学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

投稿 更新
Category:
家族

contents section

学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?
シェアボタン
この記事は約10分で読めます。

子どもが生まれたら、検討したいのが学資保険についてです。学資保険の大きな目的は、将来の進学への備え。とはいえ、まだまだ小さなわが子の姿から、保険金受取時を明確にイメージするのは難しいかもしれません。

学資保険でより確実に子どもの将来のために備えるのであれば、受け取り方法について予習した上で、加入を検討することが大切です。受け取りタイミングや注意点など、知っておきたい情報をまとめます。

学資保険とは?どうやって受け取る?

学資保険とは?どうやって受け取る?
学資保険とは?どうやって受け取る?


学資保険は、子どもの進学時にお金が受け取れるよう、計算して加入するタイプの保険です。受け取ったお金は、子どもの学費や一人暮らし費用に充てるご家庭が多いでしょう。「学資保険」という名称から、「子どものためにしか使えないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、これは誤解です。

学資保険の使い道は自由で、進学費用以外に利用しても大丈夫です。たとえば、「進学費用が無事に賄えたので住宅ローンの繰り上げ返済へ」「子どもに車を買ってやりたい」「事業費用の補填として」など、さまざまな使い道を自由に選択できるのです。

では実際に、学資保険はどのようにして受け取るのでしょうか。

学資保険の被保険者は「子ども」であり、子どもの年齢によって満期時期が設定されています。満期を迎えるころになると、保険会社から知らせが届きます。あとはその知らせに沿って手続きすればOKです。

学資保険で注意したい受け取りタイミング

学資保険とは?どうやって受け取る?
学資保険とは?どうやって受け取る?


学資保険の満期返戻金を受け取るのにベストな時期は、「何を目的にして保険に加入するのか?」によって異なるでしょう。

たとえば、大学入学費用を賄うつもりで加入するのであれば、子どもの年齢が17歳もしくは18歳に達したときに満期返戻金を受け取れるのがベストです。一方で、大学在学中の費用を賄いたいなら20歳前後、大学院進学費用を想定して加入するなら、22歳に設定すると良いでしょう。

子どもが何歳で満期を迎えるのかは、保険商品の種類によって変わってきます。学資保険に加入するタイミングで、将来のビジョンをはっきりさせておく必要があるでしょう。加入する保険を間違えれば、「せっかく学資保険に加入していたのに、必要な時期にお金を受け取れなかった…」という事態にもなりかねません。

学資保険の満期でもっとも多いタイプは、やはり「大学進学時(18歳)」に多額のお金を受け取れる保険でしょう。多くの子どもが大学に進学する中、進学費用の負担は決して少なくありません。たとえ大学進学しなかったとしても、専門学校への入学準備や就職準備、結婚準備など、お金があって困ることはないでしょう。

ただしこちらのタイプを選ぶ場合にも、注意したいポイントがあります。それは、子どもの年齢と支払い時期の関係性です。子どもが18歳になったときに満期返戻金を受け取る場合、それ以前に必要となる進学費用は賄えません。

たとえば子どもの誕生日が3月31日であれば、満期返戻金を受け取れるタイミングもこの日以降に。もっともお金が必要なタイミングに、保険金を使えない計算になってしまいます。特に子どもが早生まれの場合は注意しましょう。満期年齢を17歳に設定し、保険金受取から進学費用支払いまでのスケジュールに余裕を持たせておくのもおすすめです。

学資保険の受け取りに関する注意点2つ


子どもの将来のために備える学資保険。学資保険に加入するタイミングで押さえておきたい注意点は、以下の2つです。こちらもぜひチェックしてみてください。

★何度もお祝い金が受け取れるタイプはお得?


近年、学資保険のバリエーションは非常に豊富です。中でも人気なのは、子どもの成長の節目で、何度も「お祝い金」を受け取れるタイプでしょう。18歳を満期に設定していても、小学校入学時・中学校入学時・高校入学時など、さまざまなタイミングでお祝い金が支給されるタイプを指します。

何度もお金を受け取れるわけですから、「非常にお得」と感じるかもしれません。しかし、何度も受け取るお祝い金とは、あくまでも自分自身が積み立てている保険金の一部。つまり満期返戻金の一部を「前払い」しているに過ぎないのです。

確かに、子どもの成長の節目にお祝い金を受け取れれば「助かる!」と思う場面もあるでしょう。しかしお祝い金を受け取れば受け取るほど、本来の目的であった「大学進学時に受け取れるお金」は少なくなってしまいます。

また保険会社にとって、何度もお祝い金を支給するにはコストがかかります。このため、満期返戻金を一括で受け取るタイプの学資保険と比較して、「返戻率が低くなりやすい」という特徴があります。本当にお得なのかどうか、しっかりと検討するのがおすすめです。

★学資保険の満期返戻金にも税金がかかる可能性がある!

