言い出せない!親と終活準備を始めるためのポイントを解説

投稿 更新
Category:
終活

contents section

言い出せない!親と終活準備を始めるためのポイントを解説
シェアボタン
この記事は約11分で読めます。

「親が終活を始めない」「このままだと親がいなくなったあとに困る」「できれば一緒に終活をしたい」このように終活について、お困りではないでしょうか?親がいつまで元気で過ごせるかは誰もわからないので、できれば元気なうちから終活をすすめてほしいのが、子どもの本音です。

今回は、親の終活を始めるためのポイントを紹介します。最後までみてもらうと、終活のキッカケやポイントが理解できますので、ぜひ参考にしてください。

親の終活は子どものため

終活は、残った家族に対して行なうもの。そして、 人生の最期にむけて考え準備することです。具体的には以下のような準備をします。

  • 荷物の整理
  • 財産の整理
  • 遺言書の作成
  • 自分の葬儀について
  • お墓について など

これらを整理し、残った遺族が困らないようにする目的があります。パートナーはもちろんですが、子どもを心配して準備する方も多い傾向です。準備しておかないと、思いがけない状況が訪れることも考えられるので、早めに終活をする必要があるでしょう。

例えば、以下のようなものが考えられます。

  • 突然倒れてしまってそのまま亡くなってしまう
  • 認知症の発症や進行により意思決定ができなくなる
  • 交通事故 など

このような突発的なことがあれば、子どもの負担は大きく、親の希望も確認できずに悩んでしまうかもしれません。そのためにも、終活準備でエンディングノートを作成しておけば、子どもの負担も軽くなるでしょう。

親が終活をしていない・してくれない場合は、自身のために、終活をすすめることも必要です。しかし、わかっていても、なかなか言い出せないものですよね。

体調が変わったときには終活をすすめやすい

なかなか言い出せず時間だけが過ぎてしまって、手遅れになってしまう場合もあるでしょう。突然「終活はどう考えてるの?」「早く終活して」といってしまうと、親も気分を害してしまうかもしれません。タイミングを見計らって、アプローチすることが大切です。

具体的なタイミングは以下の通りです。

  • 親の体調が崩れたとき
  • 親が怪我をしたとき
  • ご近所の方が倒れたとき
  • 救急車の音が聞こえたとき
  • 有名人の悲報

さまざまなタイミングがありますが、やはり親自身が体調を崩したときが一番のポイントかもしれません。

しかし、体調を崩したときや怪我をしたときは、親も精神的にしんどいタイミングかもしれません。話しやすいタイミングではありますが、親の気持ちも尊重するように気をつけましょう。

終活は親と子どもで考え方が違う

親と子どもでは、終活に対しての思いや考え方に差があります。老後に対してのアンケートから、親は「子どもに迷惑を掛けたくない」と思っている方が9割以上と結果が出ています。

親は、基本的に子どもに迷惑はかけたくないものです。また、親の終活についてのアンケートでは「親から相談されても迷惑と感じない」と答えた子どもの割合は約9割でした。そのため、親は子どもに相談することで、終活を円滑に始められる場合も多いと考えられます。しかし、親も子どもには言い出しにくい気持ちがあることを忘れないようにしましょう。

親と子で、終活と聞いて取り組みたいと考える内容に違いがあります。内容は、以下の通りです。

順位子ども
1持ち物の整理介護
2思い出作りお葬式
3旅行終末医療
4財産の整理持ち物の整理
5エンディングノート作成財産の整理
終活と聞いて取り組みたいと考える内容

子どもの方が、現実的な内容が多く、心理的なズレが生まれているのがわかります。

親から終活の相談をしてほしい

子どもは、親の終活を考えているものの、なかなか言い出せない場合も多いです。そのため、親から相談してほしいと考えている傾向にあります。しかし、親は「終活を相談したいけど、子どもには迷惑に感じられるのではないか?」と考えている状況もあるでしょう。

お互いが遠慮しているような状況もあるので、キッカケを作っていく必要があります。親が終活しないと困るのは子ども世代が多いので、将来的に自分自身が困ることになります。

ただし、親のやりたい終活方法もあるので、子どもは「自分の知りたい内容」だけでなく、親の尊重も忘れてはいけません。ランキングにあるように「思い出よりの整理」から始めるのもよいでしょう。

まずは、自分の意思で気持ちよくスタートできることがなによりも大切だと考えられます。

次からは、終活の話をスムーズに切り出せるポイントをみていきましょう。

終活は子どもから親へ

終活は子どもから親へ
終活は子どもから親へ

まずは、終活につながりそうな話題を振っていくとよいでしょう。親からの相談を待っているだけでは、なかなか終活はすすまないことが多いです。話のキッカケがあれば、そこからはスムーズに進む場合もあるので、まずは話題や情報を集めなければいけません。

例えば、以下のような話題提供方法があります。

  • ほかの人の事例を出す
  • 一緒に終活をする

一つずつ詳しく説明していきます。

ほかの人の事例を出す

親戚やご近所さんや有名人などの終活話があれば、切り出しやすいのではないでしょうか?終活の末「どんな効果があったのか」「遺族が助かった」など、遺族の体験談までわかれば、親も終活に興味が出てくるかもしれません。

有名人の場合、話題性があるのでネットなどで調べれば、すぐに情報が収集できます。影響力も強いため、勧めるにあたって効果は高いと考えられます。また、芸能ネタなので、話のキッカケにしやすいでしょう。

一緒に終活する

「自分も終活をしている」や「自分もするから一緒にしない?」のように、親に終活をすすめるだけでなく、自分も興味があることを伝えてみましょう。一緒にやる姿勢をみせれば、親の気持ちが変わるかもしれません。

