死亡保険は相続税の課税対象?遺産分割は?覚えておきたい基礎知識

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死亡保険は相続税の課税対象?遺産分割は?覚えておきたい基礎知識
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結婚して子どもが生まれ、家族が増えると気になるのが「死亡保険」についてです。自分に万が一のことがあったときでも、残された家族の生活を守れるように…と、死亡保険の加入を検討する方も少なくありません。

とはいえ、死亡保険に加入する際には、将来の「相続税」や「遺産分割」についても意識したいところです。事前に基礎知識を身につけておけば、余計なトラブルも防げるでしょう。

今回は、死亡保険と相続の関係性について解説します。死亡保険にも相続税はかかるのか、また妻を受取人に指定した保険金を、遺産分割しなければならないのか。これらの疑問を解消しましょう。

死亡保険金は受取人の「固有財産」

死亡保険に加入する場合、契約時に受取人を指定します。被保険者が亡くなったときに、この受取人が死亡保険金を受け取れる仕組みです。

死亡保険金の基礎知識として、まず頭に入れておきたいのは、死亡保険金とは受取人の固有財産であるという事実です。相続財産には含まれず、当然遺産分割の対象にもなりません。事前に指定されていた受取人のみが、死亡保険金のすべてを受け取る仕組みになっています。

一般的に、死亡保険金の受取人には、配偶者や子どもなどが指定されているケースが多いでしょう。死亡保険金の受取人が、法定相続人の一人であるという事例も、決して珍しくはありません。この場合、保険金の受取人でもあり、また法定相続人でもあるその人は、「保険金」と「相続分の遺産」の両方を受け取れるのです。

【例】
家族構成:両親と子ども2人(A、B)の4人家族
相続財産:不動産や現金など合計2,000万円
死亡保険:夫が子どもAを受取人に指定した2,000万円の死亡保険に加入

夫が死亡した場合の法定相続分
妻:1,000万円
子どもA:500万円
子どもB:500万円

死亡保険金
子どもA:2,000万円

合計
妻:1,000万円
子どもA:2,500万円
子どもB:500万円

このような計算式になります。

死亡保険金は相続財産に含まれないため、たとえ相続放棄の手続きを行った場合でも、それとは別に死亡保険金の受け取りが可能です。

ただし受取人に指定されていた人がすでに亡くなっている場合、受取人に指定されていた人の相続人が死亡保険金を受け取ります。この場合、死亡保険金を相続人の頭数で割り、それぞれが等分ずつ受け取る仕組みです。

ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に!

ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に!
ただし「みなし相続財産」として相続税の課税対象に!


先ほどお伝えしたとおり、死亡保険金は相続財産には含まれません。しかし、「みなし相続財産」として扱われる点にだけは注意しましょう。これは、「相続財産として遺産分割する必要はないが、相続税の課税対象には含まれる」という事実を示しています。死亡保険金は金額が大きくなりやすいため、特に注意が必要です。

とはいえ死亡保険金とは、被保険者が亡くなった後の身近な人たちの生活を支えるためのもの。その目的に配慮して、以下のような非課税枠が用意されています。

【死亡保険非課税枠】500万円×法定相続人の数

先ほどの4人家族の例を挙げるなら、500万円×3人で1,500万円が非課税枠として計算されます。
残った500万円は遺産の総額に含まれますが、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や債務控除(被相続人が生前に残した借金や葬儀費用)を適用できます。

また死亡保険金の受取人が「配偶者」であった場合、課税対象となる相続財産が1億6,000万円以下であれば相続税が課せられない、配偶者控除が利用できます。よほど大きな保険に加入していないかぎり、相続税が課せられる可能性は低いと言えるでしょう。

ちなみに、死亡保険金の受取人が法定相続人以外に指定されている場合は、やや注意が必要です。死亡保険非課税枠は、「相続人が死亡保険金を受け取った場合にのみ利用できる」もの。相続税が課せられる可能性も高まるという点は、頭に入れておいてください。

死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは?

死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは?
死亡保険金が所得税や贈与税の対象になるケースとは?

ここまで、死亡保険金と相続税について解説してきました。しかしそもそもの保険加入の仕方によっては、相続税ではなく所得税や贈与税を課せられる可能性も。いったいどういった場合に相続税以外の税が対象となるのか、こちらも知っておきましょう。

死亡保険金やみなし相続財産として扱われるのは、死亡保険の契約者と被保険者が、被相続人であった場合です。たとえば、夫自身が契約者となり、自身を対象とした死亡保険に加入。妻を受取人に指定した場合、妻が受け取る死亡保険金は相続税の対象になるでしょう。

一方で、妻が契約者となり夫を対象とした死亡保険に加入。受取人も妻であった場合、妻が受け取る死亡保険金は所得税の対象になります。「妻が加入した保険金を妻自身が受け取る」と判断されますから、死亡保険金は「妻の所得」となるわけです。

所得税には、相続税のような充実した非課税枠や控除制度は用意されていません。死亡保険金を一括で受け取った場合には「一時所得」と判断されます。受け取った保険金から払い込んだ分の保険料を引き、特別控除額50万円を超えた分に自身の所得を合わせて所得税が計算されます。年金方式で受け取った場合には「雑所得」と判断されるでしょう。こちらの場合、特別控除は利用できません。

死亡保険金の受け取りが贈与とみなされるのは、契約者と被保険者、そして受取人のすべてに別々の人物が指定されている場合です。たとえば、妻が契約者となり、夫が被保険者となる死亡保険を契約。死亡保険金の受取人を子どもに指定した場合、死亡保険金は妻から子への贈与とみなされます。

契約者・被保険者・受取人の指定は、保険加入時に決定するもの。誰をどのように指定するのかによって、将来受け取る死亡保険金の課税金額が大きく変わってくる可能性もあるでしょう。死亡保険金に関する基礎知識をしっかりと身につけ、受取時に余計な問題が発生しないよう注意してください。

死亡保険金に関する理解を深めよう!

死亡保険金は、受取人の固有財産としてみなされ、遺産分割の対象にはなりません。「特定の人にのみ財産を多く残したい」と思う場合、非常に有効な手段と言えるでしょう。

たとえ「全財産を○○に譲る」という内容の遺言を残した場合でも、法定相続人には遺留分の請求が認められています。死亡保険金であれば、遺留分を請求される恐れもありません。また、「法定相続人以外に多くのお金を残してあげたい」という場合にもおすすめの方法です。

とはいえ死亡保険金に関する無理解が、被保険者の死後、親族間の争いの火種になってしまうケースも決して少なくありません。残された家族の生活を助け、また余計な争いを避けるためには、事前にしっかりと基礎知識を身につけておくことが重要です。今回紹介した内容も参考にしながら、保険の加入について検討してみてくださいね。

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大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

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