学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?

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学資保険に入るなら受け取り方法を予習しよう!タイミングや注意点は?
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子どもが生まれたら、検討したいのが学資保険についてです。学資保険の大きな目的は、将来の進学への備え。とはいえ、まだまだ小さなわが子の姿から、保険金受取時を明確にイメージするのは難しいかもしれません。

学資保険でより確実に子どもの将来のために備えるのであれば、受け取り方法について予習した上で、加入を検討することが大切です。受け取りタイミングや注意点など、知っておきたい情報をまとめます。

学資保険とは?どうやって受け取る?

学資保険とは?どうやって受け取る?
学資保険とは?どうやって受け取る?


学資保険は、子どもの進学時にお金が受け取れるよう、計算して加入するタイプの保険です。受け取ったお金は、子どもの学費や一人暮らし費用に充てるご家庭が多いでしょう。「学資保険」という名称から、「子どものためにしか使えないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、これは誤解です。

学資保険の使い道は自由で、進学費用以外に利用しても大丈夫です。たとえば、「進学費用が無事に賄えたので住宅ローンの繰り上げ返済へ」「子どもに車を買ってやりたい」「事業費用の補填として」など、さまざまな使い道を自由に選択できるのです。

では実際に、学資保険はどのようにして受け取るのでしょうか。

学資保険の被保険者は「子ども」であり、子どもの年齢によって満期時期が設定されています。満期を迎えるころになると、保険会社から知らせが届きます。あとはその知らせに沿って手続きすればOKです。

学資保険で注意したい受け取りタイミング

学資保険とは?どうやって受け取る?
学資保険とは?どうやって受け取る?


学資保険の満期返戻金を受け取るのにベストな時期は、「何を目的にして保険に加入するのか?」によって異なるでしょう。

たとえば、大学入学費用を賄うつもりで加入するのであれば、子どもの年齢が17歳もしくは18歳に達したときに満期返戻金を受け取れるのがベストです。一方で、大学在学中の費用を賄いたいなら20歳前後、大学院進学費用を想定して加入するなら、22歳に設定すると良いでしょう。

子どもが何歳で満期を迎えるのかは、保険商品の種類によって変わってきます。学資保険に加入するタイミングで、将来のビジョンをはっきりさせておく必要があるでしょう。加入する保険を間違えれば、「せっかく学資保険に加入していたのに、必要な時期にお金を受け取れなかった…」という事態にもなりかねません。

学資保険の満期でもっとも多いタイプは、やはり「大学進学時(18歳)」に多額のお金を受け取れる保険でしょう。多くの子どもが大学に進学する中、進学費用の負担は決して少なくありません。たとえ大学進学しなかったとしても、専門学校への入学準備や就職準備、結婚準備など、お金があって困ることはないでしょう。

ただしこちらのタイプを選ぶ場合にも、注意したいポイントがあります。それは、子どもの年齢と支払い時期の関係性です。子どもが18歳になったときに満期返戻金を受け取る場合、それ以前に必要となる進学費用は賄えません。

たとえば子どもの誕生日が3月31日であれば、満期返戻金を受け取れるタイミングもこの日以降に。もっともお金が必要なタイミングに、保険金を使えない計算になってしまいます。特に子どもが早生まれの場合は注意しましょう。満期年齢を17歳に設定し、保険金受取から進学費用支払いまでのスケジュールに余裕を持たせておくのもおすすめです。

学資保険の受け取りに関する注意点2つ


子どもの将来のために備える学資保険。学資保険に加入するタイミングで押さえておきたい注意点は、以下の2つです。こちらもぜひチェックしてみてください。

★何度もお祝い金が受け取れるタイプはお得?


近年、学資保険のバリエーションは非常に豊富です。中でも人気なのは、子どもの成長の節目で、何度も「お祝い金」を受け取れるタイプでしょう。18歳を満期に設定していても、小学校入学時・中学校入学時・高校入学時など、さまざまなタイミングでお祝い金が支給されるタイプを指します。

何度もお金を受け取れるわけですから、「非常にお得」と感じるかもしれません。しかし、何度も受け取るお祝い金とは、あくまでも自分自身が積み立てている保険金の一部。つまり満期返戻金の一部を「前払い」しているに過ぎないのです。

確かに、子どもの成長の節目にお祝い金を受け取れれば「助かる!」と思う場面もあるでしょう。しかしお祝い金を受け取れば受け取るほど、本来の目的であった「大学進学時に受け取れるお金」は少なくなってしまいます。

また保険会社にとって、何度もお祝い金を支給するにはコストがかかります。このため、満期返戻金を一括で受け取るタイプの学資保険と比較して、「返戻率が低くなりやすい」という特徴があります。本当にお得なのかどうか、しっかりと検討するのがおすすめです。

★学資保険の満期返戻金にも税金がかかる可能性がある!

学資保険の満期返戻金を受け取る際にも、忘れてはいけないのが税金についてです。具体的にどういった税金が課せられるのかは、学資保険の契約者と受取人の関係性によって違ってくるでしょう。

もっとも多いのは、契約者と受取人が同一であるケースです。「子どもの父親が契約者となり保険金を支払い、子どもの父親が満期返戻金を受け取り、子どもの学費を支払う」という事例ですね。この場合、一括で受け取った学資保険の満期返戻金は「一時所得」と判断され、「所得税」の対象になります。

ただし一時所得には50万円の特別控除が用意されており、年間の一時所得金額がこの範囲に収まっていれば、所得税は課せられません。学資保険の受取額の平均は200~300万円程度と言われていますが、過去に収めた保険金は差し引きできます。50万円以上の、いわゆる「儲け」が出るケースは稀だと言えるでしょう。

ちなみに、学資保険のお金を毎年1回、継続して受け取る場合は「雑所得」と判断されます。やはりこちらも、所得税の対象になるため注意してください。雑所得には、一時所得のような特別控除額が存在しません。お祝い金を受け取れば、その金額に応じて所得税の課税額が増えるという点を頭に入れておきましょう。

また、学資保険の受取人を契約者以外に設定した場合、満期返戻金は贈与税の対象になります。こちらも注意してください。

学資保険に加入するなら将来へのビジョンをはっきりさせよう!


子どもが生まれたら、なんとなく学資保険を…と考える方も多いのではないでしょうか。学資保険は、将来の進学費用を賄うための方法の一つです。後悔なく受け取るためには、加入する段階で、将来へのビジョンをある程度はっきりさせておく必要があるでしょう。

・どのタイミングでお金を受け取るのか?
・いくら受け取れるようにするのか?
・誰を契約者と受取人に設定するのか?

これらの点を明らかにしておくだけで、失敗リスクも減らせるはずです。子どものための保険だからこそ、ぜひ準備はしっかりと整えておきましょうね。

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大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

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