
終活の意識はしているものの、具体的にどうすればよいのか解らない方もいらっしゃると思います。 そうした方向けに本記事では、終活を意識し始めたら何をすればよいのか、具体例を出しながらお話しします。また、大切な人への終活におけるメッセージの用意の仕方やメッセージ手段の違いについてもご紹介しています。
あなたの人生・家族と向き合う機会は今!終活メッセージの準備

終活と聞くと遺産相続や遺言、葬式と言ったワードから、ネガティブなイメージを感じられる方も多いでしょう。しかし、寧ろ終活は人生のあり方や家族、大切なまわりの方との過ごし方を見直す機会で、とても積極的で前向きな活動です。
「何から始めたらよいか見当がつかない」、「どんなことをしたらよいか解らない」と迷われている方もご安心ください。今、閲覧されているスマートフォンやパソコンがあれば出来てしまいます。
終活の第一歩には、手続き不要で一人で始められる終活メッセージを作ることがよいです。パソコンやスマートフォンではなくても、紙とペンがあれば、または録画出来れば、終活メッセージは作成可能です。
いきなりメッセージを作れないという方は、次項でご紹介させていただくエンディングノートから始めるとよいでしょう。
エンディングノートとは
終活メッセージを手紙で今すぐ自然と書くよう言われてもなかなか難しいと思います。そこで、エンディングノートを埋めていくことからはじめましょう。
エンディングノートには主に次のような項目があります。
- 基本情報(氏名、生年月日、血液型、所在地、好きな食べ物、性格、趣味嗜好など)
- 財産や資産情報(預貯金、不動産、株式・投資信託、借入金、貸与金など)
- パスワード(口座やクレジットカードから各種SNSのID・パスワードなど)
- 周囲の情報(家族・親族・友人やペットについてなど)
- 医療・介護・葬儀などについて
- 自分史
- メッセージ(自分・家族・大切な人)
最初は書くことが難しい項目があると思います。それでも、氏名や生年月日、好きな食べ物といった書きやすい部分から書いていき、実際に終活を行いながら、思考を整理していきましょう。
また、エンディングノートにはさまざまな項目がありますが、実は次の3つの要素にすべて分けられます。
エンディングノートの要素①情報
エンディングノートでは、1つめの要素に「情報」があります。
ご紹介した通り、本人の氏名や生年月日・趣味・好きな食べ物・居住地・運転免許証番号・保険証番号と言った基本情報を書くのです。また、預貯金・借入金・家・車のローンといった資産にSNSアカウントのことまで書くことになっています。
このほか、信仰宗教とか、介護・葬儀・医療や家族・親族・友人関係・ペットについてまで幅広く情報を書くのです。
これは、本人が亡くなった場合、こうした情報がないと各種サービスの解約といった手続きも難しく、残された家族は大変な思いをするからです。そのため項目に割り当てられています。
こうした情報は次項以降でご紹介する本人の意思確認や、想いの部分に関わるため、非常に大切なものとなっています。
エンディングノートの要素②意思
2つめの要素として「意思」が挙げられます。
情報だけでは本人の意思を確認することが出来ません。例えば、SNSアカウントのIDやパスワードが情報として書かれていても、そのまま残して欲しいのか、死後削除して欲しいのかまではわかりません。
そのため、管理について死後どのようにするかなどの意思も、エンディングノートには記載する欄があります。
また、遺産分割方法についても法的効力はないものの、事前に記載しやすいこちら側でしておくことで、骨肉の争いを避けられるといったケースも考えられます。信仰宗教や葬儀について記載をしておくことで、大切な人の意思を尊重することが出来るのです。
こうした意思表示もエンディングノートの側面としてあります。
エンディングノートの要素③想い
3つめの要素として、「想い」が挙げられます。
それは、何気ない情報からも読み取れます。例えば、持ち主の好きな食べ物に、情報として卵焼きと書いてあったとします。
家族が読んだ時に、「お父さん、お母さんの作る卵焼きが大好きだったっけ」と懐かしい気持ちが思い起こされるといったこともあるでしょう。卵焼きが好きという言葉でも家族への立派なメッセージに成り得ます。
想いをありのままの手紙のようなメッセージとして書くことは、何ものにも代えがたい
大切な方にとって宝物になるはずです。
終活でメッセージを贈る準備が出来たら