学資保険の満期返戻金を受け取る際にも、忘れてはいけないのが税金についてです。具体的にどういった税金が課せられるのかは、学資保険の契約者と受取人の関係性によって違ってくるでしょう。

もっとも多いのは、契約者と受取人が同一であるケースです。「子どもの父親が契約者となり保険金を支払い、子どもの父親が満期返戻金を受け取り、子どもの学費を支払う」という事例ですね。この場合、一括で受け取った学資保険の満期返戻金は「一時所得」と判断され、「所得税」の対象になります。

ただし一時所得には50万円の特別控除が用意されており、年間の一時所得金額がこの範囲に収まっていれば、所得税は課せられません。学資保険の受取額の平均は200~300万円程度と言われていますが、過去に収めた保険金は差し引きできます。50万円以上の、いわゆる「儲け」が出るケースは稀だと言えるでしょう。

ちなみに、学資保険のお金を毎年1回、継続して受け取る場合は「雑所得」と判断されます。やはりこちらも、所得税の対象になるため注意してください。雑所得には、一時所得のような特別控除額が存在しません。お祝い金を受け取れば、その金額に応じて所得税の課税額が増えるという点を頭に入れておきましょう。

また、学資保険の受取人を契約者以外に設定した場合、満期返戻金は贈与税の対象になります。こちらも注意してください。

学資保険に加入するなら将来へのビジョンをはっきりさせよう!


子どもが生まれたら、なんとなく学資保険を…と考える方も多いのではないでしょうか。学資保険は、将来の進学費用を賄うための方法の一つです。後悔なく受け取るためには、加入する段階で、将来へのビジョンをある程度はっきりさせておく必要があるでしょう。

・どのタイミングでお金を受け取るのか?
・いくら受け取れるようにするのか?
・誰を契約者と受取人に設定するのか?

これらの点を明らかにしておくだけで、失敗リスクも減らせるはずです。子どものための保険だからこそ、ぜひ準備はしっかりと整えておきましょうね。

Category:
家族
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • デジタル時代の遺言―未来を見据えた賢い遺産の残し方

    デジタル時代の遺言―未来を見据えた賢い遺

    デジタル時代において、遺言は紙だけでなくデジタルでも残すことが重要です。大切な思いや情報を未来に継承するために、デジタル遺言が注目されています。本記事では、デジタル遺言のメリットと活用方法について3つのポイントを解説します。デジタル技術を活用して賢く遺産を残し、愛する家族に心温まる贈り物をしましょう。 1: デジタル遺言のメリットと重要性 デジタル遺言のメリットと重要性について見てい

  • 学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

    学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよ

    子どもが生まれたら、検討したいのが学資保険についてです。学資保険の大きな目的は、将来の進学への備え。とはいえ、まだまだ小さなわが子の姿から、保険金受取時を明確にイメージするのは難しいかもしれません。 学資保険でより確実に子どもの将来のために備えるのであれば、受け取り方法について予習した上で、加入を検討することが大切です。受け取りタイミングや注意点など、知っておきたい情報をまとめます。

  • 「養子縁組」は遺産の相続税対策になる?仕組みや方法・注意点を解説

    「養子縁組」は遺産の相続税対策になる?仕

    平成27年1月実施の法改正により、相続税の基礎控除額が大幅に減額されました。これにより、相続税を支払わなくてはならない人の数も増加。だからこそ、相続税対策の重要性も増してきています。相続税対策の具体的な方法をリサーチしている方にとって、選択肢の一つになり得るのが「養子縁組」です。養子縁組が相続税対策になる理由や、実践する際の注意点を解説します。 養子縁組が相続税対策になる理由は? 養

  • 残す資産で家族が揉めないためにやっておくべきことをご紹介!

    残す資産で家族が揉めないためにやっておく

    残す資産で家族が揉めないためにやっておくべきことをご紹介! 自分は家族に残せる遺産が少ないから、残した遺産で家族が揉めるような事態にはならないと安心していませんか?また、どんな遺産を家族に残せるのかしっかりと把握していますか? 今回は、残す遺産で家族が揉めないためにやっておくべきことをご紹介します。自分たちは関係ないのではなく、少しずつ家族に残す遺産について考えていきましょう。

  • 夫婦の未来を守るためのチェックリストと遺言

    夫婦の未来を守るためのチェックリストと遺

    夫婦の絆は一生の間に築かれるもの。未来を守るためには、計画と準備が欠かせません。この記事では、夫婦が今後の安心を築くためのチェックリストと遺言の重要性について詳しく解説します。家族の幸せを支える一歩を踏み出しましょう。 未来の安心をチェック 1.1 資産の確認 夫婦での資産状況を把握しましょう。貯金、不動産、保険などの資産をリストアップし、将来への計画を立てます。 1.2

  • 遺産分割協議書の作成方法は?書式・流れ・必要な手続き

    遺産分割協議書の作成方法は?書式・流れ・

    相続手続きで作成される機会も多いのが、遺産分割協議書です。初めて耳にする名前に、「具体的に何を記し、どう作成すれば良いのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。遺産分割協議書の基本的な知識、作成方法、流れについて解説します。 遺産分割協議書とは? 遺産分割協議書とは? 遺産分割協議書とは、遺産分割協議で決定した内容を記すための書類です。遺産分割協議書の作成が終われば、遺産相続

コトダマのバナー