遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの期間は?注意点も解説

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遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの期間は?注意点も解説
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身近な人が亡くなった際に発生するのが「相続」です。何かと不安も多い時期。いつ遺産相続が終了するのか、また実際にお金を受け取れるまでにどの程度の時間がかかるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの期間の目安について解説します。見落としがちな注意点についてもまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

実際にお金が手に入るのは遺産相続手続き後

実際にお金が手に入るのは遺産相続手続き後
実際にお金が手に入るのは遺産相続手続き後

身近な人が亡くなり、相続が発生したとき、各種遺産を受け取るための手続きを遺産相続手続きと言います。遺産であるお金が相続人の手元に入ってくるのは、基本的に遺産相続手続きをすべて終えたあととなるでしょう。では遺産相続手続きは、どのように進められていくのでしょうか。基本的な流れは以下のとおりです。

1.相続人の調査と確定
2.相続財産の調査と確定
3.遺産分割協議と遺産分割協議書の作成
4.協議書をもとにした、遺産分割にかかわる各種手続き

遺産を相続するためには、誰が何をどの程度受け継ぐのかを決定しなければいけません。法定相続人が一人とは限りませんし、被相続人のみだけが知る相続人が存在している可能性も。誰に遺産を相続する権利があるのか、被相続人の戸籍をたどって調査する必要があります。
また相続する遺産についても、調査が必要です。被相続人がどういった財産を保有していて、何が相続対象に含まれるのか、こちらも幅広い調査が求められるでしょう。

こうして得られた情報をもとに、相続人同士が「誰が何をどの程度相続するのか?」を決定するのが遺産分割協議です。協議が難航すれば、その分手続きにかかる期間は長くなってしまうでしょう。全員が合意に至ったら、その内容を協議書にまとめます。

ここまで来たら、相続手続きはあと一歩です。協議書をもとに、具体的な手続きを進めていきましょう。被相続人の口座の解約やお金の分配、不動産の相続登記といった手続きが挙げられます。お金が入るのは、このあとのタイミングです。具体的な時期が気になるのも当然ですが、相続人や相続財産の調査、そして遺産分割協議がどの程度スムーズに運ぶのかによって、お金が入る時期も大きく変わってくるでしょう。

相続人や相続財産がシンプルな場合、相続発生後1~2ヶ月で実際にお金を手にできる可能性もあります。一方で遺産分割協議が難航し調停や裁判にまで発展してしまった場合、実際にお金が手に入るまで1年以上の時間がかかってしまう恐れもあるのです。

お金が手に入るまでの期間が比較的短いケースとは?

遺産相続がスタートしてから実際にお金が手に入るまでの時間は、それぞれのケースで異なるもの。比較的短期間で済むのは、「法的に有効な遺言書が残されているケース」です。

遺言書とは、故人が生前に「誰に何をどれだけ受け継いでもらいたいか」という意思を記した書類のこと。相続が発生した際に、法的に有効と認められる遺言書が残されていれば、そこに記された内容に沿って、相続手続きを進めていく流れになります。

遺言書を作成する段階で、相続人や遺産に関する調査はすでに終了しています。また遺言書があれば、わざわざ遺産分割協議を行う必要もありません。遺言書が公開されれば、その後の手続きを一気に進められるため、時間短縮にもつながるでしょう。

ただし残されていた遺言書が「自筆証書遺言」である場合、内容を確認する前に検認の手続きをする必要があります。自筆証書遺言とは、自宅にて一人で作成できる遺言形式のこと。検認は、遺言書の存在を相続人に知らせ、書類の偽造や変造を予防するための手続きです。
自宅から自筆証書遺言が発見されたら、まずは家庭裁判所に申し立てを行いましょう。検認手続きを経て、ようやく遺言の中身を確認できるようになります。

検認手続きにかかる期間は、申し立てから約1ヶ月です。残念ながらこの期間は、相続手続きを進められません。

ちなみに、残されていた遺言書が自筆証書遺言であっても、自宅ではなく法務局で保管されていた場合、検認手続きは不要となります。きちんとした場所で保管されていて、偽造や変造の恐れがないとわかっているためです。この場合は、自筆証書遺言であっても、スムーズに相続手続きを進めていけるでしょう。

手続きを終えたあと、実際に振り込まれるまでの期間と注意点

遺産分割協議を終え、遺産相続の具体的な手続きがスタートした際に、具体的にお金が振り込まれる時期は、金融機関によって異なります。早いところでは、手続きのあと、最短即日で振り込んでもらえるでしょう。手続きに時間がかかる場合でも、1ヶ月程度見ておけば大丈夫です。

「葬儀費用を賄うため」など、遺産相続手続きが終了するまで待っていられない場合には、「口座凍結前にATMにて預貯金を事前に引き出しておく」という方法があります。ただしこの場合、「遺産に勝手に手をつけた」と思われないよう、万全の準備を整えておく必要があるでしょう。具体的にいくら引き出し、葬儀にいくらかかったのか、あとから見てすぐにわかるようにしておいてください。

「葬儀費用のため」といった理由もなく「ただ単純に自分のために使ってしまった」という場合、そのお金に手をつけたことを理由に、「相続を単純承認した」とみなされてしまいます。遺産調査の結果マイナスの資産が発覚した場合でも、いったん単純承認した遺産の受け取りを拒否することはできません。負債もすべて受け入れなければならなくなるため、十分に注意しましょう。

「遺産相続手続きが長引いているため、先に現金を引き出したい」という場合には、金融機関に仮払いを請求するのがおすすめです。払い戻し可能額に一定の制限はあるものの、金融機関の窓口で直接手続きすれば、遺産のお金を引き出せるでしょう。何らかの事情で「実際に振り込まれるまでの期間が待てない…」という場合には、ぜひこちらの制度もチェックしてみてください。

遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの時間で不安を感じたら

遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの時間で不安を感じたら
遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの時間で不安を感じたら

遺産相続で実際にお金を受け取れるまでの期間について、不安を感じてしまうケースは決して少なくありません。実際にお金を手にできるのは、相続手続きが完了したあと。つまり、少しでも早くお金を手にするためには、相続手続きそのものをスムーズに進めていく必要があるのです。

遺言書が残されていない場合、相続人や相続財産の調査からスタートする必要があり、手間も時間もかかってしまうでしょう。相続問題に強い専門家を頼ることで、手続きをスムーズに進めやすくなるはずです。まずは一度、相談してみてはいかがでしょうか。

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大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

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