家族に託す大切な気持ち…ビデオメッセージを活用するメリットとは?

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家族に託す大切な気持ち…ビデオメッセージを活用するメリットとは?
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終活では、「家族に向けたメッセージを残したい」と思う方も多いことでしょう。手紙を残したり、エンディングノートにメッセージをつづったりと、その方法はさまざまです。

「より気持ちの伝わるメッセージを届けたい」と思う方に、近年人気なのがビデオメッセージです。家族に対して、ビデオメッセージを残すメリットや具体的な方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

終活で「ビデオメッセージを残す」とは?

終活では、大切な家族に向けたメッセージを、何らかの形で残すよう、促すケースも多いものです。ビデオメッセージは、メッセージを残すための形式の一つと言えるでしょう。

文字で書かれたメッセージは、読み手に「情報」を伝えてくれますが、それ以上のものではありません。一方でビデオメッセージの場合、生きている自分の姿や声、仕草など、さまざまなポイントで気持ちを伝えやすくなるでしょう。パソコンやスマートフォンで手軽に動画撮影できるようになった今、「最期の思いを届けるための手段」として、ビデオメッセージを選択する方も増えてきています。

実際に、ビデオメッセージを残そうと思ったときに気になるのが、その扱いについてです。残念ながらビデオメッセージには、法的拘束力は存在しません。遺言書のように、自身の死後の、家族の動きを指定できるわけではないのです。

法的拘束力を持つ遺言は遺言として残し、その内容をより身近に感じてもらうため、ビデオメッセージも併せて活用すると良いでしょう。

ビデオメッセージならではの3つのメリット

ビデオメッセージには、その他のメッセージ伝達手段にはないメリットがあります。3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

★1.自分の「声」を届けられる

ビデオメッセージならではの特徴と言えば、自分の声をそのままの形で残せるという点です。身近な人が亡くなったあと、恋しい思いに囚われてしまう方は、決して少なくありません。生前の声を聞くことで、元気を取り戻せる方もいます。

耳から入る情報が持つインパクトは非常に大きく、遺族の心を揺さぶるでしょう。また、何度も繰り返し再生できるため、亡くなった人をいつでも身近に感じやすくなります。

★2.気持ちが伝わりやすくなる

文字ではなく言葉で気持ちを伝えるビデオメッセージは、自身の感情をより一層伝えやすいというメリットがあります。伝える内容が同じであっても、文字で記載された情報を読むのと、声で直接届けるのとでは、印象が異なります。

自分の気持ちを届けたいと思うときには、やはりビデオメッセージの方が、効果が高くなるでしょう。ビデオメッセージが苦手…と感じる方もいるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。事前に用意した原稿を読むだけであっても、気持ちを伝える効果は十分にあるでしょう。

★3.「自分らしさ」を演出しやすい

遺言とは違い、法的拘束力を持たないビデオメッセージ。デメリットのようにも思えますが、見方を変えればメリットにもなります。法的な必要要件を満たすために、必死になる必要はありません。自分の好きな形で、好きなようにメッセージを残せるでしょう。

たとえば、自分一人でメッセージを残す必要はありませんし、友人や家族と一緒に楽しく撮影するのもおすすめです。自分の趣味を取り入れたり、前からやってみたいと思っていたことに挑戦したりするのも良いでしょう。自分らしい演出で、世界に一つだけのビデオメッセージを作ってみてください。

家族へのビデオメッセージの残し方2つ

残された家族へ、素直な気持ちを届けてくれるビデオメッセージ。具体的には、どのように残せばよいのでしょうか。2つの方法と注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

★1.自分のスマホで撮影する

家族へのビデオメッセージの残し方2つ
家族へのビデオメッセージの残し方2つ

低コストで手軽にビデオメッセージを残したいと思う方におすすめなのが、自分自身で動画を撮影する方法です。普段からスマートフォンを愛用している方なら、決して難しい作業ではないでしょう。お気に入りの場所でカメラをセットしたら、あっという間に撮影スタジオが出来上がります。

自分で撮影する場合の注意点は、ビデオメッセージの質は、自身のスキル次第だということ。編集まで難なくこなす人もいれば、ダラダラと話すだけの、まとまりのないメッセージになってしまうケースもあるでしょう。

また自分の手でビデオメッセージを作成する場合、自身の死後、確実に見つけてもらうための仕組み作りが必須です。

・パソコンやスマホの目立つところに保存しておく
・エンディングノートに、家族あてのビデオメッセージのありかを記録しておく
・身近な人に、ビデオメッセージの存在を伝えておく

せっかくのメッセージが埋もれてしまわないよう、十分に注意してください。

★2.制作業者に依頼する

制作業者に依頼する
制作業者に依頼する

終活ブームの今、さまざまな作業を代行する業者も登場してきています。家族あてのビデオメッセージの制作代行業者もその一つです。コストはかかりますが、自分で作成するよりも高いクオリティで、より確実にメッセージを残せるでしょう。

ビデオメッセージの制作業者に依頼する際の注意点は、以下のとおりです。

・自分のイメージに沿った制作物を納品してくれること
・料金が明瞭であること
・業者側と、しっかりコミュニケーションが取れること

ひと言で「家族向けビデオメッセージ」と言っても、コンセプトが変われば、動画の雰囲気もがらりと変わります。理想の仕上がりにするためには、業者選びの段階で、しっかりと比較検討する必要があるでしょう。

費用についても、業者によって非常に大きな差があります。4万円~10万円程度で制作できる業者が多いものの、中には30万円以上と高額プランを打ち出しているところもあります。

ビデオメッセージ制作を業者に依頼した場合、「自分が亡くなるまで保管し、その後家族のもとへと届けてくれるサービス」までを展開しているところもあります。それぞれのサービスの内容を理解した上で、利用先を決定するようにしましょう。

家族あてのビデオメッセージも上手に活用を

遺言とはまた違った形で、最期の言葉を家族のもとへと届けてくれるビデオメッセージ。「遺言の内容に信ぴょう性を持たせたい」と思う場合にも、極めて有効な方法と言えるでしょう。ぜひ遺言と併せて活用してみてください。自分にとっても、終活を楽しくすすめていくための拠り所になってくれるのではないでしょうか。

単に文字を伝えるだけではなく、声や表情を通して伝えることで、大切な思いはより一層届きやすくなります。大切な家族だからこそ、形にこだわってみるのも良いでしょう。どういった形でメッセージを残そうか悩んだときには、ぜひビデオメッセージにも注目してみてください。

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大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

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