最初はただ何となくエンディングノートで情報を埋めているといった感覚かもしれません。ですが、自分の生き方や家族、まわりの方々と向き合い、終活を始めていくと今まで見えなかったことが見えることもあると思います。
そして、大切な誰かに想いを届けたいと感じられた方もおられると思います。その想いは秘めなくても、今目の前の相手に届けてもよいのです。
そのうえで、メッセージも残しておきたいと思われた方もいるでしょう。
メッセージを送る方法は手紙だけではありません。色々な方法があります。手紙のほか、ビデオメッセージにして届ける方法や、終活メッセージサービスといったものを利用する方法があります。
次項では、メッセージを届けるこうした方法について具体的にご紹介していきます。
手紙を書こう
手紙は特別な機材がなくとも紙とペンがあれば、気兼ねなく一人そしてご自分のペースで落ち着いて書くことが出来ます。また、私たちが普段感じていること、思考というのは慌ただしい日常において、流してしまいがちで、書いて文字にしなければ意識することは難しいと存じます。
手紙は意識化にも有効な手段で、相手への素直なあなたの思いが表れやすいと考えられます。便せんや封筒の選択であなたらしさや相手への気持ちを表現することもでき、そのほか日本語ならではの美しい表現を文字で残すことができます。
例えば、冬を表す言葉というだけで、次のようなさまざまな言葉があります。
- 冬将軍(ふゆしょうぐん)
- 霜の声(しものこえ)
- 月冴ゆる(つきさゆる)
- 冬暁(ふゆあかつき)
- 冬化粧(ふゆげしょう)
- 冬紅葉(ふゆもみじ)
- 六花(ろっか)
- 不香の花(ふきょうのはな)
言葉で読み上げても美しいのですが、漢字だからこそ情景深く感じることもあるでしょう。手紙はこうした景色の共有があなたと大切な人との間でできます。
ビデオメッセージを撮ろう
前項では手紙の良さについてご紹介いたしましたが、動画を撮影してビデオメッセージを作る方法もあります。。
ビデオメッセージでは、音声データに本人の声が残るため、何時でも声を聴きたい時に聴くことが可能です。そのため、故人の声を聴きたくなった家族がビデオメッセージを聴くことで、落ち着くと言ったことも考えられます。
また、目が不自由な方や、事情があり文字を書くことが出来ない方も、ビデオメッセージでは言葉を残すことが可能です。ビデオメッセージにはこうした利便性があり、カジュアルなホームビデオ感覚で撮りやすいといったことも利点に挙げられます。
終活用メッセージサービスを利用しよう
終活といった活動が現在では一般的になってきたため、そうしたニーズに合わせたサービスも提供されるようになりました。
そのうちの一つに死後にメッセージを相手の方に送るといったサービスがあります。色々な形態があり、媒体は手紙・Email・WEB上などとさまざまです。
もしかすると、生前、遺書ではないと本人は考えていても、家族が手紙を見つけて大騒ぎになるといったことも有り得ます。
そのため、このようなトラブルを避けたい方は勿論、相手に届ける方法に迷われている方も、こういったサービスを利用するのも選択肢として考えられます。
まとめ:終活メッセージを準備して大切な人に届けよう

以上、終活でのメッセージについて下記のようなことをお伝えしてきました。
- 終活はあなたの生き方やまわりの人と向き合う、積極的で前向きな活動
- 終活メッセージを最初から作れないなら、エンディングノートを書く
- エンディングノートの項目は情報・意思・想いで出来ている
- 終活メッセージの手段は手紙・ビデオメッセージ・終活メッセージサービスがある
- 手紙は意識化に有効
- ビデオメッセージはカジュアルに作れる
- 終活メッセージサービスは色々な媒体・形態がある
終活とは大切な相手のためだけではなく、あなた自身のためでもあります。 まわりの方と向き合うことは勿論、自身の生き方を見直すことでよりよい人生を歩むことができます。家族やまわりの方は勿論、何より大切なあなたにメッセージを贈ってみませんか。