遺言書作成を行政書士に依頼するメリットとは?注意点も解説

投稿 更新
Category:
遺言

contents section

遺言書作成を行政書士に依頼するメリットとは?注意点も解説
シェアボタン
この記事は約10分で読めます。

遺言状を作成する際には、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。法的に正しい方法で遺言を残せるため、後々のトラブルを予防できるでしょう。

遺言作成のサポートを行う専門家はさまざまですが、今回は行政書士について紹介します。遺言作成を行政書士に相談するメリットや注意点を解説するので、依頼先選びの参考にしてみてください。

そもそも行政書士とは?

行政書士とは、行政書士法に基づいた国家資格を保有する専門家です。主な仕事は官公署に提出する公的書類の作成や提出、手続きの代行。公的な書類作成の専門家と捉えれば良いでしょう。もちろん遺言についても例外ではなく、専門家目線で必要なサポートを提供してくれます。

とはいえ、行政書士にもできない業務はあります。たとえば、遺言状を作成するにあたって親族間でのトラブルが予想される場合、行政書士では依頼人の代理人を務めることはできません。「相手方と直接話し合ってほしい」「裁判や調停になったときも対応してほしい」といった要望がある場合は、弁護士に依頼した方が良いでしょう。トータルでサポートしてもらえます。

行政書士はあくまでも書類作成のエキスパートです。遺言に関して「比較的シンプルな相談がしたい」「将来、遺言が無効と判断されないためのサポートを受けたい」という場合には、ぜひ行政書士への相談を視野に入れてみてください。

行政書士が提供する遺言サポート内容とは?

遺言作成について行政書士に相談した場合、以下のようなサポートを受けられます。

・遺言書作成のためのアドバイス
・財産目録の作成
・相続人に関する調査や戸籍収集
・公正証書遺言の手続きの簡略化
・遺言の執行

遺言書を作成するためには、さまざまな準備が必要になります。行政書士に相談すれば、そのサポートをしてもらえるでしょう。遺言書にはどういった内容を掲載しておくべきなのか、また相続人には誰が当てはまるのか…初めての遺言作成で悩みやすいポイントも、丁寧にサポートしてもらえます。

また遺言の種類の中でも、公正証書遺言を選択する場合、手続きの一部を行政書士が代行してくれます。公証役場への連絡や必要書類の準備・提出など、行政書士にお願いしましょう。また行政書士は証人にもなれるため、証人を探す手間も省けます。

行政書士に遺言を相談するメリットとは?

遺言作成に関する相談受付は、行政書士以外にも、弁護士や司法書士、税理士など、さまざまな専門家が請け負っています。それぞれが得意分野を活かした相談サービスを提供する中で、行政書士の場合は、特別な強みは存在しません。行政書士にできる業務は、ほかの士業においても、基本的にサポート可能と捉えて良いでしょう。

では、わざわざ行政書士を選んで相談・依頼するメリットは、いったいどこにあるのでしょうか?2つのメリットを具体的に紹介します。

★費用が安い

行政書士に遺言作成を相談する最大のメリットは、費用面です。弁護士や司法書士、税理士など、その他の士業に依頼した場合と比較して、専門家報酬を安く抑えられる可能性が高いでしょう。

比較的シンプルな遺言作成を弁護士に依頼した場合、弁護士報酬の目安は20万円程度です。一方で、行政書士に依頼した場合の目安は10~15万円。費用の節約につながるでしょう。

★身近な場所で相談先を見つけやすい

行政書士は、弁護士や司法書士と比較して、登録人数が多いという特徴があります。身近な場所で相談相手を見つけやすいというメリットが期待できるでしょう。

遺言は、「一度作成したらそれで終わり」というものではありません。所有する財産や相続人の状況は、常に変化し続けていきます。作成後も定期的にメンテナンスするとなると、できるだけ自宅から近い場所で相談できた方が、利便性が高まるでしょう。

遺言作成を行政書士に相談する際の注意点3つ

遺言作成を行政書士に相談する際の注意点3つ
遺言作成を行政書士に相談する際の注意点3つ

遺言状作成について行政書士に相談する場合、以下の注意点を頭に入れておいてください。トラブル予防につながります。

★1.遺言や相続を得意とする行政書士を選ぶ

日本には数多くの行政書士が存在していますが、そのすべてが遺言・相続分野を得意としているわけではありません。行政書士にもそれぞれ得意分野があるため、相談先を間違えると「依頼は受け付けてもらえたものの、十分なサポートが受けられなかった…」という事態にもなりかねません。

それぞれの行政書士が得意とする分野は、インターネット上の情報や、事務所紹介情報に記載されています。遺言や相続を得意とする行政書士を選択してください。得意分野がよくわからない場合、過去の実績について問い合わせてみるのもおすすめです。遺言や相続に関して、一定の実績を持つ行政書士事務所であれば、安心してお任せできるでしょう。

★2.サポートしてもらえる内容は事前に確認する

遺言や相続の相談に対応してくれる行政書士事務所でも、どういったサポートに対応しているのかは、それぞれで異なります。依頼前には、必ず「何をどういった方法で、どこまでサポートしてくれるのか?」を確認しておきましょう。サポート内容に満足できる行政書士事務所を選択するのがおすすめです。

