死亡共済金の受取人は誰になる?トラブル予防のために準備しておきたいこと

投稿 更新
Category:
相続

contents section

死亡共済金の受取人は誰になる?トラブル予防のために準備しておきたいこと
シェアボタン
この記事は約10分で読めます。

万が一のときのために加入する共済。死亡時には、死亡共済金が受け取れる商品も少なくありません。

「実際に共済への加入を検討している」「共済に加入している家族が亡くなった」場合に、知っておきたいのが「死亡共済金の受取人」についてです。いったい誰が受け取ることになるのかを事前に把握しておくと共に、トラブル予防のための対策を実施しましょう。

死亡共済金の受取人とは?

死亡共済金の受取人とは?
死亡共済金の受取人とは?


共済には、さまざまなタイプの商品があります。たとえば、病気やケガを理由に共済金を受け取る場合、受取人は契約者本人に。ただし死亡共済金の場合は、契約者本人が受け取ることはできません。あらかじめ定められたルールに則って、以下の中からもっとも優先順位が高い人が、受け取る仕組みになっています。

1.加入者の配偶者(婚姻届の提出あり)
2.同一世帯に属する加入者の子
3.同一世帯に属する加入者の孫
4.同一世帯に属する加入者の父母
5.同一世帯に属する加入者の祖父母
6.同一世帯に属する加入者の兄弟姉妹
7.加入者のその他の子
8.加入者のその他の孫
9.加入者のその他の父母
10.加入者のその他の祖父母
11.加入者のその他の兄弟姉妹
12.加入者の甥姪

つまり、共済に加入していた人に法律上の配偶者がいれば、死亡共済金は自然にその配偶者のもとに支払われます。配偶者がいない、すでに亡くなっている場合には、同居中の子や孫へと、順序が移っていくというわけです。

死亡共済金は残された家族の生活を支えるためのお金であり、受取人優先順位からもわかるとおり、「同一世帯に属しているか否か」が重要視されています。実際には現在同居していなくても、その理由が「修学・療養・勤務」といった事情であれば、「同一世帯に属するもの」として判断されます。また同一順位が複数人いる場合には、平等に分配される仕組みです。

順位を無視して特定の誰かに受け取ってほしい場合は?


自分に万が一のことがあったとき、残された家族の生活を支えるために…という目的から、「受取人の順位が上位ではない人に死亡共済金を受け取ってほしい」と思うケースもあるでしょう。このような場合には、「死亡共済金受取人指定」の制度を活用してください。

死亡共済金受取人指定とは、その名前のとおり、死亡共済金を受け取る人を、あらかじめ加入者が指定しておける制度のこと。もしこの制度で受取人が指定されていれば、上記の順位を無視して、共済金を受け取れます。ただし死亡共済金受取人として指定できる人にも、一定のルールが設けられているケースがほとんどです。

・契約者の親族
・反社会的勢力に属していない人

内縁関係にある人や同性婚のパートナーを共済金の受取人として指定できるかどうかは、共済商品によって事情が異なるため、契約時にしっかりと確認しておきましょう。内縁関係にある場合、「法的な配偶者がいないこと」などを条件に、受取人指定が認められるケースもあります。また同性パートナーについても、一定の事情を伝えた上で、日常生活上密接な関わりがあると認められれば受取人になれる可能性があるでしょう。

どちらの場合も、事前準備が欠かせませんから、まずは組合側へと問い合わせてみてください。後々のトラブルを防ぐためにも、また自身の遺志を反映させるためにも、早めの準備が鍵となります。

死亡共済金の受け取りが相続問題に発展する可能性も?


死亡共済金は、加入者が亡くなったあとの、家族の生活をサポートしてくれるでしょう。しかし残念ながら、この死亡共済金が原因で相続トラブルに発展してしまう恐れもあります。2つの事例を解説します。

★兄弟間の不公平な相続について


先ほどもお伝えしたとおり、死亡共済金は受取人の指定が可能。たとえば、兄弟姉妹のうち1人だけが死亡共済金の受取人に指定されている場合、その他の兄弟姉妹から、その不公平さに文句が出る可能性があります。

なぜなら、受取人が指定された死亡共済金は、受取人に固有の財産とみなされるから。死亡共済金をすべて1人で受け取った上で、その他の財産についても、その他の兄弟と同じ分だけ受け取れる可能性があるというわけです。あまりに大きすぎる差に、深い亀裂が生じてしまうケースも少なくありません。

死亡共済金の受取で相続トラブルを発生させないためには、受取人を指定する段階で、過度に不公平な状況にならないよう注意する必要があるでしょう。

★相続放棄と死亡共済金の受け取りについて


こちらは反対に、死亡共済金の受取指定をしなかった場合のトラブル事例です。

遺産相続とは、プラスの財産もマイナスの財産も、すべてひっくるめて受け取るか、放棄するのかを選ぶ仕組み。たとえば、父親の財産を母親と子どもで受け継ぐ場合、不動産や預金といったプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も対象になります。プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、相続放棄の手続きをとる必要があるでしょう。