一緒に始める場合は、終活ノートがよいでしょう。次からは終活ノートについて紹介していきます。

親子で終活(エンディング)ノートを作成する

終活ノートは、書き方や作り方などが、一切なくルールも自由に設定できるノートです。法的な効力はありませんが、故人の意思や気持ちを、遺族に届ける点では大きな役割があります。

例えば、日記のように作成するのもよいでしょう。親子で日記を作成し、思ったことや気づいたことを書いていくと、そのまま終活ノートになっていきます。親はもちろん、自分自身の終活ノートもできていくのが嬉しいポイントといえます。

作成をはじめたら、作成していることや保管場所を親から聞いておきましょう。せっかく作成しても、亡くなってから見つけられなくては意味がありません。秘密を共有する感覚も生まれ、信頼関係の構築につながる可能性も期待できます。

言い出しにくい終活ですが、一緒に日記を書くイメージだと、おすすめしやすいので、終活をスタートするキッカケになるのではないでしょうか?

まとめ:親と一緒に早めに終活をはじめよう

親と一緒に早めに終活をはじめよう
親と一緒に早めに終活をはじめよう

終活を始めるのに早すぎることはなく、早ければ早いほどよいと考えられます。いつ何が起こるかは誰にもわからないので、早くから取り組み安心したいのが子どもの心情でしょう。

しかし、親に終活の話を切り出すには、大きな負担を感じる方もいると思われます。そのため、今回紹介した終活ノートを一緒に作成する方法で、まずはキッカケを作ってはいかがでしょうか?

親は子どもに気をつかうものです。いつまでも受け身ではことは進まないでしょう。子ども側からのアプローチを期待している親もいるので、無理強いにならないように取り組んでみましょう。 今回の内容が、終活の参考になれば幸いです。

Category:
終活
シェアボタン

この記事を書いた人

writer

profile img

大嶋 晃

司法書士 プロフィール 福島県白河市生まれ。 旅行会社勤務の後、2012年司法書士試験合格、2014年に独立開業。 東京司法書士会千代田支部所属。 身近な街の法律家として親切丁寧な対応を心掛け、幅広い相続案件に取り組む。 不動産名義変更相談窓口「https://www.meigihenkou-soudan.jp/

related post

関連記事

  • 子供がいない夫婦の相続トラブル…配偶者を守るための事前準備とは?

    子供がいない夫婦の相続トラブル…配偶者を

    子供がいない夫婦の場合、将来の相続トラブルをイメージするのは難しいかもしれません。「残された方がすべて受け継ぐだけ」と思っている方も多いのではないでしょうか? しかし実際には、子供がいない夫婦にとっても、相続トラブルは他人事ではありません。その理由と、トラブルを予防するためのポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。 子供がいない夫婦にも相続トラブルが発生する理由

  • 遺産相続と財産分与の違いは?離婚する際の相続財産の扱い方

    遺産相続と財産分与の違いは?離婚する際の

    遺産相続について考え始めた際に、気になるのが「財産分与」との違いについてです。どちらも大切な「財産」に関わる行動ですから、適切な知識を身につけておきましょう。 今回は、知っているようで知らない遺産相続と財産分与の違いについて、離婚と遺産相続の関係性などを詳しく解説します。気になる情報をチェックしてみてください。 遺産相続と財産分与の違いとは? 遺産相続と財産分与は、似ている言葉

  • 【夫婦】財産分与とは何か?遺産分割との違いも含めて詳しく解説

    【夫婦】財産分与とは何か?遺産分割との違

    【夫婦】財産分与とは何か?遺産分割との違いも含めて詳しく解説 財産分与とは何でしょうか。単語は知っているけど、「遺産分割」と「財産分与」の違いを知らない方は多くいるのではないでしょうか。今回はそんな難しいけど問題なく解決したい財産分与について解説していきます。 財産分与と遺産分割の違いとは 財産分与と遺産分割の違いとは これまで「遺産」や「財産」などに関わる機会が

  • 終活準備はいつから始めるのがベター?進め方のコツを紹介

    終活準備はいつから始めるのがベター?進め

    終活準備はいつから始めるのがベター?進め方のコツを紹介 終活を行いたいと思っていても、どのタイミングで行えばよいのか悩みがちです。また、具体的にどのようなことを行うと残された家族にとってメリットをもたらすのかも気になるものです。 では、実際に終活準備はどのタイミングで行うのがベターなのでしょうか?この記事では、終活を行うタイミングや、具体的な進め方について紹介します。 終活

  • 遺言作成の基礎知識…3つの形式とメリット・デメリットは?

    遺言作成の基礎知識…3つの形式とメリット

    遺言を正しく残すためには、まず基本的な知識を身につけておく必要があるでしょう。ひと言で「遺言」と言っても、実はその形式は3つに分かれます。形式が変われば、遺言を残すための手順も違ってきますから、十分に注意してください。 遺言の3つの形式と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。終活の一環として、これから遺言を残そうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。 遺言の形式1「自

  • 会社を円滑に相続するためには?必要な手続きや注意点を解説

    会社を円滑に相続するためには?必要な手続

    会社を円滑に相続するためには?必要な手続きや注意点を解説(イメージ) 会社の相続をまず何から準備すべきかと迷っていませんか。この記事では、会社を相続するうえでの手順や注意点について詳しく解説しています。 失敗せずに相続するためには、まず何を準備すべきかわかりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。 会社の相続とは 会社の相続とは 親が経営している会社を子ども

コトダマのバナー