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死亡保険の種類とは?遺産相続を見据えた場合の注意点

死亡保険の種類とは?遺産相続を見据えた場合の注意点

死亡保険には、さまざまな種類があります。それぞれの違いや特徴を知った上で、自分に合ったタイプを選択しましょう。死亡保険に関する基礎知識と、遺産相続を見据えた場合に、考えておきたい注意点について解説します。ぜひチェックしてみてください。

死亡保険の種類とは?

死亡保険の種類とは?

死亡保険とは、被保険者に万が一のことがあった際に、残された家族や身近な人にお金を残せる保険を指します。被保険者が死亡した場合はもちろん、高度障害を抱えてしまった場合も対象になる保険が多く見られます。つまり、「自分が働けなくなったときでも、残された家族が生活に困らないように」との目的で加入するタイプの保険です。

そんな死亡保険には、大きくわけて4つの種類が存在しています。それぞれの特徴は以下のとおりです。

★1.定期保険

定期保険は、あらかじめ定められた一定期間内のみ、保障を受けられる死亡保険です。たとえば「10年」で定期型の死亡保険に加入した場合、保障を受けられるのはその期間のみ。その期間を1日でも過ぎれば、死亡保険金を受け取ることはできません。満期を迎えたからといって何らかの返戻金を受け取れるわけでもないため、「期間内に死亡しなかった場合、掛け捨てになる」というのが非常に大きな特徴です。

定期保険の魅力は、手ごろな掛け金で手厚い保障を用意できるという点です。その効果に期限はあるものの、「子どもの在学期間が終わるまで」「自身が定年退職するまで」と、ライフステージに合った保障を用意しやすい点もメリットと言えるでしょう。掛け金の負担が少ないため、その他のタイプと組み合わせて、充実した保障が必要な期間のみ賢く活用するケースも多く見られます。

★2.終身保険

終身保険は、被保険者が亡くなるまで、保障期間が継続するタイプを指します。人はいつか亡くなるもの。そうした意味では「保険を解約しない限り、いずれ確実に死亡保険金を受け取れる保険」と言えるでしょう。途中で解約すれば、返戻金も受け取れます。

定期保険よりも月々の掛け金負担は重くなりますが、掛け捨てにならない点が非常に大きなメリットと言えるでしょう。自身が死亡したときのための保険ではありますが、老後の生活を送る中で、保険を解約し返戻金を生活資金に充てるケースも目立ちます。「解約してもお金が戻る」という特性上、貯蓄性が高く、使い勝手の良い保険タイプです。「掛け金を支払うなら、無駄にしたくはない」と思う方に向いているでしょう。

★3.養老保険

養老保険は、定期保険と終身保険の良いところを組み合わせたような保険です。保障期間はあらかじめ定められているものの、その期間を終えたからといって、掛け捨てになるわけではありません。期間内に死亡した場合は死亡保険金が、生存したまま期間を終えた場合は満期保険金を受け取れます。

養老保険なら、「子どもの在学期間中に充実した保障を用意し、自身の老後資金を確保する」といった行動も可能です。将来を見越して、計画的な資金形成ができるでしょう。

★4.収入保障保険

収入保障保険は、被保険者に万が一のことがあった場合に、その収入を保障できるタイプの保険です。一家の大黒柱が亡くなった際に、月々の収入が減り、困る方は多いでしょう。その足りないお金を、年金形式で少しずつ受け取れるのが収入保障保険です。

収入保障保険は、亡くなるタイミングによって受け取る保険金額が違ってきます。まだ若いうちに被保険者が死亡すれば、残された家族が年金を受け取る期間は長くなります。必然的に、支給される保険金総額も大きくなるでしょう。保険期間が終わりに近づいて亡くなった場合は、受け取れる保険金額はごくわずかに。何事もなく保険期間を終えた場合、掛け捨てとなります。

必要な時期に必要な保障を、手ごろな掛け金で用意できるのが収入保障保険の魅力です。子どもが幼い家庭や、保険にかけるお金をできるだけ少ない方、残された家族の生活を守りたい方におすすめのタイプです。一方で、貯蓄性がない点がデメリットと言えるでしょう。

遺産相続対策に有効な種類とは?

死亡保険への加入は、相続対策にも有効です。なぜなら、死亡保険金には専用の非課税枠が用意されているから。「法定相続人の人数×500万円」までの金額であれば、相続税の負担なしで受け取れます。また受取人を事前に指定できるため、「特定の相続人にできるだけ多くの遺産を相続させたい」といった希望を叶えるためにも利用できます。

相続対策として死亡保険に加入するなら、終身保険を選択しましょう。一定期間が経過すると解約される定期保険や養老保険では、亡くなる時期によって、相続対策にならない可能性があります。確実に保険金を受け取れる終身保険なら、余計なリスクを減らせるでしょう。

終身型の死亡保険には「掛け金が高い」というデメリットがあるものの、相続財産を減らす目的で加入するなら、それほど気にならないはずです。いざというときの保障を用意しつつ、相続対策として活用してみてください。

遺産相続を考える上での注意点とは?

相続対策として死亡保険に加入する場合、注意しなければならないのが契約者と被保険者、受取人の関係性についてです。契約者とは保険契約を結ぶ人、被保険者とは保険契約の対象者のこと、そして受取人とは万が一の際に保険金を受け取る人を指します。誰がどの立場になるのかによって、保険金を受け取った際の税金の扱いが違ってくるのです。

相続対策として保険を活用するなら、契約者と被保険者を同一にして、受取人は相続人から選びましょう。この場合、保険契約によって支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として扱われます。受取人が相続人であれば、前述の非課税枠を利用できます。

たとえば、「夫」を被保険者とする死亡保険の契約者と受取人が「妻」の場合、受け取る保険金は所得税及び住民税の対象になります。同じく「夫」を被保険者とする死亡保険でも、契約者が「妻」、そして受取人が「子ども」の場合、贈与税の対象に。それぞれのパターンで、負担する税金額が大きく異なる可能性があります。

相続対策として死亡保険への加入を検討するなら、どのように契約するのがもっとも有利なのか、事前に専門家に相談してみるのもおすすめです。相続税の専門家である税理士に相談すれば、適切なアドバイスをもらえるのではないでしょうか。

死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう

死亡保険の種類や注意点を知って相続対策に役立てよう


相続対策としても有効な死亡保険。実はさまざまな種類があり、相続対策に向いていないタイプも存在しています。それぞれの特徴や加入時の注意点を知った上で、ぜひ適切に活用してみてください。

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