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遺産分割協議のやり方は?注意点や困ったときの相談先を紹介

遺産分割協議のやり方は?注意点や困ったときの相談先を紹介

遺産分割協議のやり方は?注意点や困ったときの相談先を紹介

被相続人が遺言書で遺産の分割方法を指定していなかった場合に、行われるのが遺産分割協議です。初めての相続手続きでは、具体的に何をどのように決めていけば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。
遺産分割協議に関する基礎知識から注意点、トラブルが発生した場合の相談先を紹介します。

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、被相続人が残した財産を、誰がどのように相続するのか決定するための話し合いのことです。遺産分割協議は相続人全員が参加して行われるもの。一部の相続人だけが協議を行っても、その内容は無効と判断されます。遺産分割協議は、相続人全員が同意して初めて成立するものです。

一般的に、遺産分割協議は法定相続分に基づいて行われます。ただし、相続人全員が納得しているのであれば、相続人の一部に偏った相続も可能です。

また被相続人が生前に遺言書を残していて、そこに遺産分割方法が指定されていた場合、遺産分割協議を行う必要はありません。遺言書の内容は、遺産分割協議よりも優先されるからです。

相続手続きがスタートしたら、まずは遺言書があるかどうかを確認しましょう。

・遺言書が法的に有効だと認められるか?
・遺言書にどのような内容が記されているのか?

これらの情報によって、遺産分割協議が必要かどうか判断できます。

遺産分割協議のやり方

遺産分割協議が必要であると認められた場合、具体的にどのように進めていけば良いのでしょうか。協議のやり方を、手順に沿って解説します。

★1.相続人を確定させる

遺産分割協議が必要とわかったら、まずは誰が相続人に当たるのか調査しましょう。先ほどもお伝えしたとおり、遺産分割協議には相続人全員の協力が必須です。誰が相続人になるのかわからないままでは、手続きを進められません。できるだけ早めに調査し、確定しましょう。

常に相続人になるのは亡くなった方の配偶者ですが、その他の相続人は以下の順位に従って決定されます。

第1順位 子ども(亡くなっている場合は孫)
第2順位 親(亡くなっている場合は祖父母)
第3順位 兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪)

相続人を確定させるためには、被相続人の出生から亡くなるまで、すべてが連なった戸籍謄本が必要です。「実は隠し子がいた」といったケースもあるため、慎重に調査してください。

★2.相続財産を確定させる

相続人がわかったら、次は相続財産を確定させます。亡くなった人が保有していたすべての財産を洗い出しましょう。

被相続人名義の不動産や預貯金はもちろん、現金や宝石類も相続財産に当てはまります。また被相続人が抱えていた負債も、相続財産の一種です。マイナスの財産も含めて、何が相続財産になるのかはっきりさせてください。

★3.遺産分割協議をスタートする

ここまでの調査が終わったら、いよいよ遺産分割協議をスタートします。相続人同士が集まって、調査結果を開示。誰が何を相続するのか、話し合ってみてください。法定相続分を参考にすると、協議を進めやすくなります。

相続人が遠方に住む場合には、ウェブ会議システムを活用しましょう。「なかなかみんなが集まる機会がないから…」と後回しにすると、相続税の申告期限に間に合わなくなってしまう可能性も。電話やメールなど、離れていてもコミュニケーションを取れるツールを活用するのもおすすめです。それぞれの希望を伝え合い、納得できる相続の形を決定しましょう。

★4.協議内容を遺産分割協議書にまとめる

遺産分割協議書は、遺産分割協議で決まった内容をまとめた書類です。誰が何をどのように相続するのか確定するための法的な書類で、「協議内容に相続人全員が納得している」という事実を示すための証拠としても扱われます。

遺産分割協議書は、不動産の相続登記や預貯金の払い戻しなど、各種相続手続きに必要な書類です。相続人の数が多い場合、複数枚を作成して相続人それぞれが保有するのも良いでしょう。遺産分割協議書は、一部の相続財産のみを対象に作成することも可能。不動産や車の名義変更など、急いで手続きしたい相続財産がある場合には、こちらを活用してみてください。

遺産分割協議書が作成できたら、遺産分割協議は終了です。具体的な相続手続きを進めていきましょう。

遺産分割協議の注意点と相談先は?

遺産分割協議は、相続人全員が出席して行われるもの。相続人が未成年の場合や認知症を患っている場合も、例外ではありません。

未成年である子どもが相続人になる場合、利益が相反する親は代理人になれません。相続人以外の保護者が遺産分割協議に参加する、家庭裁判所に申し立て特別代理人を任命してもらうといった工夫が必要です。相続人が認知症を患っていて意思能力が不十分である場合、家庭裁判所で成年後見人を立ててもらいましょう。手続きに時間がかかるため、できるだけ早く行動を開始するのがおすすめです。

また遺産分割協議では、「相続人同士の話がまとまらず、どこまで行っても平行線」といった事態も少なくありません。相続人全員が同意しなければ遺産分割協議は成立しませんから、相続人同士の関係が悪化する恐れもあるでしょう。

このような場合には、相続問題に強い弁護士に相談してみてください。専門家の立場で、法的知識をもとに相続割合についてアドバイスしてもらえます。相続人だけでは紛糾しがちな遺産分割協議も、第三者である専門家が間に立つことでスムーズに運ぶでしょう。

ちなみに、遺産分割協議に必要な相続人調査や相続財産調査は、弁護士以外の専門家にも依頼できます。登記の専門家である司法書士に相談すれば、遺産分割協議から不動産の相続登記までしっかりとサポートしてもらえるでしょう。相続税が発生する可能性が高い場合は、最初から税理士に相談するのがおすすめです。遺産分割協議の何で悩んでいるのか明らかにした上で、相談先を決定してみてください。

遺産分割協議の基本を知って話し合いを

遺産分割協議の基本を知って話し合いを

遺言が残されていない場合の遺産相続で、非常に重要なステップとなるのが遺産分割協議です。遺産分割協議にどのような意味合いがあるのかを知った上で、相続人同士の話し合いを進めていきましょう。相続人全員が納得して、初めて協議は成立します。

何らかの理由で遺産分割協議ができない、まったく話し合いが進まないといったトラブルが発生した場合、専門家に相談するのもおすすめです。専門家のサポートがあれば、相続人全員が納得できる道も見つけやすくなるはずです。遺産分割協議をスムーズに進めていくためにも、一つずつ準備に取り組んでみてください。

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