死亡共済金は相続対象に含まれる?相続対策を考える上での注意点も解説

投稿 更新
Category:
相続

contents section

死亡共済金は相続対象に含まれる?相続対策を考える上での注意点も解説
シェアボタン
この記事は約10分で読めます。

自分に万が一のことがあったときのため、共済に入っている方も多いのではないでしょうか。遺族の手元に入るお金は、今後の生活の支えになってくれるでしょう。
とはいえ、より多くのお金を家族のために残したいなら、「相続」についての注意点も知っておくことが大切です。死亡共済金の扱いや、相続対策を考える上で知っておきたい注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

死亡共済金は相続対象に含まれない

死亡共済金は相続対象に含まれない
死亡共済金は相続対象に含まれない

まず頭に入れておきたいのが、「死亡共済金は相続対象に含まれない」という事実です。死亡共済金受取人の順位は、共済の規約によって定められています。また契約者が、事前に受取人を指定しているケースもあるでしょう。死亡共済金を受け取る権利は、受取人に固有の権利として判断されます。

身近な人が亡くなった際に、財産は相続人に受け継がれます。預貯金や不動産など、ありとあらゆる財産が相続対象に含まれるでしょう。しかし死亡とともに発生した死亡共済金は、これらの相続財産に含まれません。相続手続きは、死亡共済金を除いて進められていきます。

一般的な相続の考え方として、父親が亡くなり、その配偶者と子ども3人が相続人になる場合を例にあげましょう。この場合、父親が残した3,000万円の財産を法定相続分に沿って分配する場合、配偶者が1,500万円、3人の子どもがそれぞれ500万円ずつ受け取る計算になります。

では、この父親が生命共済に加入していて、1,000万円の死亡共済金を配偶者が受け取る場合について考えてみましょう。配偶者は1,500万円の遺産に加えて、死亡共済金1,000万もそのまま受け取る計算になります。子ども3人が、「自分たちにも受け取る権利がある」と主張することはできません。

「みなし相続財産」として相続税が課税される場合がある

上で解説したとおり、死亡共済金は相続財産には含まれませんが、税制上の公正を期すため、「みなし相続財産」として判断されます。

つまり、「一般の相続財産のように分配する必要はないが、相続税の対象にはなる」ということ。死亡共済金や相続財産には、その性質を考慮して、十分な非課税枠が用意されています。しかし相続する財産が一定ラインを越えると、相続税が発生する可能性もあるのです。

死亡共済金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」という計算式で求められます。先ほどの家族を例にあげると、相続人の数は「配偶者+子ども3人」の合計4人。2,000万円までの死亡共済金であれば、相続税を課税されずに受け取れるでしょう。

仮に死亡共済金が2,500万円の場合、500万円分は非課税枠に入りきりません。この場合、入りきらない分をその他の相続財産と合わせて、相続税の金額が決定される仕組みです。

ただし死亡共済金以外の相続財産についても、「基礎控除額」が定められており、この範囲内であればやはり相続税は課税されません。相続税の基礎控除額は、「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」という数式で求められます。再度先ほどの例で考えるなら、相続税の基礎控除額は5,400万円です。仮に死亡共済金の非課税枠に入りきらない分が出たとしても、その他の相続財産と合わせて5,400万円までであれば、相続税は発生しません。

一方で、その他の財産と合わせて5,400万円を超えてしまうのであれば、死亡共済金であっても相続税が発生します。非課税枠に入りきらなかった500万円分については、きちんと税金を納める必要があるので注意しましょう。

共済保険で相続対策する場合の3つの注意点

平成27年より、相続税に関する制度が改正され、基礎控除枠が減額されました。これにより、「ごく一般的な家庭」であっても相続税が課税されるケースも増えてきています。以前は「相続対策=お金持ちがするもの」というイメージもありましたが、現在はそういうわけでもありません。より多くの人にとって、持続対策が重要な意味を持つようになってきています。

こうした状況の中で、共済保険も具体的な相続対策の一つとして注目されるように。この場合、以下の3つのポイントに注意してみてください。

★共済の自由度は低い

相続対策で共済保険の活用を考える場合、その自由度の低さについて、あらかじめ頭に入れておきましょう。

一般的な生命保険の場合、死亡時の保障をいくら用意するのかは、比較的自由に設定できます。10万円単位で指定できるような保険商品も、決して少なくありません。一方で共済の場合は、200万円・500万円・1,000万円などあらかじめ金額が決められたコースの中から、選んで加入するスタイルが一般的です。自身のニーズに合わせて変更するのは難しいでしょう。

★受取金額も低め

先ほどもお伝えしたとおり、死亡共済金や死亡保険金には、手厚い非課税枠が用意されています。まず、死亡共済金独自の非課税枠を計算し、さらにそこに含まれない分についても、相続税の基礎控除枠を活用できる仕組みです。相続対策を考えるなら、この非課税枠や控除額を、できるだけ無駄なく使い切ることが重要だと言えるでしょう。

共済の場合、死亡時に受け取れる金額は比較的低めに設定されています。相続対策として検討するなら、より高額な保険金を受け取れる、生命保険を検討するのがおすすめです。

死亡共済金や死亡保険金の非課税枠は、法定相続人の数によって違ってきます。法定相続人の数が少ない場合は共済でも十分ですが、法定相続人の数が多く、非課税枠も多い場合には、より充実した生命保険を検討すると良いでしょう。

★契約者と受取人の関係によって税金は変わる!

