学資保険の種類とは?それぞれの特徴と選び方を解説

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学資保険の種類とは?それぞれの特徴と選び方を解説
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子どもが生まれたら「学資保険」についても検討してみてください。できるだけ早くに加入することで月々の保険料負担を抑えられたり、満期保険金の返戻率が高くなります。

とはいえ、いざ学資保険についてリサーチし始めても…「何をどう選べば良いのかわからない!」と悩む方も多いもの。学資保険の種類や選び方について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

学資保険の種類は大きく分けて2つ

学資保険の種類は大きく分けて2つ

ひとことで「学資保険」と言っても、選ぶ商品によってその内容はさまざまです。子どもの将来のための保険だからこそ、あとになって「思っていたのと違った…」という事態は避けたいもの。それぞれの内容をしっかりと理解した上で、契約する必要があるでしょう。

さて、そんな学資保険には、大きく分けて以下の2つの種類が存在しています。まずは、自分の希望がどちらに当てはまるのかをチェックしてみてください。

・貯蓄重視型
・保障重視型

貯蓄重視型とは、その名前のとおり「将来の学費を貯めること」を目的にした保険です。過去に払い込んだ保険料よりも、多くの満期保険金を受け取れるタイプも目立ちます。貯蓄重視型を選ぶ場合、返戻率の高さが契約の際の大きな判断基準になるでしょう。

「返戻率」とは、支払った保険料に対してどのくらいの割合でお金が戻ってくるのかを示すための数値で、「受取総額÷払込保険料総額×100」で求められます。数値が100を超えていれば「払い込んだ以上に受け取れる」ということになりますから、ぜひ注目してみてください。

一方で保障重視型とは、将来の学費を確保するだけではなく、子どもが成長していく途中の保障もセットにした保険です。

・子どもがケガや病気で入院したときに、保険金を受け取れる
・契約者に万が一のことがあれば、養育年金を受け取れる

「将来の学費」だけではなく、今、目の前で育つ子どもへの保障もセットになっている点が、保障重視型を選択する最大のメリットと言えるでしょう。ただし、保障がセットになっている分、貯蓄重視型よりも返戻率は低めです。返戻率が100を超えることは、まずないでしょう。

ちなみに、返戻率の高さが魅力の貯蓄重視型ですが、最低限の保障はセットになっています。たとえば、契約者に万が一のことがあった場合、以降の保険料の払い込みは不要になるなどが挙げられます。満期を迎えれば、「満期保険金」を満額受け取れるので安心してください。

学資保険以外にも学費を貯める方法はある!

学資保険の目的は、将来の子どもの学費を確保することです。目的を達成できる保険商品は学資保険以外にもありますから、ぜひこれらの保険にも注目してみてください。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑える代わりに、払込期間終了後の返戻率をアップさせる仕組みの保険商品です。

払込期間終了後であれば、返戻率が100%を超えるものも少なくありません。自身の目的に合わせて自由に設計しやすいので、学資保険代わりに利用する方も増えてきています。

しかも低解約返戻金型終身保険の場合、保険を解約するタイミングは自分自身で選択できます。学資保険代わりに加入する場合、子どもの進学タイミングに合わせて、返戻率が100を超えるように設計するのが一般的。

しかし、「絶対にその時期に解約しなければいけない」というわけではないのです。解約時期が後ろにずれればずれるほど、満期保険金の金額がアップする仕組みになっています。

たとえば、18歳のときの大学進学費用がなんとか工面できた場合、低解約返戻金型終身保険をそのまま置いておくことが可能なのです。子どもの結婚や車購入など、その後のライフイベントのためのお金として確保できます。返戻率はどんどん上昇していくでしょう。

学資保険の場合、「契約者は親・被保険者は子ども」として契約しますが、低解約返戻金型終身保険の場合、「契約者・被験者共に親」として契約することが可能。親が亡くなった場合には、その時点で死亡保険金が支払われます。

メリットも多い保険商品ですが自由度が高いため、解約時期をいつにするのか、しっかりとシミュレーションした上で契約する必要があるでしょう。

外貨建て保険

外貨建て保険は、外貨で取引するタイプの保険商品です。円建てよりも利回りが良い保険商品が多いため、「子どもの将来の学費を効率良く増やしたい」と思う方におすすめです。

外貨建て保険の場合、保険料の支払いや満期保険金の受取は、原則として外貨で行われます。このため為替の状況によっては、利回り以上のリターンを期待できる可能性もあるでしょう。

外貨建て保険の中には、受取段階に自動で外貨が円に換算されるタイプもあれば、外貨で受け取った後に、自分のタイミングで円に戻せる商品もあります。後者であれば、外貨建て保険の為替リスクを減らせますし、また子どもが海外へ留学するとなれば、外貨のままで学費を用意することもできます。

それぞれの保険の特徴やリスクを踏まえた上で、より良い保険を選択してみてください。

学資保険の選び方のポイント3つ

学資保険の選び方のポイント3つ

学資保険の種類を知ったら、次は選び方のポイントを学んでいきましょう。具体的には、以下の3つを意識してみてください。

・貯蓄重視型と保障重視型のどちらを選択するか?
・返戻率はどれくらいか?
・自分たちにとって都合の良いプラン設計が可能か?

学資保険選びで、まず意識したいのが、貯蓄重視型と保障重視型のどちらを選択するのかという点です。これによって、選ぶ学資保険の幅がぐっと狭まります。また、どちらを選ぶ場合でも、無視できないのが返戻率です。「将来の学費のため」という目的を達成するためには、返戻率ができるだけ高い保険を選んでください。

さらに学資保険の場合、保険料を無理なく支払い続けられ、必要なタイミングで受け取れることが極めて重要なポイントになります。

・月々の保険料負担
・保険料の払い込み期間
・お祝い金を受け取れるタイミング

これらの点も、ぜひチェックしてみてください。自分たちに合った学資保険が、見つかりやすくなるでしょう。

学資保険の相談先は?

学資保険の種類や加入時期について、自分では判断できない…というケースもあるでしょう。このような場合には、専門家の相談窓口を頼るのがおすすめです。学資保険に関する相談は、以下のような場所で受け付けています。

・保険ショップ
・保険会社
・ファイナンシャルプランナー

特定の学資保険について聞きたいなら、その保険を扱う保険会社にコンタクトを取るのがおすすめです。複数の保険会社から比較検討したい場合には、保険ショップを頼りましょう。

家計診断や学資保険以外の資産運用についても併せて相談したいなら、ファイナンシャルプランナーがおすすめです。相談料はかかるものの、有益な情報を得られるでしょう。

学資保険の種類を知って自分に合ったタイプを選ぼう

「子どもが生まれたけれど、学資保険の選び方がわからない…」と悩む方は、決して少なくありません。まずは学資保険の種類を知るところからスタートしましょう。非常に多くの商品がある学資保険ですが、自分が求める種類さえわかっていれば、見るべき商品を絞り込めます。

それぞれのタイプの特徴を知れば、保険選びの際にチェックするべきポイントもわかります。自分たち家族に合ったタイプの保険で、子どもの将来の進学に備えましょう。

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大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

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