もしも、

・死亡共済金の受取人が指定されていない
・受取人指定欄に、ただ「相続人」とだけ記載されている

といった状況の場合、死亡共済金は遺産の一部として扱われます。つまり、1,000万円の死亡共済金が支払われても、負債総額がそれ以上であれば相続するメリットはなくなってしまうというわけです。

先ほども説明したとおり、死亡共済金の受取人が指定されていれば、共済金は受取人に固有の財産とみなされます。遺産とは切り離して考えられますから、負債まみれの財産を相続放棄した場合でも、死亡共済金は受け取れるでしょう。

ただしこの場合も、相続人が複数人いる場合には注意が必要です。「相続人全員で相続放棄の手続きをしたが、実際には共済金で利益だけを得ている人がいる」という事態になってしまいます。こちらもトラブルの可能性について事前に考慮し、専門家への事前相談がおすすめです。

万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵

万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵
万が一のときのための共済金だからこそ事前準備が鍵


万が一のときのための共済金ですが、加入時に「死亡共済金を受け取るときのこと」を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。なんとなく受取人を指定している、もしくは指定しないままにしているという方も多いのではないでしょうか。とはいえその「なんとなく」の決断が、万が一のときのトラブルにつながってしまう恐れもあります。

これから共済への加入を検討するなら、誰を受取人に指定するのか、しっかりと考えておきましょう。またすでに加入している場合は、現在の状況を確認するのがおすすめです。必要に応じて指定・変更しておけば、いざというときのトラブルも予防できるのではないでしょうか。

Category:
相続
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • 遺族厚生年金の受取人が知っておくべき「失権・支給停止」に関する基礎知識

    遺族厚生年金の受取人が知っておくべき「失

    一家の大黒柱として働いていた人が亡くなった際に、残された遺族の生活の支えとなるのが遺族厚生年金です。受給するためには一定の条件を満たす必要はあるものの、継続的に支給される年金に対して、「あって良かった」と感じる方は多いでしょう。しかし遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」もあります。いったいどのような条件で失権や支給停止になってしまうのか、受取人として知っておきたい基礎知識を紹介します。

  • 大切な人を想い、心に残る葬式の準備―終活の一環として考える

    大切な人を想い、心に残る葬式の準備―終活

    葬式は大切な人との別れを心に残る形で送るための重要なイベントです。終活の一環として葬式の準備を進めることで、愛する人への最後の贈り物をすることができます。本記事では、心に残る葬式のための準備について3つのポイントを解説します。大切な人を想い、心温まる葬儀を行うための準備を始めましょう。 1: 葬式の準備を進める前に考えること 葬式の準備を進める前に留意すべきポイントについて見ていきま

  • 未来への備えに役立つ現役世代のスマートな税金対策:3つの重要な手段

    未来への備えに役立つ現役世代のスマートな

    現役世代にとって、将来への備えはスマートな税金対策から始まります。節税や将来の不安を軽減するために、賢く税金を管理し、未来に向けた準備をしっかりと整えることが大切です。本記事では、現役世代が取り組むべきスマートな税金対策のポイントを解説します。未来を見据えた手段を踏むことで、安心して暮らすためのヒントをお届けします。 1: 税金対策の基本を理解する 将来に向けた税金対策を実践するため

  • 親が残す資産は事前に把握しておこう!知らない場合のリスクを解説

    親が残す資産は事前に把握しておこう!知ら

    子どもが生まれ、自身の生活基盤が整った際に、考えておきたいのが「親が残す資産」についてです。今すぐというわけではなくても、相続はいずれやってくる問題。そのときになって慌てないためには、事前の情報把握が重要です。親が残す資産を把握する方法や、知らない場合に考えられるリスクについて解説します。 親の資産がわからない人は意外と多い 親の資産がわからない人は意外と多い 自身の終活につい

  • 終活全般の相談先とメリット・デメリット

    終活するうえでの相談は誰に行えば良い?相

    終活するうえでの相談は誰に行えば良い?相談先を紹介 終活を行いたいと思っていても、どのように進めれば良いのか悩みがちです。そこで、誰かに相談したうえで進めたいと考えますが、実際にどのような相談先があるのかを知る必要があります。 そのうえで、相談先を明確にして相談したうえで進めることで確実に終活を進めることが可能です。 では、具体的にどのような相談先が存在するのでしょうか?この記事

  • 【終活】遺産とは?相続人に当たる人物や手続き方法などについて解説

    【終活】遺産とは?相続人に当たる人物や手

    【終活】遺産とは?相続人に当たる人物や手続き方法などについて解説 もし親戚や親、旦那さんや奥さんが亡くなったら遺産はどうなるのでしょう。相続人は誰になるのでしょうか。今回は、そんな難しい話をどんな方でもわかりやすいように解説していきます。 遺産とは 遺産とは 遺産とは、亡くなった人が所有していたすべての財産のことを言い、「相続財産」とも呼ぶ事もあります。財産といっ

コトダマのバナー