先ほど、「死亡共済金にも相続税が発生するケースがある」とお伝えしましたが、契約時の各種条件によっては、相続税ではなく所得税や贈与税の対象になる可能性もあります。

契約者自身が死亡共済金を受け取る場合、発生する税金は所得税です。夫が妻を被共済者として契約を結び、夫を死亡共済金の受取人に設定した場合がこちらにあたります。契約者と被共済者、そして受取人がそれぞれ別の人の場合(夫が妻を被共済者として契約を結び、死亡共済金を子どもが受け取る場合など)には、贈与税が発生します。

契約時には、これらの注意点についてもしっかりと頭に入れておきましょう。

共済に加入するなら相続も見据えて検討を

共済に加入するなら相続も見据えて検討を
共済に加入するなら相続も見据えて検討を

将来のために、共済への加入を検討する方も多いのではないでしょうか。将来の相続についても見据えて決断することで、余計なトラブルを避けられるでしょう。誰が受取人になるのか、また相続時にどういったトラブルが発生する可能性があるのか、事前に検討した上で検討するのがおすすめですよ。

Category:
相続
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • 厚生年金が財産分与の対象になるって本当?離婚時の基礎知識

    厚生年金が財産分与の対象になるって本当?

    老後の生活を支えてくれる厚生年金。自身の将来を考える上で、非常に重要な年金だからこそ、実際に年金を受け取る前から正しい知識を身につけておくことが大切です。今回は、夫婦が離婚した場合の厚生年金の扱い方について解説します。「離婚したら厚生年金も財産分与の対象になると聞いたけれど…本当なのか?」といった疑問を、すっきり解消していきましょう。 厚生年金そのものは財産分与の対象にならない! 厚

  • 公正証書遺言作成に必要な書類・資料とは?取得方法もあわせて紹介!

    公正証書遺言作成に必要な書類・資料とは?

    自筆証書遺言よりも、確実性が高い公正証書遺言。最近では、「遺言書が原因でトラブルにならないように」との思いから、公正証書遺言を選択する方も増えてきています。とはいえ、公正証書遺言を作成するためには、さまざまな書類・資料を用意しなければいけません。具体的にどういった資料が必要になるのか、収拾方法とともに紹介します。 公正証書遺言とは? まずは公正証書遺言の基本についておさらいしておきま

  • 相続した一戸建てに住む場合の注意点とは?基礎知識やトラブル回避方法も

    相続した一戸建てに住む場合の注意点とは?

    両親が亡くなった際に、実家の相続で悩む方は少なくありません。現金や預貯金の相続とは、全く異なる性質を持っている一戸建ての相続。「実家に住むのか、それとも住まずに手放すのか」と、判断を迫られる方も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは、迷った末に「住む」と決断した場合の注意点です。必要書類や具体的な手続き方法といった基礎知識から、一戸建て相続にまつわるトラブル回避法まで詳しく解説してい

  • 会社のお金は遺産として相続できる?経営者が亡くなった場合の注意点

    会社のお金は遺産として相続できる?経営者

    会社を経営している親が亡くなった場合、その遺産はどうなるのか、悩む方は多いのではないでしょうか。会社のお金を遺産として相続できるのかどうか、できるだけ早くはっきりさせたいところです。会社のお金の扱い方や相続の基本、経営者が亡くなった場合の注意点をまとめます。 会社のお金を相続できるケース・できないケース 会社のお金を相続できるケース・できないケース 会社を経営している親が亡くな

  • 大切な人への最後の贈り物―葬式と遺産相続の準備

    大切な人への最後の贈り物―葬式と遺産相続

    葬式と遺産相続は大切な人への最後の贈り物です。遺族にとっては心の整理が必要な時期でもありますが、準備を進めることで愛する人への感謝と敬意を示すことができます。本記事では、心に残る葬式の演出と遺産相続のポイントについて解説します。大切な人への思いを込めた最後のお別れをするために、葬式と遺産相続の準備を始めましょう。 1: 心に残る葬式の演出 心に残る葬式の演出について見ていきましょう。

  • 遺産【争族】を防ぐために…やっておくべき事前準備とは?

    遺産【争族】を防ぐために…やっておくべき

    身近な人が亡くなった際に、発生するのが相続です。できるだけ円満に解決したいと思いつつ、実際には遺産「争族」になってしまうケースも少なくありません。余計なトラブルを防ぐためには、事前にしっかりと相続準備を進めておくことが大切です。争いを避けるための3つのポイントを紹介します。 相続人の負担を減らすための対策をする 相続人の負担を減らすための対策をする 遺産相続でトラブルが発生する

コトダマのバナー