★3.行政書士にできない業務を理解する

遺言や相続に関して行政書士に相談する際に、忘れてはいけないのが「行政書士にはできない業務もある」という点です。できることだけではなく、できない業務についても事前に確認しておくことで、トラブルも少なくなるでしょう。

行政書士にできない業務は、主に以下の2つです。

・トラブルに関連する具体的な法律相談
・不動産の移転登記手続き

遺言や相続に関連した親族間トラブルは、決して珍しいものではありません。「将来的にトラブルが発生しないよう、遺言の内容にアドバイスする」ことは行政書士でも可能ですが、すでに発生しているトラブルに対して「法律をもって解決のために動く」ことはできません。

また本人に代わって不動産の移転登記手続きができるのは、弁護士と司法書士のみです。行政書士に依頼したのちに、移転登記の代行が必要になった場合、別の事務所にあらためて依頼しなければならなくなります。無駄な費用や手間の発生を防ぐためにも、事前によく検討しておきましょう。

遺言に関する相談は行政書士にお任せ

遺言に関する相談は行政書士にお任せ
遺言に関する相談は行政書士にお任せ

終活の一環として、将来のトラブル予防のために遺言を残したいという場合、行政書士に相談してサポートしてもらうのもおすすめです。行政書士にできる業務は限られていますが、ごく一般的な遺言を作成するだけなら、十分なサポートを受けられるでしょう。弁護士や司法書士に比べて、専門家報酬を節約できる点も魅力的です。

遺言の相談を、誰にすれば良いのかわからない…と悩む方は少なくありません。ぜひ身近な行政書士への相談も検討してみてください。

Category:
遺言
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • 生前贈与の「相続時精算課税」とは?遺産を受け取る際の注意点やデメリットも解説

    生前贈与の「相続時精算課税」とは?遺産を

    将来の相続税負担を和らげるため、生前贈与を検討する方も多いでしょう。生きている間に財産を子どもや孫に渡してしまえば、相続財産を減少させ、相続税が発生するリスクも少なくできます。 とはいえ、生前贈与を行う場合に、考慮しなければならないのが「贈与税」についてです。生前贈与をしても贈与税が課せられないと言われる「相続時精算課税」をわかりやすく解説します。遺産を受け取る際の注意点やデメリットについ

  • 不動産相続の基礎知識|相続財産の評価方法を学ぼう

    不動産相続の基礎知識|相続財産の評価方法

    不動産を相続する際に、気になるのが相続税についてです。実際に相続税が発生するかどうかは、相続対象の不動産の評価額によって決定されます。とはいえ、不動産の評価額をどのように決めれば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、不動産相続の基本として、評価方法の種類や特徴を解説します。ぜひ参考にしてみてください。 不動産を評価するための方法とは? 不動産を評価するための方法

  • 他人事ではない相続税対策!具体的な方法と注意点

    他人事ではない相続税対策!具体的な方法と

    「相続税対策」と聞くと、「一部のお金持ちのみが行うもの」という印象を抱く方も多いのではないでしょうか?しかし今、ごく普通の生活を送っている方にとっても、相続税は身近な存在になってきています。 では具体的に、どういった条件に当てはまると、相続税対策が必要になるのでしょうか。相続税が発生する条件や、税金を少なくするための具体的な対策、実施する際の注意点などをまとめて解説します。 そもそも

  • 相続放棄を選択肢の1つに 子どもに負の遺産を相続させない

    相続放棄を選択肢の1つに 子どもに負の遺

    相続放棄を選択肢の1つに 子どもに負の遺産を相続させない 終活で遺産整理などを行っていると、返しきれない借金がある、ローンの返済が終わらないといった事態に気づく場合があるかもしれません。 もし借金やローンの返済が完済せずあなたが亡くなってしまった場合、返済義務は相続権のある子どもに渡ってしまいます。 子どもにそんな物を相続したくないと思う方に向けて、今回は相続放棄といった選

  • 遺産の独り占めはよくあるトラブル!3つの対処法と予防のポイントは?

    遺産の独り占めはよくあるトラブル!3つの

    遺産相続に関するトラブルで、耳にする機会も多いのが「独り占め」です。相続人のうちの1人が財産を独占してしまったら、その他の相続人にとっては、到底納得できる状況とは言えないでしょう。 では実際に独り占めトラブルが発生してしまった際に、私たちはどう対処するべきなのでしょうか。3つの方法と、そもそも独り占めトラブルを起こさないための予防法をお伝えします。 遺産の独り占めが起きる理由

  • 家族への思いを残すためにビデオメッセージを選ぶメリットやポイントを解説

    家族への思いを残すためにビデオメッセージ

    家族への思いを残すためにビデオメッセージを選ぶメリットやポイントを解説(イメージ) あなたは亡くなったあと、家族にどんなメッセージを残したいですか?スマホやビデオカメラなど、動画を気軽に残せるようになった現在では家族へビデオメッセージを残す方が多いです。 今回はビデオメッセージを残したい方、検討中の方に向けてビデオメッセージのメリットやポイントをくわしく解説していきます。 家族

コトダマのバナー