのがおすすめです。葬儀について悩んでいるなら、葬儀会社に相談しましょう。遺言書なら司法書士や弁護士事務所がおすすめです。老後の資産形成については、銀行が相談に乗ってくれます。スピーディーに対応してもらえるでしょう。 終活は自分のタイミングで始めよう 終活をスタートする時期に、明確な決まりはありません。子育てが一段落し、今後の自分の生き方について見直したいと思ったら、終活を視野に入れて動き出してみてはいかがでしょうか。自分のこれまでを振り返り、これから何をしたいのか考えるきっかけになるでしょう。

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